インタビュー

マーベラス、「ブラウザ三国志」運営チーム5周年記念インタビュー

節目の年を迎え、今後はよりプレーヤーの目線に立ったアップデートを実施

節目の年を迎え、今後はよりプレーヤーの目線に立ったアップデートを実施

――次に、5周年を迎えた「ブラ三」のお話をお聞かせください。「ブラ三」は非常に息の長い作品になっていると思います。ここまで長く愛されている理由や、これまでどの様な努力をされてきたのかをお聞かせください。

五味氏:「ブラ三」はスタートした当初から遊んでいただいているプレーヤーさんが大多数が今でも遊んでいただいている作品です。その方たちが戦争を楽しみながらコミュニケーションをとる場所として残って頂いていることが愛されている要因かなと感じています。もともと、非常に優れたゲームデザインを持つ作品ですので、そこに対して今後どう改善をし、進化させていくのかを考えていくのが私たちのミッションだと考えています。

 私が担当になってから感じたのは、非常に奥の深いゲームではあるものの初心者の方にとってはかなり敷居が高く取っつきにくいゲームになっているなと感じました。そういった部分は力を入れて改修・バランスの調整はしてきたつもりです。

勝木氏:私はそもそも「ブラ三」のプレーヤーで、最初に触った時には技術的な興味で始めたんです。「ブラ三」には派手な演出はありませんが、膨大なデータであったり、複雑なスキルがありますので、ずっと研究ができるゲームだと思います。そういう噛めば噛むほど味が出るといった部分が、私を含め、今遊んで頂いているプレーヤーの方にも愛されている部分ではないかと感じています。今でも、1プレーヤーとして遊んでいますが、私よりも直観で出てくるレスポンスは歴戦プレーヤーの方はすごく早いと感じます。私もまだまだだなと(笑)。

五味氏:キャラクターの強さではなく、自分のコミュニケーションの力でのし上がれるといったゲームなので、そこが1番愛されている理由かもしれませんね。どんなに強くても1人では勝てませんし。

――まずはお隣のプレーヤーに話しかける勇気さえあれば、どんなに弱くても楽しめる作品ですものね。

五味氏:他のゲームが和気藹々としたサークル活動だとすると、「ブラ三」は仕事とか部活だなと思いますね(笑)。

――解る気がします(笑)。同盟内の役割分担が非常に重要ですし、戦争中は気も抜けないですし。今のブラウザゲームは1人で完結するゲームが多いので、そこからブラウザゲームに入ってきたプレーヤーにとっては敷居の高いゲームになっている印象が強いです。「こんにちは!死ね!」みたいに駆逐されちゃいますし(笑)。そういった初心者プレーヤーのフォローはどの様にされているんですか?

五味氏:実は、そこに関していうと今まで全然メスを入れてなかった部分なんです。初心者の方のフォローが全然なかったんです。メールで文章を書かないと同盟に入ることができないとなると、ゲームが持つ本当の面白い部分にたどり着いていただけないんです。ですので、既存のプレーヤーの方たちが煙たく思われないようなさじ加減で、初心者の方も遊びやすくできるような仕様を入れていきたいと考えています。

――具体的にどのような施策を考えられているか教えて下さい。

勝木氏:私が初めてプレイしたころ、1番初めに詰まった部分が領地の「☆」を獲得するのはわかったけど、「☆☆」、「☆☆☆」はどの程度まで強くすれば落とせるのかがまったくわからない点だったんです。育て上げた兵もあっという間に壊滅してしまい、それでも落とせない。兵力減るのが嫌でそこで二の足を踏んでしまっていました。

――「☆」がひとつ増えただけで難易度が全然ちがいますものね。

勝木氏:武将がやられるとなかなか復活しませんしね(笑)。ですので、そのあたりをフォローする機能を入れたいと思っています。落とすためにどの程度の兵力が必要なのかをUIとして用意したりといった形ですね。出兵時に殲滅成功確率をフワっと入れたりというイメージでしょうか。

