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【特別企画】手のひらで昔懐かしいアーケード筐体を楽しめる「Tiny Arcade」

ジョイスティックやボタンも付いて本格的な仕様

発売中

価格:59ドル95セント

 アメリカのTiny Circuitsから、手のひらにすっぽりと収まるゲームマシン「Tiny Arcade」が発売された。これは元々Tiny Circuitsが2015年11月よりKickstarterで資金を集めていたプロジェクトで、その際は2万5,000ドルを集めるのが目標だったが、それを大きく上回る7万6,926ドルを集め、製品化したというものだ。

 本体はご覧の通り昔懐かしいアップライトのアーケード筐体を模しており、小さいながらジョイスティックとボタンが2つ付いているなど、その再現度は本格的だ。用意されているディスプレイは96×64ドットの有機ELとなっており、発色もきれい。ゲームによっては細かなピクセルのドットキャラクターとなり、操作がしづらいこともあるものの、おおむねプレイには支障はない。

 本体だが、基盤とディスプレイのパーツ、スピーカーとリチウムイオン電池のほか、アクリル樹脂の筐体により構成されており、その色はクリアタイプとブラックの2種類どちらかを選んで注文できるようになっている。これで価格は59ドル95セント。日本円で約6,000円強の価格となるわけだが、ゲームソフト1本分と考えれば安いものだ。

 注文はクレジットカードかPayPalでの支払が可能。50ドル以上の購入では送料が無料なのでこちらも選べるが、海外の注文ということもあるうえ、届くまでに1~4週間かかるなど、発送期間も長い。不安な人は、別途34ドル75セントかかるが、US Priority Mailを選んでおいた方が無難だろう(筆者もこれを選択した)。つまり送料を合わせると1万円近くかかることになるわけだが、荷物のトレースもできるので、どこかでなくなるという不安もない。ちなみに筆者の場合、注文したのが9月27日で到着したのが10月6日。Webサイトには到着まで6~10日間かかるとあるので、ほぼ予定通りと言えよう。

組み立てはハンダ付けいらずで穴にはめていくだけ

 では実際に制作に取りかかってみよう。パーツは写真のように袋にひとまとめに入れられており、アクリル樹脂の筐体には保護シールが貼られている状態だ。部品によってはプラモデルのように組で付いているものを取り外す必要があるほか、ばらけていてもバリが出ているものもあるので、制作にはニッパーは必要。ただし基板にはパーツがすべて取り付けられている状態なので、ハンダ付けのような作業は必要ない。あとはバッテリー取り付け時に両面テープが必要になるので、用意しておこう。

パーツは袋の中にすべて詰められている状態
筐体を構成するアクリル樹脂パーツ
筐体をデコレーションするシールも付属する
パーツにはバリが出ているので、ニッパーなどできれいに取り除こう

 では基板本体を組み立てていくことにする。メイン基板に「BATT」、「SPKR」と書かれているコネクタがあるので、それぞれスピーカーとバッテリーをつなぐ。終わったら8ピンコネクタにディスプレイをはめる。これで本体側の作業は終了。テストのためにここで電源を入れてみることにしよう。Tiny Circuitsのロゴと、ゲームの選択画面が起動したらOKだ。

本体基板にスピーカーとバッテリーを取り付ける
続いてディスプレイをコネクタに装着。ジョイスティックとボタンがある側が正面
背面はこんな感じ。バッテリーコネクタの下にあるのがスイッチ
基板が組み上がったらテストのために起動してみよう

 ここからはアクリル樹脂の筐体を組み立て、そこに基板を当てはめていく作業に移る。まずはアクリル樹脂に付いている保護シールをはがすのだが、爪でひっかいたくらいでははがれないようになっているので、筆者の場合はカッターを角から差し入れてはがす方法を採った。角側をカッターの刃でひっかき、シールをめくっていくわけだが、下手をするとアクリル樹脂自体を傷つける可能性もあるので、慎重に作業をすることにした。この作業が結構イライラとくるもので、パーツ点数も多いし、表裏両方ともはがさなければいけないので、意外としんどい。Tiny ArcadeのWebサイトには「10分で組み立て可能!」と書いてあるのだが、この作業だけで10分以上取られたと思う。

