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【特別企画】VRを快適にプレイするにはどこまでスペックが必要なの?

GeForce GTX 1080からGeForce GT 730まで、実際に“3D酔い度”"を測定してみた

8月10日 掲載

本格的なVRコンテンツ普及時代へ

 PlayStation VRの予約が開始された途端、瞬殺で完売したというニュースを覚えている方も多いだろう。PC用VRシステム「HTC Vive」など、PC版のVRシステムも本格的な販売が開始され、VRがいよいよ身近になりつつある。このため、VRコンテンツにも注目が集まっており、PC版のゲームを販売している「Steam」にも、VR対応のコンテンツが続々と追加されている。

 しかし、VRを実現しようとすると、マシンパワーが必要になるのはご存じの通り。なぜかと言えば、高解像度の画像を左右2つ分、しかも高いリフレッシュレートで描く必要があるからだ。なので最近発売されている“VRレディなゲーミングPC”は、CPUにもGPUにも、ハイスペックなものが搭載されており、価格も20万円程度とかなり高めの設定になっている。

 VRでも活用できるビデオカードといえば、最近登場したNVIDIAのGeForce GTX 10XXシリーズが有名だ。3万円半ば程度の入門用から、10万円するハイエンドのものまでをラインアップされている。ライバルのAMDが発売するRadeonシリーズは、比較的手の届きやすい、3万円台程度のビデオカードを取りそろえてきた。こうした場合、両社の実力はどの程度違うのか気になるところだ。

 そこで今回は、どの程度のビデオカードならばVRを快適に楽しむことができるのか、ビデオカードを入れ替えてゲームをプレイし、その“3D酔い度”を計るという企画を実施してみた。果たしてどのような結果になるのか、早速ご紹介していこう。

【スペック】

iiyama LEVEL∞ Lev-R017-i7-VNR
CPUCore i7-6700
GPUGeForce GTX 1080 8GB GDDR5X
チップセットインテル Z170 Express
メモリDDR4-2133 DIMM 8GB(4GB×2)
SSD240GB Serial-ATA SSD
HDD1TB Serial-ATA HDD
光学ドライブDVDスーパーマルチ
電源700W(80PLUS SILVER)(※ Fury Xへの差し替え対応のため、電源を標準の500Wから変更)
OSWindows 10 Home
価格176,980 円(税別)

今回取りそろえたビデオカードたちの実力をまず測る

 今回実験したビデオカードは以下の通りだ。

・GeForce GTX 1080
・GeForce GTX 1070
・GeForce GTX 1060
・GeForce GTX 960
・GeForce GTX 750Ti
・GeForce GT 730
・Radeon R9 Fury X
・Radeon RX 480

 まずはこの8枚のカードについて、ベンチマークテストを実施してみた。テストツールとしては、Futuremarkの「3DMark」「3DMark11」の2種類を利用した。ビデオカード以外の環境としては、CPUにCore i7-6700、メモリは16GBを使用している。なおDirectX 12のテストである「Time Spy」には、Graphics GT730は対応していないため結果が出ていない。

【各種ベンチマーク】

 いずれの結果を見てもわかるように、Graphics Scoreがきれいに比例のグラフを描いているのが目を引く。実力がそのままストレートにベンチマークテスト結果に表れたといった感じだ。また、価格では似たようなレンジに位置するGeForce GTX 1080とRadeon R9 Fury Xだが、ベンチマークテストの結果から見ると、Radeon R9 Fury XはGeForce GTX 1070よりも劣り、GeForce GTX 1060よりも上、といった結果となった。もっともRadeon R9 Fury Xは1年ほど前に発売された、旧世代に属するビデオカードなので致し方ないと言ったところか。

 そして最新のビデオカードであるRadeon RX 480は、GeForce GTX 1060といい勝負をしていることがわかる。似たような価格帯で発売されている両カードの実力は、DirectX 12に対応したテストの「Time Spy」などでは拮抗しているものの、DirectX 11のテストである3DMark 11ではGeForce GTX 1060の方に軍配が上がっており、アプリケーションによっては差が出ることは否めないのかもしれない。

