スクエニ、「FF XIV」のオープンβテストを9月上旬開始!
OBTで実装される「ウルダハ」、「グリダニア」の風景とランク40の“多対多”バトルを紹介


9月22日発売予定(コレクターズエディション)
9月30日発売予定(通常版)

価格:オープンプライス(直販価格:通常版8,190円、コレクターズエディション10,290円)

CEROレーティング:B(12歳以上対象)


 株式会社スクウェア・エニックスは、Windows/プレイステーション 3用MMORPG「ファイナルファンタジー XIV」において、誰でも自由に参加できるオープンβテストを9月上旬より開始する予定であることを明らかにした。これに合わせて、オープンβテストで実装される複数の新規コンテンツが公開された。オープンβテストの詳細については近日中に発表される見込み。

 今回、公開されたのは、「リムサ・ロミンサ」と並ぶ位置づけの残り2つの都市国家「グリダニア」と「ウルダハ」と、新しいギルドリーヴ。8月18日よりドイツで開催されるゲームショウ「GamesCom」にて初お披露目が行なわれる予定で、オープンβテスト(OBT)で実装される見込みとなっている。現在開催中のクローズドβテスト(CBT)では、スタート地点に選べる場所は「リムサ・ロミンサ」だけだが、OBTからは残り2つの都市国家「グリダニア」と「ウルダハ」も選択できるようになる。

 今回スクウェア・エニックス本社で実施されたメディア向け先行体験プレイでは、この2つの街の初期イベントを実際に体験することができた。また、今後遊ぶことができるようになる多対多の戦闘の雰囲気を体験するために、技能ランク40で受けるギルドリーヴも体験できた。本来はパーティーを組んで挑戦するコンテンツだが、バランス等はまだ調整前の段階ということで、今回は能力を上げたキャラクターを使ってソロで挑戦してみた。




■ OBTからは「グリダニア」と「ウルダハ」も選択可能に

OBTからいよいよ「グリダニア」と「ウルダハ」もスタート地点として選ぶことができるようになる

 「FF XIV」ではゲームのスタート地点として「リムサ・ロミンサ」、「グリダニア」、「ウルダハ」の3都市を選択できる。CBTではこのうち「リムサ・ロミンサ」しか選ぶことができなかった。残り2都市はこれまでイメージイラストのみで謎に包まれていたが、9月上旬より実施されるオープンβテストで実装されることが確定し、今回一挙にまとまった情報が公開された。

 今回プレイできたのは、それぞれの国でゲームを始めた時にプレイすることになるチュートリアルの一部。「リムサ・ロミンサ」でいうところの「碧海の宝」という名前のクラスクエストに該当する部分だ。冒頭にフルボイスのカットシーンがあって、そこからチュートリアル的な戦闘、冒険者ギルドでリンクパールをもらいギルドリーヴを体験、街中の施設を訪ねる、という基本的な流れは3つの都市全てに共通している。

 それぞれの街にあるストーリーは、最終的にはひとつの物語へ収束していくので、どの国で始めても途中からは同じスト―リーを楽しめるようになっている。ただ、プロローグが違っているのはもちろん、その国にしか出現しないモンスターがいたり、フィールドやバトルのBGMが違っていたりとそれぞれに個性がある。街にある戦闘や生産ギルドの本拠地も異なっているので、今回は確認することができなかったが販売品にも差がありそうだ。

 そしもう1つOBTから導入される要素としては、キャラクターメイキングで作った外見のデータを保存できるようになる。キャラクター作成時、サーバーを選ぶ1つ前の段階でキャラクターデータを保存するためのダイアログが出る。保存するためのスロットは複数用意され、ここへ記録しておけば、例えば別の場所で作ったキャラクターの外見データを、他のPCで読み込んだり、1つの外見データで同じ外見のキャラクターを複数作ることもできる。


国によって登場するモンスターの種類も違う。OBTで追加されるバトルの雰囲気も紹介

「グリダニア」にはPVに登場する「モルボル」も出現する



■ 精霊とともに暮らす神秘的な森の国「グリダニア」

「グリダニア」は「黒衣森」の中にある神秘的な国だ

 「グリダニア」は「黒衣森(こくえのもり)」という深い森の中に隠れるように佇んでいる。森が深いため、薄暗い時間には神秘的でどこか不気味な雰囲気もあるが、陽光が照ると美しい木漏れ日が森の緑を照らし出す。街や黒衣森はどちらも細長い道が交差する迷路のような作りで、移動には少々時間がかかる。