角からカッターの刃を差し入れて保護シールをはがす
すべてのパーツから保護シールをはがすことができた

 次に側面のパーツへ、プラスチックの棒を付属のネジで止めていく。このネジで両側面のパーツを止めることで、本体がバラバラにならないようになっている。これが終わったらバッテリーに両面テープを貼り付け、支えとなる背面パーツをくっつける。Tiny ArcadeのWebサイトでは、厚みのあるタイプの両面テープで貼り付けるように紹介されていたが、衝撃をから保護することでもないし、特にその必要もないので、普通の両面テープでOKだろう。なお背面パーツは上下があるので注意。3つ並んでいる凸部の辺のうち、余白が長い方が上になる。

 次にこれを側面パーツへ取り付けていく。基板や背面パーツに合わせた穴が開いているのでそこに組み込んでいくだけだが、スピーカーは基板の下に配置されるので、基板にある切りかけにコードを通す形にしてはめ込むことに注意しよう。なお筆者が手にしたものでは、ディスプレイの基板がうまく側板に入らず苦労した。また、メイン基板と合わせて取り付ける場合には、メイン基板からディスプレイ基板を少し浮かせて取り付ける必要があったので、こちらも注意しよう。

側面パーツにプラスチックの棒を取り付ける
バッテリーに両面テープを取り付けて
上下に注意して背面のパーツへ貼り付ける
側面パーツに基板と背面パーツをはめ込む

 続いて取り付けるのは天板のパーツだ。これもはめ込むだけなのだが、そのままだと外れてしまうので、ここからはテープで半固定しての作業となる。Tiny ArcadeのWebサイトではスコッチのメンディングテープが推奨されている。筆者は手元になかったので普通のセロハンテープを使ったのだが、透明アクリルだとはがした際にテープ側のノリが残ってしまうケースもあり、いちいち拭き取らなければならず、言われたとおりにすればよかったと後悔した。ここは素直にメンディングテープを用意した方がよいだろう。

 天板を付けたら、正面上に取り付けるパーツをセット。これも外れてしまうのでテープで固定しておこう。そしてジョイスティックとボタンのカバーに当たるパーツを取り付ける。

 そして底面部のパーツの作業にかかる。底面パーツを取り付けたら、スピーカーを配置し、正面と背面のパーツをはめ込む。このとき切り欠きでスピーカーを押さえるようになっているので、そこに注意して取り付けていこう。なおその際には、スピーカーから伸びているリード線を避けるようにしてはめ込まないと、切り欠きを邪魔してうまく取り付けられないので、ここも注意が必要だ。はめ込み終わったらテープで固定しておく。最後に取り付けるのは、ジョイスティックカバーの下にあるパーツだ。これもはめ込んだだけではぐらぐらしたままなので、テープを貼ろう。

 これですべてのパーツを付け終わったことになる。いよいよ反対側の側板を取り付けて、本体を完成させる。

 しかしこれからが本番だった。それぞれの穴の位置ぎりぎりに凸部が設けられているのか、すんなりとはまらないのだ。そのため下の方から順にはめていく感じで作業したが、今度は基板がなかなかうまくはまらない。特に困ったのがディスプレイ基板で、少しねじれのモーメントがかかる状態でないと差し込めなかった。ほかの穴も似たり寄ったりだったが、多少無理目に押しつけながら入れることで、何とかはめることができた。

 そしてここで気づいたことがある。添付されていた筐体のデコレーションシールを貼っていないのだ……。ねじ穴ぎりぎりに穴が開けられているため、これを活用するにはパーツを組み立てる前に貼る必要がある。側板をはめるのにかなり苦労したので、正直なところ、もう一度分解して作り直す自信がない。しかしやっぱりきれいな形で使いたいので、バラして作り直すことにした。付属のシールを使いたい場合には、保護シールをはがしたあとに、あらかじめ貼ることをオススメする。

天板を差し込み、テープで仮止めしておく
正面上のパーツをテープで止める
ジョイスティックとボタンのカバーを取り付ける
底面パーツとスピーカーを設置
最後に取り付けるのはジョイスティックカバー下のパーツ
反対側の側板を取り付ければ完成だ
シールを貼り直してもう一度組み立てた。キーポイントはやはりディスプレイ基板がうまくはまるか、だった
【Tiny Arcade DIY Kit Assembly Instructions】

