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「ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」記者会見が開催

主演の千葉雄大さん、馬場ふみかさんが挨拶。史上初の“エオルゼア記者会見”も開催

2月23日開催

 光のお父さん制作委員会は2月23日、MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」のプレーヤーブログをモチーフにしたドラマ「ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」の記者発表会をスクウェア・エニックス本社会議室にて開催した。「ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」は、MBS/TBSドラマイズム枠ほかにて4月16日深夜0時50分より順次放送される。

 「ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」は、「FFXIV」のユーザーブログ「一撃確殺SS日記」で人気を集めた「光のお父さん計画」をモチーフにした実写ドラマ。同居しているもののあまり会話をしない稲葉光生と、その父 稲葉博太郎。光生は、父の退職を機にプレイステーション 4を贈り、「FFXIV」の手ほどきをする。実は光生は、すでにそのサーバーにキャラクターを持つプレーヤーのひとりであり、自分の存在を伏せて親子で冒険するしていく……、というストーリー。吉田氏がブログのファンであることを公言したこともあり、「FFXIV」ユーザーの間では知らぬ人はいないほどの人気ブログとなった。今後、ドラマ化に加え、書籍化も予定されている。

 発表会には、主演を務める千葉雄大さん、馬場ふみかさんをはじめ、千葉さん演じる稲葉光男が操作するキャラクター マイディーの声を演じる南條愛乃さん、リアルパートの監督を務めた野口照夫氏、ゲームパートの監督を務めた山本清史氏、「FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏ら、多数の関係者が出席。物語の主役である“光のお父さん”を演じた大杉漣さんも、ビデオレターで挨拶した。

【登壇者】
稲葉光生役の千葉雄大さん
正田陽子役の馬場ふみかさん
リアルパート監督の野口照夫氏
ゲームパート監督の山本清史氏
稲葉博太郎役の大杉漣さん
マイディー役声優の南條愛乃さん
「FFXIV」プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏
脚本の吹原幸太氏
エンディングテーマを担当したSILENT SIRENの皆さん
笑顔で写真撮影に応じる主演のおふたり

リアルパートの記者会見
こちらは最初で最後(!?)のエオルゼア記者会見
ゲームパート監督の山本氏は、実際の撮影の様子を実機で説明してくれた

 発表会は俳優、歌手が登場するリアルパートの記者会見と、ドラマの原作者であるマイディーさんが、そのままのキャラクターでエオルゼア内に登場し、記者会見場から声でマイディーさんに質問するというゲームパートの記者会見の2部構成で行なわれた。

 発表会は司会進行役のアナウンサーによる質問に、登壇者が答えるという形で進められた。まず始めに、ドラマ完成の気持ちを問われ、千葉さんは「自分も拝見しましたが、ゲームパートの画面など自分の知らないシーンがあってスケールの大きな作品でびっくりした」とコメントすると、馬場さんも「ドラマとゲームのパートが普通にテレビの画面で見れるのが、これは凄く楽しんでいただけるのではないかなと。放送を楽しみにしています」と応じた。

 これを受けて野口監督は、「撮るのが本当に難しかったので、安心しているホッとしています。原作のブログのベースとなっている「FFXIV」というのは、やっている方はよくわかっているように、もの凄い熱量の、もの凄い精巧に作られた作品で、そのブログも凄い熱量を発している。僕がディレクターとして最初に思ったのは、そうした熱量を損なわずにお届けすること。それは僕にとってプレッシャーでしたが、おかげで熱を帯びた作品ができあがったと思います。こういう場を迎えられて安心しています」と挨拶した。

