キュー、iモード「ガーディアンハーツオンライン」先行体験レポート
モバイルゲームで展開される本格オンラインRPG


6月3日 クローズドβテスト開始


 キューエンタテイメント株式会社は、株式会社ディー・エヌ・エーが運営しているモバイル総合ポータルサイト「モバゲータウン」にて、iモード用オンラインRPG「ガーディアンハーツオンライン (GHO)」のクローズドβテストを、6月3日より開始した。このテストには「モバゲータウン」の会員であれば誰でも参加できるが、接続人数によっては制限がかける場合もあるとしている。6月中旬には正式サービスを開始予定で、基本プレイ料金無料のアイテム課金制で運営される。

 本作は携帯電話上でMOタイプのRPGを実現している。同社は以前からモバイルゲームを開発してきているが、それに加えて数々のコンシューマゲームの開発と、オンラインゲーム運営の実績を持つ。「GHO」は、それらのノウハウとスタッフを結集して、モバイルオリジナルのタイトルとして開発された、大作と呼ぶべき作品である。

 弊誌読者には、普段はPCなどでオンラインゲームをプレイする読者は多いと思うが、モバイルゲームを日常的にプレイする方は少ないと思う。モバイルゲームがどこまで進歩しているのか? オンラインRPGがどこまで楽しめるものなのか? そういった部分のベンチマークとして本作を見ていただいても面白いだろう。今回はクローズドβテストを前に体験プレイする機会が得られたので、プレイした感想をお伝えしたい。



■ 魔神を巡って3人の女王が衝突する世界。どの女王を支持するかでストーリーは変化する

 かつて海に浮かんでいた「グランガイア」という島々が、魔物との戦い「魔神聖戦」により崩壊した大地から離れ、空へとその住処を移した。そして未だ恐るべき力を持つ魔神への干渉方法を巡って3人の女王が衝突、それぞれが独立国家を興し第2の文明を築き上げてきた。

 プレーヤーはこの3人の女王の誰を支持するかによって、所属する国が決まる。3カ国は、それぞれ違ったストーリーが展開していくので、全て楽しみたいのであれば、それぞれの国に別々にキャラクターを作らなければならない。

 


【パルメア】【ログ・ノード】【ルディアス】
「ヴェル・ジ・バーナ」を統治する女王。魔神消滅を掲げるこの国は、魔神聖戦で大切な人を失った人々から支持を得ている。「グランガイア」最強の騎士団を有するだけあり、多くの騎士や戦士が集い日々鍛錬を重ねている「ラデューゼスタ」を統治する女王。この国では高レベルの魔術師が集まり、知識の深淵を求め研究が続けられている。そのため魔神聖戦で人類に悪夢を見せた魔神の力さえも研究対象として活用しようとしており、他国からは冷酷な国と見られがち「ファルバイド・セブン」を統治する女王。科学が発達したこの国では未知の魔神に対して慎重派が多数を占める。それは臆病なのではなく、不確かなものに未来を賭けないという科学者や技師が多く暮らすためだ。3カ国の中では最も高い技術力を持っている


冒険の途中で女王に遭遇。このようなイベントシーンも多数収録されている

 所属国家が決まったら、次にキャラクターメイキングが始まる。キャラクターメイキングでは名前を入力後、信仰する神を選び、簡単な質問にいくつか答えることになる。その答えによって、キャラクターのステータスが決定される。

 「GHO」には職業やクラスといった概念がなく、全てのキャラクターが魔法と武器を扱える。職業で迷うことがなくゲームを始められるが、魔法スキルや武器スキルを使うにはある制限が存在するので、それは後ほどまとめて紹介する。

 今回の体験プレイでは、筆者は魔神消滅を掲げる「パルメア」が統べる国、「ヴェル・ジ・バーナ」からスタートしてみた。キャラクターメイキングが終わり、主人公の家からスタートし、「ヴェル・ジ・バーナ」の街を探索してみると、モバイルゲームとは思えないほどに多数のNPCが配置されていて、全てにちゃんとセリフが設定されていたのには驚いた。さすがに最先端のコンシューマゲームと比較するのは厳しいが、スーパーファミコンの頃のコンシューマゲームには勝るとも劣らないレベルの出来になっている。

 これはグラフィックスに関しても同じことがいえる。俯瞰視点でのプレイ画面は、当時のコンシューマでよく見られたスタイルで、丁寧に描かれている。現在の携帯ゲーム機と比較しても遜色ないほど完成度は高い。レスポンスもよく操作の違和感もなかった。


街中には多数のNPCの姿が見える。有益な情報を持っているNPCもいるが、中には雑談好きなだけのNPCもおり、モバイルゲームとしてはかなり贅沢なつくりだ。ちなみに各写真は3カ国それぞれのスタート地点の街。それぞれが独立した文化を持っていて雰囲気も違っている



■ シンプルで楽しいリアルタイムに進行するコマンドバトルはスキルの駆け引きがカギ!

