会場は、サイリウムを手にした熱心な観客たちで埋め尽くされていた。筆者も心のサイリウムを用意してイベントを楽しませてもらった

　東京ゲームショウ2010、一般入場日の初日である9月18日に「アイドルマスター２」のステージイベントが行なわれた。シリーズでは初となるナンバリングの続編となる「アイマス２」だけに、会場は「アイマス」ファン、もとい熱心なプロデューサー諸氏で超満員！イベント開始前から既に観客のボルテージは最高潮といった感じだった。

　「アイドルマスター２ Presents 765プロダクション 2010年度決起集会」と銘打たれた今回のステージイベントだが、事前に公式サイトにて出演声優による新曲ライブや実機による「アイドルマスター２」のプレイ、さらには当日発表の衝撃の告知などが公開されていた。衝撃の告知とは一体何なのか？観客一同が期待に胸を膨らませる中、ステージイベントの幕が開けた。なお、本イベントで公開されたプロモーションムービーは、別記事にて掲載しているので、ご覧いただきたい。

　荘厳な鐘の音と共に現われたのは、四条貴音役の原由実さん。続いて我那覇 響役の沼倉愛美さん、萩原雪歩役の浅倉杏美さんも登場し、掛け声の後に「THE IDOLM@STER 2nd-mix」を披露した。「アイマス２」の名を冠した、まさに代表曲と言っても過言ではない曲のリミックスバージョンに、早くも会場全体が熱気の渦に包まれていく。

白が基調になった、すっきりとした可愛らしいデザインの衣装に身を包み、「THE IDOLM@STER 2nd-mix」を歌う原由実さん、沼倉愛美さん、浅倉杏美さん

　歌が終わり、3人が1人ずつ役になりきって自己紹介をすると観客席からも大きな声援が上がっていた。話はバンダイナムコブースで流れているPVの話に移り、今回の765プロ新社長、高木順二朗氏の声優が大塚芳忠さんになったことを3人は喜んでいた。

　朝が早かったことや、前日に食べ過ぎてしまったことなどのトークが盛り上がる中、それを遮る様に秋月律子役の若林直美さんの「私たちもいること、忘れてないかしら!?」という声が会場に響き渡る。若林さんに続き、双海亜美・真美役の下田麻美さんも登場し、「アイマス２」の目玉の1つでもある秋月律子プロデュースの「竜宮小町」の紹介が行なわれた。下田さんの「律っちゃんも一緒に歌おうよ～！」の掛け声に対して若林さんが「いいわよ、私は歌って踊れるプロデューサーだしね！」と返し、2人の即席・竜宮小町による新曲「SMOKY THRILL」が披露された。

　「SMOKY THRILL」は竜宮小町による完全な新曲だが、大人の女性の魅力と少女の可愛らしさが絶妙にマッチしたアップテンポなナンバーだった。

新曲「SMOKY THRILL」を披露する下田麻美さん、若林直美さん。歌の最中に入る下田さんの「にゃぁ～！」の合いの手が非常に可愛らしかった

　若林さん、下田さんの自己紹介の後、改めて竜宮小町の紹介をする秋月律子プロデューサーこと若林さん。だが、プロデューサーになってしまった若林さんに対して下田さんは「私、これから律っちゃんのこと姉ちゃんって呼ばなきゃいけないんですか？」と問いかけて会場の笑いを誘っていた。

　その後はいったん舞台袖に戻っていた原さんら3人も合流し、話題は今回出展されている「アイマス２」の体験版であるトライアルエディションの話へと移った。ここで坂上陽三プロデューサーが登場すると、会場からは割れんばかりの「変態！変態！」というラブコールが飛び交う。「訴えるぞ！」と坂上プロデューサーが笑顔で返せば、それに応えるかのように観客席では坂上プロデューサーの着るオレンジのポロシャツと同じ色のサイリウムを振っていた。

　そして、ここでトライアルエディションを起動している実機と共に、加藤正隆ディレクターも登場。実際にトライアルエディションをプレイしているところを会場のモニターに映し、それを見ながら坂上プロデューサーが「アイマス２」の魅力を解説した。

　春香、真美、響の3人ユニットを操作するトライアルエディションだが、坂上プロデューサーは朝の挨拶パートに響を指名。しかし、加藤ディレクターは制限時間中に選択肢を選べなかったため響たちに怒られてしまう。その後も加藤ディレクターは時間制限のある選択肢をことごとく外してしまい、舞台と会場が一体となった愛のブーイングを受けていた。

　今回のプレイでは、「アイマス２」のメインモードの1つである「フェスモード」が選択された。伊織、あずさ、亜美で構成された竜宮小町と対決するフェスモードだが、基本システムは前作のオーディションの様な感じだ。タイミングよくボタンを押して観客を盛り上げ、それによって手に入るポイントがライバルユニットよりも多ければ勝利となり、アンコールとして改めて自分のユニットの舞台を楽しむことができる。

