「ファイナルファンタジー XIV」第2次αテストレポート
リムサ・ロミンサを走り回って、ひと癖ある住民達とコミュニケーション


2010年発売予定

価格:未定


今回はリムサ・ロミンサに到着したところからの流れを紹介

 スクウェア・エニックスのPS3/Windows用最新MMORPG「ファイナルファンタジー XIV(以下、FF XIV)」のαテストレポート第2弾では、港町リムサ・ロミンサの様子や、クラスクエスト序盤の様子をお届けする。

 前回はキャラクターメイキングと、スタート直後のプロローグシーンの模様をお伝えした。今回は、港街リムサ・ロミンサに到着したところから始まる、序盤のクエストの流れを、街の案内なども交えつつ紹介していきたいと思う。

 βテスターサイトによると、第2次αテストは本来18日までの計3回行なわれる予定だったが、キャラクターのデータ破損によるサーバー障害が発生して継続が非常に困難だと判断したということで、18日のテストは中止になった。しっかりとした基盤作りがαテストの意義でもあるので、残念ではあるがやむを得ない。

 そのため第2次αテストにおいてもプレイできたのは短い時間に留まったが、前回お伝えできなかった序盤の雰囲気を味わう事はできたので、それをなるべく丁寧にお伝えしていきたい。ただし、レポートの内容はあくまでもαテスト時点の仕様なので、将来的には変更になる可能性が高い部分も含まれていることをご了承頂きつつ、楽しんで欲しい。




■ クエストで巡る、港街リムサ・ロミンサ

船を乗り越えていった謎の怪物
嵐が去り、船はリムサ・ロミンサへ

 前回はキャラメイキング後に始まる一連のプロローグシーンを紹介した。プレーヤーや他の冒険者が乗る船は、リムサ・ロミンサへの航海途中に嵐に遭遇する。甲板に出たプレーヤーは襲撃してきたモンスターを倒し、ヤ・シュトラというミコッテの少女に助けられる。そんな船の上を、船と同じくらいの体躯を持つ巨大な怪物が飛び越えていく。嵐が静まり、夜が明けると美しい港町リムサ・ロミンサの風景が冒険者達を出迎えてくれる。

 一連のプロローグシーンを終了すると、キャラクターはリムサ・ロミンサの埠頭に到着する。この場所はまだインスタンス空間なので、他のプレーヤーはいない。近くに立っている船乗りのNPCに話しかけると、「話しかける」というコマンドの他に「姿なき声」というクエストの名前が表示される。話を聞くと、冒険者ギルドのバデロンに会ってみるよう勧められる。

 バデロンは埠頭を入ってすぐの「溺れた海豚亭」という場所にいるNPC。髪をバンダナでまとめ、あごひげを伸ばしたちょっと胡散臭そうな男だ。話しかけると、再びカットシーンのイベントが始まり、先ほど船の中で助けてくれたミコッテの美少女ヤ・シュトラが現われる。

 2人の会話を聞いたところによると、今、リムサ・ロミンサでは「宝島」の話題で盛り上がっているらしい。ヤ・シュトラはその情報を集めている。しかし、簡単に行ける場所ではないようだ。「バデロン」によると、新提督を倒そうと海賊が暗躍しており、今にも抗争が起こりそうな一触即発の状態だ。さらに「サハギン族」との戦いも激化していて、「ガレマール帝国」との戦争が近いという噂もある。美しい港街だが、リムサ・ロミンサは外から見るほど平和な街ではないらしい。

 この話を聞いた後、バデロンから「紺碧の宝」というクエストを受ける。クエストの内容はメインメニューの「ジャーナル」で確認することができる。「紺碧の宝」は「クラスクエスト」というジャンルに分類されている。「紺碧の宝」はいくつかのクエストが組み合わさったストーリー仕立てになっている。

 プロローグシーンで敵を倒したときに、「バルーンフィッシュ」という謎の魚を入手していたのだが、バデロンによるとこれが調理師ギルドの本拠地「ビスマルク」で高く売れるらしい。ギルを全く持っていなかったので甘言にのってホイホイと「ビスマルク」へ向かう。「ビスマルク」は薬舗「セブンスセージ」の隣にあるレストランだ。

