WIN「The Tower of AION」最新アップデート体験レポート
2つの新ダンジョンとボスをたっぷりのSSで紹介!


5月31日 アップデート実施予定


 エヌ・シー・ジャパン株式会社は、Windows用MMORPG「The Tower of AION(タワー オブ アイオン)」のアップデート「Episode 2.5 光のさす場所へ」を5月31日に実装する。このアップデートではグラフィックスエンジンの強化により、グラフィックスの品質が大幅に向上する。ほかにも2つのインスタンスダンションや新ペット、高レベルのプレーヤーがレベルの低いプレーヤーを手伝える「助っ人」パーティーなどが実装される。

 以前に1度、おもにビジュアル面での変化について韓国版でのプレイレポートをお届けしたが、実装を間近に控えた今回は日本版で、新インスタンスダンジョンなど新規コンテンツを詳しく紹介していきたい。


どこかで見たような技を繰り出しているのは、新インスタンスダンジョンのボス「スラマ」。今までにない格闘家タイプの龍族だ



■ グラフィックスがリニューアル。キャラ選択も幅も増えてさらに多彩な世界に

 「Episode 2.5 光のさす場所へ」ではグラフィックスエンジンが改良され、風景がより鮮やかになる高級グラフィックスオプションが選択できるようになる。一般と高級の切り替えは環境設定で選ぶだけだが、適用させるにはクライアントを再起動させなければならない。

 高級グラフィックスエンジンが導入されることで、プレイするための必要・推奨環境が、以前よりも少し高くなる。詳しくは下の表を参照してほしい。赤字の部分が変更になった箇所だ。本作はもともと美麗なグラフィックスの割には低いスペックで遊べることが大きな魅力だったが、ハイスペックマシンの性能を遺憾なく発揮したいというコアなユーザーも満足できる嬉しい改良と言えるだろう。一般の設定の場合は、動作環境はほぼ変わらない。

 なお、今回紹介しているスクリーンショットは、マシンのスペックの関係で一般グラフィックスエンジンの設定を使っている。だが、こちらのモードでも場所によって少しライトが変わっていたり、テクスチャの色味が鮮やかになっているため、今までよりも鮮やかになった色彩や目新しい風景を見つけることがあるだろう。

 この変更に合わせて、これまで少し薄暗くなる程度の差しかなかった昼と夜が、光源の演出などでより明確に差別化される。特に魔界は今までの夕暮れのような空が青空に変わるので、大きな変化を実感できるだろう。


【新しい動作環境】
上が従来の一般グラフィックスの動作環境、下が高級グラフィックスエンジンを使うための動作環境だ

 キャラクターメイキングの幅も大きく広がる。アニメ調にデフォルメした顔や頭身が選べるようになり、これまで作るのが難しかった子供っぽいキャラクターを作りやすくなる。老人顔や新しい髪形も追加され、基本の表情も寄り目や笑顔など数種類から選べるようなる。ちなみに韓国では子供体系の寄り目キャラが人気なのだそうだ。

 基本モーションには、新たに「空中浮遊」と「刺客」モーションが追加された。「空中浮遊」は足からジェットを噴き出して空中に浮かぶロボットのようなモーションで、「刺客」はシャドウウィングにぴったりの忍者風モーション。これらのモーションは「待機」、「走る」、「ジャンプ」、「休息」の4種類に分かれていて、種類ごとに設定できる。


【ビジュアルの比較】
一般グラフィックスエンジン高級グラフィックスエンジンの昼高級グラフィックスエンジンの夜


キャラクターの髪型や顔のバリエーションも新しく追加され、デフォルメのきいたキャラクターが作れるようになる



■ 激しい訓練を生き残れるか? ステージクリア式ダンジョン「第1 テンペル訓練所」

 「第1 テンペル訓練所」は、ディーヴァに戦闘テクニックを教えるために神が作った教育機関。神様が作っただけに、今までにはなかったステージクリア方式の不思議な構造を持つダンジョンだ。ステージはすべて円形の闘技場になっており、次々と現われる敵を倒していくと、撃破した数に応じてポイントが貯まっていく。このポイントに応じてもらえる「テンペルの記章」は、新グラフィックスの「外出着」や、神聖付与ができる新しい武器や防具、ペットなどの各種アイテムと交換できる。

 入場はそれぞれの首都にある移動用の石像か、龍界の要塞にいる「テンペル訓練所移動士」から。入場クエストはなくレベル50以上であれば誰でも入場できる。再入場時間は20時間だ。移動した先はロビーになっていて、ダンジョンで稼いだポイントをアイテムと交換してくれるNPCなどがいる。


