東京ゲームショウ2010レポート

スクウェア・エニックスブースレポート その2
DS「サガ3時空の覇者 Shadow or Light」
PSP「The 3rd Birthday」、DS「キングダム ハーツ Re:コーデッド」


9月16日~19日 開催(16日、17日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


 株式会社スクウェア・エニックスブースレポートその2では、DS「サガ3時空の覇者 Shadow or Light」、PSP「The 3rd Birthday」、DS「キングダム ハーツ Re:コーデッド」の3本のレポートをお届けしよう。



■ DS「サガ3時空の覇者 Shadow or Light」
生まれ変わった戦闘システムが超爽快! 新生サ・ガシリーズ第3弾!

価格:未定
価格:未定
対応機種:ニンテンドーDS
ジャンル:RPG



今回はサガシリーズの産みの親である河津プロデューサー(写真右)、三浦プロデューサー(写真左)の両名にお話をうかがうことができた

 今日まで連綿と続く「サ・ガ」シリーズの中でも異色作とされている「時空の覇者 Sa・Ga3[完結編]」のリメイク版がついに登場。現代、過去、未来そして異次元を舞台にした評価の高いシナリオはそのままに、システム面にサ・ガシリーズの要素を盛り込んだ意欲作だ。

 今回のゲームショウでは試遊台が設置され、冒険の序盤、主人公デューン達が未来を救うべく、過去へと向かうまでのシナリオがプレイ可能になっている。チュートリアルを含めるとトータルのプレイ時間が1時間弱と結構なボリュームがあるので、明日以降プレイを考えている人は注意してもらいたい。なお、チュートリアルをスキップし、シナリオのみを楽しめるモードも用意されている。こちらは20分程度で終了するようになっている。ここでは、本作のプロデューサーを務める三浦氏、河津氏に聞いた本作の魅力と、大きく様変わりした戦闘システムについてレポートしていく。

 まず、三浦氏いわく、今回のリメイクにあたってメインのシナリオに大幅な変更はないとのこと。代わりに、説明不足だったり不自然だった点を中心に、少し話を膨らませるというかたちを取ったそうだ。「例えばポルナレフやミルフィーがちゃんとしゃべります」とは河津氏の弁。往年のファンにとって、これは嬉しい措置だろう。


物語の導入や序盤の登場人物、敵のパーツや肉を食べて姿を変えていくところなどに変化はなし。昔味わったストーリーをそのまま楽しめそうだ

 しかしその一方で、戦闘やキャラクター育成に関しては大いに楽しめるつくりにしたということだった。今回試遊してみたところ、確かに戦闘は爽快の一言。エンカウント時に発生する敵の「チェーン」と、戦闘中に味方が連続して行動することによる「連携」、そしてチェーンした敵をすばやく倒すことによる「チェーンボーナス」という3つの要素が絡み合うことで、極めてテンポのいい戦闘を楽しむことができた。

 戦闘シーンは、具体的には以下のようなステップを踏む。

 まず、ダンジョンで敵シンボルとエンカウント。この時に近く他の敵シンボルがいると「チェーン」が発生、複数のグループの敵と連続して戦闘を行なうことになる。戦闘では、味方キャラクターが2人以上続けて行動する時に「連携」が発生。与えるダメージにボーナスを得ることができる。このボーナスがかなり大きく、4人、5人での連携になるとダメージが2倍から3倍、さらにそれ以上の大幅な伸びを見せる。

 この連携に範囲攻撃技を絡めることで複数のグループの敵を一掃することができる。こうしてチェーンした敵をすばやく倒すことで「チェーンボーナス」を得ることができ、戦闘後にもらえるお金が増えるといった恩恵を受けられる。三浦氏にたずねてみたところ、今回のリメイクでシステムに手を加えるに当たって、戦闘の気持ちよさについてはかなり力をいれているとのこと。まだまだ楽しめる要素がいくつも隠れていそうだ。

 また、新たに採用された「タイムズ・ギア」が戦闘、そしてシナリオに与える影響も楽しみだ。タイムズ・ギアは戦闘によってゲージが伸びていき、満タンになると所持しているギア(今回の試遊では「現代」)に対応した必殺技を発動。これには特殊な効果が付与されており、「現代」のギアではダメージと共に、敵を一定時間行動不能にしていた。そしてタイムズ・ギアは「シナリオ・シンクロ・システム」にも関係する。今回の試遊では、まだ具体的にそれを思わせるシーンは出てこなかったが、三浦氏が言うには、このタイムズ・ギア、シナリオ面でもかなり大きな要素となるらしいので、楽しみにしたい。

「連携」が今回の戦闘の要。連携で敵をなぎ倒すのは非常に快感。新要素であるタイムズ・ギアはステスロスの装備や設備にも関係するのだろうか?

 そして、サガシリーズと言えばクオリティの高い音楽にも注目したいところだ。三浦氏が言うには、本作にはサガシリーズの多くの作品で音楽を担当している伊藤賢治氏が参加しており、新曲も用意されているとのことで、こちらにも大きく期待が持てそうだ。試遊した限りでは、原作となった「時空の覇者 サガ3[完結編]」のイメージはそのままに、サガシリーズらしい、爽快感の高い戦闘が加わった非常に楽しめる作品となっていた。ゲームショウに足を運ぶRPG好きの人は触っておいて損はないだろう。


(C)SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
キャラクターデザイン:小林 元



■ PSP「The 3rd Birthday」
迫力満点の映像と奇抜なシステムが味わえるプレイアブルが出展

発売日:12月22日 発売予定
価格:6,090円
対応機種:PSP
ジャンル:シネマティックアクションRPG



 プレイステーションで人気を博したアドベンチャーRPG「パラサイト・イヴ」シリーズの続編となる今作。会場では、他タイトルとの合同によるオリジナルのゲーム紹介映像と、3種類のセーブデータから選べるプレイアブルが出展されていた。

