【特別企画】

ポケモンに襲われる緊張感がすごい。「Pokémon LEGENDS アルセウス」を先行体験

今までにないポケモン×アクション。“捕獲”などの要素が大きく前面に

【Pokémon LEGENDS アルセウス】

対応機種:Nintendo Switch

発売予定日:1月28日

希望小売価格:6,578円(税込)

販売形態:パッケージ版/ダウンロード版

 長い「ポケットモンスター」シリーズの中でも、「Pokémon LEGENDS アルセウス」は全く新しい、まさに革新的な作品になると思う。

 ポケモンが1月28日に発売を予定している「Pokémon LEGENDS アルセウス」。本作は人とポケモンが共に暮らす事がまだ稀だった時代を舞台に、大昔のシンオウ地方であるヒスイ地方ではじめてのポケモン図鑑を完成させるという、今までとはまた一味違うストーリーが展開される。

【Pokémon LEGENDS アルセウス 紹介映像】

 公開されたPVを見ると、ポケモン達は手付かずの自然に溶け込むように生息している。そして、当たり前のように直接人間に襲い掛かる凶暴なポケモンと、その攻撃を避ける主人公の姿は今までの「ポケットモンスター」シリーズとは明らかに違っている。

 どんな作品なのか未だ謎の多い本作を、今回はほんの少し先んじてプレイする事ができた。早速レポートしたいと思う。

ポケモン捕獲や生態調査の要素が大きく前面に

 本作は従来の「ポケットモンスター」シリーズ作品と同様、ポケモン達の力を借りながら様々なポケモンを捕獲してポケモン図鑑の完成を目指すアクションRPGだ。

 大きな目的は同じながら、その方法やゲームシステム・世界観やストーリー背景はオリジナリティー溢れた仕上がりになっている。舞台は人とポケモンが共存することが珍しかった大昔の世界。「トレーナー」や「ポケモンリーグ」と言った概念がまだ存在しないため、ポケモンの捕獲やその生態を調査する要素が大きく前面に出ている。

 広大なフィールドを駆け巡ってポケモンを調査していくが、その捕獲ではバトルを行なわくてもいい。草むらに隠れながらボールを投げてゲットを狙ったり、道具を駆使して目くらましや注意を惹きつけたり、ポケモンバトル以外でも多くのアクションが可能だ。

 そして野生のポケモン達は、”主人公”に直接攻撃を仕掛けてくる。攻撃を避けたり、時にはポケモンバトルで応戦したりとまさに人間VSポケモンの時代を楽しめるのが本作の魅力の根幹だ。

【ヒスイ地方の冒険】
大自然が広がるヒスイ地方のフィールドを駆け巡りポケモン調査の旅を行うのが今作の目的!
主人公達が拠点とする「コトブキムラ」の様子。大昔が舞台という事もあり全体的にレトロな雰囲気が漂う場所となっている
【ポケモンの捕獲】
ポケモンの捕獲はフィールドに生息しているポケモンへ直接モンスターボールを投げる事で行なう。慣れるまで意外とエイム力が試されるアクション要素だ!
ポケモンに見つかっていない状態であれば捕獲できる可能性が上がる。草むらや木陰に隠れながら接近しボールを当てていく
様々な道具を使って捕獲をスムーズに行うのも本作の魅力。「めかくしだま」を使えば辺り一帯に煙を巻いてポケモンに気付かれずに接近ができる!
【主人公を襲うポケモン】
容赦なく群れで主人公に攻撃を仕掛けてくる野生のポケモン達。回避アクションで攻撃を避けながら動く様はまさにアクションゲーム!
主人公が攻撃を受けすぎると倒れてベースキャンプへ戻されてしまう。今までの作品だと「バトルに負けたショックで真っ暗になったのかな?」などと思っていたが、今作の場合は失神的な意味で目の前が真っ暗になりそうなのでちょっと洒落にならない……!

コマンドバトルやわざの効果、進化手順などにも変化が!

 そんな今までにないアクションを楽しめる本作だが、もちろん「ポケットモンスター」作品らしくポケモンバトルもしっかり楽しめるようになっている。

 使うのは、手持ちのポケモンが入ったモンスターボール。これを野生のポケモンへ投げるとバトルに移行でき、既存シリーズと同じようにわざを駆使してダメージを与えるなどすれば捕獲がしやすくなる。これらはいつも通りのバトル……と思いきや、ポケモンバトルの仕様も少し変化している。

 本作はターン制のコマンドバトルだが、1ターンずつではなく、状況によって連続での行動も発生する。

 行動順に影響を与える要素として大きいのが、独自バトル要素の「早業」と「力業」。わざの効果に変化を与える要素で、「早業」は威力が下がる代わりに行動順が早くなりやすく、「力業」は威力が高くなるが行動順が遅くなりやすい特徴を持つ。