【第1 テンペル訓練所】
上が天族、下が魔族の待機場所。構造や施設は基本的に同じだ

 第1ステージはウォーミングアップ的なもので、敵をすべて倒すと敗者復活券を6枚くれる。「第1 テンペル訓練所」では敵に倒されてしまうと、場外に連れ出されてしまう。戦場に復帰するにはこの券が必要だ。1人が1枚ずつ持つのか、それとも死にやすいクラスのプレーヤーが複数枚を持つか、そのあたりの作戦が重要になる。

 ちなみに、筆者は最初のステージでSSを撮っている時うっかり倒されてしまったのだが、券を持たずに場外に出てしまったため、その後はずっと見学になってしまった。これを読む人たちは慌てて場外に出ないよう気をつけて欲しい。

 訓練段階は全部で10ステージ。各ステージは5段階に分かれている。1~3ステージまではウォーミングアップといった感じでそれほど強い敵は出てこない。特に作戦を立てなくても50以上であれば軽く撃破できるだろう。しかしステージ4あたりから手ごたえが出てくる。

 ステージ4ではエリート龍族が次々に出現してくる。龍族の出現位置は1カ所ではなく、円形のステージ周辺部のあちこちから出現するため、後衛が絡まれやすい。この辺りは同社の社内テストでも倒すのに苦戦したらしい。5回戦に出てくるボスはドラウプニル洞窟のボス、軍団長ヴォカルマだ。このステージをクリアするとワープゲートが出現し、そこからドレイキがどんどん沸いてくる。このドレイキを倒すとアビスポイントが報酬として手に入る。

 ステージ5は海に沈みかけたスティール・クロウ号が戦いの舞台となる。出てくる敵はシュラク族かレパル団のどちらか。筆者の時にはレパル団が現われた。次のステージ6は海の底で、現われるのはすべてアンデッド系のモンスターだ。ボスにはアドマ城塞の主ランマルクと同じ外見の「エキュタトス 幽霊戦士」が出現する。


【ステージ1】
5種類のクラスのキャラクターが順番に出てくる。1人でも倒せる程度の強さだが油断は禁物だ
【ステージ2】
今回は天族側で体験したので、天族にはおなじみの部族が現われた。報酬は巨大ニンジンを倒すと出てくる魔石入りの袋
【ステージ3】
4種類の精霊が次々に現われるステージ。最後に出てくる「管理者 アルノミス」に話すと、報酬を落とす敵との「報酬訓練」が始まる
【ステージ4】
空に浮かんだステージで、次々と降ってくる龍族と戦う忙しいステージ。報酬は走りまわるドレイキを倒すともらえるアビスポイント
【ステージ5】
破壊されたスティール・クロウ号の甲板がステージ。スティール・クロウ号の乗組員かレパル団のどちらかが出現する
【ステージ6】
薄暗い海底でアンデッド系のモンスターと戦う。最後の敵はランマルク似の幽霊戦士

 ステージ7からは5回戦すべてでボス並みの強さを持つ敵が出てくるようになる。ステージ7では首都にいる4人のスキルマスターと、スティグマ名人が相手だ。さすがマスターを名乗るだけあって、それぞれ単体で現われる割に、かなり手ごわい相手だ。今度から首都で会った時に見る目が変わりそうだ。

 ステージ8はいわゆるボスラッシュ。クロメデ、クイーン アールキナ、ブラック ハート ラスベルグ、RM-138cなど天界、魔界のボスキャラクターが次々に現われる。人気のあるクロメデ、レアボスのRM-138c、魔族は戦うことができないブラック ハート ラスベルグなど、既存のボスではあるが、名前は知っていたが戦うのはこれが初めてとなる人も多いのではないだろうか。ちなみにここに出てくるボスはすべて、神様が作った訓練用のものなので、ユニークなどのドロップアイテムは残念ながら落とさない。


【ステージ7】
首都でスキルブックをくれる4人のマスターが次々に襲いかかってくる。ボスのスティグマ名人はかなりの強敵
【ステージ8】
おなじみのボスと連戦するボスラッシュステージ。5人目の「パーフェクト ヘレナ」だけはここが初登場

 ステージ9は巨大ボスラッシュ。キング ズーゴックやキング コンシアドなど身体の大きなボスが揃っている。特に迫力があるのが3回戦に出てくるフィア タクンとプレデター カクナ。大きな恐竜型のボスと巨大猿が同時に襲ってくる。迫力の点では、ボスのアグレッシブ カマラ以上だった。

