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「FFXIV: 紅蓮のリベレーター」、ジョブ別スキル解説【タンク編】

ナイトは大幅強化、戦士は“フェルクリーブ士”、暗黒はブラッドゲージ管理が重要に

5月23日 開催

会場:ドイツ・Yu Garden Hamburg

 スクウェア・エニックスは、プレイステーション 4/Windows/Mac用MMORPG「ファイナルファンタジーXIV(以下、FFXIV)」の最新拡張パック「紅蓮のリベレーター」のバトルなど新要素を体験できるメディアツアーを、ドイツ第2の大都市 ハンブルグで開催した。

 今回触ることができたのは、全ジョブのレベル70までの新技能。このレポートでは、タンクロールの3ジョブ、ナイト、戦士、暗黒騎士についてのインプレッションをお届けする。

 「3.0」のレイドでは魔法攻撃を使うボスが多かったために、魔法を防ぐ方法や強力な攻撃力を持たないナイトが相対的に不利な状況が続いた。そのため、「4.0」では魔法攻撃にもブロックが発動するようになり、ナイトだけが魔法に弱いという状況は改善されそうだ。バトルアクションの調整でも、特にメインタンクの席を争いがちな暗黒騎士とナイトとの性能の均質化が強く意識されているように感じた。以下に各ジョブの技能がどう変わったかを紹介したい。

 尚、本文中やスクリーンショットに使用しているスキルの詳細については、あくまでも開発中のバージョンであり、今後変更される可能性があることをご留意願いたい。

「ナイト」は与ダメージが全体的に底上げされ、待望の範囲攻撃もゲット

 まずはナイトを見ていきたい。ナイトは、「ファストブレード」と「レイジ・オブ・ハルオーネ」、「忠義の剣」、「ゴア・ブレード」の威力が引き上げられるなど、全体的にDPSの底上げが行なわれている。またレベル46で覚える技能として、円形の範囲攻撃「トータルエクリプス」が追加されている。新技能の中にも、単体への強力な無属性魔法攻撃の「ホーリースピリット」や、自身の残りMPが多いほどダメージが大きくなる単体への物理攻撃「レクイエスカット」など半分は攻撃用のアクションになっている。

 新技能の残り2つは、忠義ゲージを消費して、パーティメンバー1人にダメージを軽減するバフを付ける「インターベンション」と、自分の背後に大きな翼のような効果を出しつつ、背後にいるパーティメンバーの被ダメージを軽減する「パッセージ・オブ・アームズ」というどちらも盾役として便利なアクションが揃っている。「ランパート」がロールアクションに回り、「フォーサイト」がなくなった代わりに暗黒騎士の「リプライザル」と、受け流し率を上げる「見切り」がロールアクションとして使えるので、防御バフが1つ増えたことになる。これまでもアディショナルとして全タンクが使っていた「コンバレセンス」は、ロールアクションに移動された。

 ナイトのジョブゲージは、「忠義の盾」と「忠義の剣」のどちらを付与しているのかをデザインの違いで見せるというもので、そこに敵の攻撃をブロックするか、「忠義の剣」でオートアタックするたびに「忠義」という数値が貯まっていく。忠義は前述の「インターベンション」ともう1つ「シェルトロン」を使うと消費する。

 「3.0」で追加された「シェルトロン」は、効果時間中に受ける1回の物理攻撃を必ずブロックするという技能。リキャストタイムが短く、気軽に使える便利な技能だったが、「4.0」からはリキャストタイムが現行の30秒から5秒へと大幅に縮められる代わりに、忠義を50消費するようになる。忠義ゲージは最大100なので、素早く2回連続で使うことができるが、そのあとはしばらく忠義のチャージを待たなくてはならなくなる。

 この忠義ゲージを貯めるために有効なのが、ブロック率を60%に引き上げる「ブルワーク」だ。これまでは、物理攻撃にしか効果がなかったために、おまじない程度に使っていた人も多いだろうが、「4.0」からは魔法攻撃にもブロックが発動するようになったので、かなり有用な技能に昇格してが、さらに「忠義」貯めにも欠かせない大注目技能へと進化している。

 「レクイエスカット」のダメージがMPの残量に依存するため、DPSを出すためにはMP管理が重要になる。MP回復手段としての「シェルトロン」の使いどころも、これまでとは違ったものになりそうだ。例えばSTの時でも魔法の全体攻撃に合わせて使うことでブロックを発動させ、MPを回復してから「レクイエスカット」でダメージを与えるといった使いかたも考えることができそうだ。初心者でも扱いやすいタンクというポジションは変わっていないが、DPSを突き詰めていきたい人には工夫の余地ができたことになる。今回使ってみた限りでは、ダメージの底上げで、DPSにはまだ戦士には及ばないかもしれないが、暗黒騎士とはいい勝負ができるのではないかと思える。「3.0」では辛いところもあったナイトだが、固く頼りなる盾として活躍を期待したい。

さらにDPSに磨きがかかった「戦士」

 戦士はこれまで以上にDSPを伸ばす方向に調整が入っている。既存アクションでは、「ブルータスウイング」と「フラクチャー」、「フォーサイト」、「マーシーストローク」がなくなり、「メイム」の効果が斬耐性10%ダウンに、「シュトルムブレハ」の効果が自身の与ダメージアップに修正された。さらに「バーサク」後についていたウェポンスキル使用不能がなくなり、使いやすくなっている。「ブラッドバス」はロールアクション化している。