6種類のゲームをWebサイトに掲載

 いよいよ本格的にスイッチを入れて始動することにする。背面に用意されているスイッチをオンにしよう。スイッチの下にあるのが音量調整用のダイヤル、スイッチ左にはmicroSDカードスロット、その下にMicro USBコネクタが用意されている。Micro USBコネクタは充電用も兼ねており、そこにケーブルをつなげば充電可能だ。

 なおゲームだが、デフォルトでは横スクロールのシューティングゲームである「Tiny Shooter」、いわゆるテトリスと同じの「Tinytris」、鳥を上下に動かして障害物を避けるゲームの「FlappyBirdz」の3種類がプリインストールされていた。

 このほかにTiny ArcadeのWebサイトには、「スペースインベーダー」からインスパイアされたような「Tiny Invaders」、これも同じく「アステロイド」のような「Tiny Asteroids」、「スーパーマリオブラザーズ」ライクに人を動かして横スクロールで進む「Tiny Run」が掲載されており、それぞれダウンロードできる。このほかゲームとはちょっと違うと思うのだが、3Dのダンジョンを歩き回ることのできる「3D Demo」、車を左右に動かして道を進んでいく「Driver Demo」がある。

 これらのゲームは直感的に操作できるので、特にプレイに困ることもないだろう。ただしリセットスイッチは用意されていないので、1つのゲームを遊んだらいったん電源を落とし、再度立ち上げてプレイしたいゲームを選ぶ、という操作になる。

 ダウンロードしたゲームは、それをmicroSDカードにコピーして、背面にあるmicroSDカードスロットに差すことで、自動的に読み込まれてプレイできるようになる。プレイできる6本全部をダウンロード可能な「ZIPファイル」も用意されているので、これを利用してもよいだろう。ちなみにフォルダを切った状態で、その中にゲームを入れておいても認識したので、カードのルートディレクトリにすべて放りこむ必要はないようだ。

 ちなみにmicroSDカードをぬいた状態でも起動はできるが、プレイできるのは最後に動かしたゲームだけ。キャッシュのように本体へ記録されるようだ。

左上から右にmicroSDカードスロット、電源スイッチ、左下はMicro USBコネクタで、その右が音量調整用のダイヤル
Micro USBコネクタにケーブルを差すことでリチウムイオン電池を充電可能。充電が終了したらランプが消える
起動すると、インストールされているゲームのタイトル画面が表示される。ジョイスティックを左右に倒すことで選択が可能
プレイするのは両手で筐体をホールドし、左手人差し指でジョイスティック、右手人差し指でボタンを押すというスタイルが無難か

 では実際遊べるゲームについて、1つひとつ見ていくことにしよう。

Tiny Shooter

 いわゆる横スクロールのシューティングゲーム。ボタンを押すと弾を発射して敵を倒すことができる。ただし敵の動きが速い上に、自機のジョイスティック感度が今ひとつなので結構手強いゲーム。最初には3機がストックされた状態でプレイできるが、あっという間にゲームオーバーになる。

横スクロールで敵を倒していく
敵の種類も豊富

Tinytris

 どこからどう見てもテトリスにしか見えない。本家と同じようにBGMは「コロベイニキ(行商人)」。ただし本家と1番異なるのは、そのドットが非常に細かいこと。1つのブロックは2×2の4ドット分の幅で作られているので、しっかりと重ねて行くには慣れが必要。ただしそんなに難しいことはなく、何回か遊んでいくうちに感覚で分かるようになる。

ブロックが上から落ちてきてそれを並べて消すのはまさにテトリス
ブロックは非常に細かいが普通のテトリスだ

FlappyBirdz

 スーパーマリオブラザーズのような土管が上下に配置されており、それに当たらないようにして進む横スクロールのアクションゲーム。ただしこれもくせ者で、スクロールが早い上に、ジョイスティックで上下に操作する鳥の移動幅が大きく、すぐに土管に当たり、ライフポイントが減ってしまう。このため全然前に進めることができない。