 街には森の中らしい「木工師」のギルドや、「革細工師」のギルドがある。釣りができそうな清流の川も流れている。また「幻術士」の総本山である「硯老樹瞑想窟(けんろうじゅめいそうくつ)」があるせいか、独特の神秘主義的な雰囲気を持っており、精霊や森に対する恐れや信仰が住人の言葉からも感じられる。

 「リムサ・ロミンサ」の「溺れた海豚亭」にあたる施設は、「カーラインカフェ」というステンドグラスが美しいカフェ。「ミューヌ」というエレゼンの女性が経営していて、彼女が「バデロン」と同じようにチュートリアルクエストをガイドしてくる。


「グリダニア」の街は自然の地形をそのまま利用して造られている。木工が盛んな街なので、木でできた建物が多い
「グリダニア」の外に広がる「黒衣森」。キノコのようなモンスターや、樹の姿のものなど森らしいモンスターが棲息している
冒険者ギルドがある「カーラインカフェ」。光が射し込む時間には、ステンドグラスが非常に美しい
革細工ギルドがある、アトリエ「フェイン・イル」。中には工房があって、おしゃれな革製のカバンなどが飾ってある
「グリダニア」のマーケット。「カーラインカフェ」の外観
街の中には、釣りができそうな川も流れている「硯老樹瞑想窟」の入り口は巨大な切り株の根本

 物語はメタセコイアのような巨樹が林立する黒衣森の中から始まる。黒衣森を歩いていたプレーヤーは、不思議な声を聞いて降り注ぐ火の塊を目撃する。直後に、森の上空に煙を上げて墜落していく飛空艇を見かけ、追いかけた先で森の中に倒れている2人を見つける。倒れている2人のどちらかに何度か話しかけるとイベントが始まる。

 「イダ」というヒューランの女性と「パパリモ」というララフェルの男性は、飛空艇から飛び降りてきたらしい。とぼけたやりとりをするおかしな2人だが、何か目的を持って「グリダニア」を目指している。

 プレーヤーは2人と共に森の中から現われた狼のモンスターを相手に、最初の戦闘チュートリアルを行なう。数匹モンスターを倒すと、突然現われた巨大な木のモンスター「トレント」がプレーヤーたち3人に襲いかかってくる。必死で逃げる3人を助けてくれるのは、頭に2本の角を持つエ・スミ・ヤンという少年。少年は、不思議なモーグリのパレードを使ってモンスターの怒りを鎮め、壊れていた結界を修復してモンスターを閉じ込める。

 角のある子供は「角尊(つのみこと)」呼ばれて、尊敬を集めている。彼らは精霊と交信できる特別な存在で、話し方や立ち居振る舞いもどこか神々しさがある。プレーヤーは、革細工師ギルドに行った後、ミューヌの勧めで「硯老樹瞑想窟」を訪れる。街の北西にある「硯老樹瞑想窟」は、細長いトンネルの先にある神殿のような場所。ここにも「オ・アパ・ペシ」という名の角尊がいて、プレーヤーは、穢れを払うために「収穫奉納祭事」という儀式に参加することになる。


プレーヤーは、「リムサ・ロミンサ」の船上イベントと同様に幻を垣間見る森の中で、墜落した飛空艇から脱出した「イダ」と「パパリモ」に出会う
臭いに引き寄せられてきた「ウルフ」という敵を相手にチュートリアルのバトルをこなす突然現われた樹のモンスター「トレント」が残っていた「ウルフ」を食べてしまう
「トレント」はプレーヤーたちにも襲いかかってくる必死に逃げるが、吹っ飛ばされてしまう。だが、その時に異変が

時間が止まり、楽器を持ったモーグリのパレードがプレーヤーたちを助けてくれる

街の入り口にいる「ロンシッグ」というキャラクターに話しかけると、冒険者ギルドに案内してくれる「カーラインカフェ」の「ミューヌ」が、プレーヤーに色々なアドバイスをくれる
「イダ」と「パパリモ」の正体は不明。だがとぼけた感じの憎めないキャラクターだチュートリアルの冒頭で近くの「エーテライト」を訪ねるのは3国とも共通
「革細工師」ギルドで、クリムという少年は「イダ」たちの乗ってきた飛空艇が見たこともない技術で造られていると驚く「パパリモ」は精霊について詳しい知識を持っている
街の北西にある老樹の洞窟を進むと、「幻術士」の総本山「硯老樹瞑想窟」がある角を持つ少年たちは「角尊(つのみこと)」と呼ばれる特別な存在



