「パンヤ」の世界選手権「Pangya World Championship」を開催
ミラクルショット連発で個人、団体とも日本が世界の頂点に!!


1月22日開催

場所:AKIBA SQUARE


 株式会社ゲームポットは、1月22日、東京AKIBA SQUAREにて、Windows用オンラインゴルフゲーム「スカッとゴルフ パンヤ」(「パンヤ」)の世界大会「Pangya World Championship(PWC)」を開催した。この大会では、日本、韓国、タイと、フランス、カナダ、ブラジル、ニュージーランドの代表選手で結成されたグローバルチームが集まり、「パンヤ」の腕を競った。

 種目は、各国のメンバーが協力して行なう「団体戦」と、全てのプレーヤーがNo1を巡って戦う「個人戦」が行なわれた。団体戦では日本チームが1位に輝き、個人戦でも日本のいがりさん選手が1位となった。さらに各運営会社のスタッフが腕を競うエキシビションマッチでもゲームポットのスタッフが優勝するという、日本の「パンヤ」の強さを証明する試合となった。本稿ではそれぞれの戦いをレポートしていきたい。

試合会場には16台の対戦台が並び、4カ国の対戦を1度に行なえた。右は解説と実況を担当したがん太氏。コアプレーヤーならではの視点で、試合を伝えた
左から、開会の挨拶を行なった開発元のNetreev SoftCEOのキム・ジュンヨン氏。閉会の挨拶をしたゲームポット代表取締役社長の植田修平氏。右はタイの応援団だ


■ 4つのチームが世界1を賭けて激突。日本チームが世界1に

各国の選手の様子が映し出され、試合の流れを常に把握できた
トーナメント表。韓国とグローバルチームは接戦だった

 「団体戦」は、トーナメント形式で行なわれた。1チームは4人で、第1回戦は日本とタイチーム、韓国とグローバルチームの戦いとなった。団体戦のルールは「クラブマッチ形式」、クラブマッチは対戦チームのレベルが近い相手と1対1で行なわれ、1ホールごとに勝敗が決まり、勝つとポイントを入手できる。9ホールで戦い、得たポイントを比べるという方式だ。その1人1人の勝負の結果が大事となるルールだ。

 PWCに出場した日本チームは11月に行なわれたオンライン予選、12月11日に行なわれた日本代表決定戦で勝ち残ったプレーヤーが出場した。出場選手の座をゲットしたのは、2010年8月に行なわれた日本大会第5回パンヤジャパンカップ優勝者の“いがりさん選手”、準優勝の“blanz選手”、そして2009年7月に開催された地域別対抗イベント「戦国パンヤ」の中国・四国地方代表の“せりえー選手”、ネットカフェ大会の上位プレーヤーの“Brunel選手”だ。

 今回の大会はがん太氏が試合の実況を務めた。がん太氏は2005年と2008年のパンヤジャパンカップで優勝したプレーヤーで、いがりさん選手とも親しく、「パンヤ」のコアプレーヤーならではの意見、選手としての視点で試合を解説した。がん太氏によればいがりさん選手はプレッシャーと気合いの両方で、試合前日から何も食べずにPWCに臨んだという。

 日本と第1回戦にぶつかることになったタイはこの大会に他国以上に力を入れていた。10人以上の応援団が本国から駆けつけ、積極的な声援をチームにかけていた。また、グローバルチームの選手の中には「日本のアニメが好き」という人もいたようで、有名な秋葉原に来れて喜んでいたという。また、この大会はユーストリームで実況されていたのだが、ブラジルからのアクセスが多く、Twitterにもポルトガル語の応援メッセージが多かったという。

 そんな状況の中始まった団体戦トーナメント、1回戦のコースは「West Wiz」。チップインを狙いやすいコースで初心者向けだ。対戦は日本対タイと共に、韓国対グローバルの試合も同時に進行した。試合はそれぞれの国のプレーヤーの画面がモニター上に出され、任意にピックアップも可能という形で、がん太氏の解説の元、快適な試合観戦ができた。こういった観戦システムや、試合進行はゲームポットスタッフのこれまでの経験が活きているように感じられた。