 次に、Steam VRに用意されている「Steam VR パフォーマンステスト」を行なった結果をご紹介しよう。これはValveが公開しているVR向けのテストで、HTC Viveのデモでも使われている「Aperture Science VR Demo」をモニター上で2分間動作させ、現在使用しているPCのレンダリングパワーを計測するというものだ。

GeForce GTX 1080
GeForce GTX 1070
GeForce GTX 1060
GeForce GTX 750Ti
GeForce GT 730
Radeon R9 Fury X
Radeon RX 480

ではここからは実験のスタートです!

 あらかじめベンチマークテストを取って予備知識を得た上で、これからは実験に移りたいと思う。被験者2名のプロフィールは以下の通りだ。

被験者A:年齢20代前半。男。3Dには比較的強いと自負
被験者B:年齢40代後半。男。3Dには比較的弱いタイプ

 実験の形態だが、VRシステムには「HTC Vive」を使用。これに加えてVRに対応しているコンテンツである「Project Cars」、「Subnautica」と、比較的軽いゲームである「Minecraft」のVR対応版である「Minecraft Vive」の3本をプレイすることにした。8枚分を一気にプレイすることになるため、「Project Cars」は1レースを、「Subnautica」と「Minecraft Vive」は10分間連続プレイすることにし、酔った場合を想定して、それぞれのソフトをプレイした後は10分間のインターバルを設けることにした。なお「Project Cars」は「hockenheim Short」のステージを、「Subnautica」は「Creative」モードでのプレイとした。

 ビデオカードだが、高リフレッシュレートで動作し、酔いも少ないと思われるGeForce GTX 1080からプレイをスタートし、GeForce GT 730までスペックを落としていく。次にRadeon R9 Fury XとRadeon RX480でプレイしていった。

 判定基準としては以下のような基準で判断してみた。あくまでも主観的な判断となるが、細かい解説も入れてみたのでご一読いただきたい。

A:酔わずに快適にプレイできた
B:シーンにより多少酔うものの、概ねプレイすることができた
C:酔ってしまうがなんとかプレイできた
D:酔ってしまいプレイすることができなかった

「GeForce GTX 1080」の場合

NVIDIAがリリースしているハイエンド向けのGPUを搭載したGeForce GTX 1080

 まずは「Minecraft」からスタート。元々軽い「Minecraft」だが、「Minecraft Vive」には「Optifine」と呼ばれる軽量化のためのMODが導入されているようで、軽快に動作するようになっている。加えてグラフィックスもそれほど込んだ作りではないので、3D酔いはまったくといっていいほど起きることはなかった。「余裕ですね」と被験者2名は語る。

非常に軽快に楽しめるVRでのMinecraftの世界
ハンドコントローラーでの動作に対応しており、クラフト作業も直感的に行なえる

 続いて「Project Cars」に移る。この場合はハンドコントローラーに対応しておらず、レーシング用のコントローラーもなかったので、キーボードの矢印キーでのプレイとなった。どのあたりがVRかというと、頭を左右に振ると、車の両脇が見渡せるようになっており、頭を下げるとブレーキペダルやアクセルが見えるといった感じ。まさに自動車に乗ったような感覚でプレイできるのが特徴だ。

 ここで被験者による差が出始める。比較的3Dに強いという被験者Aはさほどのこともなかったのだが、被験者Bの場合は、カーブにさしかかったところや、クラッシュをして車がぐるぐると回るとちょっと酔うような感じも。ただこれはビデオカードの性能というよりも、視点が急激に移動することで起こる、個人の酔いやすさに引っぱられた感じだ。しかし比較的快調にテストは進んでいく。

