【特別企画】

汝、ハルウララの尊威を見よ! 「ウマ娘」~パドックの陰から1着を取る天使を見守り隊~

【ウマ娘プリティーダービー】

配信中

プレイ料金:無料(アイテム課金制)

『最後方、ぽつんとひとり ハルウララ』

 やたらと語呂の良いアナウンスから彼女との出逢いは始まる。「ウマ娘プリティーダービー」イントロダクションレースのワンシーンである。

 「ウマ娘プリティーダービー」は実在する競走馬を美少女化した「ウマ娘」を育成するゲームであり、先日900万ダウンロードを達成しリリースから約半年を迎えて今なお勢いのあるコンテンツのひとつとなっている。

 飛ぶ鳥を落とす勢いの「ウマ娘プリティーダービー」だが、その魅力は何であろうか。何度もやりこめる育成システムの面白さ、最先端を行くキャラクターモデリング、懸命に走るウマ娘を大声で応援したくなる実際の競馬さながらのレースシーン、「うまぴょい伝説」をはじめとする一度聴いたら頭から離れない秀逸な楽曲の数々。挙げていくとキリがないが、“魅力的なキャラクター”にスポットを当てた本企画、今回は「ハルウララ」をご紹介したい。

 ご存じの通り、登場するウマ娘は主に実在の競走馬がモチーフになっており、競馬史に残る名勝負を繰り広げたり、数十年経ってなおファンの間で語り草になっていたりと、いずれもレースでその名を轟かせた歴戦の猛者がずらりと名を連ねている。テレビや新聞、もしくは競馬場で実際に目にしたことがある競走馬もいるのではないだろうか。そんな中、1人だけ異彩を放つウマ娘がいる。そう、それが「ハルウララ」である。

イントロダクションレースでの一幕。このスクリーンショットからでは分かりづらいが、各ウマ娘のレース中の位置が上方のバーで分かるようになっており、「ハルウララ」は一番右の5番。ぶっちぎりで最下位である。
アプリの起動画面。よく見てみると画面最上部やや左に小さく「ハルウララ」が描かれており、疾走するキャラクター達の遥か後方に置いて行かれているのが判る。

 「ハルウララ」もまた実在の競走馬がモデルになっており、テレビやネット等でその名を耳にした方もいるかもしれないが、生涯成績0勝113敗という成績を残し「負け組の星」とも呼ばれている。その余りの負けっぷりが話題となり、当たらないから交通安全のお守りになる等の理由でハルウララの単勝馬券を買い求める人も多かったという。

 筆者は元々競馬には余り興味がなく、知っている馬も当時メディア露出の多かった「ナリタブライアン」、「オグリキャップ」、「ハルウララ」くらいのものだったが、面白いと噂の「ウマ娘」を何気に始めて最初の配布キャラの中で辛うじて知っていた「ハルウララ」を選んだのが果てなきウマ娘坂の始まりであった。

ウマ娘「ハルウララ」はどんな天使なのか?

 それではゲーム「ウマ娘」に登場する「ハルウララ」の天使っぷりを掛かり気味に紹介していきたいと思う。プロフィールによると身長140cmと他ウマ娘に比べてかなり小柄(実際の競走馬ハルウララも小柄だったようだ)で、ピンクの髪の毛をポニーテールにまとめ、耳飾りであるリボンを左耳に着けている(元になった競走馬が牡馬の場合は右耳に、牝馬の場合は左耳にアクセサリーをつけている)。

 ウマ娘のデザイン的に、髪の毛の色は元となった馬の毛色を模していることが多い中、「ハルウララ」のピンクはやたらと目立つ。尻尾も同様にピンクでブンブン揺れる。主に最高峰であるGIレースで着用できる勝負服は元となった競走馬に乗っていた騎手の服等をモチーフにした煌びやかなものが多い中、なぜか「ハルウララ」の勝負服は体操服の上にジャージを羽織って両脚には絆創膏だらけという泥臭さ。全身赤とピンクでコーディネートされているが、これが不思議と似合っている。

ハルウララの勝負服全身像。雨や雪のレースでは全身ずぶ濡れになってしまうのだが、それが懸命に走った証に見えてますます良い。

 もう見た目から尊み全開でノックアウト気味なのだが、「ハルウララ」の真骨頂はその全身全霊の愛嬌っぷりにある。天真爛漫純真無垢という形容がぴったりでポジティブの塊のような性格である。いつもレースでは1着が取れないどころかビリから数えた方が早い成績であるが、全くめげずに頑張っており心の底から走ることを楽しんでいる。

 総合して2文字で表すと天使であり、公式ホームページでの紹介文にあるとおりトレセン学園の愛されムードメーカーである。「ハルウララ」は地方からトレセン学園に転入してきたが、エリート揃いであるトレセン学園の転入試験に面接で合格(試験自体はボロボロだった模様)するとはどんな面接だったのか見てみたいくらいである。筆者が試験官だったら入室してきた瞬間に合格の印を押すが。