上下の土管を避けながら鳥を操作するゲーム
ただしすぐに土管に当たってしまい、やられて終了する

Tiny Asteroids

 操作感はまさに「アステロイド」。右側のボタンでシュート、左のボタンで加速して自機を移動させる。こちらは結構バランスがよくできている、というか、よくコピーされていると思った。難を言えば、ジョイスティックとボタンが小さすぎて、操作しづらいことだろうか。

右のボタンを押すと発射。押しっぱなしで連射もできる
左のボタンを押すとバーナーに点火。ジョイステックで方向を決めて加速する

Tiny Run

 横にスクロールしていくマップを、ボタンを押してジャンプしてクリアしていくゲーム。スクロールも微妙に早く、ジャンプして飛ばすタイミングも結構ぎりぎりなので、こちらもすぐにやられがちなゲーム。

タイミングを計ってジャンプして、わなをかわす
ゲームオーバー後は移動した距離が得点として示される

Tiny Invaders

 「スペースインベーダー」ライクなゲームだが、防御砦はなく、敵から攻撃されることもない。ひたすら倒していくだけ。ただし最後の方は、敵の移動速度がかなり上がるので、面をクリアするのは大変かもしれない。試してみたら名古屋撃ちもできた。

インベーダーを撃ち落としていく
自軍陣地まで攻め込まれるとゲームオーバー

3D Demo

敵も何もまったく出てこない。ほんとにデモのようだ

 特になんということはなく、3Dライクなダンジョンを歩いて行くだけのデモ。ボタンを押すと銃から光線が出ているようだが、どう見てもハエ叩きのようなものが飛び出しているようにしか見えない。加えて敵は出てこないし壁も壊せず、特に意味はない感じ。

Driver Demo

道に合わせてひたすら進んでいくだけのデモ

 ボタンを押すと車が加速するので、ジョイスティックを左右に動かして道に合わせて進むだけのデモ。木に当たると急ブレーキがかかるが、車が壊されることもないし、ライフが減ることもない。「1番小さなOutRunを模したゲーム」と紹介サイトには書いてあったが、ちょっとそれは恐れ多いのでは……。

実はArduino互換の筐体だった

 Tiny Arcadeだが、TinyCircuitsが発売しているモジュール「TinyScreen+」をベースとして作られており、小型コンピュータの「Arduino」との互換性を持っている。つまりゲームを開発したいと思えば、Arduino IDEを使った開発もできる、ということだ。先ほど挙げたゲームの中には、GitHubでソースコードを掲載しているものもあるので、参考になるだろう。このほかTiny Arcade自体もアップデートが行なわれており、Arduino IDE経由でアップデータを書き込むことが可能だ。

 Tiny ArcadeをArduino IDEで操作するためには、いくつかのステップを踏む必要がある。まずはArduinoのWebサイトからArduino IDEをダウンロードしてインストールする。

 Arduino IDEを起動したら、「ファイル」-「環境設定」を選び、「追加のボードマネージャのURL」という項目に、「http://files.tinycircuits.com/ArduinoBoards/package_tinycircuits_index.json」を記述する。入力したらOKを押してウィンドウを閉じる。

Arduino IDEを起動したら「ファイル」-「環境設定」を選ぶ

 もう1度Arduino IDEに戻り、「ツール」-「ボード Arduino/Genuino Uno」-「ボードマネージャ」を選ぶ。インストールするプラットフォームの一覧が表示されるので、まずは「Arduino SAMD Boards (32 bits ARM Cortex-M0+)」をインストールする。利用しているマシンのCPUによってはかなり時間がかかることもあるので、落ち着いてそのまま待とう。そして次には、同じボードマネージャを1番下までスクロールして「TinyCircuits SAMD Boards」を同様にインストールする。ここまで来たらボードマネージャは終了してよい。

 最後にTinyScreen+のライブラリをインストールする。Arduino IDEのメニューにある「スケッチ」-「ライブラリをインクルード」-「ライブラリを管理」を選択する。ライブラリが多く表示されるので、検索窓に「TinyScreen」と入れて目的のライブラリを表示させる。ライブラリが表示されたらインストールしよう。

