ガマニア、「DIVINA」アップデート「タワー」運営チームインタビュー
謎解き要素の強い「タワーダンジョン」実装、今後はクランの繋がりに注力
株式会社ガマニアデジタルエンターテインメントは6月5日、Windows用MMORPG「DIVINA」において、大規模アップデート「タワー」を実装する。今回、実装に先がけ、先行体験会が行なわれ、運営担当者から話を聞くことができた。
「タワー」では、新しいダンジョン「タワーダンジョン」が実装される。各階には様々な条件が提示されており、これをどうクリアしていくか、攻略要素の強いものになるという。さらに2月に実装された“転生システム”により、転生を行なったキャラクター向けのクエストが実装される他、初心者向けの施策も行なわれるという。
インタビューを行なったのは、本作のディレクターを務めるガマニアオンライン事業本部ディレクターの佐塚有希氏と、コンテンツの仕様を説明した飯田正博氏。今回のアップデート後の施策や、「DIVINA」をどんな方向性で運営していくかを聞いてみた。
■ 謎解きなど様々なギミックが盛り込まれた新コンテンツ「タワーダンジョン」
様々な仕掛を盛り込んだタワーダンジョン |
フィールドのように見える階層も。右は新モンスター「テルビナ」 |
「タワーダンジョン」は“幅広いユーザーが、繰り返し何度も遊べるコンテンツ”を目指して、日本側が企画し、実現したコンテンツだという。スタート地点はゲームを初めて皆が集うようになる、「システィア」という街の新NPC“ライ”に話しかけ「反逆者」というクエストを開始することでスタートする。
ライは“謎の組織”の元メンバーで、そこから逃げ出してきたという。謎の組織は、これまでも存在を匂わせていたのだが、今後の「DIVINA」のメインストーリーでピックアップされていく。
「タワーダンジョン」は今回、「力の試練」、「知恵の試練」、「魂の試練」、「信念の試練」という4つのテーマが各4階層分、合計で16階層分実装される。タワーといってもテーマによってはフィールドのような場所もあり、各階層も階段で繋がっているわけではないため、建物と言うよりも“異次元”といった雰囲気だ。構想として100階層を目指している。
「タワーダンジョン」はインスタンスダンジョンではなく、多くのパーティが同時に参加できるオープンダンジョンになっている。レベル31から入場できるが、対象レベルはレベル40台後半で、パーティプレイを前提としている。ダンジョン内でのメンバー募集が可能だ。加えてモンスターは階層で1時間ごとにランダムで強さが上下するようになる仕掛があり、モンスターの強さが変動する。これは、“固定の場所に行って同じ狩りを繰り返す”というプレイスタイルに変化をもたらす狙いがあるとのこと。
「タワーダンジョン」では専用のインターフェイスが追加されており、各階層のマップの他、「挑戦項目」、「試練クリア条件」が設定されている。「挑戦項目」は1つ1つクリアしていくクエストにあたる。単純にモンスターを倒すものや、ドロップアイテムを集めるものもあるが、特定の条件下で敵を倒す、といった凝ったものもある。挑戦項目の条件を満たすことが試練クリア条件の前提になっている場合もある。試練クリア条件を満たすと、マップ上のロックが解除され次の階層に挑戦できるようになる。
挑戦項目や試練クリア条件は複雑なものもあり、「ある特定のバフ効果を受けていないと進めない」、「あるアイテムを持っていないと次のアイテムが出ない」といった、プレーヤーが頭をひねらないとクリアできない“謎解き”要素もある。コアプレーヤーはいち早く謎を解き、最深部まで達するという楽しみ方もある。「タワーダンジョン」の奥は、コアプレーヤーが5人のフルパーティで挑んでも突破が難しく、複数のパーティによるレイドを前提としている。
登場モンスターは新モンスターの他にこれまでのモンスターも多数登場する。これは「タワーダンジョン」が“時空の歪み”に関わっており、プレーヤー達はメインストーリー同様、様々な時空を訪れる事になるためで、意外なキャラクターとの再会や、強力なボスとの再戦もあるとのこと。これまでの冒険を振り返る要素にも盛り込まれている。一方で以前のボスでも戦い方が全く違っている場合もあり、攻略要素も強いということだ。
