「Nintendo Developer discussion」を開催

「Nintendo Land」のや「スーパーマリオブラザーズU」の新たな遊び方が明らかに


6月6日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 Nintendo of Americaは6月5日(現地時間)、E3会場であるLos Angeles Convention Centerのミーティングルームで「Nintendo Developer discussion」が開催された。

 このカンファレンスではWii Uのソフトウェアプロデューサーの江口勝也氏と、「マリオ」シリーズなどのプロデューサーである手塚卓志氏が壇上に登場し、「Nintendo Land」や「NEW スーパーマリオブラザーズ U」についてのプレゼンテーションを行なった。

 午前中に行なわれた「Nintendo All-Access Presentation @ E3 2012」では発表されなかった新情報も明らかになったので、その点を中心にお伝えしていきたい。



■ 「Nintendo Land」の新情報が発表。「Nintendo Land」の本気度を感じて欲しい

黒の「Wii U GamePad」を持って登場した、Wii Uのソフトウェアプロデューサーの江口勝也氏

 別項で紹介しているが、「Nintendo Land」は任天堂フランチャイズの各タイトルのアトラクション(ゲーム)を集めたタイトルで、「Wii U GamePad」を使った非対称のゲームプレイが特徴的なタイトルだ。非対称というのは全てのプレーヤーが同じ役割ではなく、追う者と追われる者にわかれるといった様に、同じゲームをプレイしながら別の目的を持ってプレイすることを表している。

 午前中のカンファレンスでは前12種類のアトラクションのうち2つが紹介されたが、今回は更に3種類のアトラクションが紹介された。

 1つが江口氏のお気に入りであるという「Animal Crossing: Sweet Day」というアトラクションだ。「Animal Crossing」は「どうぶつの森」の英語名で、Wiiリモコンを持ってプレイするプレーヤーは、住人となってマップ上のキャンディを集めて、「Wii U GamePad」を持つユーザはキャンディを集めているプレーヤーを捕まえるというアトラクションになっている。このアトラクションはE3でも展示されており、試遊したユーザーは非常に盛り上がっていたという。

 2つ目が「Donkey Kong Crash Course」というアトラクションで、「Wii U GamePad」を傾けてカートを動かし、無事にゴールまで誘導するという内容になっている。慎重に操作するところもあれば、思い切って一気に操作しないと攻略できない部分があり、「一見簡単そうに見えるが非常にやり応えがあるタイトルです」と江口氏は紹介し、「Wii Uの開発者の中にはいわゆる『ゲーマー』と呼ばれる人が沢山居ますが、彼らはこのアトラクションが『Nintendo Land』で1番凄いゲームとも言われているんです」と苦笑いしながら話した。

 最後に紹介されたアトラクションが「The Legend of Zelda Battle Quest」だ。Wii リモコンを持っているプレーヤーは剣を、「Wii U GamePad」を持っているプレーヤーは弓を持ち、協力しながら出現する敵を倒して先に巣寸テイクという内容だ。このアトラクションはマルチプレイと紹介されているが、実は「Wii U GamePad」を持ったプレーヤー1人でも進めることができるという。普通なら複数人でプレイするところを1人でプレイするともちろん難易度は上がるのだが、1人でプレイするときはある程度仕掛けや難易度を調整したコースを作成するという。しかしマルチプレイに比べてステージ数が減るということはなく、ボリュームはたっぷり用意されるという。

 なお「The Legend of Zelda Battle Quest」以外のマルチプレイと紹介されているタイトルにも1人用のモードが用意される。それだけでなく1つのアトラクションの中に「協力」、「対戦」、「冒険」の様にバラバラのモードがあるアトラクションもあるという。

 ここで江口氏は「『Nintendo Land』は『はじめてのWii』の様にシンプルなゲームが集まっているわけではありません」と話し、「タイトルに『Nintendo』という会社の名前を入れるくらい本気です」と説明した。それだけだけではなくフランチャイズの元になったタイトルをプレイしたことがないユーザに興味を持って欲しいという目的もあって、アトラクションの名前を設定したと明かした。

 その後「Nintendo Land」の広場のデモプレイを披露した。広場の中心にはランドを象徴する大きなタワーがそびえ立っており、周辺には多くのMiiがぞろぞろと歩いている。このMii達は家族や友達のMiiの他に世界中の「Nintendo Land」のプレーヤーのMiiだという。「Nintendo Land」でのMiiverseはこの広場として実装しているという。

 歩いているMiiをタッチして話しかけると、どこの国のプレーヤーだとか、どんなゲームをプレイしているか、「コイン」を何枚くらい持っているかなど、どれくらい「Nintendo Land」をプレイしているか教えてくれるという。

 Miiverseは「Nintendo Land」だけではないが、同じゲームをプレイする人が簡単にフレンドになれる仕組みを作りたかった。江口氏は「どうぶつの森」シリーズのプロデューサーも務めているが、同シリーズでは「フレンドが居なくて100%楽しめない」という意見があったといい、簡単にフレンドを作れる仕組みが作りたかったというのだ。「Miiverse」ではそれが可能な仕組みができているという。

