ソフトバンクモバイル、新商品発表会開催

Android端末は全機種2.2搭載。裸眼立体視ゲームも登場


11月4日 開催



 ソフトバンクモバイル株式会社は11月4日、2010年冬から2011年春にかけての新商品発表会を開催した。データ通信端末やディズニー・モバイルの端末を含めて計24機種が発表された。

 今回のトピックは、Androidを搭載した6機種のスマートフォンだ。Android端末は各キャリアから発売・発表されているが、ソフトバンクモバイルが今回発表した機種は、いずれもAndroid 2.2を標準搭載する。Android 2.2では、Flash 10.1の対応や、アプリの処理速度向上など、ゲームユーザーにとってもメリットが多いだけに、端末選びにおいて重要なポイントとなる。


ソフトバンクモバイル代表取締役社長兼CEOの孫正義氏が、Android 2.2を搭載したスマートフォンの利点を説明

立体視でのゲームに対応する「GALAPAGOS 003SH」と「GALAPAGOS 005SH」
立体視のデモとして、TVCMに出演している上戸彩さんと松田翔太さんの3D写真を撮影。上戸さんは写真の立体感に驚きの声をあげていた

 さらにこの中で、12月上旬以降発売予定の「GALAPAGOS 003SH」と、2011年2月中旬以降発売予定の「GALAPAGOS 005SH」の2機種は、裸眼立体視に対応した液晶を搭載している。これらの機種には立体視対応のゲームやムービーもプリインストールされており、端末を購入してすぐに利用できる。

 プリインストールされるアプリは、株式会社カプコンの「魔界村騎士列伝」、「ロックマン」、「バイオハザード ディジェネレーション」、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社の「霊界電話」、「SILPHEED Altenative」、株式会社コナミデジタルエンタテインメントの「モバイル・パワフルプロ野球3D」、株式会社バンダイナムコゲームスの「太鼓の達人」の7タイトル。このほかにも、株式会社ディースリー・パブリッシャーの「SIMPLE Android シリーズ THE 麻雀3D」が12月配信予定で、3D対応ゲームが順次追加配信される予定。

 会場には「GALAPAGOS 003SH」の実機とともに、立体視のゲームを体験できるコーナーが用意された。実際に試してみると、見る距離を合わせる(目から画面まで約30cmと説明された)必要があり、少しでも斜めにすると像がブレて立体感が得られなくなるという繊細さはあるものの、距離を把握すればかなり強い立体感が得られた。また端末としては、縦横どちらの方向にも立体視に対応でき、コンテンツ側で見せたい方向を設定できるという。


「GALAPAGOS 003SH」での立体視ゲームを紹介するコーナーが用意された立体視対応端末第1弾「GALAPAGOS 003SH」裸眼立体視コンテンツの仕組み
左から、「バイオハザード ディジェネレーション」、「モバイル・パワフルプロ野球3D」、「SILPHEED Altenative」。写真ではブレた絵にしか見えないが、実物を両目で見ると立体感のある絵になる。これらのアプリは立体視ゲームとしてだけでなく、Android初登場のアプリとしても注目される
「ロックマン」(左)はマップや背景に奥行きが見える、というだけだが、元々2Dのゲームをわざわざ立体視にする発想が面白い。「霊界電話」(中央)は縦持ちのコンテンツだ

 3D対応アプリ以外でも、ソフトバンクモバイルはAndroidアプリの提供に力を入れている。ガンホー・オンライン・エンターテイメントのオンラインRPG「ラグナロクオンライン Mobile Story」を始め、多数のタイトルがソフトバンクモバイル向けに先行配信される。


「ラグナロクオンライン Mobile Story」。iモード向けに配信されているアプリの移植となるが、サーバーはAndroid専用のものが用意される。「GALAPAGOS 003SH」の発売に合わせて12月配信予定
ゲームアプリもソフトバンクモバイル先行配信のものが続々登場する

ジンガジャパンが「FarmVille」をソフトバンクの携帯電話に提供

 ゲーム関係では、ソフトバンクが米Zyngaとの合弁会社として設立したジンガジャパン株式会社の動きも発表された。同社がmixiで提供している「まちつく!」において、ソフトバンクモバイルユーザー限定特典として、ゲーム内通貨である小判を500枚プレゼントするキャンペーンを11月18日13時まで実施する。また、Facebookで最も高い人気を誇るソーシャルゲーム「FarmVille」を、ソフトバンクモバイルの携帯電話向けに11月中に提供する。スマートフォン向けには2011年に提供予定だが、こちらもソフトバンクモバイルが先行配信となる。

 このほか、新たな高速パケット通信サービス「ULTRA SPEED」も発表された。HSPA+およびDC-HSDPAによるサービスで下り最大42Mbpsの高速パケット通信を実現する。通信速度だけでなく、サービスエリアの展開の早さも強みにしており、2011年6月の時点で人口カバー率が約60%に達する予定だという。2011年2月下旬以降発売予定の法人向けUSBスティック型データ通信端末「004Z」の発売に合わせてサービスが開始され、その後はモバイルWi-Fiルーター「007Z」が2011年3月下旬以降に発売予定。モバイルWi-Fiルーターは各社から発売されているが、ポータブルゲーム機やPCでのオンラインゲームを、出先でも高速通信で利用したいという人には、有力な選択肢になるだろう。なお料金はまだ発表されていない。


「ULTRA SPEED」の発表においては、NTTドコモのLTEサービス「Xi」と比較し、通信速度と提供エリアの両面で勝るとアピール参考出展されたモバイルWi-Fiルーター「007Z」。「ULTRA SPEED」対応で、屋外でも42Mbpsという有線接続に匹敵する通信速度を実現する

(2010年 11月 4日)

[Reported by 石田賀津男]