挑戦項目のクリアや試練をクリアすることで様々な特典が得られる。能力値が一時的に上昇できるアイテムや、武器強化アイテム、ペットの餌など、課金アイテムとは異なった有用なアイテムが入手できる。また、「タワーダンジョン」では“栄光の腕章”というアイテムが入手でき、これを集めることで、様々なアイテムと交換できるという。
クリア条件、マップ、得られる報酬 | ||
最初の場所である「力の試練I」。いくつもの条件を満たし、進めていく | ||
まったく景色が変わる「力の試練II」。「DIVINA」ならではののっぺらぼうのモンスター「ピエール」が、ここでも色々な姿で登場する | ||
タワーダンジョンは階層によって見た目が大きく異なる。敵も強く、謎も複雑なものに |
■ 謎の組織の悪の新ヒロイン登場。初心者要素も充実
ジークフリートの妻が変わっている! 一体何があったのか |
新要素に合わせて「図鑑」も拡張。新モンスターを収録することができる |
大規模アップデート「タワー」では、レベル90以上のキャラクターを対象とした「ハイミール西部」という新地域が実装される。ここでは、転生したキャラクターを対象に“ジークフリート”と“ブリュンヒルデ”というキャラクターが関わるクエストが展開する。
「DIVINA」では2月から転生システムが導入されており、レベル110以上のキャラクターは転生することでボーナスポイントを持ってレベル31になり、さらに転生後に習得できる「転生スキル」を得て、より強力なキャラクターへと成長することができる。さらに転生はクエストにも影響を及ぼし、悲劇的な結末を迎えたクエストなどの内容が、転生することで変化するという。
今回実装されたクエストはその転生をストーリーに組み込んでいる。以前のクエストでは“ジークフリート”と“ブリュンヒルデ” は、永遠の愛を誓い合った仲だったのだが、今回この関係が変わっているようだ。ここには“謎の組織”が深く関わっているという。謎の組織は様々な時空を巡り物事に干渉してくる。彼等の目的は何なのだろうか?
今回のストーリーは“ジークフリート”と“ブリュンヒルデ”の前回のクエストとはまったく異なる展開となる。必要レベル91の、インスタンスダンジョン「復讐の炎」では、「レイジバルキリー」というボスが待ち受けており、必要レベル101のインスタンスダンジョン「未知なる挑戦」では「ユニオンビースト」というボスが待ち受けている。このダンジョンの入口は「上流の泉」という場所なのだが、なぜか“カエル”に話しかけてスタートするのだ。カエルは頭が大きく独特の愛嬌があり、明るい雰囲気の「DIVINA」にマッチしていると感じた。
謎の組織に関しては、組織の一員として、「ユミル」と「カレート」という2人の“悪のヒロイン”が登場し、プレーヤーの前に立ちはだかることになる。今回のクエストの他、タワーダンジョンにも関わってくるという。日本側でイラストを書き起こした2人のキャラクターは、今後のシナリオでも大いに活躍してくれそうだ。クエストをくれる“お姫様”といった正当派ヒロインではないところも面白い。どんな性格のキャラクターなのだろうか。
この他、今回のアップデートでは初心者向け施策も行なわれる。パーティ募集機能がこれまでわかりにくいところにあったのだが、このショートカットが常に画面に表示されるようになった。また初期のインスタンスダンジョンからフルパーティを前提にしているものが多かったのだが、難易度が引き下げられ、2人くらいでも戦えるようになったという。この他、キャラクター作成時に職業をイメージするムービーが入った。カメラアングルなども凝っており、こちらは既存のプレーヤーが見ても楽しいものになっていると感じた。
【悪の新ヒロイン】 | |
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ユミル | カレート |
レベル90以上のキャラクターを対象とした新地域「ハイミール西部」 | ||
レベル90以上を対象としたインスタンスダンジョン「復讐の炎」。バルキリーが待ち受ける | ||
こちらは、レベル105のインスタンスダンジョン「未知なる挑戦」。悪のヒロインが立ちはだかる |
■ 今後はさらに“繋がり”にフォーカス。友達を助っ人にできる「名刺システム」なども
本作のディレクターを務めるガマニアオンライン事業本部ディレクターの佐塚有希氏 |
商品開発部QA課の飯田正博氏 |
