【特別企画】

心配吹き飛ぶ「ドラクエ」感! 映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」公開直前レビュー

8月2日 公開予定

 「ドラゴンクエスト」を3DCGで映画化する。8月2日に公開される映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」は、その企画だけでほぼ興行的な勝利は決まったようなものだが、我々ゲームファンにとって肝心なのは“どう映画化されたのか”だ。

 本作のベースである「ドラゴンクエストV 天空の花嫁」をどう映像作品として再現したか。これは発表当初から話題になっていたことだが、試写会で実際に見ることができたのでご紹介したい。

【「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」予告②】

どのシーンも高クオリティ! 特にモンスターの表現に注目

 作品発表時、最も話題になったのは主人公「リュカ」をはじめとしたメインキャラクターのデザインが変更され、「『ドラクエ』のようで『ドラクエ』に見えない」と心配する声が上がっていたことだろう。

 でも実際に見てみると、これが想像以上に、ちゃんと「ドラクエV」の世界となっていた。

 というのも、数多く登場するモンスターがしっかりと原作のデザインを踏襲しているから。たとえば予告編でも見られるキラーパンサー(名前はみなさん大好きなアレです)は、見た目がほぼ原作通り。しかもモフモフの3DCGで、生き生きと動く。こんなキラーパンサーがかわいくないはずがない!

モフモフでかわいいキラーパンサー

 スライム、キングスライムのプルプル感や透明感、ゴーレムの豪快なパンチ、あるいはキラーマシンの鋭い回転斬り。どのモンスターも“らしさ”があり、さらに3DCGならではの表現になっている。

 特に序盤、主人公が奴隷になっている洞窟でオークが登場するシーンがあるのだが、暗い洞窟の中でオークが動いているだけで、改めて「『ドラクエ』だ!」と実感できる。この「夢が実現した感じ」はとても良かった。あと、サイクロプスがすごくかわいいです。

仲間スライムの「スラりん」はもう全編ぷるっぷる
キングスライム
キラーマシン
オーク
メタルスライム
ブオーン

 それと音楽だ。音楽にすぎやまこういち氏の名前がクレジットされていることからわかるように、本作は全編が「ドラクエ」音楽に彩られている。最も有名な「序曲」のみならず、戦闘音楽、仲間が加わった時のSEなど、要所要所で「ドラクエ」の音が聞こえてくる。SEと状況がリンクしていることに気づける「ドラクエ」ファンであれば、思わずにやけてしまうことだろう。

 ではストーリーはどうか。実はここに関しては、観る楽しみを奪わないためにも言えないことが多すぎる。「『ドラクエV』だから花嫁関連の場面もありますか?」と聞かれれば、「もちろんある」と答えられる。ただ、どう仕上がっているかは……ああ! 言えないな! その後の展開? もっと言えません!

映画ならではのアレンジも見どころのひとつ

 ひとつだけ確信を持って言えるのは、1つ1つのシーンのクオリティが高く、特に戦闘シーンは映画でしか味わえない楽しさに満ちていることだ。主人公たちが繰り出す魔法などを映画独自に解釈しながら、より大きなスケールで展開し、さらに機転を利かせて打ち勝つシーンも登場する。「スライムをそんな使い方で?!」というものもあるので、楽しみにしていただきたい。

 そして、本作は映画ならではの大仕掛けもあるのだが……。「ドラゴンクエスト」ファンのみならず、ぜひ、劇場でご覧いただきたいと思う。

ビアンカ(上)とフローラ(下)。どう展開するか、見ているこちらもドキドキである