　だが、今回はあえなく僅差で敗退してしまった。しかし、これは坂上プロデューサーがあらかじめ用意していた展開。もし敗退してしまっても、ライバルユニットのステージをじっくりと観賞することができるのだ。改めて竜宮小町のアンコールが始まると、若林さんと下田さんは思わず歌を口ずさみ、時折ダンスも披露していた。

沼倉さんが響のリボンの色に感激の声を漏らせば、すかさず坂上プロデューサーからは新技術の「センシティブトゥーン」の話が出ていた。フェスモードでは新要素である「バーストアピール」も披露され、観客席からは歓声が上がっていた

　プレイが終わり加藤ディレクターが去り、トークが一区切りしたところで突然会場内に男の高笑いが響く。会場のモニターを見れば、「アイドルマスターＳＰ」で敗北を喫した961プロ社長、黒井崇男社長のシルエットが映し出された。一体なぜ……と観客席がどよめく中、「まずは見てもらいたいVTRがある」という黒井社長の不敵なセリフと共にモニターの映像が切り替わった。

　……何と言うことだろう。事前に発表されていた衝撃の告知とは、961プロが新たに送り込んできた男性ユニット「ジュピター」のことだったのだ。VTRの上映前にはジュピターのメンバー、寺島拓篤さんが演じる「天ヶ瀬冬馬」、松岡禎丞さんが演じる「御手洗翔太」、神原大地さん演じる「伊集院北斗」ら3人からのコメントが流れたのだが、あまりにショッキングな新事実に会場全体がどよめいていた。無理もない。女性アイドルばかりだった「アイマス」の世界に、ついに男性アイドルユニットが現われてしまったのだから。

　961プロが率いる男性ユニット「ジュピター」と、秋月律子プロデューサーが率いる「竜宮小町」、そしてプレーヤーが「アイマス２」で率いる新ユニットによる三つ巴の戦いが、今回の物語の鍵を握ることになりそうだ。

ついに登場した男性アイドルユニット「ジュピター」。熱血俺様系アイドル「天ヶ瀬冬馬」、笑顔が魅力の国民的弟アイドル「御手洗翔太」、危険度無限大のアイドル王子「伊集院北斗」と、個性的な3人で組まれたユニットのようだ

　また、ステージでの発表と共に961プロのサイトがオープンしたようだ。

　961プロ黒井社長による「765プロに入社しようと考えている諸君。考え直すのは、今のうちだぞ……？」という挑発的な宣戦布告の衝撃も覚めやらぬ中、坂上プロデューサーからは「アイドルマスター２のテーマは『団結』。なので、過去最高の敵を用意させていただきました」という言葉が出た。舞台上の原さんら5人のアイドルも驚きを隠せないといった様子だったが、男性ユニットという強敵を前に団結が必要だということを知った観客と共に「団結するぞー、オー！」と声高らかに宣言していた。今回のイベントタイトルである「765プロダクション 2010年度決起集会」というのは、ジュピターに対抗するためにアイドルとプレーヤーが団結する必要があることを指したものだったのであろう。

　その後は、2011年1月10日にパシフィコ横浜で行なわれるライブの情報や、ニューリリースのCD「THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 2 Prologue」の情報が公開された。新たに発表されたこのCDには、「THE IDOLM@STER 2nd-mix」はもちろん、あの名曲「団結」の「アイマス２」バージョンも収録されているようだ。

　さらに、今後発売される765プロの9人のアイドルたちがそれぞれリリースするソロアルバムCD「MASTER ARTIST 2 -FIRST SEASON-」を同時発売。3人を1組のユニット候補として、シングルCD「The world is all one !!」の歌唱ユニットを決める選抜レースが開催されることが明らかになった。選抜方法の詳細は、コロムビアの「アイドルマスター」公式サイトにて明らかになる予定なので、発売を待ち切れないプロデューサー諸氏は、お気に入りのアイドルが所属するユニットが選ばれるように準備をしておこう。なお、選抜レースの結果は2010年1月10日に行なわれるライブで発表されるようだ。

ユニット候補Aには天海春香、我那覇響、星井美希。ユニット候補Bには菊地真、如月千早、四条貴音。ユニット候補Cには萩原雪歩、双海真美、高槻やよいが参加する。なお、竜宮小町所属の水瀬伊織、双海亜美、三浦あずさ、そしてそのプロデューサーの秋月律子は含まれないようだ

最後は、5人ユニットによる豪華な「The world is all one !!」の後、お約束の「プロデューサー！『アイマス』ですよ、『アイマス』！」の掛け声で締めくくられた

　非常に盛りだくさんな内容のイベントだったが、最後には原さんら5人による「アイマス２」の新曲「The world is all one !!」が披露され、大歓声のうちに幕を閉じた。

　イベント当日の模様は、「USTREAM」の「nbgi_live」にて生配信されていたため、生中継でステージを見ていた人も多かったのではないだろうか。衝撃的なニュースが次々に飛び出す「アイマス２」、今後も注目が集まりそうだ。

(C)窪岡俊之　(C)NBGI
※画面はすべて開発中のものです