 街の探索が終わり、ストーリーに沿って洞窟へ向かってみると、さっそくモンスターと遭遇して戦闘が始まった。モンスターとの遭遇はエンカウント制になっていて、イベントやボス戦以外で道中にモンスターの姿を確認することはない。

 戦闘が始まると、それぞれのキャラクターの頭上にゲージがつき、そのゲージが満タンになると、攻撃や防御といった行動が取れるようになる。行動が終わるとゲージは0になり、また時間とともにゲージが溜まっていく。これを決着がつくまで繰り返すというシステムだ。味方キャラクターのゲージが溜まってコマンドを入力する間にも、敵のゲージは溜まり続けている。早くコマンドを入力した方がロスをなくせるので、有利に戦える。

 しかし多人数でパーティを組んでいるときは事情が異なる。パーティプレイ時は複数プレーヤーの攻撃やスキルが一定時間内にヒットすることで攻撃が連鎖し大ダメージを与えられる「アクティブリンゲージバトル」というシステムがあるので、あえて仲間のゲージが溜まるのを待つほうが有利になる場合がある。

 また、コマンドで魔法を選択すると詠唱を行なうのだが、この間にダメージを受けると詠唱がキャンセルされる「キャストブレイク」というシステムも存在する。これは味方だけでなく敵にも適用されるため、敵が詠唱を始めてからまとめて攻撃することで、敵に強力なスキルを使わせないという戦術が有効な場合もある。シンプルなシステムながら、スキルとタイミングの駆け引きによって奥深い戦闘を楽しめるようになっている。

 ここでスキルについても述べておこう。「GHO」には職業やクラスといった概念がないというのは先述したが、全ての魔法スキルが覚えられたり使えるというわけではない。キャラクターメイキングのときに選ぶ信仰神が火・水・風・土の4つ魔法属性を司っており、選択した信仰神が司る属性が、極められる魔法属性ということになる。この信仰神については、基本的に途中変更はできないという。

 武器には特に制限がなく、大剣・拳(格闘)・弓・杖から選んでプレイすることで、各武器専用のスキルを覚えていく。ただし、武器は持ちかえて使えるようなので、必要なスキルや欲しいスキルの有無で複数の武器を試してみても面白いだろう。


ターン制のコマンドバトルに見えるが、実はリアルタイムで動いているので、その瞬間の状況を判断してコマンドを選択する必要がある
魔法スキルは、極めればどれも強大な威力を持っている。各属性には特色があり、どの属性が強いというわけではないが、各モンスターには耐性を持つ属性や弱点属性が設定されているので、それぞれが得意とする敵は変わっていくだろう

スキルパネルのセッティングはマイホーム(自分の家)にある魔方陣に入ると出現するメニューから可能だ

 スキルに関してもうひとつ覚えておかなければならない重要な要素が、その習得方法だ。「GHO」では、スキルは使えるようになっただけで発動させることはできず、各スキルに対応した「スキルピース」を「スキルパネル」にはめ込むことで初めて使えるようになる。

 スキルピースにはさまざまな形状があり、またスキルパネルの広さは有限となっているため、全てのスキルを同時に身につけることは不可能だ。イメージ的には、スキルパネルは弁当箱、スキルピースはおかずやご飯といった具の様なもの。弁当箱に具を入れることでスキルは発動可能になり、冒険中に使いたいスキルは、冒険前にすべて弁当箱に入れておく必要があるということだ。弁当箱には容量があるので、使いたいスキルが全部入らないかもしれないが、具を整理して工夫しながら入れることでうまく入ることもある。それができれば冒険を有利に進められるわけだ。

 このスキルピースをセットする工程も、パズルゲームのようで面白い。色々考えながらベストのセッティングで冒険に出発できるようにしよう。


装着したいスキルを選ぶと、対応したスキルピースがスキルパネル上に出現する(画像では左上の少し浮いてるピース)。他のスキルピースに重ならないように空いてる場所を探してうまく入れられれば、そのスキルを使えるようになる
スキルには生産系のものもあり、生産でしか入手できない装備も存在する。素材収集の効率を上げるスキルをスキルパネルにセットしておけば、採集ポイントで効率よく素材を集められる


■ ソロプレイでレベルアップ、手強いクエストはパーティで挑め!

