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「Age of Empires Definitive Edition」ファーストインプレッション
発売日は10月19日に決定! 日本語版を早速プレイしてきた
2017年8月22日 08:44
Microsoftは、gamescom 2017に先駆けて実施したプライベートショウ「Age of Empires @ gamescom Live!」において、現在開発中のWindows 10向けリアルタイムストラテジー「Age of Empires Definitive Edition(AoE DE)」を10月19日に発売することを明らかにし、本日よりプリオーダーを開始した。日本での発売は未定ながら、対応言語には日本語が含まれている。会場には試遊台も公開され、開発中のビルドを自由にプレイすることができたので、インプレッションをお届けしたい。
今年ついにシリーズ誕生から20周年を迎えた「Age of Empires」。“大和”として日本もプレイアブルな文明に含まれていたこともあって、PCゲームとしては異例の大ヒットを記録し、日本におけるリアルタイムストラテジー(RTS)の元祖的存在として知られる。
とりわけ日本での「AoE」人気を象徴する出来事として、2002年の日本人のHalen選手が「Age of Empires II」の世界大会で優勝したことは、eスポーツファン、「AoE」ファンには忘れられない出来事のひとつだ。当時、eスポーツと言えば韓国、韓国といえば「Starcraft」大国という印象が強いが、「Age of Empires」も多くの競技人口を抱える人気タイトルの1つで、その韓国のプロゲーマーを破っての優勝を果たした。
シリーズとしては「Age of Empires II」以降も、「Age of Mythology」、「Age of Empires III」まで計4作品がリリースされたが、宿命のライバルであるBlizzard Entertainmentの「Starcraft」や「Warcraft」との差別化を図るために、eスポーツ路線を捨て、ストーリー性を重視した結果、エキサイティングなオンライン対戦を望むファンが離れ、わずか10年でシリーズとして終焉を迎えた。
「Starcraft」は最新作の「Starcraft II」が現役タイトルであり、「Warcraft III」は「League of Legends」に代表されるMOBAの原点としてRTSのメインストリームを担っていることと比較すると、「Age of Empires」は、「Halo Wars」シリーズという別の形でノウハウは残っているとはいえ、「AoE」自体の系譜は途中で途絶えており、ファンとしては寂しい限りだった。
「AoE DE」は、近年リリースされた「Age of Empires II HD Edition」や「Age of Mythology Extended Edition」とはまったく方向性の異なるプロジェクトで、この2タイトルが、シリーズを絶やさないための、ワンポイントリリーフ的欧米限定のHD化プロジェクトだったのに対し、「AoE DE」は4K対応を始め、オーケストラサウンド、人口上限の開放、ユニット行動AIの強化、建物の破壊アニメーションの実装、アイドル状態のユニット選択機能の追加など、あらゆる部分に手を入れた完全リメイクとなっており、なおかつ「AoE III」以来となる14カ国語対応のグローバル展開が予定されている。言語には冒頭でも触れたように日本語も含まれており、往年の「AoE」ファンは存分に日本語で楽しむことができる。
今回会場では開発中のビルドを実際にプレイすることができた。といっても現時点ではまだシングルプレイのみで、あらかじめマップに敵味方両陣営が布陣しており、各拠点の奥に部族の象徴を建設しており、10分間守り切れば勝利というもの。gamescomのデモ用に4Kの高解像度で大軍を操作して攻め込むという本作の醍醐味が手軽に味わえるようになっており、敵側に、こちらの部族の象徴を破壊できるほどの戦力はないため、10分経過で必ず勝てるようになっている。
プレイフィールとしては、初代「AoE」そのものだ。グラフィックスが、文字通り、4K化しており、XGA(1024×768)程度のグラフィックスが一気に4K(3840×2160)まで広がり、解像度が一気に十数倍になっているため、隅々まで驚きのクッキリさになっている。
グラフィックスそのものは2Dだが、精密さがケタ違いで、元のバージョンには描かれていなかったユニットや建物の細かい紋章や装飾、彫刻などがディテールたっぷりに描かれている。フィールドも美しくなり、海には食料となる魚や鯨が泳いでいるのが見え、畑や岩など、まるでミニチュアを見ているかのようだ。「AoE」ファンなら画面を見ているだけでも楽しめるはずだ。
4K化の恩恵は、1画面内に収められる情報量の多さという点で明快に出ているが、逆に言えば、1つ1つのサイズは小さいため、精密な操作が要求されるゲームになっている。30インチ以下の4Kモニターで遊ぼうと思ったら、ユニットの選択すら大変そうだ。
こうした4Kがゆえの問題を解決するために、ズームを4段階で変更できるようになっている。今回は1倍、2倍、4倍の3種類を選択できたが、1倍だとまさに4K、2倍だとフルHDぐらいで、4倍にするとXGA表示ぐらいの当時のプレイフィールそのままになる。モニターサイズや好みに応じて選べるのが嬉しいところだ。
また、時代の変化に合わせて、ゲームスピードも3段階(ノーマル、ファースト、ベリーファースト)で用意されている。何度も繰り返しトレーニングするeスポーツに向いた機能と言える。
さらに2Dのゲームながら、3Dエフェクト周りにシェーダーが使われており、そのオンオフが選択できる。本作は基本的には2Dのゲームで、オンボードのPCでも遊ぶことができるが、重い際にブルームやクラウド、霧、アンチエイリアスをオフにすることでスペックの低いPCでも気軽に遊ぶことができるようだ。
シングルプレイ周りについては、ほぼ期待通りの内容で、あとはマルチプレイの仕上がり、具体的には「AoE」シリーズの特徴であるランダムマップの作り込みや、ゲームバランス、各種族間のバランス、200~300ユニットが動く際のパフォーマンスなどが実際のゲームプレイでどうなっているかを見てみたい。その上で、本作が、現代のeスポーツシーンの一部となり、Halen選手のような一流プレーヤーが日本から生まれてくれることを期待したいところだ。