【特別企画】

セガ協力の雑誌付録「メダルおとしゲーム」のここがすごい!

今からでも手に入れたい! メダルも脳汁もドバドバの圧倒的快感&完成度

2018年12月27日 発売

価格:980円(税込)

 メダル落としゲームといえば、ゲームセンターでプレイした人は多いだろう。お金と引き換えになけなしのメダルを購入し、さらなるメダルの大量獲得を狙って巨大な筐体に挑むあのゲームである。時にちまちまと、時に大胆にメダルを放り込むが、わずかばかりのコインが返ってきた後、だいたいは筐体へとゆっくり吸収されていく。

 しかし時に「ジャックポット」なるものに大当たりし、どこかからやってきたメダルの山が目の前にズシャーッと流され、排出口からあふれるほどのメダルがジャラジャラと吐き出されることもある。その時の快感と言ったら、脳汁ドバドバという表現では物足りないほど。「このメダル使い切れないよ~」などと言いながら満面の笑みが思わず浮かぶ。リスクを取ってリターンを得る楽しさを、物理的に、そしてシンプルに体感できる、ゲームセンターには欠かせないゲームだ。

メダル落としには夢がある。写真は「SEGA PRIVATE SHOW 2015 SUMMER」のもの

 そして、そのメダル落としゲームが今話題である。小学館が刊行している雑誌「幼稚園」2019年2月号の付録のことである。

 あくまでミニサイズとはいえ、メダル落としが家にやってくる。子供のころ、親と一緒にゲームセンターに行けばすぐにメダルをせがんでいた筆者の気持ちを思えば、今の子供にとってはまさに夢の代物だろう。しかもこの付録、「異様に出来がいい」、「気付いたら夢中でやり続けていた」、「大人もハマってしまう」とクオリティの高さを評価する声が多い。つまり、SNSを中心に一気に話題が広まったというわけだ。

【「幼稚園」2月号付録「メダルおとしゲーム」で遊んでみる】
実際に遊んでみた様子。付録とは思えない気合の入り方を感じる!

 もうこの時点でかなり買いなのだが、ゲームファンとして見逃せないのは、この付録がセガとコラボしているということ。実際に稼働しているメダルゲーム「バベルのメダルタワー」が今回の付録のモチーフとなっていて、紙で組み立てるユニットと電動ユニットの組み合わせだけで、メダルゲームの面白さをギュッと凝縮しているのだ。

 一時は人気のため手に入りにくいという話も聞いたが、ここ最近は落ち着いてきたようで、入手しそこねていたという方は今がゲットのチャンスだろう。そこで本稿では、今回の付録「メダルおとしゲーム」のどこがすごいのかを改めて見ていきたい。

【【公式】幼稚園 2019年2月号のふろくは「メダルおとしゲーム」】
YouTubeの公式チャンネルには作り方の解説動画もある。簡単な組み立てで最大級に面白いというのが1番のポイント

約30分の組み立てで夢のおもちゃが我が家に!

 メダルゲームを再現するとなると組み立てが複雑そうにも思うが、今回の付録は大人の手で30分もあればまるっと完成できる。

「幼稚園」2019年2月号の表紙。なお巻頭特集は「メダルゲーム」と「UFOキャッチャー」がテーマ。実際にセガの店舗を取材している
付録の内容はこれだけ。組み立てに難しい点はほとんどない

 誌面に書かれた手順に従って、紙やアクリル板の部品を組み立て、取り付けていくだけ。難しい点は特になく、あっという間にメダル落としゲームの筐体が完成していく。

 ポイントとしては、雑誌とは別に単4電池とセロハンテープを用意しておくこと。理由は単4電池は電動ユニットを動かすのに必要で、手順の中にテープを貼る箇所もあるから。

 完成させて動かしてみると、どこからどう見てもメダル落としゲームである。左右にあるコインの投入口、心臓部の電動スライドユニットの動き、そして吐き出されてくるコイン。どれをとってもただの付録とは思えないほど完成度が高い。セガがどのくらい制作に携わっているかはわからないが、組み立てた筐体横のセガのロゴが筆者には輝いて見えている。