 調理師ギルドはレストラン「ビスマルク」に隣接した厨房の奥にある。厨房ではたくさんの調理師が腕をふるっている。レストランの壁には水槽があり、新鮮な魚料理が楽しめそうな雰囲気だ。ギルドのカウンターにいるNPCに話しかけるとギルドへの加入を勧められた。

 そうこうしていると、覆面をかぶったこれまた怪しげな「リングサス」というルガディンが現われる。どうやら彼が魚を買い取ってくれるようだ。と思ったら、確かにレアな魚なのだが、不吉な魚で客ウケが良くないと言われてしまった。なんでも、嵐の中に現われた巨大な竜は「大海蛇」という神話に出てくる怪物ではないかということだ。「大海蛇」は宝の守り手で、宝を手に入れると五つの海の王になることができるらしい。ひょっとすると、将来どこかで戦うことになるのだろうか? 見た感じ、相当手ごわそうだったが……。


ムービーでは昼間だったが、到着したのは夜。埠頭のNPCに話を聞くとクエストが進む地図を頼りにビスマルクへ向かう
マップを見ながら町を探索する「ビスマルク」の奥にある調理師ギルド
なぜか怪しい覆面をつけている「リングサス」ここにもヤ・シュトラが現われる

 とはいえ、今はまだフィジカルレベル1なので、まずはクエストを進めてみることにする。バデロンと「ビスマルク」を何度か往復すると、今度は「バラクーダ騎士団」で冒険者を募集しているので行ってみろ、と推薦される。「バラクーダ騎士団」は海賊を取り締まる警察のような存在で、かなり体育会系の雰囲気が漂う団体だ。ここはまた、まだ発表されていないクラス「銃術士」のギルドでもある。騎士団といっても、使う武器は銃なのだ。

 いくつかの分隊に分かれて活動しているらしく、今回はそのうちの1つが団員を募集している。騎士団員はみなコルセアのような衣装を着ていてなかなか凛々しい。だが団員の1人に話しかけてみると、上から目線で一蹴されてしまった。相当プライドが高いようだ。街を守っているという矜持があるのだろう。

 受付のNPCに話しかけると、入団選考の試験を受けるように言われる。地下の試験場に降りると、試験者NPCが並んで銃を構えている。銃を撃ってみろと言われて、プレーヤーキャラクターも銃を手にするが、このシーンは全てカットシーンで実際に操作して感触を確かめることは残念ながらできない。結局プレーヤーは試験には不合格。代わりに今度は、漁師ギルドの「ワワラゴの網組」を訪ねることになる。


受付のトトルトは「どこの魚の骨っすか?」と、とても上から目線もう1人の受付アルチュリューは慇懃ながらも丁寧に応対してくれる

 「ワワラゴの網組」は通称「網倉」と呼ばれている飲み屋だ。海の波打ち際近くの低い場所にあり、少し大回りをしなければたどり着くことができない。そのため、当初から迷子が続出しており、街には「網倉」の場所をきくシャウトがしょっちゅう聞こえていた。店にたどり着くと、のんきそうなミコッテの少女が迎えてくれる。

 胴元のワワラゴによると、普段は「ルンルンムチムチなる楽園」らしいが、今は少々問題を抱えている。プレーヤーは「シシプ」というララフェルの少女の護衛をして、オシュオン灯台に行って欲しいと頼まれる。ここまでクエストを続けてきて、初めての野外がらみの依頼だ。しかも戦闘もありそうな予感。1度シシプと別れてから、準備を整えに店に行ってみる。リムサ・ロミンサには武器屋、防具屋、薬屋など各種のアイテムを販売しているが、どれも意外と高い。手持ちのお金ではとても足りなかったので、あきらめてクエストを続行することにする。


しっかり者そうなワワラゴと、連れの少女シシプ。2人の関係は不明武器屋。しかし、よく見ると手持ちのお金は5ギル……
防具屋。すでにウインドウショッピング状態薬屋。ここも手が出ない