 大杉さんは、「千葉くん元気にしてる? この間メールでもやりとりしましたが、光のお父さんいよいよ始まりますね。お母さんは石野真子さんで、撮影はタイトでしたが、本当に良い家族だったと思います。僕はゲームは親しみがあったり詳しいわけではないですが、今回光のお父さんというドラマをやらせていただいて、ゲームがなんかゲームではなく、そこを超えた心と心の繋がりのような、ゲームを超えて僕たち親子の姿がどんどん変化していくような、“お父さん再生計画”ということで家族が大きく再生していく。この作品を演じながら色んなことを考えました。共演させていただいた千葉くんの柔らかさ、力強さを感じて、前からでも横からでも非常に顔が美しくて素敵だなと思っていましたが(笑)、でもその中に力強さをいつも感じていました、三者三様の中でバランスを取れた家族だったのではないかと思います。このドラマは深夜に放送されますが、キチンと心に届くドラマになっていると思います。スタッフキャストが一丸となってドラマに向き合って戦った日々があります。作品をひとりでも多くの人に見て貰いたい。オープニングはGLAYさん、エンディングはSAILENT SIRENさん、マイディーの声は南條愛乃さんがやられるということです。色んなところで光のお父さんが広がっていく感じがしていて、僕自身も嬉しいですし、放映を楽しみにしています」と笑顔で挨拶した。

 ドラマ「光のお父さん」がユニークなのは、実写映像に加えて、ゲーム映像もふんだんに使われているところだ。ゲームパートの説明は、ゲームパート部分の監督を務めた山本氏が解説を行なったが、ゲーム内でロケハンをし、晴れ待ち、雨待ちをしたという意外なエピソードが披露された。

 ゲームファンならご存じの通り、ゲームにはデバッグモードというものが存在し、CG映画のように、舞台や時間、天候、キャラクターなど自由に設定してシーンを撮影できる。ストーリーが展開されるカットシーンなどはそのようにして作られているが、ドラマ「光のお父さん」ではそれを否定し、通常の実写ドラマと同じように、ゲーム内でロケハンし、出演キャラクターとテキストベースでの綿密な打ち合わせを行なうなど、まさにゲーム内でドラマを作成するような手法で各シーンを収録したという。

 その理由について山本氏は、「やはりこの企画は、オンラインゲームの可能性にチャレンジするのが大事で、監督やる上でのモチベーション、価値でもありました。スクエニの協力でやってしまったら、スクエニには映像事業部があるのに、なぜ監督頼むのかなという話になってしまう。1ユーザー1視聴者としてユーザーと一緒に同じ世界で撮影することにこだわったほうがみんな共感してくれるし、「俺たち凄いだろ?」って言いたかった。だから『がんばらせてくれ、やらせてくれ』といいました」と熱く語った。

 吉田氏もそのこだわりには感心した様子で、「FFXIV」ユーザーは映像を見たときに、「これホントにできるの?」というシーンが出てくるんですけど、でも事実、皆さんは我々のサポートを振り切って創意工夫で撮られたので本当に凄いと思います。ぜひ見てみて欲しいな」と絶賛。これを受けて山本氏は、「最後にツインタニアという敵を倒すんですけど、死ぬかと思った(笑)」と、プレイとは別の意味で死ぬほどツラい経験をしてしまったことを告白。ツインタニア戦は第7話に登場らしいが、どのようなシーンに仕上がっているのか楽しみだ。

【ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん】

 そしてもうひとつこのドラマがユニークなのは、光生が操作するゲーム内キャラクター マイディーが喋ることだ。この声を、「FFXIV」ラジオ「南條愛乃・エオルゼアより愛をこめて」でもお馴染みの南條愛乃さんが担当しており、そのほかにもマイディーのフレンドのボイスを複数の声優が務めている。この実際のゲームにはない拡張された演出にも注目が集まるところだ。

 この演出について、まず千葉さんにその印象を尋ねたところ、「かわいらしさのなかに、リンとした感じの強さがあって、できあがりをみたときにハッとしました」と回答すると、南條さんは「照れくさいですね」と笑顔で応じた。