 広場には様々なオブジェクトが置いてあるが、最初から置いてあるわけではない。プレーヤーが「Nintendo Land」で遊ぶと様々な形で「コイン」が入手でき、そのコインを使いミニゲームをするともらえるという仕組みだ。「コイン」はアトラクションをプレイしたり、特定のミッションを達成するともらえる。様々な要素で頑張らないと沢山のオブジェクトは入手できないという。

 オブジェクトの中には「Nintendo Land」に関係のないオブジェクトはありませんといった直後、デモでは「F-zero」シリーズの機体が設置されていることが確認できた。

 その後「まだ開発中なので、これからもっとチューニングされますが……」という前置きの後、「F-zero」風のレースアトラクションが公開された。このアトラクションを入れても明らかになっているアトラクションは6個。他にどんなアトラクションが登場するのか、続報を待ちたい。


左からそれぞれ「Animal Crossing: Sweet Day」、「Donkey Kong Crash Course」、「The Legend of Zelda Battle Quest」のスクリーンショット
広場のデモンストレーションの様子
初公開となった「F-zero」風のレースゲームのスクリーンショット


■ 遊び方は人それぞれの新モード「ブーストモード」が発表された「スーパーマリオブラザーズU」

「マリオ」シリーズなどのプロデューサーである手塚卓志氏

 「Miiverseの事をわかってもらうには『スーパーマリオブラザーズU』についても紹介しないと……」ということで手塚卓志氏が登場し、「スーパーマリオブラザーズU」でのWiiverseの使い方を紹介した。なおこの項目については「Nintendo All-Access Presentation @ E3 2012」のレポートで紹介しているので、そちらを参照して欲しい。

 新たに明らかになった新情報は「ブーストモード」だ。これはマルチプレイのモードで、「Wii U GamePad」を持っているプレイヤーが画面にタッチすると、足場が現れ、プレイヤーをサポートしていくという遊び方ができる。

 手塚氏はこのモードを「餅つき」に例え、「餅つきは2人が別々の動きをしますが、美味しいお餅を食べられるかどうかは2人の相性次第です」と説明していた。

 このモードはステージのクリアの補助をするだけでなく、例えばどれだけ早くステージをクリアできるかというタイムアタックに使ったり、逆に他のプレーヤーの邪魔をしたりと様々な遊び方ができるという。実際にデモプレイでも高いところに行くための足場にするためのブロックを出したところ、マリオの進行が遮られ落下するシーンがあり、観客からは笑いが起きていた。

足場を置いてダメージを受けなくしたり、ジャンプが届かない高いところへ行ける江口氏と手塚氏によルデモンストレーションプレイがが行なわれた


■ Wii Uのターゲット層は?気になる質問に江口氏が回答する質疑応答

最後に質疑応答が行なわれたので、内容をまとめていく。

Q:「Nintendo Land」を同梱したWii Uは発売される?

江口氏:今のところ正直なんとも言えません。ただ、「Nintedo Land」とWii Uの関係を考えると……。しかしながらWiiの時のようにアメリカと日本で状況が違う可能性もあります。

Q: Miiverseでネタバレの発言を制限する機能があるとおっしゃっていましたが、他の不適切な言葉なども制限されるんですか?

江口氏:人を怖がらせたり、犯罪に繋がるような発言があると、怖い場所になってしまいます。安心してコミュニケーションを取るために、ちゃんと仕組みを作る予定です。

Q: Wii Uのターゲット層はWiiと同じですか?

江口氏:Wiiのターゲット層は5歳から95歳までだったので、「はい」と言いたいところです。ただそれを更にパワーアップしたモノです、と付け加えておきます。あまりゲームをしない人をターゲットにして、いわゆるゲーマーはターゲットではないと思われがちですが、そんな事はありません。

Q:Wii U1台につき2台の「Wii U GamePad」が対応することが発表されましたが、2台同時に使うとパフォーマンスに影響は出ないんですか?

江口氏:負担が大きくなることは間違いないです。ただ全ての画面に60FPSの高画質動画を流すことがゲームとして面白いわけではありません。ゲームデザインをする上で、テレビを含めた3つの画面を使うかが重要になってくると思います。もし全てのスクリーンに高画質動画を表示しようとすると、ハードウェアが高くなりみんなが買える物ではなくなってしまいます。その点などを考慮してこの仕様になりました。

Q:WiiからWii Uにバーチャルコンソールやセーブデータの移動はできるんですか?

江口氏:今できるように準備を進めています。

Q:NFC(非接触型のICチップのリーダー・ライター)機能をどの様に活用する予定ですか?

江口氏:今発表すると驚いてもらえないので、何も言えません(笑)。1つ言えるのは使って楽しいものを搭載します。ゲーム以外の用途もあるかもしれません。

(2012年 6月 8日)

[Reported by 八橋亜機]