ホーム画面で手足を高々と上げて行進するように通り過ぎていく天使を思わずスクロールして追いかけてしまう。このモーションは彼女専用のようだ。
「どーじょーやぶり」と称して"日本総大将"こと「スペシャルウィーク」にレースを挑む天使。
商店街のアイドル。トレーニング中であることを忘れて手伝いに夢中になっており、捜しに来た「キングヘイロー」も呆れ気味。
模擬レースで9着を取って大喜びする天使。
テストの成績は余り良くないようだが、一生懸命回答する姿勢に教師も花丸を付けるくらいである。

 そんな「ハルウララ」をとりまく友人達について、2名ほどスポットを当ててみたい。まずはもう一人の天使「ライスシャワー」である。「ハルウララ」と似た小柄な体型、全力で守護りたくなる健気な性格、身の回りに起きるアクシデントは全て自分のせいだと思い込むくらいネガティブな思考が先行しがちだが、一旦覚悟が決まった時の気迫とド根性はまさに鬼と言えるレベルである。気になった方はゲームウマ娘のメインシナリオ2章、もしくはアニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 2」をハンカチ片手に観ていただきたい。

 そんな「ライスシャワー」も「ハルウララ」の純真無垢な言動に幾度となく励まされており、とても仲睦まじい様子を垣間見ることが出来る。また、お互いの育成シナリオにも登場し、その天使ぶりを遺憾なく発揮してくれる。

この小さな天使2人が並んでいる様を見ただけで心が浄化される。

 もう1人は「ハルウララ」の同室相手である「キングヘイロー」である。トレセン学園の寮は基本的に2人部屋となっており、「ハルウララ」は「キングヘイロー」と寝起きを共にしている。お嬢様気質な「キングヘイロー」だが「ハルウララ」の奔放ぷりに手を焼かされており、何かと「ハルウララ」の面倒を見ている様子が窺える。極めつけは「ハルウララ」が夜中に時々「キングヘイロー」のベッドに潜り込んでくるようで、ゲームのホーム画面を「キングヘイロー」にして朝方起動すると、そのことをぼやいてくれるサマは必見である。この分だと起床直後の寝ぼけたハルウララの身支度などを手伝ってあげているのではなかろうか。

なんだかんだで「ハルウララ」を心配する優しい「キングヘイロー」
ここアグネスデジタルポイント2万点。

究極のifが楽しめる!育成シナリオでの「ハルウララ」

 キャラストーリーでも語られている通り、負け続けの「ハルウララ」は1着を取りたいという強い願いを抱いているが、育成シナリオである「新設!URAファイナルズ」でその願いは早々に叶うことになる。身も蓋も無い言い方だが、目標レース1戦目の「ジュニア級メイクデビュー」はそれほど難易度が高くなく、競争相手も同じデビューするウマ娘同士なので1位が取れてしまうことが多いからである。

 それでも「ハルウララ」って史実では一度も勝ったことが無いのだから1戦目は勝ててもクリアするのは難しいのでは?と思われるかもしれないが、実はその逆であり、ゲームでの「ハルウララ」は実に初心者向きのクリアしやすいキャラとなっている。

 意外な方法だが、スピードをひたすら上げて逃げて勝つ、いわゆる「バクシン育成」でダート短距離のレースをガンガン勝ててしまうのである。筆者もプレイし始めた頃半信半疑ながらやってみたらURAファイナルズ決勝まで行けてしまいバクシン教に入信してしまったものである。

とにかくスピードを上げて、ダート短距離のレースを走れば1着が取れる。目標達成に必要な強制レースもダート短距離が多いのであんしーん。
普段はニコニコな天使だが、レースになるとウマ娘の本能全開で歯を食いしばって激走する。この姿に心射抜かれたファンも多いであろう。
バクシン育成でURAファイナルズ決勝まで突き抜けた「ハルウララ」。サポートカードが揃って来たら、元来「ハルウララ」が得意としている差しや追い込み戦法等、お好みで育成しよう。

 だがなんといっても特筆すべきは、「ハルウララ」がメイクデビューで念願の1着を生まれて初めて取り喜びに打ち震えるところだろう。史実を多少なりとも知っていると感動もひとしおであり、ウララ良く頑張った!と涙ぐみながら頭を撫でたくなってしまう。

筆者がウララ沼に頭までどっぷり浸かることになったワンシーン。「はわわわ・・・」の時点でもうダメでした。
最高峰のGIレースで勝利するとさらに喜ぶ天使が見られる。
育成シナリオでもその天使っぷりは健在である。

 そうして目標を次々と達成していくと、とあるイベントを切っ掛けに「ハルウララ」に転機が訪れ、「有馬記念」で1着を取るという願望が生まれることになる。筆者の乏しい競馬知識だと「有馬記念」は野球でいうところのオールスターゲームであり、出場するウマ娘も選び抜かれた猛者揃いであることは言うまでもない。そんな中に飛び込んでいこうとする「ハルウララ」。その結末は是非ともプレイして確かめて欲しい。

