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ラップ裁判!? ダンス裁判!? 司法オリンピックを舞台に逆転に次ぐ逆転! 舞台「逆転裁判 -逆転のGOLD MEDAL-」開廷!

1月16日~1月21日 上演

劇場:シアター1010

 カプコンと劇団「スーパーエキセントリックシアター」による舞台「逆転裁判 -逆転のGOLD MEDAL-」が1月16日から21日まで計9公演上演される。劇場は東京・北千住にあるシアター1010。

 「逆転裁判」シリーズの舞台としては3作目となり、オリジナルストーリーで展開する。成歩堂龍一、御剣怜侍、綾里真宵といった人気のメインキャラクターだけでなく、今回はゴドーも登場。さらに、オリジナルストーリーということでオリジナルキャラクターも多数登場し、華やかな舞台となる。また、カプコンの「逆転」シリーズディレクターの巧 舟氏、シリーズプロデューサーの江城元秀氏も完全監修。2年以上の歳月を掛けて制作が進められてきた、濃い内容の舞台となっている。

左から、舞台オリジナルキャラのヨークシャー・ベルジャン役の小南光司さん、深鴫ヨーコ役の大矢真那さん、綾里真宵役の中村麗乃さん、成歩堂龍一役の加藤 将さん、御剣怜侍役の小波津亜廉さん、ゴドー役の友常勇気さん

 上演に先駆けて開催されたゲネプロ/囲み取材で成歩堂龍一を演じる加藤 将さんは「初座長ということで本番ではみんなを引っ張っていけるようがんばります。スタッフのみなさん魂を込めて作っているので、作品を愛してキャラクターになりきって演じていきたい」と意気込みを語った。また、ゴドー役の友常勇気さんは「歌あり、ダンスあり、謎ありのギュギュッと詰まった2時間10分ですので、みなさんお足を運んでいただければと思います」とアピール。

 今回は巧 舟氏完全監修ということで、加藤さんも色々とアドバイスをたくさん受けたという。たとえばあるシーンでの表情について「その場面は成歩堂だと笑顔のほうがいい」など細かい指示を受けたのだという。原作者のアドバイスを受けることで「だんだん成歩堂くんに近づいている」と加藤さん。

 成歩堂のヘアスタイルもなかなか特徴的だが、加藤さんによれば「(バックに流れるようなヘアスタイルなので)スピード感を出すために横を向いています」とか。これには共演者から「躍動感だと(言いたいんだと)思います」とツッコミが入る一幕も。ただ、正面から見ると特徴的なヘアスタイルが目立たないため、なるべく横から見えるように心がけているとか。

 また御剣怜侍役の小波津亜廉さんは、御剣が貴族のように見えるよう苦労したと言い、胸のところの衣装が「3段の波を再現されるよう、前々日まで直しに直してカプコンさんと調整が繰り返されていました」とリアルに再現するためにかなりの苦労があったことを明かした。

 同じく衣装関連では、なんと言ってもゴドーの仮面が大変そうだが、演じた友常勇気さんによれば「目の前に線があって……視界は不良ですが、(役者間の人間関係は)良好です」と上手く表現し、記者陣の笑いを誘った。

 ちなみにゲームファンの注目ポイントとして、「逆転裁判」シリーズをプレイしたことがあるという小波津さんは「裁判のシーンで画面が切り替わって映像が入るシーンなどが、舞台をそのまま切り取ったようにゲームの雰囲気を上手く表現しています」とアピール。また、効果音などもゲームの音をそのまま使用しており、ゲームをプレイしたことのあるファンにとってはそれだけで引き込まれることだろう。

 ストーリーは、世界のスゴ腕弁護士や検事たちが技を競い合う「司法オリンピック」を舞台に進行する。御剣怜侍、狩魔 冥ら錚々たる参加者が並み居る中、謎に包まれた男・ゴドー検事が開会宣言をし、戦いの火ぶたは切って落とされた。そして全世界に生中継される闘技場の法廷で、事件は起こってしまう……。

 登場人物の多い舞台だが、とっちらかる事無く王道の展開となる。とはいえ、そこは「逆転裁判」。ラストにむかって予想を覆すような展開が巻き起こり、逆転に次ぐ逆転劇が繰り広げられ、笑いだけでなく、ラストには泣ける展開も用意されており、誰もが楽しめるエンターテイメントに仕上がっている。

 そして俳優陣もコメントしていたとおり、効果音がアクセントとなっており、ゲームをプレイしているかのような気分にさせてくれる。キャラクターの造形も完璧で、仮面がゲームのグラフィックスそのままなゴドーや、和のテイストが可愛らしい綾里真宵、カッコイイ中にもコミカルな一面がたまらない御剣怜侍、鞭を振り回しまくりの狩魔 冥、そしてちょっとよれよれだが決めるところは決める糸鋸圭介も雰囲気が非常に良くでていた。

 また、気になる「待った!」や「異議あり!」のセリフだが、ただ単純に台詞とポーズを再現するだけでなく、印象深くなるよう演出が加えられており、非常に盛り上がるようになっている。ぜひともファンは注目して欲しい。

 物語的には「司法オリンピック」で取り上げられる戦いの中に、ラップで裁判を行なったり、ダンスを行なうという衝撃の演出があり、笑わせてくれる。しかし、この場面の歌とダンスは十分に作り込まれているので、笑いだけでなくしっかりと楽しませてくれるので、大きな見所の1つと言えるだろう。

 1週間ほどと短い公演期間だが、非常に力の入った舞台となっているので、「逆転裁判」ファンはぜひとも楽しんで欲しい。