ディースリー・パブリッシャー、「EAT LEAD ~マット・ハザードの逆襲~」を2月に発売
日本のゲームネタもてんこ盛りのメタパロディTPSが日本に上陸!

2月発売予定

価格:7,140円



 日本のゲーム業界に挑戦状を叩き付けるようなゲームがやってきた。その名も「EAT LEAD(イートレッド) ~マット・ハザードの逆襲~(以下、『EAT LEAD』)」。米国のVicious Cycle Softwareが開発し、株式会社ディースリー・パブリッシャーからプレイステーション3(以下、PS3)とXbox360向けに発売されるメタパロディ(楽屋落ちのあるパロディ)TPSだ。

 本作ではゲームのキャラクターが俳優のように人格を持った存在で、テレビゲームに出演しているという設定になっている。主人公マット・ハザードはかつては大人気のゲームキャラクターだったが、いまは落ちぶれている。そんなマットが、再起をかけてゲーム世界の中にはびこる陰謀に立ち向かっていくのが本作のストーリーだ。全8ステージの舞台は全て別のゲーム世界で、西部の荒野から宇宙戦艦の仲間で多種多様だ。ボスや協力者の中にはなんだかどこかで見たようなキャラクターもいる。往年のゲームファンなら、爆笑間違いなしの内容だ。

 主人公マット・ハザードの声を人気声優の小山力也さんが担当し、パロディが多い会話のアレンジは、SF小説家の冲方丁氏が行なうなど豪華なスタッフやキャストも注目だ。「EAT LEAD」の発売日はPS3版、Xbox360版とも2月を予定し、価格は7,140円。



■ どこかで見たような人も? マット・ハザードと彼を取り巻く人々

 「EAT LEAD」の世界では、ゲームのキャラクターは映画の俳優のようにゲームに出演する。マット・ハザードは、8ビット機からポリゴン創生期の時代に大人気だったゲームキャラクターだったが、今は忘れられて、知る人ぞ知る存在になっている。出番がない時には、アーカイブ(データの倉庫のような場所)の隅でひっそり暮らしながら、次の出演作を待っている。

 ストーリーは、すっかりロートルになっていたマットの元へ、北米最大手のゲーム会社、マラソンソフトウェアから、新作への出演オファーが来るところから始まる。マットは契約を結びに行くが、実はそれはマラソンソフトウェアがマットを亡き者にしようとする陰謀だった。かくしてマットはゲーム世界の巨大な陰謀に巻き込まれていく。


【主な登場人物】
マット・ハザード
(CV:小山力也)

 8ビット時代からポリゴン創生期にかけて活躍した超人気ゲームの主人公。いまはすっかり落ちぶれている。
QA(きゅー・えー)
(CV:名塚佳織)

 マット・ハザードをサポートする謎の美女。本名や正体は不明だが、マラソンソフトウェアの社員らしい。現実世界からハッキングで、ゲーム世界にアクセスしてくる。
ウォレス・ウォーリー・ウェルズリーIII世
(CV:中川慶一)

 マラソンソフトウェアの新任CEO。頭脳明晰で、子供の頃には神童と呼ばれていた。市販されている全てのゲームをクリアしたと豪語している。マットに異常な執着を見せる。
スーパーカルロ
(CV:御園行洋)

 ゲーム業界の重鎮で、マットの盟友。ゲームの背景道具をしまってある倉庫の管理人をしている。奥さんは、どこかの王国の姫らしい。


【昔のマット・ハザード】
8ビット時代のマット16ビット時代のマット


【過去作品】
「スーパーマットランド(邦題)」
 マットの出世作で9,800万本を売り上げた横スクロールアクションゲーム。なんと、ハード1台につき、2本も売れた計算なのだ
「マットカート(邦題)」
 ハンドルを右に切ると左に曲がるという挙動から、酷評された作品
「ダイオハザード(邦題)」
 ダイオキシンの毒性によって危機に瀕した街の住民をマットが守るという、ホラーアクションゲーム。ダイオキシンとゾンビの関連性に疑問の声が多いとか。
「マーダ―フォース(邦題)」
 新人俳優デクスターと組んで出演した刑事アクション。マットの演技は好評だったが、相棒の演技は不評で、売れ行きはいまひとつだった。



■ 周囲は敵だらけ! あまりにも個性的な敵キャラクターたち

 「EAT LEAD」は登場する敵も個性豊かだ。ステージは全部で8章あり、ゾンビが出てくる倉庫や、西部開拓時代などステージごとにまったくテイストが違う敵が登場する。中には、8ビット時代の戦争ゲームからそのまま現われたような雑魚敵もいる。彼らは3Dゲームの中で見ると奥行きがない紙のようで、前と後ろにしか攻撃できない。他にも、一見背景にしか見えない雑魚も出るが、彼らもマラソンソフトウェアに雇われた敵で、マットに襲いかかってくる。

 最初のステージ「ジャパニーズステーキハウス」の奥には、おかしな格闘家のボスがいて、素手での戦いを挑んでくる。また、ゲームアーカイブの倉庫で眠っている「クモーリ・アメモヨーウ」というボスは、JRPGへの強烈な皮肉が込められている。本作は基本的にはフルボイスなのだが、クモーリだけはなぜかテキストで、さらに“Aボタン”を押さなければ続きを喋れない。しかも、戦闘はコマンド選択方式だ。もちろんプレーヤーはコマンド選択の待ち時間など気にせず、どんどん攻撃をしかければいい。ただし、ちょっと時代遅れ感のある彼も攻撃は強力だ。日本語で書かれたコマンドには、召喚、隕石落下と強そうな技が並んでいる。侮ると危険だ。