 続いて南條さんに、キャラクター設定について問うと、「マイディーは、千葉さんがゲーム内で操作しているキャラクターですが、とはいえ、マイディーさんは男性ということを隠さずにプレイされているので、会話するときも一人称が僕なので、女性っぽくよりは千葉さんの演じられている光生の気持ちのままで、中性のまま、男性にも女性にも聞こえるような形で演じました」とコメント。

 吉田氏は、自身がプロデューサーを務める作品がドラマ化された感想を問われ、「自分が関わっているのドラマ化されることはもちろん嬉しいですが、僕自身も昔からオンラインゲームのプレーヤーで、世界中で数千万人の遊び手のいるエンタメなんですが、まだ日本ではそこまでメジャーじゃないと思っています。それがドラマ化される。このドラマをきっかけに、ひとりでも多くの方が、「FFXIV」ではなくてもいいので、オンゲーをはじめるきっかけになってくれたらと思っています。特にこれは実話であり、プレーヤーブログのドラマ化なので、現実に起こりえることです。オンゲーで知り合ったふたりが、結婚をするという事例も珍しいことではなく日常起きていることなので、オンラインゲームの可能性がこのドラマを通じて広がっていくと嬉しいと思います」と挨拶した。

 発表会では、主題歌およびエンディングテーマも一部公開された。主題歌を手がけるのは、「FF」が発売された翌年に結成され、共に同じ時代を歩んできたGLAY。全話の脚本を読んだ上で新曲を制作したという。GLAYのボーカルTERUさんは以下のようなコメントを寄せた。

 「この度、光のお父さんの主題歌を担当させていただくことになりました。GLAYのTERUです。今回のお話をいただき、初めて台本に目を通したとき、ふと自分の父親との関係性を振り返りながら読んでいることに気づきました。実際僕も中学生時代、父親との距離感に悩み、上手く話せないことに不安や寂しさを感じたこともありました。高校生になるとその思いはより強くなり、言葉を交わすことがほとんどない時期もありました。そんな学生時代を過ごしたこともあり、光のお父さんで表現されている父と息子の関係性には強く共感します。父と息子とゲーム、とても面白いテーマでした。

 今回、このテーマを受け描き上げた『the other end of the globe』。地球の裏側に思いを馳せ、焦らずゆっくりと人生の旅をするという内容になっています。『FF』は大好きなゲームなので、そのスケール感をGLAYサウンドで表現するべく、今までにないサウンド作りを心がけて制作したので、一味違った音に仕上がったと思います。光のお父さんの様々なシーンをこの曲が一層ダイナミックに盛り上げてくれることを期待しています。

 エンディングテーマを手がけたSILENT SIRENは、4人揃って登場。こちらもブログや脚本を読み込み、世界観に合わせた新曲を書き下ろした。

 SILENT SIRENは「脚本やブログを読ませていただいてとてもおもしろかったし、自分たちとも重なるところがあって感動したので、少しでもお話と曲がリンクして、みんなのイメージを膨らませることができればと思っています。そして1つの曲として少しでも多くの人に響く曲にしたいと思って作りました」と挨拶した。

 最後に野口監督は、「先ほどゲームパートの説明があって、非常に画期的なドラマであることが伝わったかと思います。かなり冒険しているドラマだと思います。その一方で親子の再生ですとか、家族の絆とか、ひとりの青年の成長とか、色々普遍的なものを描いたドラマでもあります。どなたでも楽しめる作品に仕上がっていますので、よろしくお願いします」と挨拶。『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』は、MBS/TBSドラマイズム枠ほかにて4月16日深夜0時50分より順次放送される。『FFXIV』ファンはもちろんのこと、幅広いゲームファンにとって要注目のドラマとなりそうだ。

【エオルゼア記者会見】
エオルゼア記者会見には、原作者のマイディーさんのほか、ゲームパート監督の山本氏、吉田プロデューサー、脚本の吹原氏、そしてドラマにも出演しているマイディーさんのコミュニティの皆さんも参加。メディアからの質問に、マイディーさんはテキストで応じた