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Electronic Entertainment Expo 2010現地レポート

スクエニ、「FF XIV」プロデューサー田中弘道氏インタビュー
PC版のβテストは7月にも開始か?
「リテイナー」や新バトルシステムなどβ版の新仕様も明らかに


6月15〜17日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 ロサンゼルスで開催中のE3で、現地時間15日に「ファイナルファンタジー XIV(FF XIV)」のプロデューサー、田中弘道氏への合同インタビューが行なわれた。「FF XIV」は現在αテスト中で、E3にはその次の段階となるβ版に近いバージョンのものが出展されている。

 インタビューでは田中氏に現在の開発状況や、気になるPS3の状況、今後のサービススケジュールなどを聞いてきた。また、同席していた、北米オンラインプロデューサー黒澤尉志氏からのコメントももらったのでそちらも紹介する。同日に行なわれた「FF XIV」E3バージョンの体験プレイレポートはこちらを参照して欲しい。




■ β版で民族はすべて網羅。ミコッテの男性もNPCとして登場する?

スクウェア・エニックス「FF XIV」プロデューサーの田中弘道氏
スクウェア・エニックス北米オンラインプロデューサーの黒澤尉志氏
新しくなったキャラクター作成画面

Q: 今回デモプレイを見せてもらったものはβバージョンということでいいのでしょうか?

田中弘道氏: 厳密にはβに近いバージョンというか、βの仕様は入っているのですがバグがあるので、デバッグの最中です。バグをとったものをβ版として出す予定です。

Q: それがβ1になるのですか?

田中氏: 1とか2とは言わずに、β版としてとりあえずはリリースする予定です。

Q: α版との違いはどんなところですか?

田中氏: 1番大きいのはバトルシステムを丸ごと入れ替えたところです。後はグラフィックスの表現方法をかなりいじっています。シャドウの入れ方が、α版ではプロジェクションシャドウという一昔前の方法だったのですが、それをデプスバッファシャドウという方法に変えたことで、逆に表示速度が速くなりました。こちらの方がいいみたいです。それと大きいのは、キャラクターメイキング画面が製品仕様になったことです。

Q: キャラクターメイキング画面は本当にガラッと変わりましたね。

田中氏: もともとあれくらいのものを作ろうとしていたのですが、α版には間に合わなかったので暫定版でいくしかなかったのです。

Q: 民族や部族に関しては、β版でほぼ出そろいますか?

田中氏: β版では、製品版で入る民族はすべて網羅しています。

Q: ハイランダーやミコッテが男性だけ、女性だけなのはそういう設定だからですか?

田中氏: もともとはハイランダーの女性もPCキャラクターとして選択できるようにするつもりだったのですが、いろいろな理由により消えました。男性のミコッテはNPCとしては出てくると思います。PCキャラクターとしての設定が間に合わなかったので、泣く泣く割愛しました。

Q: ということは、将来的に追加されたりするのですか?

田中氏: どうでしょうね(笑)。約束はできませんが、そうなるといいなあ。




■ テンポアップするバトル。「バトルレジメン」はβ版で真の姿を見られる

バトルシステムとともに、戦闘中のUIも変更された
「バトルへの要望はアメリカからが一番多かった」と田中氏

Q: αテストで寄せられたフィードバックから変更が決定した部分はどこですか?

田中氏: ほぼ全部というか、ありとあらゆるところです。

Q: 特に重要視した意見はありますか?

田中氏: やはりバトルのテンポです。1番多かったのはアメリカからの意見です。「World of Warcraft」のテンポに慣れていますからね。

Q: β版のバトルシステムはα版から何がどのように変わったのですか?

田中氏: テンポが大きく変わりました。以前のものはアクションゲージをためて、そこからさらにエフェクトゲージをためて威力を増すという設定だったのですが、“ためる”という行為がプレーヤーを待たせることになるので、そこが変わりました。新システムでは、自然に貯まっていくゲージを消費しながら攻撃します。ゲージが貯まっていれば、3つでも4つでも連続して攻撃を出せます。攻撃を出している間にも、ゲージはどんどんたまっていきますから、バトルはかなりテンポアップしていると思います。

Q: 従来のテンポだと、プレーヤーの受けがよくなかったということですか?

田中氏: そうですね。ただ、「XI」のオートバトルの感覚だと、戦闘中にチャットができたのですが、今回はそこはもうばっさりあきらめざるを得ない形になっていますね。

Q: ユーザーインターフェイス関連は、テスターからのフィードバックが多かった部分だと思いますが、どのように変わるのですか?