 街の門を出て、フィールドの開始地点にくると「コンテンツを開始しますか?」という確認ウインドウが出る。「はい」を選ぶとイベントが開始される。イベント中はフィールドが多くの冒険者が行き交う共有ゾーンから、他のプレーヤーがいない自分とパーティーメンバー専用のインスタンスゾーンに切り替わる。これはクエスト進行に必要なモンスターが取り合いにならないように配慮されたシステムだ。占有空間なので、オフラインゲームのような演出を楽しむことができるのも良い。また、このインスタンスには制限時間があり、今回のクエストでは30分間だった。

戻って報告すると、2,000ギルもらえた

 このクエストでは、灯台へいく道に現われる「チグレット・ドローン」という大きな虫のモンスターを倒しつつ進む。丘を越え、橋を渡っている間、時々モンスターに遭遇する。モンスターといっても弱いので、戦闘は簡単だ。武器を構え、敵をターゲットして攻撃。再び武器を収納してシシプを追いかける。シシプは結構足が速いので、武器を構えたままでは引き離されてしまうのだ。

 数回の戦闘を経て、灯台に到着すると灯台守の姿がない。代わりに、なにやら海賊が密談しているのを目撃する。どうやら、なにか陰謀が進行しているようだ。イベントが終わって「網倉」に報告にいくと2,000ギルが手に入った。その後、今度は甲冑師ギルドを紹介してもらうことになる。クエストはこの後も続いていくのだが、鍛冶屋ギルドに入る前にサーバー障害が発生してテストが中止になってしまったため、今回お伝えできるのはここまでとなる。


街の門を越えて外へ向かう街とフィールドはシームレスだが、外に出ると地図が変わる
先導するシシプについていけば灯台に着く途中で行く手をふさぐモンスターを退治
到着してみると、なにやら怪しい陰謀が進行中この覆面の男はいったい……?



■ 冒険心あふれるクエストシステムと、個性あるキャラクター

かなり複雑な「網倉」への道は迷子続出

 「FF XIV」では「FF XI」と同様、どのキャラクターと話せばクエストが進むのかといった情報はどこにも明示されない。多くのオンラインゲームでは、クエストキャラクターの上にそれとわかるようなアイコンが表示されていたり、地図に場所が表示されたり、親切なゲームになるとそこまで自動的に移動してくれるものもある。今回のαテストでは、そういった仕組みがなかったため、どこへいけばいいのかわからず右往左往しているユーザーの姿も見受けられた。

 地図の印を見ながらその場所に行き、頼まれた敵を倒したりアイテムを届ける、という一連の行為をクエスト受諾可能の印がなくなるまで繰り返すという従来の遊び方は、果てしなく作業的になるというデメリットがある。自分で考え、人から情報を仕入れながらクエストをこなしていく「FF XIV」の方法には発見の楽しみや冒険心があるとも言える。ただ、まったく目標のキャラクターや場所が見つけられずにイライラする人もいそうなので、今回、プレーヤーがどういったフィードバックを送り、将来どのような形になるのか気になるところだ。

 リムサ・ロミンサは「FF XI」の「ウィンダス」などと同じ初期街になると思われる。海の上に浮かんだ街は橋でつながれている。街には高低差があり、螺旋の通路で上下できる。「網倉」のように下の方にある施設もあれば、「溺れた海豚亭」のように上にある施設もある。マップでは上の方にある施設ほど城っぽく描かれているので、それが一応の指針になるが、多少わかり辛い部分もある。少し入り組んだ場所にある「網倉」への道は、大勢のユーザーが見つけられずに迷っていた。慣れてしまえば問題なしとはいえ、手さぐり状態で始める1番最初の街だけに、密度濃くわかりやすい場所にして欲しいとも思う。

 18日に予定されていたαテストは中止になってしまったが、αテスト自体はまだしばらく続くようなので、次回以降は戦闘や合成などの各要素についてお伝えしていきたい。


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(2010年 4月 20日)

[Reported by 石井聡]