 いよいよ最後のステージ10は「暗黒のポエタ」のボスステージの地形。入るなり現われるタハバタに驚かされる。しかしこれは演出で、タハバタの出番はもう少し後ろ。まずは暗黒のポエタで登場するナーガ系の龍族による猛攻に耐えて生き残らなければならない。複数の敵がかなりのハイペースで出現してくるので、取材用に特別強化されたキャラクターですらあっという間に倒されてしまう。3回戦までの猛攻をしのぐと4回戦にタハバタが出てくる。

 タハバタを倒すと、それまでいたステージが謎の空間に変わり、ついに「第1 テンペル訓練所」のボス「空間の支配者 バンク」が現われる。バンクは六本足のケンタウロス姿の巨大なボス。こちらもかなりの強敵だが、倒した後には派手なやられアクションでクライマックスをドラマティックに盛り上げてくれる。

 報酬でもらえる見た目装備は、ドレスからカジュアルまでかなりの数がある。お洒落が好きな人にはいい目標になりそうだ。


【ステージ9】
巨大なボスばかり集めたド迫力のステージ。プレーヤーが全滅すると、恐竜とゴリラの一騎討ちが見られる
【ステージ10】
暗黒のポエタの敵による最終ステージ。4回戦にはタハバタ、5回戦には6本足のケンタウルス「空間の支配者 バンク」と最終面らしい強敵ぞろいだ

【報酬で交換してもらえるドレス】
「テンペル記章」で交換してもらえるドレス。ドレッシーなものからカジュアルまで各種揃っている



■ 龍族の陰謀渦巻く「アラカ」。待ち受けるのは格闘家風のボス「スラマ」

 もう1つのインスタンスダンジョン「アラカ」は、冒険心や探検心を満足させてくれるストーリー仕立てのダンジョンだ。アラカ農場は龍帝ティアマトの重要な拠点だが、管理所長のスラマは自分が龍帝になるという野望を抱いている。プレーヤーたちディーヴァは、ティアマト軍にダメージを与えるとともに、スラマの陰謀を阻止すべく、アラカ農場へ潜入する。

 ダンジョンへ入るには、パシュマンディル寺院と同様に龍界にある拠点を2つとも占拠しなければならない。入場可能レベルは50以上で、再入場の待機時間は22時間だ。

 このダンジョン最大の特徴は今までにないボスキャラクターだろう。まずはボスまでの道のりを簡単に説明したい。今回のダンジョンにも錬族が深く関わっている。龍族のダンジョンだが、出てくるのは高位ドラカンと呼ばれる人間に似た種族。ロボットが守る研究所は今までの龍族ダンジョンとはかなり雰囲気が違う。

 ダンジョンは、研究所までの道筋、ドラナ生産研究所の中、アラカ搭乗口の3つに分けられる。アラカ農場までは左右に敵のいる細い山道が続く。研究所へは跳ね橋がかかっているが、プレーヤーが近づくと橋が上がってしまう。仕方なく、錬族に協力してもらって別の入口から入ることになる。


入り口にいる錬族がクエストや情報をくれる。風の道を通ってたどり着いた場所から戦闘開始だ
研究所までは両側に敵がいる細い道が続く
ネームドモンスター「ブラック アース ダリア」。周囲に雷を落とすような範囲攻撃に注意

 研究所はエリアごとにドアで仕切られている。エリアに入ると次のドアを開ける条件が提示されるので、その条件をクリアしつつ先へ進む。ネームドモンスターはボス以外に2体。途中の道筋にいる巨樹のモンスター「ブラック アース ダリア」は、HPが減ると精霊を召喚して、その精霊を吸収することでHPを回復する。あちこちから近づいてくる精霊を止めないとどんどん回復されてしまうので、そのあたりの役割分担が攻略のポイントだ。

 もう1人のネームドモンスター「警備隊長 ムルガン」は、手にした弓で攻撃してくる。この2体とは別に、ボスと同じ場所にいる副ボス「実験中のナルハ」がいる。このナルハを倒せば、真のボス「管理所長 スラマ」が現われる。これまでのアップデートではタハバタ、ルドラと巨大なドラゴンの敵が続いていたが、今回のスラマは人間型で、サイズもそれほど大きくない。着ているものは、なんとなく某ゲームのキャラクターを思わせる格闘家風の装いだ。

 攻撃もローキックやテコンドーのネリチャギ、そして某格闘ゲーム風のエネルギー波攻撃と肉弾戦がメイン。素早く位置を移動しながら、ターゲットに多弾ヒットの打撃を加えてくる攻撃もある。HPが減った時にどんな攻撃を仕掛けてくるかは、ぜひ実際に戦って、その目で確認して欲しい。


研究所の中は広い空間になっている。指定された敵をすべて倒すとドアが開く
ネームドモンスター「警備隊長 ムルガン」を倒すと、生体実験が行なわれている部屋に入れる
エレベーター横の門番を倒して、下で待ちうける「実験中のナルハ」まで滑空する。ナルハを倒すとカットシーンでスラマが現われる
管理所長というよりは、放浪の格闘家といったほうがぴったりな風貌のスラマ



■ 「助っ人」パーティーでレベルの差を気にせず遊べるようになる!