【登場するステージ】
「ジャパニーズステーキハウス」ステージ
西部が舞台のステージ


【多彩な種類の敵キャラクター】
肉屋の従業員シェフも襲って来るジャパニーズやくざも登場
倉庫の作業員もちろんTPSの定番、ゾンビも平面しかない8ビット兵士


【個性豊かなボスキャラクター】
1面のボスキャラクター「サニー・タン」。○○○○波に似た技を使ってくる
倉庫の奥にいる「クモーリ・アメモヨーウ」。国産の某RPGを彷彿とさせるデザインだ



■ 「アップグレード」と「特殊オブジェ」でマットを強化しよう

 バトルは3人称視点(TPS)で行なわれる。本作のシステム「カバーアクション」は、物陰に隠れたまま敵を撃つことができるシステムだ。身を隠すオブジェには当たり判定があって、銃で撃ったりすることもできるが、低予算で作られたという設定なので、銃撃を打ち込むと、書き割りのようにポリゴンが割れて舞台裏が見えてしまうのだ。

 また、武器や弾丸はすべて敵を倒して現地調達しなければならない。武器がないときには素手で攻撃もできる。暴力ゲームに批判的な家族が一緒の時には、水鉄砲をもってごまかすこともある。ダメージを受けると、攻撃を受けた方向に赤いラインが表示される。ダメージを受け続けると、このラインはだんだん円を描いていき、円が完成するまでダメージを受け続けると死んでしまう。

【カバーアクション】
物陰に隠れたまま敵を攻撃できる「カバーアクション」


 敵を倒すと、敵から青白いデータの集合体が注入される。この集合体を集めると2つの必殺技が使えるようになる。必殺技「アイスアップグレード」は、マットの右腕が氷をまとって、その状態で銃やパンチで攻撃した敵を動けなくするというもの。さらに攻撃を続けると、敵は氷に包まれて最後ははじけ飛ぶ。敵の行動を阻害しながら、ダメージを与える便利な技だ。

 もう1つの必殺技「ファイアーアップグレード」は、右腕に炎を纏った状態。この状態で敵を攻撃すると、敵が青白い炎に包まれて継続ダメージを受ける。複数の敵に、炎を纏った銃弾を撃ち込んだ後は、物陰に隠れているだけで敵を一掃できる。


【アップグレード】
アイスアップグレード
ファイアーアップグレード


 上記の必殺技以外に「特殊オブジェ」というブースターを使って、技を強化するという強化方法がある。「特殊オブジェ」はパワーアップアイテムのようなもので、これに接触すると一定時間特殊な能力を身につけることができるというものだ。「メタルハザード」は身体が金属に包まれたような形状になり、一定時間無敵になる。「マキシマムハザード」は円筒状のブースターに接触することで発動する。マットの身体が赤く発光して、攻撃力が大幅に増加する。ただし体力は通常通りなので、やり過ぎには注意だ。


【特殊オブジェクト】
メタルハザード
マキシマムハザード



■ PSN・XLA向けに「マット・ハザード ブラッド・パス・アンド・ビヨンド」も配信予定

ダウンロードコンテンツ「マット・ハザード ブラッド・パス・アンド・ビヨンド」

 「EAT LEAD」の発売に先立ち、PlayStation Network(PSN)とXbox LIVE アーケード(XLA)向けに「マット・ハザード ブラッド・パス・アンド・ビヨンド」の配信が決まっている。これは共通の世界観をモチーフにした横スクロールタイプのアクションシューティングゲーム。ちなみに「ブラッド・パス・アンド・ビヨンド」というタイトルは、アメリカの有名なホームセンターチェーンの名前をもじったものだ。

 本作の敵は、マット・ハザードの永遠のライバル「ニュートロノフ将軍」。横スクロールアクションという古風なゲームになったのは、将軍の趣味なのだそうだ。「だが、そんなことは関係ない」という主人公は、“横スクロールアクション”というお約束を無視して全ての方向に攻撃を仕掛ける。つまり、このゲームは見た目は横スクロールアクションなのだが、実は3Dのアクションゲームなのだ。

 本作では、友達同士の2人プレイが可能だ。ここでは「オレのライフはオレのもの 貴様のライフもオレのもの」システムという、某いじめっ子のような理不尽なシステムによって、ピンチになった時、相手のHPを勝手に自分のものにすることができる。

 「EAT LEAD」と同様、こちらも舞台はゲーム世界なので、ステージは多種多様。海賊の秘密基地、日本の城、ウエスタン、シベリアの氷の氷山、そして月へと場所を選ばず大暴れできるのだ。実績やトロフィーにも対応しているので、コンプリートを目指してやり込みプレイも可能だ。


ニュートロノフ将軍相棒のデクスター・ディア
一見、2D横スクロールアクションに見えるが、実は3Dで全方位に攻撃が可能だ
バラエティに富んだステージが用意されている


(C)2009 Vicious Cycle Software, Inc.
(C)2009 D3 PUBLISHER

(2010年 1月 12日)

[Reported by 石井聡]