――軍師がアドバイスをくれると面白いかもしれませんね。知力によって確率のアドバイス精度が増していくような。

勝木氏:いいですよね(笑)。プレーヤーさんの選択肢を狭めず、本当に解らない部分をフォローアップする形でできたらいいなと思っています。

五味氏:初心者向けの改修の一貫として、ワールドを選択するログイン画面の表示を変更しました。初心者向けですので、既存のプレーヤーの方達からは何の反響もありませんでした(笑)。実は、前のログイン画面ではゲームを開始せずに止めてしまうプレーヤーの方が凄く多かったんです。というのも、今まではログインした際にキャラクターの名前などを入力する画面は出ず、数値が羅列したボタンが配置されているような画面でしたので、初心者の方にも最初にどこをクリックすれば良いのか、何をすれば良いのか、明確に分かるようなレイアウトの画面へと変更を行いました。熟練プレーヤーの方は「何でそんなことしたの?」くらいの印象だと思いますが、「ブラ三」を長く運営していくためには非常に大事な改修であったと考えています。

些細なリニューアルだが、新規プレイヤーのフォローにつながったログイン画面のリニューアル

――完成度が高いゲームデザインというお話が出ましたが、プレーヤーさんからはこれまでどんな声が多かったのですか?

勝木氏:要望を頂いて実現したものでは、カード所持枠の上限を上げたことですね。カードの所持数を多くしたいというご意見は多くいただいてましたから。

五味氏:最近ですと同盟の役職の改修ですね。盟主の負荷が非常に高く、盟主をされるプレーヤーの負荷が非常に高かったんです。ですので、ほかの役職のプレーヤーに権限を分散させることで、盟主の背負う負荷を少しでも少なくしたかったんです。

――かなり大きな勇気がいった改修だったのではないですか?

五味氏:そうですね。何か見落としがないか何度も何度もチェックをして改修した機能です。戦争など真剣に遊んで頂いているプレーヤーさんに向けては非常に良い調整だったという声は頂けています。その他ですと、プレーヤーさんの声を聞き、裏ワザ的な要素、いわゆる“配下バリア”などと呼ばれるものに調整を入れたりもしました。

――初心者のためだけではなく、既存のプレーヤーの方もより遊べるように細かなところから見直して改善されているのですね。

勝木氏:大体反響はいただけないんですが(笑)。

(一同爆笑)

五味氏:ただ、反響が無いという事は自然と受け入れて頂いたことだと思いますので、良いことだと思っています。これがもし、見当違いな方向に変えてしまうと、「なんでこんな風に変えたのか」と反響がありますから。

――では、反響があった点などはどんなものがありましたか?

五味氏:「覇」の実装は反響がありましたね。新兵種の実装時にも反響は頂きました。やはり、バランス面が変更されるというアップデートでは声を頂くことが多いです。

【覇の武将カード】

――5年目を迎え、これからの5年も様々な反響に応えながら「ブラ三」を作っていかれると思います。もちろん、大きくゲームバランスを変えるようなものは難しいと思いますが、進化を進めないと“飽き”が来てしまうというのも事実だと思います。今後、どのように「ブラ三」進化をさせていくのかをお聞かせ願いたいと思います。

五味氏:「ブショーデュエル」は現在テスト中ですが、これで完成形であるとは思っていません。たとえばイベントであったり、ランキングであたり、はたまた全く違う形での表現が可能だと思っていますので、検討に検討を重ねているところです。 取りあえず、今の機能でしっかりとしたものに完成させることを目指していますが、この後の展開に関しては面白いコンテンツへ組み上げていくつもりです。

勝木氏:「ブショーデュエル」で「五虎将軍」や「三公将軍」と戦えたら面白いかな、とは思っていますし検討しています。

――カードデッキの組み合わせで隠しスキルが発動したりしたら面白いですね!「黄巾やられ役」スキルとか。全然話は変わってしまうのですが、「兀突骨(ごつとつこつ)」が優遇されていてびっくりしました(笑)。

――その他にも、有名でない人物もラインナップに加わっているのをみて、三国志自体を好きな方たちで作っているんだなと感じてます。カードを選ばれる際にはやはり好きな方たちで選んでいるんですか?