車内を見渡すことができ、足下を見るとアクセルやブレーキペダルまで見える
カーブにさしかかるとちょっと酔いが出るようだ

 しかしここで「Subnautica」が登場すると話は一変する。比較的3D酔いに強いとされていた被験者Aも、「オブジェクトに近づくと酔いますね」と語り出す。被験者Bも「確かに、てらてらしているテクスチャが貼られている物体に近づくと酔う気がしますね」と答える。VRで作られている3Dの視差効果がちょっときつめな感じだ。かなり酔いがきついため、10分テストを続けることができず、この後のこともあるので5分程度で切り上げることにした。

ヘッドセットモニターには画像が2つ表示される
正面にあるような蛍光色のフジツボなどが近づくと、かなり目に厳しい感じだ
ゴールドっぽく光る建物も結構酔いそうになる

【「GeForce GTX 1080」独断「VR」酔い判定】

Project CarsSubnauticaMinecraft Vive
被験者AABA
被験者BBBA

「GeForce GTX 1070」の場合

5万円台半ば以降で購入できるGeForce GTX 1070。PascalコアのミドルレンジGPUだ

 次にカードを差し替えてGeForce GTX 1070にてプレイをすることに。今度は酔いやすいと思われる「Project Cars」と「Subnautica」を先にプレイし、最後に「Minecraft Vive」を試すことにした。

 まずは「Project Cars」なわけだが、こちらは先ほどのGeForce GTX 1080とあまり変わらない印象。ただ、目が少し慣れてきたのか、カーブで曲がるとき程度ならば、それほど酔いを感じることなくプレイが可能に。1レースは2周で終わるのだが、トータルでさほど酔うこともなくプレイができたと語る被験者B。

 さて問題の「Subnautica」だ。これもやはり先ほどと同様で、蛍光色のオブジェクトに近づいたり、視点を移動させたりすると酔う印象。「しかし操作性にも関係あるのかもしれませんね」と被験者Aは語る。「Subnautica」だが、コントローラーでの操作に対応しておらず、マウスで視点を動かして、キーボードのWASDによる移動となっているためだ。頭を動かしても行く先を変えることはできるのだが、大きく変化させるためにはマウスを左右に振って使うことになる。このため酔いが発生するのかもしれない。そんなことを途中報告として本誌編集長に告げたところ、「本当ですかぁ?」とプレイすることに。「うーん。全然酔わないですね」と編集長。もしかしたら被験者を編集長にした方がよかったか?

 最後に「Minecraft Vive」をプレイ。あれだけ「Subnautica」でダメージを受けた後だというのに、まったく問題なくプレイできるのがおかしい感じ。「こちらも操作性が関係するのかもしれませんね」とは被験者Aの言葉。「Minecraft Vive」は、左右のコントローラーを使い、左でポイントしながら移動し、右で掘ったり攻撃したりするタイプ。移動先は体をぐるぐると回して方向を変えるといった感じなので、実に直感的なのだ。テクスチャもそれほど細かく作られているわけではないので、比較的楽にプレイできるのかもしれない。

【「GeForce GTX 1070」独断「VR」酔い判定】

Project CarsSubnauticaMinecraft Vive
被験者AABA
被験者BBBA

「GeForce GTX 1060」の場合

ミドルレンジ向けのGPUを搭載するGeForce GTX 1060。価格も3万円台半ばからと求めやすい

 そしてGeForce GTX 1060に移る。先ほどのSteam VR パフォーマンステストでは「非常に高い」という忠実度を叩き出したカードだが、コストパフォーマンスもよいので、このあたりでもしっかりと動いてほしい感じだ。

 まずは「Project Cars」から。基本的にはこれまでとあまり変わらない印象だが、「どっちかというとカーブで酔いやすい感じが出ていますね」とは被験者Bの言葉。GeForce GTX 1080の時と比べると、若干だが酔いやすさが増している感じだ。

