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JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸!

話題のRPG「UNDERTALE」のパワフルなジャズアレンジに大興奮

10月14日、15日開催

会場:堂島リバーフォーラム

 ゲーム専門のプロオーケストラ集団JAGMOは10月14日と15日、初となる地方公演「BIG BAND JAGMO」を大阪 堂島リバーフォーラムにて開催した。

JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸! JAGMOの大阪公演は「BIG BAND JAGMO」からスタート
JAGMOの大阪公演は「BIG BAND JAGMO」からスタート
JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸! 会場となった堂島リバーフォーラム
会場となった堂島リバーフォーラム

 今回の大阪公演は、9月の東京開催に続く、JAGMOとしては初めてのツアー公演となる。まずはトライアルということで従来のフルオケ編成ではなく、「BIG BAND JAGMO」というタイトルからもわかるように、トランペット、トロンボーン、サックスを中心としたビッグバンド編成を採用。大阪は、東京と比較して口コミの影響が大きいということで、まずは小規模編成でJAGMOの魅力を知ってもらい、改めてフルオケ巡業を行なう計画だ。

会場となった堂島リバーフォーラムは、東京公演で使用しているオーケストラホールではなく、スタンディングで1000人ほどが入れるかどうかというの規模のやや大きめの多目的イベントホール。席は400席ほどで、パイプ椅子をググッと前方に寄せ、奏者の表情や息遣いまで伝わるような距離感を実現。ステージをジャズバー風の装いに模様替えし、ソロパートに合わせてピンポイントのライトアップ演出が楽しかった。

 今回、なぜ小規模編成に本来のJAGMOのスタイルに近い弦楽アンサンブルではなくビッグバンドを選択したのかというと、単純にプロデューサーの山本和哉氏と音楽監督の深澤恵梨香氏が「ジャズが大好きだから」だという。ビッグバンド編成はこれまでのJAGMOの定期公演でも、合間に余興的なスタイルで取り入れられていたが、アンサンブルと並んでこちらも人気が高かったということで、見事独立させる形となった。今回の反響によっては、JAGMOとは別の公演として定期開催することも検討したいという。

 16名の奏者は、JAGMOの選抜メンバーに加えて、ジャズ界ではその名を知られているプロ奏者をゲストとして迎えており、指揮者は音楽監督の深澤恵梨香氏が務めたほか、ジャズバーのライブ風に指揮者なしの曲目もあった。セットリストは以下の通り。

【BIG BAND JAGMOセットリスト】
『サクラ大戦』シリーズより
「檄!帝国華撃団」(『サクラ大戦』)
「御旗のもとに」(『サクラ大戦3』)
「地上の戦士」(『サクラ大戦5』)

『MOTHER』シリーズより
「Bein' Friends」(『MOTHER』)
「摩天楼に抱かれて」(『MOTHER2』)

『UNDERTALE』より
「Ghost Fight / ゴースト・ファイト」
「Battle Against a True Hero / 本物のヒーローとの戦い」
「MEGALOVANIA / MEGALOVANIA」他

『アークザラッド』より
「アークザラッドのテーマ」

『スーパーマリオワールド』より
「タイトル」「アスレチック」 「エンディング」

『ペルソナ3』より
「全ての人の魂の詩」「全ての人の魂の戦い」他

『FINAL FANTASY』シリーズより
14日(土) 15日(日)
「ブラスdeチョコボ(FINAL FANTASY X)」
14日(土) 15日(日)
「決戦(FINAL FANTASY VI)」

『塊魂』シリーズより
「塊オンザスウィング」(『みんな大好き塊魂』)
「ケ・セラ・セラ」(『塊魂』)

『クロノ・クロス』より
「CHRONO CROSS ~時の傷痕~」

JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸! 初のビッグバンド編成を採用
初のビッグバンド編成を採用
JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸! 指揮者は音楽監督の深澤恵梨香氏が担当
指揮者は音楽監督の深澤恵梨香氏が担当
JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸! アルコールを飲みながらライブを楽しむことができた
アルコールを飲みながらライブを楽しむことができた

 公演を支える定番曲としては、「ファイナルファンタジー」シリーズをはじめ、「サクラ大戦」シリーズ、「MOTHER」あたり。初演奏には、最近採用が増えている任天堂から「スーパーマリオワールド」が採用された。

 「ファイナルファンタジー」は、14日の公演では、ビッグバンド編成に最適と言えるチョコボのテーマのブラスバンド向けアレンジ「ブラスdeチョコボ」。「サクラ大戦」は、JAGMOお馴染みとなっている「サクラ大戦」シリーズの主題歌のメドレーで、もともと「サクラ大戦5」は、ニューヨークをモチーフとしたジャズスタイルの曲調となっているため、ほとんど原曲のまま演奏されていた。「MOTHER」からは、屈指の名曲Bein' Friendsがサックスを主体としたスイングジャズ風で演奏され、懐かしい曲がさらに懐かしくなる名演だった。

 開演前、プロデューサーの山本氏は、演奏内容について「結構大胆なことをしているので驚くと思いますよ。東京公演では批判も来るかなと思っていたんですが、結構好評でした」と語っていたが、確かに「BIG BAND JAGMO」の公演は、従来のJAGMOの定期公演とはかなり異なる内容になっていた。

 具体的には、ジャズ公演らしく、各楽器の特性を最大限に活かす形で合間にソロパートが設けられているのだが、その内容が原曲とはほぼ異なり、いわゆるジャズの即興演奏状態になっていたことだ。しかも、すべての曲でそれが行なわれ、曲によっては即興風のソロパートの方が長いぐらいで、「クロノクロス」に至っては途中で何故かジャズの名曲「Sing Sing Sing」(Benny Goodman)の旋律が挿入されるなど、大胆な言い方をすれば“ゲームミュージックの名を借りたジャズライブ”になっていた。