「ツール」のメニューから「ボードマネージャ」を選ぶ
表示されるリストからまず「Arduino SAMD Boards (32 bits ARM Cortex-M0+)」をインストール
続いて「TinyCircuits SAMD Boards」をインストールする
TinyScreen+のライブラリをインストール。「ライブラリを管理」を選ぶ
表示されているライブラリからTinyScreen+のものを検索してインストールする

 ここまで来たところで、Tiny ArcadeをMicro USB経由でパソコンと接続する。接続が終わったらTiny Arcadeの電源を入れよう。Windowsから接続音が流れて自動的にドライバが組み込まれ、デバイスが認識されるはずだ。なおこの際にmicroSDカードを差したままだとうまく認識しないので、取り外しておく。

 Arduino IDEを再起動させたら、「ツール」-「シリアルポート」でTinyScreen+として認識されているかを確認する。この項目に来たらクリックしてチェックを付けておく。これでArduino IDEとTiny Arcadeが接続されたことになる。

 さて、せっかく接続できたのだから、サンプルプログラムでもアップロードして試してみたいところだが、違うプログラムを入れてしまうと、当然のことながら今まで入っていたものは上書きされてしまうので、Tiny Arcadeで遊べなくなってしまう。ここはひとつ慌てずにTiny Arcadeの「Menu Update」が掲載されているページにあるTiny Arcadeのファイルをダウンロードして、ほかのプログラムをインストールしたとしても、Tiny Arcadeが復活できるようにしておこう。

 Tiny Arcade Menu Updateをインストールするためにはシリアルポートの設定のほか、同じくツールメニューの「ボード」で「TinyScreen+」を、「Build Options」で「TinyArcade Menu」を選んでおく必要がある。

 なおTiny Arcade Menu Updateを行なうと内部のプログラムがリセットされてしまうので、デフォルトでインストールされていたゲームは消え去ってしまう。ただし先ほども解説したように、microSDカードへゲームをインストールすればプレイできるので、そのあたりは気にしなくてよいだろう。

 ところでTiny Arcade以外のサンプルプログラムだが、Arduino IDEの「ファイル」-「スケッチの例」に「TinyScreen」という項目があり、ここに「TinyScreenBasicExample」というプログラムが用意されている。絵や文字が上下逆さになったり、サークルが重なって表示されるなどの簡単なプログラムだが、Arduino IDEをいじって試しにプログラムをインストールしてみるのにはちょうどいいので、試してみてもよいだろう。

「ツール」-「シリアルポート」から「TinyScreen+」を選んでチェックを付けておく。この時のCOM値は環境によって異なる
「ボード」で「TinyScreen+」を選ぶ
「Build Options」で「TinyArcade Menu」を選ぶ

最後にトラブル発生。そこからのリカバリーは?

「TinyArcade Bootloader Option」で起動した状態

 ところでこの記事を書いている途中に、検証のためにTiny Arcade Menu Updateをインストールしたりと作業をしていたのだが、書き込みのタイミングで何かミスったのか、起動しなくなってしまった。慌てていろいろとやってみたものの、ウンともスンとも言わなくなってしまった筐体。もちろんMicro USBケーブルで接続しても反応がない。呆然としながら試しにボタン2つを同時に押しながら電源を入れてみると、「TinyArcade Bootloader Option」というメニューが表示された。これは! と思ってMicro USBを繋げてみると見事認識!

 しかしそのあとTiny Arcade Menu Updateをインストールしたが、エラーが出て書き込みができない……。またも暗澹たる気持ちになったのだが、先ほど紹介したTinyScreenBasicExampleを試してみると無事に書き込み終了! マシンは起動したのでもう1度Tiny Arcade Menu Updateを書き込んでみると、今度は正常に終了し、無事Tiny Arcadeが戻ってきた! もし似たような状況に陥った場合には、この方法を試してみるのも1つの手だろう。

 これまで見てきたように、Tiny Arcadeはとても小さな愛すべき筐体に加えて、手軽に遊べるゲームが用意されているほか、ゲーム開発にも使えるなど、様々に拡張性を持ったマシンであることがおわかりいただけたと思う。Tiny Arcadeを一目見てクラッと来たならば、絶対に買うべきだ(と断言する!)。