レコミュニ、「東京リアル脱出ゲーム 廃倉庫からの脱出」を開催
DS用「極限脱出 9時間9人9の扉」のプロデューサーらが謎解きを監修


1月7日~11日 開催

会場:BankART Studio NYK


 株式会社レコミュニは、体験型謎解きゲームイベント「東京リアル脱出ゲーム 廃倉庫からの脱出」を、神奈川・BankART Studio NYKにて1月7日から11日まで開催した。チケットは、前売が2,800円、当日が3,300円。主催はototoy(同社の運営するミュージック・ダウンロード・サイト)、企画制作はSCRAP、協賛は「極限脱出 9時間9人9の扉」(株式会社スパイク)、協力はLLP wonderと株式会社Knot。

 「リアル脱出ゲーム」は、「クリムゾン・ルーム」などといったWeb用の謎解きフラッシュゲームをきっかけに流行したバーチャルゲームを、現実世界で行なう体験型謎解きゲームイベント。2007年7月の京都を皮切りに、2008年6月には大阪で開催され、そして2009年2月より東京に上陸した。舞台となる会場には、アイテム、暗号、パズルなどが隠されており、それを解くことで脱出成功となる。これまでに開催されたリアル脱出ゲームのチケットは、いずれも完売。

 本稿では、1月9日の15時から行なわれたイベントの模様をお伝えしていく。



参加者たちは、ここから二手に分かれて謎解きに挑む

 東京で4回目の開催となる「東京リアル脱出ゲーム 廃倉庫からの脱出」では、タイトルの通り廃倉庫から脱出することを目的に、部屋に隠された数々の謎を解いていく。

 今回のテーマは「人と人とのつながり」で、そばにいない参加者との連携が脱出成功の鍵を握る。制限時間は約1時間。謎解きの監修は、「極限脱出 9時間9人9の扉」のプロデューサー イシイジロウ氏ならびにシナリオ・ディレクション 打越鋼太郎氏が担当した。

 脱出ゲームでは、参加者に「カメラ」や「イス」などの絵が描かれたカードを配布。同じ絵のカードを持つ参加者同士が同じチームとなり、協力して謎解きに挑戦する。さらに、カードに描かれている絵は、黒く塗りつぶされているものと白抜きになっているものがあり、それによって別々の部屋に誘導される。入室後は、一切出入り禁止となる。

 今回は、黒く塗りつぶされているチームが「B1」の部屋に、白抜きになっているチームが「B2」の部屋に誘導された。なお今回の脱出ゲームでは、欠員が出たため、急遽打越氏も「飛行機」チームの一員として参加することになった。また、小説「極限脱出 9時間9人9の扉」の作者である黒田研二氏もイベントに参加した。

急遽参加することになった打越氏も、「飛行機」チームのメンバーとして謎解きを楽しんでいた

協力するチームとの連絡手段となる封筒は、各部屋にある郵便ポストに投函することで、配達員が届けてくれる

 各部屋には、一見すると意味のわからないイラスト、暗号、動きの止まった時計などが配置されており、それをヒントに謎を解き、導き出した解答を解答用紙に書き込んでいく。各解答は、判定室にいる判定員によって正否が判定され、正解すると文字の書かれた紙をもらえる。

 ただし、今回の脱出ゲームのテーマが「人と人とのつながり」ということで、各部屋に隠された謎を解くだけでは正解を導き出せないものもある。そのため、あらかじめ用意されている封筒を活用して、別の部屋の解答を導き出すためのヒントを互いに伝え合う必要がある。この封筒には、自分のチームの絵柄と協力し合うチームの絵柄が描かれた紙が貼られていた。

黒く塗りつぶされているチームが誘導された「B1」の部屋こちらは白抜きになっているチームが集まった「B2」の部屋
謎解きのヒントとなる単語やイラスト、文字列などが部屋のあちこちに配置されていた
「B1」(写真左)と「B2」(写真右)で、同じような状況が作られている場所もあった。止まっている時計の時間がずれているのが気になるが……
参加者たちは、部屋にあるヒントを紙にメモしたり、携帯電話やDSiで写真を撮っていた同じチームのメンバーや文通で繋がる別の部屋のチームと知恵を出し合って解答用紙を埋めていく。正解か不正解かは、判定室の判定員が判定する

 そして、残り時間が10分となったところで、別の部屋に移動。この部屋では、全チームが合流し、封筒を通じて協力していたチーム同士が合同で最後の謎解きに挑戦する。最後の謎解きでは、最初の部屋で正解したときにもらった文字を組み合わせてヒントを導き出し、そのヒントをもとにアクションを起こし、最後の扉を見つけ出すと脱出成功となる。

 結果的には、イベントの受付で配布された用紙に「むしろ脱出できた人がおかしいと考えてもよいかもしれません」と記されていたように、今回の「リアル脱出ゲーム」も難易度が高かったようで、参加した10組(20チーム)のうち見事脱出に成功したのは、「『雲』&『船』」と「『電話機』&『鳥』」の2組(4チーム)のみとなった。

残り時間が10分となった段階で、全チームが同じ部屋に集められた。封筒を通じて協力していたチーム同士が合同で最後の謎解きに挑戦

実際に脱出ゲームに参加した感想を述べてくれた、打越氏(写真左)と黒田氏(写真右)

 最後に、打越氏、黒田研二氏(小説「極限脱出 9時間9人9の扉」の作者)の両氏に、実際にイベントに参加した感想を伺うことができた。

打越氏:「1つ1つの謎については知らないことが多くて、同じチームのメンバーや別の部屋のチームのメンバーと協力しながら解いていくのがものすごく面白かった。最終的には脱出できなかったが、今後も主催者と協力してこのようなイベントを開催したいと思います。また、DS用『極限脱出 9時間9人9の扉』は1人用のゲームですが、通信機能を使ってみんなで協力しながらプレイするのも面白そうだなと感じました」

黒田氏:「初体験だったのですが、とても楽しかったです。僕はほとんど役に立てませんでしたが、謎を作る側と謎を解く側の才能は違うと改めて実感しました。僕も『極限脱出 9時間9人9の扉』はプレイしたのですが、最後の答えなどいろいろなところにゲームと連動する謎が隠されていて、ゲームをプレイしていた人ほどこのイベントを楽しめたでしょうし、このイベントに参加した人は、ゲームをより楽しめると思います」

(2010年1月12日)

[Reported by 中野信二 ]