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ゴジラってデカい! 「シン・ゴジラ」を体感できるPS VRコンテンツ登場!
予約戦争に全敗の樋口真嗣監督が「PlayStation VRが欲しい!」
2016年8月3日 15:24
ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアと東宝は、映画「シン・ゴジラ」をモチーフとした、PlayStation VR用コンテンツ「『シン・ゴジラ』スペシャルデモコンテンツ for PlayStation VR」を10月13日よりPlayStation Storeにて期間限定で無料配信される。
配信に先駆け、8月3日には「シン・ゴジラ」の監督・特技監督を務めた樋口真嗣監督と東宝の佐藤善宏プロデューサー、ソニー・インタラクティブエンタテインメント ジャパンアジアの秋山賢成氏を迎えての体験会が開催された。
体験会に先駆けて行なわれたトークショーで冒頭に樋口氏は「プレイステーションは初代から持っているが、大人になって仕事が忙しくなり、自然と1日1時間(のプレイ時間)が少なくなっていった。(PS VRは)久しぶりに欲しい! でも、予約しようとしても全然手に入らない!」と予約戦争に全敗中であることを明かした。
トークショーでは映画に関する撮影秘話からPS VRに関する話題まで幅広く展開。「シン・ゴジラ」は出演者が多い作品だが、苦労して俳優さんのスケジュールを合わせて撮影すると「庵野秀明監督が2mm画角をずらして再撮するなど、プロデューサーとしてはもうあまりやりたくない(佐藤プロデューサー)」といった苦労話も飛び出した。
ゴジラの造形については「東宝として“ゴジラ”として守って欲しい何箇条かがあって、それを守ってもらえれば後は自由に作ってもらった(佐藤プロデューサー)」という。樋口監督は「1作目のゴジラに近いデザインにしたかった。今回は人が着ぐるみに入る前提のデザインをしないところからスタートした。2作目以降は相手の怪獣と戦うためのデザイン。恐怖の象徴としてのゴジラにしたかった」とコンセプトを展開。
また、ゴジラのモーションキャプチャーを担当した野村萬斎さんについては監督自らが電話してオファーしたのだという。「日本で作るので、どこかで日本らしさを出したかった。今回はフルCGでやると決めたが、ただのCGでは(生物ではないことが)正直に出てしまう。魔物に近い“本物”は野村萬斎さんかなと思った」と経緯を語った。
VRについて話しが及ぶと佐藤プロデューサーは「映画にとって驚異。VRは体感することができる。同じコンテンツでやると、相乗効果でもあるが、ライバルでもある」とコメント。一方樋口監督は「フレームを切る、カットを割る……映画のこれら2つのコンセプトをVRでは奪われる。このため映画では絶対にできないコンテンツを作ることができるが、同時にVRで映画はできない。こう考えると、VRコンテンツはゲーム的なモノをどれだけ拡張できるかと言うことだと思う」と冷静に受け止めている模様。さらには映画の前段階の映像作りに利用できないかといった、監督らしい発想も披露した。
制作を担当した秋山氏は「VRに登場するゴジラは映画のCGデータをそのまま使用している」と、“本物”である点を強調。制作にあたってはゴジラとの距離感、足音や咆哮などでその巨大さを表現するためにこだわったという。特徴的な長いしっぽの動きなど、お披露目となる8月3日の前日まで制作は続けられたという。佐藤プロデューサーは「映画で大きさを表現するためには、カメラを引くかカメラで上を見せるしかない。VRではその場にいるかのように体感できる良いメディアだと思う」とVRの優れた点を指摘していた。
最後に樋口監督が初めてVR版「シン・ゴジラ」を体験。その迫力に終始叫びっぱなし。「おお! 熱い! あぁ、そんなの効かないんだから、やっても無駄!」などまさにその場にいるかのような迫力を楽しんでいたようだ。相当PS VRが気に入った樋口監督は写真撮影時にPS VRのヘッドセットを持ち帰ろうとする仕草を見せるほどだった。
実際に体験したところ、まさにゴジラとの戦闘の場にいるかのような迫力を感じられるコンテンツに仕上がっている。大きな巨体を揺らしながら歩くゴジラ。「あぁ、こっちに来る!」と恐怖を感じることだろう。データは同じということでゴジラ自身(?)はまさに本物。ぜひPS VRを発売日に入手できた暁にはダウンロードして楽しんでいただきたい。