 状況に合わせて「早業」と「力業」を使い分けて行動順をコントロールし、有利にバトルを進めることが重要なポイントだ。

【ポケモンバトル】
ポケモンバトルをする際は捕獲用のモンスターボールではなく、手持ちのポケモンが入ったモンスターボールを野生のポケモンへ投げてバトルを開始する。ただのシンボルエンカウントではなく投げる必要があるのがアニメっぽくてとても良い!
本作のバトルで重要となるのが右上の行動順だ。従来の「ポケットモンスター」シリーズのバトルとは異なり、場合によって連続で行動ができたり逆に連続攻撃をされてピンチになったりと独自の戦略性が求められる
バトルで野生ポケモンを弱らせれば勿論捕獲を行なう事もできる。道具を駆使するかバトルを行なうか、どのように捕獲していくかは狙っているポケモンに合わせて考える必要がありそうだ
【早業】
画像右上に注目。わざを「早業」として放つことで、自分の行動順を早める事ができる。威力が低下する事を利用して捕獲の為弱らせる目的で使用したり、ステータス強化のわざと合わせて2回目の行動で大ダメージを狙うのも面白いだろう
【力業】
ポケモンのわざを「力業」として放った際は逆に行動順が遅くなり野生のポケモンの行動回数が多くなってしまっている。しかし一撃の威力がアップするため決着に使ったり、瀕死になる前の最後っ屁として放つなどタイミング次第で強力な選択肢になり得るだろう

 バトルで繰り出す手持ちのポケモンの育成も、本作では従来の「ポケットモンスター」シリーズとは少々異なる部分がある。たとえば、ポケモンの進化。本作の場合は該当のレベルに達した際に進化がすぐには起こらず、条件を達成している状態であればメニュー画面から好きなタイミングで進化できるようになっている。

 またポケモンのわざについても、「ステルスロック」が攻撃技になっていたり、ステータス「ねむり」が「ねむけ」になっていたり、従来のシリーズとは異なるものがある。さらには、ポケモンが今までに覚えたわざがメニューで一覧で表示されて、自分の好きなタイミングで入れ替えることができるなど、様々な本作独自の要素が含まれている。育成面においても、今までに無い体験ができるだろう。

 さらにポケモン達の力はバトル以外でも冒険の力になってくれる。それがフィールドを様々な用途に合わせてポケモンに乗り移動できる「ポケモンライド」だ。

 これは冒険の中で出会う特別なポケモン達の力を借りて移動ができるようになるシステムで、現在確認できているのは地上を高速で駆け抜ける事ができる「アヤシシ」、大空を飛び一気に移動が可能な「ウォーグル(ヒスイのすがた)」、どんな水上でも突き進む「イダイトウ」の3匹だ。

 いずれも冒険の幅を広げてくれる豪快な移動を可能としており、筆者が一番感動したのは、自然豊かなヒスイ地方を様々な角度で見られること。ポケモンに乗ることで、ヒスイ地方の壮大な景色をよりダイナミックに体験できる。システムが世界観とも強くマッチしており、よりポケモンの世界を冒険している気分を味わえるので、個人的には神システムだと感じられた。

【ポケモンライド:アヤシシ】
大地を力強く突き進む「アヤシシ」の「ポケモンライド」は素早く移動できるだけでなく軽い段差や溝なんかは軽く飛び越えて進んでくれる。本作の世界観ともマッチした神聖な姿と広大なフィールドがあまりにもマッチしすぎている……!
【ポケモンライド:イダイトウ】
水上を進めるようになる「イダイトウ」は豪快な2段ジャンプが可能となっていてその姿は圧巻! 移動中やジャンプ中にもモンスターボールを投げる事ができ、みずタイプのポケモンの捕獲に大いに役立ってくれそうだ
【ポケモンライド:ウォーグル(ヒスイのすがた)】
大空を飛ぶ「ウォーグル(ヒスイのすがた)」は一気に冒険できる範囲が広がる「ポケモンライド」だ。急降下しながら高速で移動する事もでき、空から見る自然豊かなヒスイ地方の光景は絶景だ……!

