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東京ゲームショウ2018に、シャープが1990年代に発売したパソコン「X68000」シリーズの実機が登場!

9月20日~23日 開催

会場:幕張メッセ

 ロケットエンジンは東京ゲームショウ2018にて、シャープが20世記に発売したパーソナルワークステーション「X68000」シリーズに対応したシューティングゲーム「ヴァリストレスナルト」のプレイアブル展示を行なっている。

 ゲームは、横画面縦スクロールのシューティング。白く光る敵から出現するウェポンジュエルを獲得すると、色に応じたショットへとパワーアップする。場面に応じたウェポンジュエルを回収して敵弾をかわしつつ敵を倒し、ステージ最後に待ち受けるボスを倒せば面クリアだ。自機や敵キャラだけでなく、ステージに至るまでオールドット絵で描かれており、それと合わせてFM音源で奏でられる楽曲が、21世記にも心地よく響くタイトルだ。

【X68000用オリジナルシューティングゲーム「ヴァリスト・レスナルト」 PV第二弾】

 誰しもが気になるのは、1996年から開催されている東京ゲームショウにて「X68000」の実機が持ち込まれ、そこで動くゲームが展示されたのは初めてではないのか? というところだろう。インディーゲームコーナーとはいえ、パワフルなゲーム機やPC、VRやARといった最先端技術が活用されたタイトルが並ぶ21世記のゲームショウにおいて、「X68000」用ゲームの展示なのか? そのあたりを、出展社であるロケットエンジン代表取締役の近藤勇氏に伺った。

今回展示されていた実機は、X68000 Compactと呼ばれるモデル。X68000シリーズの中で、初めて3.5インチFDDを搭載した機種だ。X68000と言えばツインタワーの美しいフォルムが特徴だが、Compactは内蔵ドライブを3.5インチFDDにしたことで容積が従来比約4割も削減され、シングルタワー仕様となった。使用されているモニタはブラウン管タイプのもので、こちらも東京ゲームショウ会場内で使われているディスプレイとしては、唯一のブラウン管モニタではなかろうか?

--この最新技術全盛の時代に、敢えてX68000用ゲームを展示することになった理由を教えてください。

近藤氏: 実は、BEEPさんから「ヴァリストレスナルト」復刻の話を頂いたからです。

--復刻ということは、元があったということですよね?

近藤氏: 元は、アモルファスという会社から発売されていたX68000用シューティングゲームコンストラクション「シューティング68k」というソフト上で製作したゲームでした。そこで大賞を頂きまして、ソフトベンダーTAKERU(※1)にて販売されました。ところが、その当時は有名じゃ無かったため、全然でした……。2000年代に入ると、MDX(※2)で曲だけが世間に流れていたようです。その当時は「MDXでは良く聞くけれど、これを使用しているソフトが実在するかどうかはわからない」と言われていたのを耳にしたことがあります。

※1:1986年から稼働を開始した、世界初のパソコンソフト自動販売機。

※2:X68000などのパソコンで再生するFM音源ドライバ「MXDRV」で動作する、楽曲データファイルの呼び名。ファイルの拡張子に「.MDX」が用いられていた。

--これがなぜ、今になってBEEPさんから復刻の声がかかったのでしょうか?

近藤氏: BEEPさんで、たまたま「その昔に『ヴァリストレスナルト』というゲームを作ったことがあったんですよ」という話をしたところ、偶然にもBEEPさんの在庫に『ヴァリストレスナルト』がありまして(笑)。その勢いで「じゃあ復刻しましょう」ということになりました。

--ということは、中身は当時そのままなのでしょうか?

近藤氏: リソースに関しては当時のままの部分が多いですが、プログラム的に現代ナイズしたり連射機能の付加、さらには裏技なども新しく隠してありますので、ぜひ見つけて欲しいです(笑)。

--完成版のお披露目として、ゲームショウへの出展だったということなんですね。発売はいつなのでしょうか?

近藤氏: 先行予約者への発売が8月31日で、一般店頭販売は9月初旬から行なっています。しかしすぐに完売してしまったので、現在は増産しました。

--ソフトは5インチFDでの発売ですが、本日展示で使用されているのは「X68000 Compact」ですよね?

近藤氏: 実は、展示スペースの都合で「X68000 Compact」にしています……。とはいえ、この際フロッピーディスクさえ確保できれば、3.5インチ版もリリースしたいと思っています。ディスクを入手するのが難しいのですが、BEEPさんが用意してくださるのであれば作らざるを得ないですね!

--当時を知る人やX68000のオーナーだった人たちは、東京ゲームショウではロケットエンジンのブースで、『ヴァリストレスナルト』を遊ぶしかないということですね。

近藤氏: ぜひお願いします! 私たちを捕まえて、懐かしい話しに花を咲かせることもできますし(笑)。おそらく、「X68000 Compact」が搬入されたのはゲームショウ史上初だと思いますが、明日以降はなんとかスペースを捻出してゲームショウ史上初となる「X68000 XVI」を搬入しますので、それも合わせて見に来てください。

話を伺った、ロケットエンジン代表取締役の近藤勇氏

「ヴァリストレスナルト」

・対応機種:X68000シリーズ

・購入方法:BEEP秋葉原店頭または以下URLの通信販売ページから
https://www.beep-shop.com/ec/products/detail/673