ログアウト中の他のプレーヤーキャラクターを傭兵として雇うことも可能。事前に傭兵登録を済ませているキャラクターがリストアップされ、費用を払うと一定時間仲間になる。費用はシステム的に決められ、高いほど強いキャラクターということになる

 ゲームスタート後の洞窟探索が終わってイベントが一段落すると、国の騎士団に雇われ、冒険協会からクエスト(依頼)を受けてゲームを進行させるようになる。MORPG形式でパーティを組んで遊べるようになるのもこのタイミングから。ソロプレイ用のクエストも充実しているので、いくつかこなしてレベルを上げてから、パーティ用のクエスト(以下、MOクエスト)に挑戦するという流れが一般的になりそうだ。

 MOクエストに挑戦したいときは、まずはMOクエスト専用のロビーに移動し、そこに来ている自分と同じくMOクエストのクリアを目指してやってきた他のプレーヤーたちを誘うか、逆に自分が他のプレーヤーが受けたクエストに便乗すればOKだ。

 今回の体験プレイではレベルの高いキャラクターを借りてMOクエストに挑んでみた。4人でフィールドに降り立ったまではよかったのだが、経験不足のため、筆者たちがパーティメンバーから離れて移動してしまった。この状態だとそれぞれが敵と遭遇し、戦力を分散させられた状態で敵と戦う羽目になってしまう。レベルが高いキャラクターを使っていたのと、戦闘中に仲間が途中参戦してくれたので苦もなく乗り切ったが、適正レベルで挑戦したときに同じことをしたらきっと失敗していただろう。

 ちなみにクエストは1回の挑戦で2回までは失敗が許される。3回目の失敗をしてしまうと、クエスト失敗となり、ロビーに戻されてしまうようだ。手強いMOクエストだが、そのぶんクリアしたときの報酬は豪華で、普段では絶対に手に入らないレアアイテムを入手できるチャンスもある。「GHO」の最大の特徴であり、楽しい部分なので仲間とともにぜひ挑戦してみてほしい。


ロビーで仲間を集めてMOクエストに挑戦! チャットは定型文の登録からフリーチャットまで自由度は高い。絵文字が使えるのもポイントだ


■ ゲーム内SNSでコミュニケーションが充実!

 ゲーム内でも最低限のコミュニケーションは取れるが、「GHO」にはさらに専用SNSが用意されている。キャラクターのステータスや所持スキルの確認、友達リストや日記、一言伝言板などの情報を、携帯サイトで閲覧できる。このサイトは「GHO」に作成されたキャラクターごとに1つずつ与えられる。自由に編集できるので上手に使っていこう。ゲームにログインしていないときも、友達の日記を見てまわるだけできっと楽しいはずだ。


キャラクターの状態から今晩の待ち合わせ場所まで、あらゆる場面で活躍しそうな専用SNS。これでログインしていない友達との連絡も容易に取れるはず。各キャラクターのページの他、同じ国でプレイしている人たちだけが閲覧できる国別掲示板も設置されているので、クエストの情報交換などに役立ちそうだ


■ 課金アイテムで冒険の幅やカスタマイズ要素が倍増! さらに気になるアップデート情報も

冒険に役立つあらゆるアイテムを売っている「ポムのなんでも商店街」。アイテムの購入には「モバゲータウン」内通貨の「モバコイン」が必要だ

 課金アイテムの詳細はまだ調整段階ということだが、経験値アップやHP・MPを回復する消費アイテムなど、PCのアイテム課金制オンラインゲームゲームでは定番となっているものをはじめ、スキルピースの形を変えたり、スキルパネルを広くするなど、「GHO」の戦略を左右する要素も実装される予定だ。これで自分だけのスキルの組み合わせでセッティングすることが可能になり、キャラクターの個性がより強くなる。

 以上で現時点でのゲームの紹介は終わるが、今回サービスされる「GHO」は、実は開発陣内では“Phase1”と呼ばれているという。これから先、大幅なアップデートが入ることで、世界が広がっていくという。その構想はどこまで広がっているのかは知る由もないが、今後のアップデート情報にも期待していきたい。

 モバイルゲームの限界に挑戦しているともいえる「GHO」のクオリティは、筆者の想像するモバイルゲームの領域を完全に突き抜けた完成度だった。「モバゲータウン」に会員登録だけすれば、基本プレイ無料で楽しめるので、これまでモバイルゲームを遊んだことのない人や、オンラインRPGを遊んだことのない人は、ぜひプレイしてみてほしい。

(C)2009 Q Entertainment Inc.

(2009年 6月 3日)

[Reported by 徳弘径]