田中氏: まずチャットフィルターが入ります。ログのシステム自体も全部ガラッと変えています。E3のバージョンではまだチャットフィルターを入れていないのですが、β版では実装されます。チャットウインドウを並べて表示することもできるようにする方向で検討中です。

Q: 以前に、チャットとは違うコミュニケーション関連のシステムが入ると聞いたのですが?

田中氏: 今のバトルのテンポだとチャットは無理なので、βでマクロパレットが導入されます。そこで技とメッセージを組み合わせてコミュニケーションをとって欲しいです。

Q: 「XI」のマクロパレットと同じようなものですか?

田中氏: そうですね。後はそれ以外に実装方法はまだ確定していないのですが、パーティーを組んでいる場合にリーダーがどの敵を攻撃しているかを仲間に知らせるシステムなどを入れる予定です。現在いろいろな方法を試しています。実装方法は見てのお楽しみということで。

Q: バトルシステムに関して、パーティープレイに特化したものはありますか?

田中氏: 「バトルレジメン」がそうですね。さっき言いましたパーティー内のコミュニケーションシステムを利用して戦わなくてはならないようなシチュエーションをいろいろと用意すると思うのですが、特にギルドリーヴでは敵がパーティーを組んでいることが多いので、そういったものが多くなるでしょう。

Q: αテストの「バトルレジメン」は不調でしたね

田中氏: バグでほとんど発動しませんでした。あれは我々が目指している「バトルレジメン」とは違うものでした。

Q: βでは正しい姿が見られるようになるのですか?

田中氏: なると思います。ただそこの仕様自体はもう固まっているのですが、バランス調整はβの中でやっていく部分です。

Q: 「バトルレジメン」は1体の敵を全員で殴るようなものなのですか?

田中氏: 連係技の中には範囲攻撃もありますので、それを組み合わせていくことで多数の敵に対するレジメンも発生します。

Q: 集団を相手にする戦闘は頻繁に起こるのですか?

田中氏: ワールドにフリーで配置されているモンスターはどちらかというと単体のものが多いですけれど、本来は群れとして設定されるべきものもあります。例えばオスがいて、メスを囲ってハーレムを作っているとか。特にギルドリーヴでは、パーティーを組んでいる敵が大半だと思います。




■ 属性が重要な要素に。β版からは装備品の修理も必要になる

E3ではリアルタイムレンダリングのイベントシーンで構成された新トレーラーが公開された

Q: 新しいトレーラーに出ていた白い生き物はなんですか?

田中氏: エレメンタルですね。召喚獣ではありません。今回はエレメンタルというか、属性がかなりいろいろなところで意味を持ってくるのです。

Q: 「XI」のクリスタル以上にですか?

田中氏: 今回は、天候や月齢などの影響はない代わりに、属性がいろいろな部分に影響します。

Q: それはキャラクターの強さに関わりがあるということですか?

田中氏: そうです。

Q: 装備画面もかなり変わりましたね

田中氏: そうですね。でも実はあれはまだ暫定版で、作りなおしている最中だったりします。

Q: 最終的にどうなるのですか?

田中氏: それはβテストが始まってからのお楽しみです。α版では、装備は部位ごとにアイテム画面が開いてそこから選んでいたのですが、「XI」のプレーヤーにはこれが不便だったようです。アイテムを手に入れた時に、それがなんだかわからない時にはアイテム画面から装備するかどうかを選びたいじゃないですか。 だからβ版からは、アイテムリストからも装備できるようになります。

Q: 「XI」に準拠になるということですか?

田中氏: システム的にはそうなります。

Q: β版では、現在よりもエリアが拡大するのでしょうか?

田中氏: ダウンロード容量がどのくらいになるのか見当がつかないので、検討はしますけれども難しいかもしれないですね。

Q: では、β版でも拠点となるのはリムサ・ロミンサですか?

田中氏: その予定です。ただ必要に応じて、他のエリアも見なければならないので、そこは検討しています。

Q: ほかにαで実装していなくて、βから入る要素はありますか?

田中氏: チャットシステムですね。後はリンクシェルが間に合うか微妙なところなのですが、これが入ってくるとコミュニティーのあり方が変わってくると思います。

Q: リンクシェルは「XI」と同じようなものになるのですか?

田中氏: そうです。今回はその上にカンパニーのようなシステムがあります。製品版になってからもどんどん拡充はしていきます。後は、アイテムの消耗が入ります。武器の損傷といったものです。

Q: 修理が必要になるということですか?

