NTTドコモ、新商品・新サービス発表会開催

iモード向け「ドコモマーケット」を12月6日開始


11月8日 開催



 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモは11月8日、2010-2011冬春モデル新商品・新サービス発表会を開催した。スマートフォンやデータ通信端末を含め、計28機種が発表されている。

 まずはフィーチャーフォン(iモード端末)について。従来どおり4つのシリーズに分けて展開された端末は18機種。そのうち、エンターテイメント向けとしてゲームに最適とされる「PRIME」シリーズの端末は、「F-01C」、「SH-01C」、「P-03C」、「N-03C」の4機種となっている。iアプリに関する新たな仕様追加は発表されていないので、ゲーム機能的には従来機種と特に変わるところはないと思われる。

 「PRIME」シリーズで定番となっているプリインストールゲームは、今回は株式会社バンダイナムコゲームスの「塊魂モバイル」と「リッジレーサーモバイル」、株式会社レベルファイブの「ニノ国 ホットロイトストーリーズ」の3タイトル。ただしいずれも体験版となっている。


タッチパネル搭載、アクセスポイントモード対応のスリム防水端末「F-01C」。11月発売予定防水防塵でフルハイビジョン撮影にも対応した「AQUOS SHOT」、「SH-01C」。11月発売予定
デジタルカメラブランドの名前を冠した「LUMIX Phone」、「P-03C」。12月発売予定防水防塵に加え、耐衝撃性にも優れた「N-03C」。2011年1月発売予定

バンダイナムコゲームスの定番タイトルとなった玉転がしアクションゲーム「塊魂モバイル」。モーションセンサーによる操作にも対応している
こちらもバンダイナムコゲームスの定番レーシングゲーム「リッジレーサーモバイル」
12月9日より配信予定のレベルファイブの新作RPG「ニノ国 ホットロイトストーリーズ」

 またNTTドコモは、iモード向けの新サービス「ドコモマーケット」を12月6日より提供すると発表した。「ドコモマーケット」と言うと、同社がAndroid端末向けに用意しているアプリプラットフォームの名称だが、そのiモード版というべきもので、iアプリや音楽、電子書籍が販売される。サイトの利用は無料で、申し込みも不要。対応機種は、FOMA 901iシリーズ以降。

 「ドコモマーケット」には、iMenuのトップページに用意されるリンクからアクセスできる。「ドコモマーケット」では各コンテンツプロバイダーが展開している既存の公式サイトにリンクするのではなく、サイト内で決済を完了し、アプリケーションをダウンロードできるというのが従来とは異なる。NTTドコモが自社展開する、独立したiモード公式サイトといったところだ。

 アプリの提供は、企業だけでなく個人でも可能。アプリの審査も既存の公式サイトのように長い時間をかけず、4~5日程度で掲載できるという。料金設定は1ダウンロードごとの従量課金だけでなく、月額課金、無料配信も可能。既に公式サイトで展開しているアプリの提供も可能で、「ドコモマーケット」向けにカスタマイズして再配信しても構わないという。

 ゲームの配信を決めている企業も多数発表されている。コーエーテクモゲームス、コナミデジタルエンタテインメント、セガ、ソニー・コンピュータエンタテインメント、ハドソンといった大手ゲーム会社を始め、ウォルト・ディズニー・ジャパン、NHN Japan、スパイシーソフト、ジー・モード、ボルテージなど、多様な顔ぶれが揃っている。


12月6日からスタートする「ドコモマーケット」。特にインストール作業などはなく、iMenuのトップにリンクが追加される。サイト内はオススメアプリが並ぶほか、有料・無料の切り分けや検索も可能

裸眼立体視対応の「LYNX 3D SH-03C」。12月発売予定
NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏

 スマートフォン関連では、裸眼立体視対応のAndroid搭載スマートフォン「LYNX 3D SH-03C」が発表された。こちらは3.8インチの液晶を搭載した端末。立体視対応ゲームアプリとして、株式会社ディースリー・パブリッシャーの「地球防衛軍3 Mobile」、株式会社コナミデジタルエンタテインメントの「ゴルフレ!」がインストールされていた。端末は12月発売予定で、Android OSのバージョンは2.1で出荷されるが、2011年春には2.2へのバージョンアップが行なわれる予定。

 またスマートフォン展開については、発表会において「iモードのサービスをスマートフォンで利用できるようにすることは考えているか」という質問が挙がった。これについてNTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏は、「公式サイトを展開しているコンテンツプロバイダー様に対し、コンテンツをスマートフォンに簡単に移せるような仕組みを用意したい」と回答した。現状のiモードサイトをそのまま見られるようにするのではなく、既存のiモードコンテンツを手間なくスマートフォンに移行できる環境を整えることで、サービスプロバイダー側の対応を促そうという姿勢だ。

 ユーザーにとっては、スマートフォンに乗り換えると既存のサービスが使えなくなることが、移行において大きな障壁となっている。スマートフォンに対応するか否かは最終的に各コンテンツプロバイダーの判断に委ねられることになるが、この施策はいち早く進めて欲しいところだ。


「地球防衛軍3 Mobile」。内容はiアプリで配信されているものと同じのようだが、裸眼立体視とタッチパネル操作で楽しめる
「ゴルフレ!」もiアプリで配信中のゴルフゲーム。こちらも立体視に対応している

 次世代通信規格LTE(Long Term Evolution)を利用したサービス「Xi(クロッシィ)」では、12月24日よりサービスを開始すると発表された。一部屋内施設では受信最大75Mbps、送信最大25Mbps、屋外でも受信最大37.5Mbps、送信最大12.5Mbpsという高速通信規格で、USB型データ通信端末「L-02C」から順次展開が開始される。サービスエリアは東名阪地域からスタートし、2011年度には全国の県庁所在地級都市に拡大。2012年度には全国主要都市へ拡大するとしている。

 「Xi」は高速通信もさることながら、低遅延であることもうたっている。具体的な数値は明らかにしていないが、現状のFOMA(HSPA)によるサービスと比較して1/4の遅延になるという。これはオンラインゲームなど、高速なレスポンスを必要とするサービスにおいては、通信速度と並んで重要な要素となる。現在発表されている端末は、「L-02C」と、ExpressCard型の「F-06C」の2機種だが、2011年にはモバイルWi-Fiルーター製品も発売するとしている。


高速・低遅延が特徴の「Xi」。オンラインゲームにもより適した通信環境が提供される。ゲームユーザーとしてはモバイルWi-Fiルーターの登場が待たれるところ

(2010年 11月 8日)

[Reported by 石田賀津男]