■ にぎやかさの裏に、不穏な陰謀の気配が漂う「ウルダハ」

「ウルダハ」は砂漠の中にある要塞のような商業都市だ

 砂漠気候の「ウルダハ」は、「グリダニア」とはうって変わった陽気な街。しかし「アラミゴ」を滅ぼした「ガレマール帝国」に近いため、陽気さの背後には戦争への不穏な噂もささやかれている。

 街は円形の要塞のような姿をしていて、石造りのどっしりした建物が街並みを作っている。街は他の2つに比べると小ぶりでまとまっているので、移動は3つの中では最も容易かもしれない。

 街の外には「ザナラーン」という荒野が広がっている。荒野だけにほとんど晴天だが、時に視界を遮る砂嵐が吹き荒れることもあるらしい。エリアの名前に中東的な響きがあるが、街の人のファッションや市場が並ぶ通りの雰囲気も、全体的に異国情緒がある。

 街には「彫金師」のギルドや「闘技場」がある。「闘技場」は将来的にはコンテンツをプレイする場所として使うことになるかもしれないが、今の所はクエストの舞台として登場するだけだ。「ガレマール帝国」の情報が多く聞かれる「ウルダハ」では、明るい雰囲気とは裏腹に戦争への不安や噂が渦巻いている。

 冒険者ギルドは「モモディ」というララフェルの女性が経営するラウンジ「クイックサンド」にある。「クイックサンド」は重厚な雰囲気のラウンジで、大勢の客で賑わっている。


砂漠の街だけに夜空の美しさは格別。晴れ渡ったエキゾチックな月夜は「ウルダハ」ならではの光景だ
ウルダハの街並みにはトルコや中東を思わせる異国情緒がある。マーケットも他の2国とは違う露店風だ
「ウルダハ」の外に広がる「ザナラーン」は砂嵐の吹き荒れる荒野冒険者ギルドのあるラウンジ「クイックサンド」

 「ウルダハ」でのオープニングシーンは賑やかな祭りのパレードから始まる。パレードには「ウルダハの歌姫」と称される「フ・ラミン」というミコッテの姿もある。ほかにも、なんとなくいわくありげ登場人物が数名、祭りの賑わいに紛れている。

 プレーヤーがパレードを見物していると、突然見せ物のモンスター「グゥーブー」が暴れ出す。ここで最初のチュートリアル戦闘となる。ほかの2都市が複数の雑魚モンスターを相手にするのとは違い、「ウルダハ」ではいきなり巨大モンスター(ただし味方がいるため弱め)と戦うことになる。

 ようやくモンスターを倒した後、プレーヤーは冒険者ギルドのある「クイックサンド」に案内される。ここの女主人であるララフェルの「モモディ」にアドバイスをもらって、彫金師ギルドを訪ねることになる。ギルドには、先ほど一緒に「グゥーブー」を倒した「ニエルフレーヌ」というエレゼンの男性がいる。彼はこのギルドの彫金師だと言う。彼は近づきつつある「ガレマール帝国」との戦争を臭わせるような話をする。

 賑やかで明るい雰囲気の「ウルダハ」だが、内部にはいろいろと問題もあることが次第に見えてくる。プレーヤーが「闘技場」を訪れると、「グレインファル」というルガディンに試合に参加して欲しいと頼まれる。

 唐突な申し出だったが承諾して会場に向かう。会場へのドアをくぐると、いきなり対戦相手が襲いかかってくる。ここで再び戦闘になるが、こちらはどうやっても負けてしまう。試合の後、「グレインファル」と「ニエルフレーヌ」の立ち話を聞いて初めて、実は八百長試合の片棒を担がされていたことがわかる。こうしてプレーヤーは「ウルダハ」を巡る厄介ごとに巻き込まれていくことになる。