 続いて「Subnautica」をプレイするも、前のカードとあまり印象は変わらない感じ。「でもこちらも、前よりも酔いが強くなっているかな」と被験者A。

 最後に「Minecraft Vive」だが、まったく問題なく、酔うことなくプレイできた。

【「GeForce GTX 1060」独断「VR」酔い判定】

Project CarsSubnauticaMinecraft Vive
被験者AABA
被験者BBBA

「GeForce GTX 960」の場合

ひと世代前のGPUを搭載するGeForce GTX 960

 さて、このあたりからそろそろ、VRで使用するには限界の見えてくるカードが登場する。1つ世代が異なるMaxwellコアを搭載するGeForce GTX 960である。MaxwellコアではGeForce GTX 980が最上位に置かれ、その中でもミドルレンジ、つまり今のGeForce GTX 1060クラスに位置づけられていたビデオカードだ。このカードではどのような結果になるのだろうか。

 前と同じく「Project Cars」からプレイを開始。なんとなくフレームレートが落ちているような気がするものの、さほど気にならずプレイはできている感じだ。

 そして「Subnautica」。これは困った。あまりにもひどく酔いすぎるのだ。「やはりビデオカードの実力が出ているんですかね」と語る被験者B。マウスを左右にぶんぶん振って視点を移動させると、効果てきめん。しっかりと酔うといったところだ。3Dに強いという被験者Aも「さすがに無理」。頑張ってプレイしたものの、こちらは3分程度で終了することに。

 「Minecraft Vive」は平和そのもの。「この程度のビデオカードでも十分にVRが楽しめますね」と被験者A。あまりの問題なさに拍子抜けする感は否めない。

【「GeForce GTX 960」独断「VR」酔い判定】

Project CarsSubnauticaMinecraft Vive
被験者AACA
被験者BBCA

「GeForce GTX 750Ti」の場合

2014年2月に登場したときには最新のアーキテクチャだったGeForce GTX 750Ti

 さて、VR不可の烙印を押されたGeForce GTX 750Tiである。このカードはまたひと世代古く、Maxwellアーキテクチャを採用したGPU。これも当時のミドルレンジクラスのビデオカードだったわけだが、2年半前に発売されたカードなので、さすがにちょっと厳しくなってくる。

 「Project Cars」をプレイしてみたものの、明らかにカクつきが出だし、見ていてもちらちらするばかりで、完全に3D酔いを起こす感じ。「画面がちらちらしてダメだ!」と、これまで快調に「Project Cars」をプレイしてきた被験者Aも叫ぶ。動きがもっさりしている上、フレームレートが落ちているおかげで紙芝居のようになり、スタート直後など、車がいっぱいいる状態ではかなり気持ち悪い気分となる結果になった。

 そして「Subnautica」。これはひどい。動きがなめらかでない上にちらつきも発生。ちょっとでも動いていると酔っ払う感じだ。「とてもでないけどプレイできませんね」と被験者両名が語るので、早々に切り上げることにした。

 最後に「Minecraft Vive」である。これまでは十分問題なくプレイできていたものの、「やっぱり重くなってきましたね」と被験者A。移動やポインティングに少しもたつきが出る感じ。「まあでも酔うという感じではないものの、ちょっとなめらかでないですね」と被験者Bも語る。

【「GeForce GTX 750Ti」独断「VR」酔い判定】

Project CarsSubnauticaMinecraft Vive
被験者ABDA
被験者BCDA

「GeForce GT 730」の場合

1万円以下で買える場合もあるGeForce GT 730。これでVRが動いたら儲けものだが……

 NVIDIAのカードとしては最後のテストとなったGeForce GT 730。明らかなローエンドのビデオカードで、ほかのカードと大きさを比べても半分くらいのもの。このカードでVRが体験できたとしたら、あまりにもコストパフォーマンスがよくなるわけだが、Steam VR パフォーマンステストではもちろん「VR不可」。