「有馬記念」での1着を目指す「ハルウララ」。余談だが「有馬記念」は長距離の芝だが、「ハルウララ」の初期ステータスは長距離G・芝Gといずれも最低適正である。果たして願いは叶うのだろうか。

 このように「ハルウララ」の育成シナリオは最初から最後までifづくめであり、競走馬「ハルウララ」が勝つところを見たかったなぁというファンの要望を存分に叶えてくれる素敵なものとなっている。また、特定条件を満たして育成を終えた場合に称号が与えられるのだが、育成ウマ娘ごとに固有の称号が存在する。例えば「スペシャルウィーク」だと“日本総大将”となる。

 どのキャラも取得条件は厳しいが、「ハルウララ」はその中でも群を抜いて難度が高い。条件は単純で、ファン数を550,000人以上にして育成を終えるというものだが、これは実際にウララを育成したことがある方なら知っていると思われるが、とんでもなく高い目標だ。腕と運とウララ愛に覚えのある方は是非ともチャレンジしていただきたい。ちなみに筆者は達成できていない。

一体誰が歌唱と振付を指導したんだ?天使の「ウイニングライブ」

 本稿も第3コーナーを回ったところだが、続いては「ウマ娘」を語る上では避けて通ることのできない「ウイニングライブ」である。「ウイニングライブ」とはレースに勝利したウマ娘が観客と勝利の喜びを分かち合うライブステージであり、ゲーム内でもレースを終えると「ウイニングライブ」を見る事ができる。最終レースであるURAファイナルズ決勝で勝利した際の「ウイニングライブ」で流れる「うまぴょい伝説」は余りにも有名で、ここまで苦楽を共にしてきたトレーナーことプレイヤーは、「うまぴょい伝説」が流れるステージセンターで光り輝く育成ウマ娘を滂沱の涙と共に見守るのが慣例となっている。「ハルウララ」のうまぴょいも言うまでもないのだが、「ハルウララ」は育成シナリオ途中でとある楽曲を「ウイニングライブ」で披露することになる。

 それは筆者イチオシの「UNLIMITED IMPACT」である。条件はGIダートレースで1着をとること。「ハルウララ」はダートを得意としており、なおかつ目標レースにGIダートである「JBCスプリント」があるため、多くのプレイヤーがウララ版「UNLIMITED IMPACT」を目撃することになる。

 「UNLIMITED IMPACT」は2017年にリリースされたアルバム「STARTING GATE 02」が初出であり、その時は「マルゼンスキー」・「オグリキャップ」・「フジキセキ」が歌唱を担当していた。悲壮なまでの覚悟をアダルティックな3人が歌い上げているこの楽曲、ゲームではダートレースの曲となっているようで、ゲーム版「ウマ娘」開始当時、歌唱が実装されていたのは「ハルウララ」のみであった。現在は“砂のハヤブサ”こと「スマートファルコン」が育成ウマ娘として登場し、歌唱実装もファル子とウララの2人となっている。

 実質「ハルウララ」専用曲となっていたこの楽曲、「ハルウララ」のイメージと170度くらい違っているのだが、その妙なギャップがたまらないのだ。この感覚は何だろうと考えて辿りついたのが「THE IDOLM@STER」の登場キャラである「高槻やよい」(こちらも天使)が「relations」を歌っているのと似ているというものであった。(伝わらなかったらすみません)。

 ウララ沼にますますハマることになったこの楽曲、是非ともゲーム内で聴いていただきたいが、「ハルウララ」らしい曲が聴きたいという方はアルバム「STARTING GATE 07」に収録されているキャラクターソング「今日もウララかケセラセラ!」を聴けばワンパンKOである。「今日もウララかケセラセラ!」と、先述のマルゼンオグリフジ版「UNLIMITED IMPACT」はどちらも8月16日よりサブスクリプション配信中であり、筆者もこの2曲をヘビーローテーション中である。

ゲームでの「UNLIMITED IMPACT」アートワーク。左は「スマートファルコン」、右は「アグネスデジタル」で、いずれもダートで活躍している。「アグネスデジタル」の育成実装待ってます!
「ウイニングライブ」を自由に見る事が出来る「ライブシアター」にリピート機能を付けて欲しい。
ウララがこのような切ない表情が出来るのは驚きだ。ライブトレーニングの賜物であろうか。

比類なき愛嬌で全てを浄化する「ハルウララ」を愛でよう!

 最終直線まで掛かりっぱなしの紹介であったが、ハルウララの魅力が少しでも伝わってくれれば光栄の至りである。ここまで読んでくださった方は是非「ハルウララ」を「勝ち組の星」にして、思う存分愛でてあげていただきたい。

チーム競技場での一幕。筆者のチームではウララはダート組のエースに永久就職しており、時々1着を取ってはチームを盛り立ててくれるムードメーカーでもある。
ウララの尊みが垣間見れる日常風景。ちなみに同室の「キングヘイロー」はお化けが大の苦手な模様。
最後にお気に入りの1枚。あのウララが赤面するという貴重なワンシーンである。