田中氏: そうです。クラフターやギャザラーのいろいろなシステムが生きるためには、アイテムが消費されなければなりませんから。

Q: 壊れて、なくなってしまうのですか?

田中氏: なくなりはしませんが、使い物にならないくらい性能が落ちてしまうので、それを修理するという行為が必要になります。他にも、αテストのリムサ・ロミンサにはマーケットがなかったのですが、それが追加されます。また「リテイナー」という従者のようなNPCを雇うことができるようになります。自分がログアウトしている間に、代わりにバザーを出してマーケットに立たせておくと勝手に品物を売ってくれたりします。「リテイナー」はカンパニーににも影響してきますし、いろいろな使い方があるのです。ここはぜひ楽しみにして欲しいです。




■ PS3版の見た目はPC版と同等のクオリティ。安定すればクロスリージョンに

E3の「FF XIV」ブース内に設置された3D Sround。3台のモニターを使って立体ゲームを楽しめる
PS3でもPCと同様の美しいグラフィックスを楽しめるというのは朗報だ

Q: オフィシャルベンチが公開されましたが、最終的にPCの推奨スペックはどのくらいになるのでしょうか?

田中氏: β版用のスペックは、βテストがスタートする時点で発表しますけれど、βテストでも最適化を進めますので、おそらく製品版はβ版よりも低くなるのではないかと思います。今はCPUよりも、圧倒的にGPUにネックがあるのでなんとか最適化しようとしています。

Q: ブースに3D立体視版があって驚きました

田中氏: 今回、NVIDIAさんが3D Surroundという三面技術に力を入れていて、NVIDIAのご協力をいただきまして実験的に対応してみました。

Q: 製品版でも3D Visionと3D Surroundに対応するのですか?

田中氏: そこはまだ決まっていないのです。今回はあくまでも参考出展ですので。

Q: SCEのプレスカンファレンスで最新のトレーラーが発表されましたが、PS3版の開発状況はいかがですか?

田中氏: 現在鋭意開発中です。PS3版やβ版の開発の山場と重なったため、今回残念ながらディレクターの河本はE3に来られませんでした。今も日本で開発一同全力で開発中です。

Q: PS3ではPC版と同様のクオリティでゲームが楽しめるのでしょうか?

田中氏: 見た目はほとんど変わらないですね。もちろん3D Sroundはありませんが(笑)。テクスチャーはサイズが4分の1で、解像度を半分にしているのですが、見てもほとんどわからないですね。

Q: PS3も3D立体視に対応しましたが、PS3で3D立体視版が出る可能性はありますか?

田中氏: それは、今は検討していないです。かなり難しいと思いますよ。

Q: βテストはいつからスタートですか?

田中氏: とりあえずαテストに関しては、今週末で1回終了させていただいて、すぐにβテストの準備に取り掛かります。バグの取れ方次第だと思いますが、早ければ1〜2週間、遅ければ3〜4週間くらいで始められればと考えています。少なくとも7月には開始したいですね。

Q: βテストでは、常時接続になるのですか?

田中氏: そうなります。

Q: 参加する人数はどうなるのですか?

田中氏: 最初はαテストのままになります。現在10ワールドまで増やしていますので、数万人いるテスターをβに移行して、上手くいくようであればまた徐々に増やしていきます。

Q: βテストからはクロスリージョンになるということですが、どのタイミングからになりますか?

田中氏: αテストも時間で区切っているだけで実質世界共通サーバーでしたので、安定していればβテストの頭からでも24時間運用に近い形にしたいですね。

「βテストへもどんどんご意見を送ってください」と両氏

Q: PS3版のβテストはどうなりますか?

田中氏: PS3版は少々難航しているので、そこはまた別途お知らせさせていただきます。

Q: 発売日は2010年中ということで変更はありませんか?

田中氏: ありません。

Q: 最後にユーザーに向けてのメッセージをお願いします

田中氏: αテストのテスターの皆さんからいろいろな声を聞くことができて、それをもとに改良することができました。今度はβ版を体験していただいて、そこからさらに改良していきます。もちろん製品版になった後もどんどん改良していきますので、ゲームを楽しんでいただけると嬉しいです。

黒澤尉志氏 :αテストでは非常にたくさんの方からコメントをいただきました。私たちは北米のコメントをまとめて開発にどんどんフィードバックしています。日本の皆様の意見も、必ず反映させていきますのでぜひ意見をお聞かせください。

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(2010年 6月 18日)

[Reported by 石井聡]