 また、大きな変更として以前たまっていた「ラース」がなくなり、代わりに「インナービースト」が蓄積するようになった。インナービースト実装に合わせて、「ウォークライ」はインナービーストを50増やす技能に、「フェルクリーヴ」や「スチールサイクロン」、「原初の魂」など、これまでラースを消費して発動いた技は、すべてインナービーストを消費して発動する形に変更されている。なお、以前は「原初の直感」でもラースが貯まっていたが、インナービーストは貯まらなくなり、単なるバフとしての機能になっている。

 ラースは5スタックで技能を1つ使えるようになり、発動後は消えていたが、インナービーストはゲージの増減なので、ゲージが残っていれば連続して技能を使うことができる。例えばマックスまでゲージを貯めていれば、インナービーストを50消費する「フェルクリーブ」を連続2回発動できる。消費量を半減させるレベル70の新技能「原初の解放」や、「ウォークライ」を組み合わせれば、さらに連続して使うことも可能だ。

 ただし、ラースは「ディフェンダー」から「デストロイヤー」に切り替えてもそのまま維持されたが、インナービーストは切り替えると半減してしまうため、使い切ってから切り替えてまた貯めるといった計画性が求められる。

 4つの新技能は、2つが攻撃技、1つはデストロイヤー専用技でいずれも発動にインナービーストが必要だ。「オンスロート」は対象に急接近して攻撃する。敵視の上昇が付いているので、開幕や履行技の後に使うと便利そうだ。「アップヒーバル」は自身のHPが高いほど威力が上昇する単体攻撃。「シェイクオフ」は自身が受けている一部を除く弱体効果を解除するというもの。レベル70で覚える「原初の解放」は、「デストロイヤー」中にだけ使用できる技能で、インナービーストを20消費して、20秒間、インナービーストの消費量を半減しつつ、スタン、ノックバック、ヘヴィなどすべての効果を受け付けない。

 コンボでインナービーストを貯めつつ、必要に応じて技能を使うというところはラースを貯めていた時と変わらないが、DPSを伸ばす手段が増えたことで、サブタンク的なポジションがより鮮明になったという印象だ。「フェルクリーヴ」連射がベストルートかどうかはおいておいて、ド派手で豪快な攻撃っぷりは爽快で、とても戦士らしいと思った。

「暗黒騎士」は手数が少し減って、ナイトと拮抗する存在に

 暗黒騎士にはレベル62で覚える特性として、「ブラックブラッド」という新要素が入った。これは特定のコンボルートの追加効果や、レベル66からは「ブラッドウェポン」効果中のウェポンスキル、「ブラッドプライス」効果中の被ダメージなどで、黒い剣のようなブラッドゲージに貯まっていく。

 60以降に追加されている新技能は、すべて発動にこのゲージを消費して発動するようになっている。ブラックブラッド50を使う単体物理攻撃の「ブラッドスピラー」と、範囲攻撃の「クワイタス」。この2つはどちらも「ダークアーツ」を使った強化が可能だ。「ブラッドデリリアム」はブラックブラッドを50消費してMPを回復させ、「ブラックナイト」はパーティメンバー1人に被ダメージを10%軽減するバリアを張りつつ、自分にも同じく被ダメージを20%軽減するバリアを張るというもので、パーティのシナジーが意識された技になっている。

 既存技能では他にも、継続ダメージを与える「スカージ」や、相手のINTを下げる「デリリアムブレード」、ロールアクションと効果が重複する「シャドウスキン」、「ダークダンス」が削除されている。対象の与ダメージを減少させる「リプライザル」と、リキャストタイムのあるスタン技の「ロウブロウ」はロールアクションに回った。「アンリーシュ」のダメージが減少しているが「暗黒」はダメージ上昇が20%に引き上げられている。

 魔法でブロックが発動するようになったことと、「デリリアムブレード」がなくなったことで、物理耐性のナイト、魔法耐性の暗黒騎士という差がなくなり、2つのジョブ性能が同じくらいになるようバランス調整が行なわれている印象だ。

 以前と同様のMP管理に加えて、新たにブラッドゲージの管理も加わり、複雑になっている部分もあるが、手数が減った分、難しそうという理由で敬遠していた人でも多少は扱いやすいジョブになっているのではないだろうか。

挑発や防御バフ、スタンなどが揃うロールアクション

 タンクのロールアクションには被ダメージを20%軽減する「ランパート」、20秒間受け流し発動率を30%上昇させる「見切り」、一定時間クリティカルヒットを受けなくなる「アウェアネス」、対象の与ダメージを10%軽減させる「リプライザル」など、防御バフが多く含まれてる。

 これまでも必須アディショナルスキルとして、全タンクが実装していた「挑発」や「コンバレセンス」はもちろん、新たに全体挑発の「アルティメイタム」や、自身の敵視を25%分対象のメンバーに移す「シャーク」といった色々な場面で使えそうな技能が入っている。

 また1秒間の沈黙を入れる「インタージェクト」とスタン技の「ロウブロウ」もあり、タンクに求められる必須技能はすべて横並び実装することができるようになった。ロールアクションを入れ替えることができるのは非戦闘時だけだが、入れ替えたときにアディショナルスキルのようなリキャストが発生しないので、ダンジョンの中などでも適宜入れ替えてボスと雑魚用に技能を使い分けることもできる。

 3つのジョブを比べてみて、DPSではやはり戦士が頭一つ抜けている印象だった。タンクそれぞれの個性を残しつつ、 バランスをとるというのはかなり困難な作業なのだろうが、ナイトと暗黒騎士については、ジョブ性能よりも個人のプレーヤースキルの方が大きな影響を及ぼすようなちょうどいいバランスに収まっているように感じられた。どのタンクの新技もかっこいいものがそろっているので、個性の違いを楽しみつつ、状況に応じたタンクを使っていきたい。