勝木氏:もちろん三国志に関しては日々研究をしているのですが、プレーヤーのみなさんの声を実現するケースも多いんです。こういう武将が欲しいという声は全てリストアップしています。また、この武将が好きという声があれば、三国志では有名ではない人物であっても検討要素にはしています。もちろん、史実も大事にはしていますが「ブラ三」ならではという点を意識して作っています。

今後、実装予定の新カードのラフをチラリ!

五味氏:文醜、顔良のダブルカードを出したときには強すぎるという声が来ましたね。三国志演義ではあっさりと切られているので(笑)。

――いやいや! 袁紹軍の双璧ですから強いですよ(笑)!

五味氏:袁紹軍話になってしまいますから(笑)。新コンテンツだけでなく、新武将カードの追加も期待していただければなと思います。今年は「ブラ三」にとって、5周年という節目の年ですので、イベントなどにも力を入れていこうと思っています。まだ詳しくお話できないのですが、ゲームの中だけではなく外でのイベントやキャンペーン等も企画していますので、大きな動きに期待していただければと思います。

勝木氏:新規カードに関しては今まで硬派なイメージも大切にしてきたのですが、少し遊び心を加えたカードも多くしています。その中で、プレーヤーの遊びの選択肢が広がれば嬉しいですね。硬派な三国志ファンもライトなファンも楽しんで頂けるようなラインナップにしていきたいです。

五味氏:「覇」で登場したカードは硬派なイメージですね。史実に基づいた出来事をコンセプトにして作っています。

――それでは、「ブラ三」プレーヤーに対してメッセージをお願いします。

五味氏:先ほども言いましたが、5周年を迎えて今年は節目の年だと思っています。ですので、気持ちも新たにアップデートやイベントなどに力を入れていきたいと思っています。昨年は「天覇争乱」アップデートが難航してしまい、そういった部分に力を注げなかった反省があります。ですので、今年はもっとプレーヤーのみなさんの顔を見つめたアップデートを実施していきたいと思っています。

勝木氏:個人的になんですが、これまで「ガチャ」の施策が多いなと感じてきました。「ガチャ」に比べると、イベントや改修といったプレーヤーの方を見たアップデートが薄かったと反省しています。ですので、今年からはプレーヤーが本当に喜ぶことを定期的に実施していったり、お問い合わせでいただいた声をすべて実施していくことを目標にして10年先まで愛されるゲームに作り上げていけたらと思っています。

勝木さんオススメの敬哀皇后
五味さんを幸せな気持ちにしてくれる劉璋

――ありがとうございます。これからの「ブラ三」が楽しみです。それでは最後におふたりのオススメ武将を教えてください。

五味氏:1番難しい質問ですね!使う武将は強い武将なんですけどね(笑)。ちょっと考えます。

勝木氏:私が昔から好きな武将は「SR徐庶」なんです。イラストの雰囲気もステキなんですが、すごく完成されたカードで、たくさんのプレーヤーに使われているカードです。是非育ててください。最近追加したカードだと「敬哀皇后」をもっと使っていただきたいなと思います。領地防御のスキルを持っているという初めての基軸でもあり、キャラも一生懸命作ったのですごく愛着があるんです。ただ、現状そんな使われていないようでして(笑)。しっかりと見て頂くと強いカードになってますので是非使ってみてください!

五味氏:見つかりました。イラストだけでなんですが、僕は「劉璋」です。なんか、幸せな気持ちになれるんですよ。見てるだけで(笑)。もちろん強いんでみなさんも使ってください!

――癒しと強さ、1粒で2度おいしいカードだということですね(笑)。僕も引き当てたら使って見ます。今日はありがとうございました。

(たて りょうた)