 試合では各国の“違い”がはっきり出る形となった。日本チームのコースの攻略はがん太氏の視点からは見ればこれまでプレーヤー達が練り上げてきた「定石」をなぞったもので、グローバルチームもそれに準じたコース攻略を行なっている。一方、韓国のプレーヤーの攻め方は日本のものとはかなり違っているという。また、「パンヤ」のコアプレーヤーは、残りの距離や風速などをチャット欄に表示して計算するのだが、タイのチームはこの計算を暗算で、しかも素早くやるので、進行スピードが他の国より明らかに違った。国ごとの特色の違いも面白い大会だった。

 1回戦、日本のチームはエースであるいがりさん選手の活躍が特に目立った。アプローチではグリーンにボールを置くことすらなく、直接カップにたたき込むショットを連発した。コアプレーヤーはチップインが成功するカメラアングルのクセがわかる。打った瞬間、もう既に拍手と歓声が上がるのが面白かった。

 クラブマッチルールでは、各コースでの打数と、コース内でチップインなどのテクニックを見せたことで得られる「パンヤポイント」で勝敗が決まり、勝者にはポイントが加算される。日本対タイでは、終始日本がリードを続け、そのまま43ポイント対29ポイントという大差をつけて日本チームが勝利した。韓国対グローバルでは、序盤はグローバルチームがポイントでリードしたが、中盤で韓国チームが追い付き、その後追い抜いた。結果としては37ポイント対35ポイントというかなりの接戦で韓国チームが勝利した。


左がフランス、カナダ、ブラジル、ニュージーランドの代表選手で結成されたグローバルチーム。右がタイチーム
左が韓国チーム、右が日本チームだ
日本対タイの戦い。終始日本チームが優勢に試合を運び、勝利した。コース攻略の「精度」で違いが出たようだ
韓国対グローバルチームは、グローバルチームが善戦し韓国に追いすがるが、終盤に韓国がリードし勝利した
世界1になった日本チーム

 団体戦の決勝戦では、日本と韓国がぶつかりあった。コースは「パンヤ」の最も基本コースといえる「Blue Lagoon」。基本だけに攻略されつくしており、逆に1つのミスが後を引くコースでもある。ミスを許されない、正確さが最も求められる。

 ここでもいがりさん選手のショットの正確さは群を抜いていた。いがりさん選手は特に「Blue Lagoon」が得意でこのコースの日本最高記録も保持しているという。対する韓国の選手はわざと距離を取る難しいアプローチを狙うというコース攻略を取り、解説のがん太氏を驚かせていた。

 パンヤには「ビームインパクト」という特別なギミックがある。カップから伸びる光の柱にボールを触れさせると吸い込まれてチップインするのだ。上級者はこのビームインパクトをいかに使うかが鍵となる。試合ではこのテクニックが連発した。どこに落とし、どう打ち、ビームインパクトで決めるか。「パンヤ」の上級者は、機械のような正確さと、風によって変わる状況にどう対処するかの経験が求められる。

 試合は日本チームが有利には進めていたが、韓国チームの追い上げはすごく、1時は追い付かれる流れとなった。それでもそこから引き離し、最終的にポイントは77ポイント対67ポイントで見事日本チームが団体戦の優勝を決めた。優勝者のコメントとしてチームリーダーのいがりさん選手は「試合前、最後に『Blue Lagoon』をもう1度練習したんですけど、それが効いて良い成績を残せました」と語った。


日本対韓国はかなりの接戦となった。韓国のトッププレーヤーが猛追するが、日本チームも好調で、逃げ切り勝利した


■ 難関コースをタイムリミット突きで挑む個人戦。いがりさん選手が見事優勝

こちらにはっきりと伝わってくるほどの緊張感で試合を展開し、ついに世界の「パンヤ」プレーヤーの頂点に立ったいがりさん選手
最終的なスコア表。Brunel選手は後半にスコアを崩してしまったとのことだ

 個人戦は今回出場した16人の選手が個人の立場で世界1の座を目指すことになる。戦うコースは難易度が高く、40分という制限時間で18ホールを回るのを、2コース連続でこなさなくてはならない。ミスが許されない難易度の高いコースを、長時間、時間制限がある状態で挑戦しなくてはならないという、過酷な戦いだ。

 最初のコースは「White Wiz」は、雪で覆われており、氷の部分は滑り、雪の積もっている場所はボールが転がらない。城があったり、丘を越えなくてはならなかったり地形も難しい。時にはリスクを冒し、城を越えるショットを打ち込んだりしなくてはならない。また、グリーンから出ると雪のため、思わぬところまでボールが転がってしまいかねない。慎重さと、大胆さを求められるコースなのである。

