【スマホアプリ今日の1本】「ファームヒーロー・スーパー」手応え増し増しの姉妹作

　CMも話題になった3マッチパズル「キャンディークラッシュ」シリーズなどの開発元、King。今年の春には“成長”の要素を取り入れた3マッチパズル「ブロッサム・ブラスト」を配信しているが、2014年5月に登場した「ファームヒーロー」の姉妹作「ファームヒーロー・スーパー」をこの度リリースした。

　前作のシステムをベースにしつつも、新たな要素が増えているほか、“クロプシー”と呼ばれる農作物を収穫して、ずるがしこいタヌキのランシッドをやっつけたり、クロプシーを育ててファーム・コンテストで優勝を狙う、という目的も追加されている。

クロプシーはカラフルで見やすいうえ、それぞれに顔が描かれてあってとてもかわいい

画面上部には、どのクロプシーをいくつ収穫すればいいのかが表示される。ときにはフラワーやドングリなどのギミックがノルマになることも

　本作の基本システムは、前作である「ファームヒーロー」をほぼ踏襲している。農場にはいくつものクロプシーが植えられているので、同じ種類のクロプシーを縦か横に3つ以上並べて収穫。収穫したクロプシーは農場から消え、そのかわり画面外から新たなクロプシーが出現する。そのさい、新しく現われたクロプシーがそろえば連鎖が発生。これをくり返して、規定の手数内で「○と△のクロプシーを×個ずつ集めよ」といったミッションをクリアしていくのだ。

　ここまでなら前作と同じだが、そこで終わらないのがKing作品。本作の特徴として、まず真っ先に挙げられるのがスーパークロプシーの存在だ。同じ種類のクロプシーを2マス×2マスの4マスぶん集めると、巨大なスーパークロプシーへと成長する。スーパークロプシーは、1個で複数個ぶんのクロプシーに相当するため、うまく利用すれば1手で大量のクロプシーを収穫することができる。

　また、フラワーやドングリ、リスといったギミック要素もおもしろい。フラワーは、ステージを開始した直後はつぼみの状態だが、隣りにあるクロプシーを収穫することで少しずつ開花していき、花が完全に開くと収穫できる。ドングリとリスはセットで出現し、両者を接近させてリスがドングリを食べると収穫が完了。農場にあるすべてのドングリを収穫すると、リスは退場して新たなクロプシーが出現する。ギミックはいずれもクロプシーが育つマスを圧迫するため、できるだけ早く消滅させるのがポイントだ。

　さらにゲームへ深みを与えているのが地形効果である。クロプシーを動かした方向に吹く“風”や、クロプシーを乗せた葉が流れていく“川”など、地形効果があるステージでは、それらを考慮してクロプシーを動かさなければならない。「ファームヒーロー」という完成された土台を持つパズルゲームに、ギミックや地形効果という新たな要素を追加したのが本作だと言えよう。

　では、実際のプレイ感はどうか。正直、最初のうちは「簡単だな」という印象だったが、ギミックや地形効果のあるステージで特定のクロプシーを集めるのはかなり難度が高い。とはいえ理不尽に難しいわけではなく、考え抜けば何とか解けるレベルに設定されているため、クリアに失敗しても何度でも挑戦したくなってしまう。ステージに挑戦するときには、時間で回復するハート（ゲーム内通貨でも購入できる）が必要となるが、ハートの回復が待ち遠しくて仕方がないほど（笑）。ハマり度の高さは、Kingの名作パズル群のなかでも最高峰ではないかと思う。

　あえて不満を言うなら、前作をプレイしていないとややわかりにくい点（収穫すると隣りにあるクロプシーの価値が上がる、など）があるところだが、Kingの作品はもともと直感的に遊べるものが多い。本作もプレイしているうちに、ゲームシステムの深い部分も理解できるはずだ。どうしても最初からすべてを理解してプレイしたいという人は、試しに前作をやってみるのも手。ちなみに筆者は、本作をプレイしてあまりの面白さに感激し、前作もダウンロードしてしまった（笑）。

　かわいいグラフィックスと簡単操作で誰でも楽しめるものかと思えば、パズルゲーム上級者でも手こずるような、歯ごたえのある1面も持っている。何よりダウンロードに必要な時間も短く動作も軽いので、気軽に遊べるのがうれしい。Kingファンはもちろん、King作品を未体験の方もこの機会にぜひプレイしてほしい名作パズルだ。

同じ種類のクロプシーを5つそろえれば、そのクロプシーを1度にまとめて収穫することができる。スーパークロプシーと並んで重要となるテクニックだ

特定のステージには、ボス敵としてタヌキのランシッドが現われる。空き缶をぶつけて敵のHPをゼロにしつつクロプシーも収穫しなければならないため、難易度が高い