 筆者はジャズファンなので、仕事で来たことを若干悔いるぐらい存分に楽しませて貰ったし、こういう形でのゲームミュージックの演奏は“あり”だと思う。ただ、ピュアなゲームミュージックファンからすると、原曲とほとんど絡まないソロパートは不要だと感じるかもしれないし、その時間を別の曲の演奏に当ててほしいと感じてもおかしくないと思う。

 ただ、JAGMOは、これまでにも徐々に演奏が巧くなっていく「レベルアップ交響曲」や、複数の曲を切れ目なく演奏していく「メドレーアレンジ」など、新しいことに次々にチャレンジしており、今回のビッグバンド編成による単独公演もそのひとつだし、新しいことを続けることこそがJAGMOの魅力だと思う。多少の批判はありつつもぜひ独自の道を突き進んでいって欲しいと思う。

 “新しいこと”という点で今回衝撃的だったのは「UNDERTALE」だ。「UNDERTALE」は8月のJAGMO定期公演で初演奏したところ、予想を上回る大反響を呼んだため、「BIG BAND JAGMO」でも演奏されることになったという。

 「UNDERTALE」は、2015年にSteam向けにリリースされたRPGで、インディゲームとしては極めて珍しいミリオンヒットを記録し、2017年8月にはPS4/PS Vita向けに日本語版もリリースされたため、知っているゲームファンも多いだろう。

 米国の“作曲家”Toby Fox氏が、自身が制作した膨大な曲を活かすために1人で制作したゲームで、「イース」や「悪魔城ドラキュラ」など、FC音源、FM音源時代のゲームの影響が濃厚に感じられる強くわかりやすいメロディラインが特徴で、往年のゲームミュージックファンを直撃する名曲が多い。

 今回は「Ghost Fight」、「Battle Against a True Hero」、「MEGALOVANIA」の3曲がビッグバンドスタイルのジャズアレンジで演奏された。

 もともと原曲が素晴らしい上に、音源も選び抜かれているため、アレンジはさぞかし大変だったと思われるが、見事なジャズアレンジだった。「Ghost Fight」、「Battle Against a True Hero」はソロパートを挟まず、原曲に忠実なアレンジを行ない、「UNDERTALE」を代表する名曲「MEGALOVANIA」に繋いだ。

 「MEGALOVANIA」の原曲は、主旋律にあえてFM音源風の音色を採用した、アップテンポのヘビメタサウンドとなっているが、JAGMOのアレンジでは、サックスを主体にしたスイングジャズ風味で、ソロパートはトランペットの即興。ソロパートは、一気にスローテンポに変わり、ムードたっぷりのジャズバーの雰囲気に。最後は徐々に「MEGALOVANIA」のメロディが戻ってきて全員で大団円を迎え、この日もっとも大きな拍手が沸き起こった。「UNDERTALE」は、早くもJAGMOにとって欠くべからざる曲目になっていると感じた。新しい曲の採用にも期待したいところだ。

 「BIG BAND JAGMO」大阪公演は、スタンディングあり、手拍子あり、アルコールありという、JAGMOの公演としては比較的自由なレギュレーションのライブとなったが、初回と言うこともあるのか、来場者は今ひとつ乗り切れず、深澤氏のマイクパフォーマンスもやや硬い感じで、JAGMO側が意図したようなオールスタンディングでノリノリになるまでには至っていなかった。

 個人的には、ビッグバンド編成を重視するあまり、ジャズアレンジのゲームミュージックライブにするのか、ゲームミュージックも弾くジャズライブにするのか、軸足が定まっていない印象を受けた。前者にするならもう少しJAGMOの定番曲の演奏を増やして欲しいし、後者にするなら料金を下げて間口を広げるべきだと思う。試みそのものは素晴らしいので、改良を加えながらぜひ定期公演化を実現して欲しいところだ。

【ソロパート】
JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸! 曲の合間にはソロパートが設けられ、ほとんど全員がスポットライトを浴びる形で、楽器の持ち味を活かした即興を行なった
JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸! 曲の合間にはソロパートが設けられ、ほとんど全員がスポットライトを浴びる形で、楽器の持ち味を活かした即興を行なった
JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸! 曲の合間にはソロパートが設けられ、ほとんど全員がスポットライトを浴びる形で、楽器の持ち味を活かした即興を行なった
JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸! 曲の合間にはソロパートが設けられ、ほとんど全員がスポットライトを浴びる形で、楽器の持ち味を活かした即興を行なった
JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸! 曲の合間にはソロパートが設けられ、ほとんど全員がスポットライトを浴びる形で、楽器の持ち味を活かした即興を行なった
JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸! 曲の合間にはソロパートが設けられ、ほとんど全員がスポットライトを浴びる形で、楽器の持ち味を活かした即興を行なった
JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸! 曲の合間にはソロパートが設けられ、ほとんど全員がスポットライトを浴びる形で、楽器の持ち味を活かした即興を行なった
JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸! 曲の合間にはソロパートが設けられ、ほとんど全員がスポットライトを浴びる形で、楽器の持ち味を活かした即興を行なった
JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸! 曲の合間にはソロパートが設けられ、ほとんど全員がスポットライトを浴びる形で、楽器の持ち味を活かした即興を行なった
JAGMO発のビッグバンド「BIG BAND JAGMO」が大阪に初上陸! 曲の合間にはソロパートが設けられ、ほとんど全員がスポットライトを浴びる形で、楽器の持ち味を活かした即興を行なった
曲の合間にはソロパートが設けられ、ほとんど全員がスポットライトを浴びる形で、楽器の持ち味を活かした即興を行なった