Sony Computer Entertainment America、ゴッド・オブ・ウォー最新作
「GOD OF WAR:GHOST OF SPARTA」クレイトスの今度の冒険の舞台は伝説の都市大陸「アトランティス」!!
■ PSP版GOWの最新作は「GOW1」と「GOW2」の間の外伝的ストーリー
Ready At Dawn StudiosのDANA JAN氏(左)とRu Weerasuriya氏(右) |
PSP版GOWとしては、前作に「ゴッド・オブ・ウォー 落日の悲愴曲」(原題GOW:Chains of Olympus)があったが、今作の「GOD OF WAR:GHOST OF SPARTA」は、この流れを汲む作品で、開発元はSCEAサンタモニカスタジオではなく、Ready At Dawn Studiosになっている。
前作のPSP版「GOW」では「GOW1」よりも前の物語が語られたが、今作では「GOW1」と「GOW2」の間の外伝的ストーリーが語られる。
我らがクレイトスは、「GOW1」で戦神アレスを倒し、新しい戦争の神(GOD OF WAR)に君臨したが、アレスの罠だったとは言え、自らの手で殺めてしまった妻子の亡霊に苦悩する毎日を過ごしていた。この忌まわしき思い出を断ち切るため、クレイトスは新たな旅立ちを決意する。自分の呪われし過去を解き明かす「自分探し」の旅に向かったのは、沈み行く都市大陸「アトランティス」であった。
今作でも、ギリシャ神話をベースにした世界観は健在。ただ、開発スタッフは、すでに4作品にわたるシリーズの中で、ほとんどのメジャーどころのギリシャ神話の怪物が使われてしまったために、資料と格闘したことが苦しかったと冗談交じりで振り返っていた。
過去4作品で未使用で、今作で初採用となったギリシャ神話の怪物としては半人半漁の巨大女SCYLLA(英語発音でシラー)が挙げられ、実際にシラーとの戦闘シーンが公開された。画面からはみ出るほどの巨体とその4つの乳房から繰り出される不気味な触手攻撃は大迫力の一言。
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前作のPSP版で、ほとんどPSPでできるグラフィックス表現を行なってしまっただけに、前作を超える表現の模索に苦しんだとのことだが、その甲斐あってPSP史上最高のグラフィックス表現が実現できたと誇らしげに語る。
1つは神罰により沈み行く都市アトランティスの様子を描くために、高品位な雨天表現を実装した。奥が霞むような豪雨表現、斜面を流れる水の表現などは、PSPの映像としては異質のハイクオリティだ。また、PSPのグラフィックスとしてはまだ珍しい、動的な被写界深度の表現を実装したこともホットトピックとしてあげられていた。
また、エンジンの改良とLODシステムの進化により、画面に登場する雑魚敵の数は2倍になり、ボスのサイズも前作以上になったとのこと。また、ダイナミックローディングシステムにより、シームレスにゲームが展開するところも今作の特徴。
たとえばシーン冒頭にボスの顔見せがあるシーンでは、ローディングなしに、雑魚との通常バトルの合間合間に画面に収まりきらないようなボスが割り込んでくる。もはやプレイ中はPSPで動作していることを忘れさせてくれる勢いだ。
登場武器はお馴染みの鎖双剣のブレイズ・オブ・アテナの他、プレゼンテーションでは、盾と槍というギリシャの戦士らしい武器や、電撃ビームを出す装置のようなものも披露された。
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「GOW」シリーズと言えば、何を差し置いても、残虐を通り越してギャグに到達してしまっているほどの暴力表現が魅力。今作でもこの点に手抜きはない。プレゼンテーションでは、ギリシャ神話に出てくる強欲の王キング・ミダスとのやりとりが披露された。
手に触れたものを全て金に変える能力を神に与えてもらったミダス王は、その力故に食べ物も家族も全てが金になってしまう苦悩に悩まされ瀕死の状態でマグマの川の畔に横たわっている。クレイトスはこの灼熱のマグマの川を渡りたい。
GOWファンならばもう答えは分かるはず。
ミダス王は触れたものを金にする手を振りかざして暴れるので、クレイトスは、これをタコ殴りにして戦意を喪失させ、マグマの川へ投げ入れようとする。マグマに投げ入れられてはひとたまりもないことに気がついたミダス王は必死に地面に爪を立てて抵抗する。爪を立てた箇所が金に変わり、クレイトスに引きずられるたびにできる5本指の軌跡は美しい金の筋として地面に描かれる。残虐で、美しくて、笑える、実に「GOW」的な1コマだ。
今作の発売は2010年秋を予定している。
PSP版GOW。日本での発売は未定だとのことだが、昨今の日本でのGOW認知度の上がり方を考えれば発売は期待しててもよい? |
(2010年 6月 19日)