東京ゲームショウ2009レポート
CESA、「日本ゲーム大賞2009 フューチャー部門」発表
「MGSPW」や「FFXIII」など12タイトルが受賞
今年の司会は「ゲームセンターCX」でおなじみのよゐこの有野晋哉さんと前田美咲さん |
東京ゲームショウ2009も最終日を迎えた9月27日、社団法人コンピュータエンタテインメント協会(CESA)は、ゲーム大賞フューチャー部門の受賞作品を発表した。
ゲーム大賞フューチャー部門は、東京ゲームショウ2009に出展されているタイトルの中から、特に期待を集めているタイトルを表彰するもの。一般来場者からの投票をもとに、ゲーム雑誌の編集長などで構成された選考委員が全12タイトルを選出する。今年は全出展タイトルの中から、173タイトルにあらかじめ絞り込み、その中から選出された。
受賞作品は次の通り。
- 【フューチャー部門受賞作】※タイトルは発表順
- 「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」 PSP コナミデジタルエンタテインメント
- 「アサシン クリードII」 PS3/Xbox 360 ユービーアイソフト
- 「KINGDOM HEARTS Birth by Sleep」 PSP スクウェア・エニックス
- 「ゴースト トリック」 DS カプコン
- 「テイルズ オブ グレイセス」 Wii バンダイナムコゲームス
- 「ドラゴンクエストVI 幻の大地」 DS スクウェア・エニックス
- 「二ノ国」 DS レベルファイブ
- 「FINAL FANTASY XIII」 PS3 スクウェア・エニックス
- 「BAYONETTA」 PS3/Xbox 360 セガ
- 「龍が如く4 伝説を継ぐもの」 PS3 セガ
- 「レイトン教授と魔神の笛」 DS レベルファイブ
- 「ロスト プラネット2」 PS3/Xbox 360 カプコン
このラインナップを見ると、やはり知名度という点でシリーズものが有利といえる。12本中9本がシリーズの続編となっており、完全新作は「逆転裁判」シリーズと同じスタッフが開発している「ゴースト トリック」、スタジオジブリのアニメーションに久石譲氏の音楽という豪華競演が見所の「二ノ国」、敵を蹴散らすアクションアドベンチャーとしては珍しく女性が主人公の「BAYONETTA」の3本。あえて共通点を探すとすれば、いずれも実績のある開発スタッフが、1から新しい作品に挑んでいるタイトルといえる。
受賞者が壇上に登り、受賞のコメントをした後、プレゼンターからの質問に答えるという形で進行したが、その中から興味深かったコメントのみを抜粋して紹介する。
まず最初に発表された「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」では、小島秀夫監督が登場。前作「METAL GEAR SOLID 4」でも昨年のフューチャー部門に選ばれており、2年連続受賞となった小島氏は、「TGSでプレイした人の反応を見て、いい手応えを感じている」とコメント。PS3から今作ではPSPへとプラットフォームを移した理由として、「10年ぐらいすると、クラウドコンピューティングが中心になり、家ではテレビ画面で、外では携帯電話などで同じようにプレイできる環境になっていると思います。そこで今作では実験的に『メタルギア』を持ち運びしたら、どんな反応が来るかを見てみたかった」と10年先を見越した作品であることを語った。
「二ノ国」と「レイトン教授と魔神の笛」で2回表彰されたレベルファイブの日野晃博氏は「二ノ国」について、「当初は10周年ということで、売れなくてもいい作品として企画。それがスタジオジブリさんにご賛同いただいて、音楽も久石譲さんに制作してもらうなど、もっとこぢんまりした作品のつもりが、いつの間にか大作になってしまいました(笑)」と経緯を語った。また「レイトン教授と魔神の笛」については、「予想を遙かに上回る、全世界累計で550万本を達成し、私にとっても非常に意義深い作品になりました。『レイトン教授』シリーズは当初3部作で終わる予定でしたが、ファンから続編を希望する声が多く、開発スタッフたちとやってもいいのかなという気になりました」とこちらも想定外であることをアピールした。
授賞式の最後に登場したエンターブレインの浜村弘一氏は、「続編もあり、オリジナル作品もあり、幅の広い作品先行になったのではないでしょうか。今回受賞された作品は、願わくば、来年もフューチャー部門に選ばれることがないように」と講評した。
□東京ゲームショウ2009のホームページ
http://tgs.cesa.or.jp/
(2009年 9月 27日)