 プレーヤーは相手の意識を乗っ取り、肉体を支配できる能力を持った主人公「アヤ・ブレア」を操作することで、街に出現した謎の生命体「ツイステッド」を掃討していく。会場で用意された3つのセーブデータは、それぞれストーリー内のエピソード1、2、3が遊べるようになっており、エピソード1に関しては難易度が抑えられたイージーモードによる試遊が可能となっていた。筆者は市街地を抜けた狭い路地での戦闘が中心となるエピソード2をプレイすることとなったが、特に難しく感じることはなかったので、アクションゲームに自信がないプレーヤーでなければ、セーブデータは自由に選択して問題は無いだろう。

 主なゲームシステムは、前シリーズで特徴的だったRPGライクな戦闘システムは撤廃され、オーソドックスなTPSアクションゲームの形式となっていた。アナログパッドによる移動とRボタンの長押しによるロックオン、□ボタンによる攻撃を基本とした操作システムは、直感的で非常に洗練されており、自分の行ないたい動作がスピーディに行なえるようになっていた。また、はしごや遮蔽物として利用できるブロックなど、特殊なアクションが実行できるオブジェクトに関しては、フィールド内に赤く表示されているため非常に視認しやすく、味方NPCに対しての援護射撃要請などのアクションも可能となっているため、TPSアクションとしての遊び応えは十分に味わうことができた。


敵となるツイステッドは多種多様な種類が登場。出展映像では画面を埋め尽くすほどの超巨大なボスも確認できた

 さらに今作には、特定範囲内に存在する味方NPCの意識を支配して操作することが可能となる「オーバーダイブ」というシステムが搭載されており、プレイアブルではマップの各所に点在している兵士の他に、狙撃銃を持った女性キャラクターを操作することができた。このオーバーダイブには、対象のキャラクターと操作を交換するだけではなく、相手の装備や体力もそのまま引き継がれるため、移動短縮や体力回復、弾薬の補充など幅広い戦略でゲームを堪能することができた。加えて、出展映像ではオーバーダイブによる戦闘ヘリや戦車の操作シーンなども確認することができたため、ドラマティックなゲーム展開にも期待が高まる内容となっていた。

 しかしながら、今作の特徴の1つである、ダメージ量によってアヤの服が破れていくというシステムに関しては、会場ではあまり明確に確認することはできなかったので、この点に注目しているユーザーは注意してほしいところである。

出展映像では、登場キャラクターや基本的なゲームシステムの解説の他にも、ゲーム内で挿入される美麗なムービーも確認。重厚なストーリー展開も期待できそうだ

(C)SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA



■ DS「キングダム ハーツ Re:コーデッド」
コンテンツ盛りだくさんの映像とプレイアブルを出展

発売日:10月7日 発売予定
価格:5,490円
対応機種:ニンテンドーDS
ジャンル:アクションRPG



 携帯電話専用タイトル「キングダムハーツ コーデッド」のDS版リメイクとなる「キングダム ハーツ Re:コーデッド』。会場では、他タイトルと合同のゲーム紹介映像とプレイアブルが出展されていた。

 プレイアブルで試遊できるデータは、本作の舞台であるデータ世界を侵食している敵「バグエネミー」との戦闘がフューチャーされた「トラヴァースタウン」ステージと、「不思議の国のアリス」がテーマとなった世界における戦闘と特殊バトルが楽しめる「ワンダーランド」ステージの2種類が用意されているが、注意してほしいのは、この2つのデータはブース来場者が選んで遊べるわけではなく、試遊時に割り当てられたDSにあらかじめセットされているデータしかプレイすることができないという点。どうしても気になる方を選んで遊んでみたいというユーザーは、試遊台が埋まらない時間帯を選んでブーススタッフに確認をとってみるのがよいだろう。


シリーズではお馴染みのディズニーキャラクターや「ファイナルファンタジー」シリーズの登場人物も数多く参加。紹介映像では、フルボイスによるストーリーの一部も確認することができた

 基本システムは同シリーズのほとんどで採用されている、3人称視点の3Dアクションゲームとなっており、ボタン1つで繰り出せる「たたかう」攻撃や、デッキとして編集しておける多種多様な能力「デッキコマンド」を駆使した軽快な戦闘を繰り広げることが可能となっていた。さらに、ゲーム中にはこの基本バトルの他にも、ターン制バトルや横スクロールアクションなどの様々なバトルバリエーションが用意されており、筆者のプレイした「ワンダーランド」ステージでも、奥スクロールによるシューティングゲームを確認することができた。上下左右に重力が切り替わるステージ構成と、マルチロックオンを駆使したシューティングはめまぐるしくも、ワンダーランドの名にふさわしい、不思議で爽快感に溢れるバトルバリエーションとなっていた。

 さらに、プレイアブルブースへ入場する前に上映される紹介映像では、ゲーム中の美麗なムービーやイベントシーンのほかに、ゲームの難易度やアイテムのドロップ率を変更できる「チートパーツ」のシステムや、すれちがい通信で使用できるアバターの編集映像も確認することができた。バラエティに富んだ多様なコンテンツは、やりこみ要素にも期待が高まる内容となっていた。

プレイアブルブースの外には、主人公「ソラ」の特大フィギュアも展示。シリーズキャラクターのファンには必見の存在感溢れる1体だ


(C)Disney.
Developed by SQUARE ENIX/h.a.n.d.

(2010年 9月 17日)

[Reported by 御橋尭言(ねこひげ合同会社 )]