 ここでもタイの選手のスピードの速さは目立った。タイの選手は他の国のプレーヤーより1~2ホール早く、このためスコアが高めになり常に上位にいるように見える。布かしそのタイの選手でも追いつけない好スコアをたたき出していたのがいがりさん選手である。そして韓国の選手も常に上位に食い込み、層の厚さを感じさせた。

 難易度が高いだけに、攻略も慎重にならざるを得ない。このため、制限時間は常にプレーヤーを焦らせる。風も強いためか、団体戦のようなチップインのオンパレードとはならず、ほんの少しだけカップからずれてしまう、という状況が多く見られた。いがりさん選手は12ホール目でトマホークショットを失敗し、グリーンから出てしまうというミスをするが、それでも他のプレーヤーよりスコアが良く、トップをキープした。

 この後、ほんの少しの休憩を挟んで、そのまま次のコースがスタートした。2戦目は最難関コースといわれる「Deep Inferno」である。ドラゴンが飛び、火山からドロドロとしたマグマが流れるコースだが、最大の特徴はグリーンのマス目が六角形になっているため、他のコースと違い距離がわかりにくいのだ。このため、グリーンにのせるよりも、ビームインパクトを決めた方が有利になる。しかし、コースも難しく、ビームインパクトを狙えるような場所にボールを落とすのにも苦労させられる。

 こちらでは、White Wiz以上に各選手は悩みながら攻略しているように思えた。ほんのちょっとボタンの押すタイミングがずれただけで、カップからずれてしまう。その少しのズレが、1打という差になってプレーヤー達に襲いかかってくる。各国の戦いの風景は様々で、タイの選手は比較的リラックスしたムードで、スタッフと話したり、お互い声をかけながらプレイしていたが、日本の選手は顔をしかめたりしながら、じっと画面を見つめ、時には何度も計算をし直すなど、見ているだけで伝わってくる緊張感の元試合を進めていた。

 試合が終わり、2試合のトータルでの順位が発表された。見事優勝を決めたのは終始リードを続けた日本の「いがりさん」選手。2位は韓国の「Yosso」選手。3位は同じく韓国の「BB_Same」選手、4位は日本の「Brunel」選手となった。Brunel選手は前半のスコアでは3位につけていたものの、Deep Infernoでわずかにスコアを落としてしまったようだ。いがりさん選手は1回戦、2回戦ともにスコアトップであり、実力の高さを改めて見せつける結果となった。


 今回のイベントでは、これまでのイベント経験で学んできたゲームポットのスタッフによる手腕と、快適な対戦環境の提供ができたように思える。グローバルの選手達は日本や韓国、タイと比べてプレーヤ層の厚さや運営期間などでもハンデがあったと思うが、参加選手からは「自分の実力が世界のトップクラスと比べてどうだったか、よくわかった」といった熱意のあるコメントも聞かれた。

 イベントの最後ではゲームポット代表取締役社長の植田修平氏は、「来年もPWCを開催したい」と語っていた。現在まだ開催国は未定だが、今回でしっかりした手応えをつかんだようだ。「パンヤ」は40カ国でサービスしており、今回は「世界大会」という規模としてはやはり小さかったように見える。今後このイベントがどうなっていくか、期待したい。


左から、2位の韓国Yosso選手。3位の韓国BB_Same選手、4位の日本Brunel選手
【White Wiz】
雪に包まれたWhite Wiz。地形がカップまでの道を阻む。時間制限もあるので、慎重かつ大胆に進まねばならない
【Deep Inferno】
最難関のDeep Infernoそれでもトッププレーヤーはチップインを決めていく。世界大会という緊張感のある舞台で、ミスの許されない環境でのプレイとは思えない正確さだ
【エキシビションマッチ】
エキシビションマッチでは各国の運営スタッフが腕を競った。会場受けするアバターアイテムを使ったりする他国スタッフに比べ、日本チームは真剣そのもの。見事優勝を果たした。右の写真が表彰式で、左からGM夏みかん(ほし)氏、GM(てんし)みつば氏

(C)2004 Ntreev Soft Co.,Ltd. All Rights Reserved.
Pangya is registered trademark of Ntreev Soft Co.,Ltd.
(C)2004 Gamepot Inc., All Rights Reserved.

(2011年 1月 24日)

[Reported by 勝田哲也]