「タワー」アップデートの紹介の後は、今後の要素を質問してみた。「DIVINA」は、2012年9月でサービス2年となる。「DIVINA」は同じ台湾PLAYCOOの開発であり、ガマニアがサービスしている「ルーセントハート」と比較されることが多い。ディレクターの佐塚氏は、「DIVINA」をより“クランの繋がり”を強調した方向にしていきたいという。
「グッドクランランキング」というランキングを設定し、プレーヤーは他のクランと競争していくことで結束力を高める。「DIVINA」は5月にサーバー統合が行なわれ、これまでの3つから2つになった。「グッドクランランキング」は以前1度行なっているが、統合後の新しいプレーヤー環境で「グッドクランランキング」を実施するため準備を進めている。「タワーダンジョン」や今後のコンテンツに関しても“繋がり”にフォーカスしたものにしていく予定だという。
他のゲームに比べレベルアップが早いのも「DIVINA」の大きな特徴だ。2月に入った転生システムは、現在最大で6回まで転生できるが、すでに3回の転生を終えたプレーヤーもいるという。彼等はコアプレーヤーで固まり、インスタンスダンジョンを何周も周回してレベルアップに励み続けている。レベルが循環する転生システムは本来、高レベル帯と低レベル帯で乖離してしまうユーザーをシャッフルさせるものだが、この“交流”をいかに行なっていくかもテーマだ。タワーダンジョンはプレーヤーを繋げるための施策の1つだ。
まだ企画段階ではあるが、ユーザー達を繋げる施策として面白いのが次の大型アップデートで予定されている「名刺システム(仮)」だ。これはプレーヤーキャラクターから名刺をもらうことで、そのキャラクターが“助っ人”として戦闘に参加してくれるシステムだ。実際に触れ合うことはそれほど無かった人でも、「あの人の名刺は強い」という噂になり、思わぬ人気者になる人もいるかもしれない。プレーヤーが有名になるかもしれないアイディアだ。名刺はモンスターやNPCからも得られると言うことだが、プレーヤーを助っ人として呼べるというのは、魅力的な要素だ。仕様はまだ固まっていないが、初心者とコアプレーヤーを繋げる大きな可能性があるシステムだろう。
このほか、公式ページ上にクランの交流ページも開設する。「グッドクランランキング」だけでなく、GMキャラクターによるクラン紹介や、クランイベントなども行なっており、今後も様々な形でクランという繋がりをフォーカスしていく予定だ。また、「DIVINA」には“モグラたたき”や“○×ゲーム”、“クイズマスター”といったミニゲームがあり、様々な種目をクラン単位で争う「運動会」のような競技も考えているという。もちろん「クラン戦」といった戦闘要素もピックアップしていく。こういった様々な競争要素を、年末までに実現させたいという。
“繋がり”以外の部分では、もっと「DIVINA」の“ストーリー”を紹介したいと運営側は考えている。クエストはどうしてもレベルアップのための道のりと捉えられ、あまりユーザーの印象に残らないこともある。しかし「DIVINA」は転生により1度目と結末が異なるような、他のゲームにはないストーリー展開もある。このためデジタルコミックや動画など、ゲーム以外の手法でもストーリーを紹介していく方法を考えている。
オフラインイベントに関してはまだ予定としてはないが、同じPLAYCOOが開発しているタイトルと合同といった形で展開できないかを検討している。このほか「DIVINA」では公式サイトを含めたイラストもセールスポイントだが、これまでイラストはNPCが中心だったが、プレーヤーキャラクターを描くようになっている。こちらも、“繋がり”を意識しての変更だという。
最後にユーザーへのメッセージとして佐塚氏は「『DIVINA』はもうすぐ2周年になりますが、クランやフレンドとプレイされている方にはより楽しめるように、ソロでプレイされている方も“色々な人がプレイしている空間を共有しながら楽しめるゲーム”としてやっていきたいと思っています。ゲーム内で素敵な仲間を見つけて『DIVINA』を楽しんでください。今後も『DIVINA』をよろしくお願いいたします」。飯田氏は「タワーダンジョンはこれまでに無い謎解き要素が多数盛り込まれていますので、楽しんで下さい。今後も様々なギミックを盛り込んでいきます」と語った。
今回実装された職業紹介ムービー。初心者へのアピールも課題だ |
(C) 2012 PlayCoo Corporation
(C) 2012 Gamania Digital Entertainment Co., Ltd
(2012年 5月 29日)