ツメを入れて組み立てるのが基本
あっという間に組み上がっていく
電動ユニットは最後に合体。入れる前に単4電池を忘れないように
飾りを付けて完成!
ちなみに大きさがわかるように横にみかんを置いてみた。メダルの大きさは1円玉くらい

メダルの排出率がいいので思いっきりハマる

 この「メダルおとしゲーム」は、メダルの排出率がすこぶる良い。プラスチック製のメダルはぜんぶで50枚あり、遊び方の説明には「入れるメダルがなくなったらゲームオーバー」との記述もあるのだが、普通に遊んでいる限りゲームオーバーになるそぶりは一切ない。筐体の狭さがちょうど良いのか、メダルがある程度溜まった後は、入れれば入れるだけ返ってくる。

 実際のメダル落としから言えば完全なるイージーモードだが、メダルがどんどん返ってくる快感にあらがえる人はそうそういないはずだ。子供の遊びだからといって付き合ったが最後、最低でも30分から1時間は子供と一緒にメダルを投入し続けることになるだろう。なぜって筆者がそうだから。

 筐体の作りという点では、奥の壁に設置する「でっぱり」もいい仕事をしている。メダルを入れた時、メダルがこのでっぱりに当たることで台の中央に止まるので、メダルは中央に集まりやすい。中央に集まるということは左右どちらから入れてもメダルが落ちやすいということであり、台の左右ばかりに集まって見た目が悪いという事態も防げる。細かいところでよくできているデザインだ。

誌面での説明ではこれが最初の配置。「バベルのメダルタワー」にならって、10枚ほどを積んでおく
筆者お気に入りの部品「でっぱり」。これによって美しいメダル排出が可能になっている

底面のツバを立てれば少し大人の遊びになる!

 いろいろ筐体を触っていて気付いたことがある。それは「底面のツバを立てることで若干の難易度調整ができる」ということ。

 筐体を組み立てる際、底面に当たる部分は手前と奥、右と左それぞれの紙のツバを折り込むようにしていく。つまり、手前か奥のツバをあえて立てれば、筐体が前か後ろに傾斜することになる。

 手前のツバを立ててみると、わずかながら筐体が後ろに傾く。このわずかな傾斜がコインの落ち具合には影響を与えるようで、特に上段で通常よりもコインが落ちにくいように見えた。

 そこで傾斜なしの場合は到底無理だった50枚のメダルをすべて使い切るゲームオーバープレイをあえて狙ってみると、「最後の1枚で2~3枚が返ってくる」みたいなコイン落としにありがちな粘りを見せた後、50枚がすべてスライドの上に乗った。傾斜があることで確かに難易度は増し、遊びとしては少し大人向けになったようだ。

手前のツバを立てた状態。筐体にわずかだが傾斜が生まれた
50枚を使い切ってゲームオーバー! 傾斜なしだとこうはならない

メダル落としファンのロマンが詰まった傑作付録

 遊びを広げていくという点では、本など別のものを手前側に置いてもっと難易度を上げてもいいし、逆に奥側を持ち上げてウルトライージーモードに突入させる遊び方も十分アリだろう。

 また実際のメダル落としのように、キャンディーのように紙に包んだメダルやスーパーボールを台に置いても楽しいだろうし、違う大きさや質感のメダルで遊んでも動きが変わって楽しいだろう。作りそのものがシンプルだからこそ、遊びを加えていく余地は十分あるように思う。

 とはいえ、この付録の最大のポイントは「メダルがドバドバ、脳汁もドバドバ」の一言に尽きる。メダル落としゲームで苦汁を飲んできた大人たちにこそ捧げたい、メダル落としファンのロマンである。