プレーヤーが到着した時、「ウルダハ」の街は祭りでにぎわっている
「ウルダハの歌姫」と称されるミコッテの「ラミン」は、「ウルダハ」では高価な「グリダニア」産の花を配っている
パレード行列の中には、モンスター「クゥーブー」もいる。呪術士がしっかりと見張っていたのだが
「グゥーブー」が突然暴れ出して、祭りは一転混乱に包まれる。逃げ遅れたプレーヤーは、「ニエルフレーヌ」、「サンクレッド」らと一緒に「グゥーブー」と戦うことになる
チュートリアル戦闘を終えると、「グゥーブー」は再び暴れながら逃げ出す。「グゥーブー」が壁に衝突した衝撃で花びらが舞い散る
「クイックサンド」の店主「モモディ」はちょっとタレ目で優しいお姉さん。人生相談はNGだが、恋愛の相談には応じてくれるらしい
「クイックサンド」には、チュートリアル戦闘にも参加していた「サンクレッド」がいる。よく見ると首の部分に「ヤ・シュトラ」と同じタトゥーを入れている
「エーテライト」を訪ねるチュートリアル。「ウルダハ」の1番近い「エーテライト」は街からかなり離れた場所にある「彫金師ギルド」にいる「ニエルフレーヌ」は、プレーヤーが持っていた花を見て、その花が枯れてないことを不思議がる
「闘技場」にいくと「グレインファル」というルガディンから、変わりに試合に参加して欲しいと頼まれる
突然の戦闘。しかしそれが八百長試合だったことがのちに判明する。どうやら「グレインファル」と「ニエルフレーヌ」は何かの陰謀に荷担しているようだ



■ ランク40のギルドリーヴで、“多対多”の戦闘の雰囲気を体験

今回体験した「ドラグーン作戦」は、「ザナラーン」にあるエーテライトで受諾できるクエスト

 2つの都市国家のチュートリアルを体験した後は、技能ランク40のかなり強いキャラクターで、適正ランクが40以上の「ギルドリーヴ」にチャレンジした。「ギルドリーヴ」は実時間で2日に1度受けることができるクエスト。今回受けたのは「ギルドリーヴ」をクリアすることで稼げる「ファクションクレジット」を使って依頼を受ける「ファクションリーヴ」と呼ばれる少し特殊な「ギルドリーヴ」だ。

 「ブロークンブレード中隊」の「ディルスタン・コーウェル突撃隊長」から受けた依頼には「ドラグーン作戦」という名前がついている。内容は「ウルダハ」に侵攻している「アマルジャ」という蛮族を迎撃して欲しいというものだ。「ギルドリーヴ」にはソロでこなせるものもあるが、今回は「FF XIV」のバトルの特徴となる“多対多”を体験できる内容のPT向けクエストだ。

 通常の戦闘系の「ギルドリーヴ」は「エーテライト」で依頼を受けた後指定された場所に行って敵を倒すだけだが、この依頼では途中にいる「ウォーウルフ」という人物と話をすることで、敵が出現する。

 「アマルジャ」はトカゲのような皮膚と尻尾を持った見るからに強そうな民族。依頼ではまず3匹の敵が沸き、それを倒すと3匹、5匹と次々に新手が現われる。最初の3匹は注意すればリンクさせることなく1匹ずつ倒すことができるが、次に現われる敵は最初から複数が同時に襲いかかってくる。「FF XIV」のバトルの目標のひとつとなっている“多対多”が求められている。

 1人では倒されてしまうので、パーティーの連携が重要になる。筆者はレベル50のキャラクターで1番難易度の低いレベルのものを試したが、それでも勝てなかった。難易度が高いレベルで、レアな報酬を狙うならパーティーはほぼ必須になるだろう。このギルドリーヴもOBTで実装されるそうなので、頑張って武器のランクを上げてぜひパーティーで体験してみて欲しい。


蛮族「アマルジャ」は集団で襲いかかって来るので、1人だとなかり苦戦する。パーティーで敵を分断して個別撃破していくのが“多対多”戦闘の目標だ
「エーテライト」で依頼を受けた後、フィールドにいるNPC「ウォーウルフ」に話しかける事でクエストモンスターが出現する
「アマルジャ」は3回に分けて襲って来る。前半は個別撃破可能だが、中盤以降は多数が同時に襲いかかって来る

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(2010年 8月 17日)

[Reported by 石井聡]