パーティーメンバー検索で助っ人を希望しているプレーヤーを探せるようになる
助っ人のクエストでもらえる報酬の装備

 新インスタンスダンジョンとグラフィックスの強化以外で最も大きな追加要素は、高レベルのプレーヤーがレベルの低いプレーヤーの手伝いができるようになる「助っ人」パーティーだろう。

 これまで本作ではパワーレベリングを防止するために、レベル差があるプレーヤーがパーティーを組むとレベルの低いプレーヤーにほとんど経験値が入らなくなり、ドロップアイテムも出なくなるなどの処置が取られていた。そのために友達や新規プレーヤーを手伝いたくても、レベル差があると逆に邪魔になってしまうというデメリットが大きく、新規プレーヤーの定着を妨げる原因にもなっていた。だがこのパーティー導入で大きく方針を転換することになる。

 「助っ人」パーティーでは、パーティーメンバーにレベルが10以上低いメンバーがいる場合、高いレベルのプレーヤーが助っ人になることができる。助っ人になれば、ドレドギオンなど一部を除いてレベル制限を超えたダンジョンにも入れるようになる。例えばレベル55パーティーの中に1人だけレベル30のキャラクターが居た場合、レベル55のキャラクター全員が助っ人になれる。取得できる経験値は、同レベル同士のパーティーよりはやや少なくなるが、以前のようにほとんど入らないという状態ではなくなるので、下のレベルの人を気軽に手伝えるようになる。

 例えば「炎の神殿」でレベル55とレベル34のキャラクターでパーティーを組んだ場合の経験値を比較してみたところ、これまではレベルの高いキャラクターが経験値を奪うような形になってしまい、レベル55のキャラクターの経験値が2,860、レベル34の経験値は164しか入っていなかった。これが助っ人を組むと、レベル55のキャラクターは取得経験値なしで、レベル34のキャラクターに40,184の経験値が入るようになる。

 これと同時に、助っ人の状態でのみ受けられる新しいデイリークエストが導入される。助っ人のパーティーを組んだ状態でこのクエストをクリアすると、助っ人をしたキャラクター、助っ人されたキャラクターの両方が、ここでしか手に入らない装備や、称号、ペットなどの報酬と交換することができる。クエストは「アラククネ姉妹会」(天族)か「マルクタン兄弟会」(魔族)に入会していればデイリークエストと同じように受けられる。すでにどこかのデイリークエストの団体に所属していても、重ねて入れるので安心だ。


「助っ人」専用のデイリークエストでポイントを貯めるともらえる称号やペット

 またペットシステムにも新要素が入る。「第1 テンペル訓練所」の報酬として4種類、「アラカ」の報酬として1種類の新ペットが実装される。ペットには機嫌を表わすゲージが追加され、召喚して連れているとゲージが上昇していく。また「ペット管理」コマンドからペットを褒めたり、一緒に遊んだりできるようになる。これはクエストやショップで手に入れる「ペット感情表現」を取得すると使えるようになるコマンドで、アイコンを押すとペットがシャワーを浴びたり、シャボン玉を追いかけたりと可愛いしぐさを見せてくれる。たくさん遊んでペットのご機嫌が100%になると1時間に1回プレゼントをくれる。他にもアイテム自動取得や、食べ物を作ってくれるなど便利な機能が追加されている。

 今回のアップデートでは他にも今回体験しきれなかった新スキルや、レギオンレベルの上限解放などたくさんの新要素が実装される。しばらくはやることだらけで忙しい日々が続きそうだ。


ペットの新しい感情表現モーション。一緒に遊ぶことで、ペットの機嫌がよくなる

The Tower of AION (R) are registered trademarks of NCsoft Corporation.
Copyright (C) 2009 Ncsoft Corporation.
NCJapan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute and transmit The Tower of AION(TM) in Japan. All rights reserved.

(2011年 5月 13日)

[Reported by 石井聡]