 まあそうはいってもとりあえず動かしてみましょうと「Project Cars」を起動したのだが、起動画面の途中で止まってしまい、プレイできず。「Subnautica」にしても、起動画面のまま延々と時間が過ぎ、これは動作していないと判断した。このためこの2つのソフトについてはプレイ不可能だった。

 さて「Minecraft Vive」だが、さすが軽いソフト。起動することにはまったく問題がなかった。しかし動作はどうかというと、あまりに重くて実用に耐えない。体を回して視点移動をするだけでも「カク、カク、カク」といった形で、3D酔いが発生した。「あんなに軽いソフトなのに、やっぱりこのカードではダメですね」と語る被験者B。

【「GeForce GT 730」独断「VR」酔い判定】

Project CarsSubnauticaMinecraft Vive
被験者A--B
被験者B--C

「Radeon R9 Fury X」の場合

Fijiコアの最上位モデルであったRadeon R9 Fury X。水冷式のラジエーターがセットになっている

 さてここからはAMDのビデオカードに移ろう。まずはRadeon R9 Fury Xを試してみる。先ほどのベンチマークテストと照らし合わせて考えると、GeForce GTX 1070よりも下のスペックだが、GeForce GTX 1060よりも上のパフォーマンスを出すといった感じ。これまでの経験からいくと、特に問題はなさそうに見える。

 「Project Cars」をプレイしてみたが、やはり印象はGeForceシリーズの時と変わらない感じ。カーブにさしかかったり、クラッシュで車が回転したりといった、視点移動の激しいシーンでは若干の酔いを感じる被験者B。

 そして「Subnautica」だが、やはり視点移動や、蛍光色のオブジェクトにさしかかると酔っ払う感じは否めなかった。しかしドライバの問題なのか、なぜか描画がちらつくのが気になった。「このあたりは原因不明ですね」と被験者B。しかしだんだんと慣れてきたのか、被験者Bは何とか10分程度は持ちこたえられるようになった。

 「Minecraft Vive」はまったく問題なくプレイが可能。「コントローラーを使って掘ったりできるので、キーボードでの操作よりも本当に直感的にプレイできますね」と被験者Aは感想を述べる。A、B共にきっちりと10分プレイを完了してテストを終了。

【「Radeon R9 Fury X」独断「VR」酔い判定】

Project CarsSubnauticaMinecraft Vive
被験者AABA
被験者BBBA

「Radeon RX 480」の場合

コストパフォーマンスのよい、最新のPolaris世代のアーキテクチャとなるRadeon RX 480

 長く続けてきたテストもいよいよ最後となる。先日満を持して発売された、AMDのRadeon RX 480である。実売が3万円台半ばからとコストパフォーマンスもよく、最新のGPUであるため、VRのみならずDirectX 12にもしっかりと対応しているのがポイントだ。Steam VR パフォーマンステストでは、忠実度が「6.8(高い)」と、NVIDIAのGeForce GTX 10XXシリーズと比べると若干劣るものの、VRレディなのには変わらず、「ほとんどのVRタイトルはスムーズに走るよう調整されている」という結果となっている。

 「Project Cars」をプレイしてみても安定した動作を実感。「特に問題は感じないですね」と被験者Aは語る。動きはなめらかで、「酔いを感じるポイントも、ほかの上位モデルのカードとあまり変わないといったところです」と被験者B。

 これは「Subnautica」も同じで、酔いを感じるポイントにもさほど変化はなかった。被験者Aは「蛍光色のオブジェクトに近づくと酔うのは変わらないです」と語り、被験者Bも「やっぱり視点変化は厳しいですね、このソフト」と述べる。

 最後に「Minecraft Vive」。「もうこの程度のビデオカードなら、このタイトルはまったく問題ないですよ」と被験者A。VRで十分に楽しめる、安定したソフトと言えそうだ。

【「Radeon RX 480」独断「VR」酔い判定】

Project CarsSubnauticaMinecraft Vive
被験者AABA
被験者BBBA

各ビデオカードテスト「VR」オススメまとめ!