ボス「キング」、「クイーン」では回避行動必須の特殊バトルが発生

 さらにヒスイ地方にはポケモンライドできるポケモン以外にも不思議な加護を受けた特別なポケモンが存在する。それが「キング」、「クイーン」と呼ばれる本作におけるボス戦を担う強力なポケモン達だ。

 主人公は突然暴走してしまった「キング」、「クイーン」を鎮める事になるのだが、このバトルは「シズメダマ」という道具を投げ当てる特殊なバトルとなっている。

 「キング」、「クイーン」は主人公を直接攻撃してくるので、これを避けながら隙を付いて「シズメダマ」を投げ当てていく。またポケモンバトルを仕掛け、倒す事ができれば体勢を崩して暫く行動不能になる。相手は強く、バトルに勝利するのも至難の業だが、倒して行動不能になったらここで一気に「シズメダマ」を大量に当てて勝負を決めにいける。

 このように通常のポケモンバトルだけでなく、主人公のアクションを上手く組み合わせてチャンスを作っていくのが本作のボス戦の醍醐味となっている。巨大な体躯でトレーナーに容赦なく襲い掛かる姿はかなり恐ろしいため緊張感のあるド迫力なバトルを楽しむことができる。

【「バサギリ」とのバトル】
今回体験会で試遊できたのは新ポケモンである「バサギリ」の「キング」とのバトルだ。大きな斧のような腕を駆使した攻撃と、岩を地面から突き出す攻撃を主人公に放ってくる……!
【シズメダマ】
「キング」や「クイーン」とのバトルでは隙を付いて「シズメダマ」を投げ続けるのが基本となる。容赦なく主人公にド迫力の攻撃を仕掛けてくるのでタイミングよく回避し、臆せずひたすら投擲すべし!
【状況に合わせたアクションがカギ】
「バサギリ」との対戦では、ポケモンバトルに持ち込むか「シズメダマ」を投げ続けるかはプレーヤーの戦略次第だ。ポケモンバトルに持ち込んでも苦戦を強いられる事になるが、倒せば長い間行動を止められるため、状況に合わせてどの方法をチョイスするかがカギとなる

 今作のアクション性と従来のポケモンバトルを上手く組み合わせたこのシステムは完成度が高く、特にポケモンバトルが“違う目的のための1つの手段”という形に収まっているのが、筆者的には世界観にも合っていてポイントが高く感じた。

 他にもポケモンライドでの移動は、広大なフィールドと合わせて「世界を冒険している!」との感覚を強く味わう事ができ、初めて行く場所では「今の自分の手持ちで大丈夫か?」「どんなポケモンが生息しているのか?」などポケモン作品らしい楽しみも味わう事ができた。

 加えて、今作ではポケモンに直接襲われるので、手強いポケモンを発見した時の緊張感が凄まじい。アクションRPGらしい恐怖が入り混じったドキドキ感が強く、新しいポケモンRPGの到来を随所に感じられる。

大昔でもオシャレで個性を出していけ! 拠点となる「コトブキムラ」で冒険の準備

 今回プレイできた拠点の「コトブキムラ」では、主人公の髪型や服装を変えて着せ替えをする事ができた。この場所では手持ちのポケモン達と写真撮影が行なえるなど、バトル以外にも楽しめる要素が各所に用意されている。

 「コトブキムラ」には他にも道具を調達できる「雑貨屋」や、材料を使用してモンスターボールなどの道具を作り出す「クラフト」を行なえる「クラフト屋」、物語中何度も立ち寄ることになるだろうギンガ団の本拠地「ギンガ団庁舎」など、冒険に必要な施設が全て揃っている。

【コトブキムラ】
和のテイストを強く残した美しい自然風景が溢れるコトブキムラ。後ろに映っているのが主人公の所属するギンガ団の拠点「ギンガ団庁舎」だ。広すぎず各施設が分かりやすく立ち並んでいるため迷うことなくプレーヤー的にも過ごしやすい拠点となっている
【服装や髪型のカスタマイズ】
「呉服屋」で主人公の服装を、「散髪屋」で髪型を変更する事で自分らしいオリジナリティー溢れる主人公にイメチェンする事ができる。和のテイストを崩さないような恰好やスタイル、それぞれの名称などに細かい拘りを感じられる
【写真屋】
「写真屋」でお気に入りのポケモンと共に記念写真を撮影する事ができる! 主人公とポケモンのポーズや背景の変更など、かなり細かく設定できるのも魅力だ
【道具の準備】
「道具屋」と「クラフト屋」で冒険に必要な道具は大体揃えることができる

新たな体験に今までの体験が違和感なく融合する期待作!

 今回の体験でとくに素晴らしかったのは、世界観の構築だ。今までと異なる斬新なアクションに、今までと同じポケモンバトルを違和感なく溶け込ませている事に筆者は感動を覚えた。

 ゲーム体験としても他シリーズ作品では味わえない内容となっており、全く新しい「ポケットモンスター」ゲームの形として非常に期待の持てる作品だ。

 加えて、本作ではシンオウ地方を舞台とした「ポケットモンスター ダイヤモンド/パール」との繋がりが見えるストーリーが語られたり、初登場となるポケモンや「ヒスイのすがた」が発見されたポケモンが数多く登場する。「ポケットモンスター」ファンであれば絶対に見逃せない要素が盛りだくさんとなっている。

 全てにおいて新しいことづくめの本作が、今後どのような展開を見せるのか。非常に楽しみだ。