【酔いにくい人向け】

ビデオカードProject CarsSubnauticaMinecraft Vive
GeForce GTX 1080
GeForce GTX 1070
GeForce GTX 1060
GeForce GTX 960
GeForce GTX 750Ti×
GeForce GTX 730××
Radeon R9 Fury X
Radeon RX 480

【酔いやすい人向け】

ビデオカードProject CarsSubnauticaMinecraft Vive
GeForce GTX 1080
GeForce GTX 1070
GeForce GTX 1060
GeForce GTX 960
GeForce GTX 750Ti×
GeForce GTX 730××
Radeon R9 Fury X
Radeon RX 480

VRに先行投資したいならVRレディのPCを選ぼう

 ここまでテストをしてきたわけだが、スペック上“VRレディ”となるのは、Steam VR パフォーマンステストでも条件付けられているとおり、プロセッサーはIntel Corei5-4590、AMD FX-8350環境以降、メモリは4GB、ビデオカードはNVIDIA GeForce GTX 970、AMD Radeon R9 290以降。それに加えて90fpsでの描画が可能かどうか、といったところだ。

 今回テストした環境では、この基準に照らし合わせると、CPUはクリアしているが、その上でビデオカードについていろいろと差し替えてみたという感じ。その上での感想を述べるとすると、Steam VRパフォーマンステストで「レディ」とされている環境であれば、まったく問題なくVRでのゲームはプレイできるだろう。タイトルによって酔いやすいもの、酔いにくいものがあることもわかったが、多分慣れの問題も関係してくると思われる。しかしなんとなく、だが、ビデオカードによって描画のクオリティが違う。ベンチマークテストの画面を見ているとわかるのだが、GeForce GTX 1080のなめらかさは別次元だ。

ユニットコムのPCの販売ページ。PCの写真の下に、ズラリとロゴが掲載されている。「VR Ready」のロゴも見ることができる

 現在、NVIDIA、AMDともに「VR Readyロゴプログラム」を実施している。これは「VR」タイトルが動作するかどうかをメーカーがある程度示したものだ。カタログスペックなどに、これらのロゴが入っているPCであれば安心して購入しても良いだろう。ちなみに、今回協力いただいたLEVEL∞の各本体ページにもロゴが掲載されているので、選ぶ際の基準にしてみてはどうだろうか。

「パソコン工房 秋葉原iiyamaストア」(提供:AKIBA PC Hotline!)

 また、実際にゲーミングPCなどを販売している販売店舗で店員さんに聞いてみるのも1つの手だろう。たとえば、「パソコン工房 秋葉原iiyamaストア(旧店舗名:LEVEL∞HUB)」では、VRシステム「HTC Vive」も展示されており、各種ゲーミングノートPCも置かれているので、いろいろな環境で実際に試すことができる。今回のテストではGeForce GTX 1080/1070/1060で感覚的な差はあまり感じられなかったが、価格差はあるので、どの程度のマシンがよいか実際に試したい人は店頭スタッフに相談するといいだろう。

 実際のところ欲を言えば切りがないのだが、今回テストしたCore i7-6700程度以上のCPUを選択でき、GeForce GTX 1080でシステムを組めるのならば、最高峰のVR環境を手に入れられるのは間違いない。そうではなかったとしても、ポイントとなってくるのはやはりビデオカードなので、性能のよいボードを選びたいところ。自分の環境をテストをしてみて、VRレディでなかった場合は、最低でもGeForce GTX 1060かRadeon RX 480を選んでみる必要がある。

 VRのヘッドセットもまだ10万円台と高価ではあるが、先にPCの環境を整えておくのも一つの手。安心してVRを楽しみたいのであれば、Core i7のCPUに、GeForce GTX 1070程度のビデオカードを導入すれば、おそらく後悔はしない環境を手に入れられるだろう。