インタビュー

ポイソフト 開発チーム ロングインタビュー

Wii Uについて聞いてみたところ、思いがけずデザイナーの北郷氏の話に

Wii Uについて聞いてみたところ、思いがけずデザイナーの北郷氏の話に

――Wii、3DSでゲームを発売されていますが、Wii UやWii Uウェアの研究も始めているのでしょうか?

石川氏:ハードに関わらず、気になったものは調べています。

中川氏:僕らもWii Uに関する情報はもらえるので検証してはいます。ガッツリやっているかは別ですが。あ、社長が会社の方針とは関係ないけど「Wii Uで1本出したい」と言ってましたよ(笑)。

石川氏:そんな言い方せんでも(笑)! 普通に考えると3DSの何倍の処理能力があるのかと。それを考えれば作れるものは広がる。ただ、僕らが作りきれるのかという問題があって、そこを解決できる企画が出ればという感じですね。

中川氏:やれるならやりたいし、期待されているのであれば応えたい気持ちはあります。なんにせよ、人的リソースの問題も大きいですから。HDのモデルを作れとかなると、北郷が泣きを見るハメになって絶対に反対するはずです。ちょっとでも彼のキャパを超えようとすると怒るんです。

石川氏:いない人のことを! まぁ出る前に「悪者にするよ」とは言ってきたんですけどね(笑)。

中川氏:そういう面で彼はビジネスライクなんです。

――きっちり管理できる方なんですね。

中川氏:デザインディレクターをやってきた人間なのでしっかりしています。遅れるなら遅れると言いますし、遅れないようにするならここを切るとはっきり言ってくれます。あまりデザイナーらしくないと言われますし、自分でも言っていますね。

石川氏:ゲームを作るときって何も制限がないとキツイですからね。

中川氏:うちはみんなはっきり言いますから。ここまではいいが、ここからは無理だと。

石川氏:普通の仕事と同じですよね。納期は守る、そのために必要なことをする。リソースが少ないからこそ、決断を早くすることで、納期を守りながらも本来やりたかったことが実現できていると思っています。

中川氏:要素を手広くせずにキモの部分を外さないようには心がけていますね。

――人的リソースの話がよく出てくるのですが、増やさないんですか?

石川氏:増やせるものなら増やしたいですけど、新しく来た人が安心して働ける会社になったらですかね。いつどうなるかわからない、給料も少ないよ、だとやっぱりねぇ(笑)。

中川氏:僕らはゲームが好きで初期メンバーだからそういったノリで働けていますが、新しく来た人だと僕らの気持ちの部分でできていることが厳しいのではないかと。正直言うと、手が足りないので助けて欲しい気持ちはあります。特にデザインに関しては数が多いので。不思議なものでポイソフトでは最後まで北郷が作業しているんです。

――普通は企画→デザイン→プログラムといった順で締めていきますよね。

石川氏:「マンションパーカッション」に関してもプログラムが全て終わってからデザインデータが入ってフィックスしました(笑)。

中川氏:デザインに関しては外注することを考えているのですが、ゲーム用となると絵を描くだけの仕事にならないので難しいんですよ。なのでロゴくらいなんですね、外注に出しやすいものって。

石川氏:でも今回の「マンションパーカッション」のロゴは仮で作ってくれたものが良かったですし、本人も納得の出来だったのでそのまま採用しました。なんだか今ここにいない奴が凄いという話になってきたね(笑)。

ポイソフトの今後、ゲーム開発へのこだわり

――他に作ってみたいゲームジャンルはありますか?

中川氏:これまで作ってきた物としては、シミュレーション、RPG、アドベンチャー、レース、アクション、音といろんなジャンルがありますけどね。

石川氏:真面目な話、ジャンルに縛られているわけではないですね。

中川氏:今回もジャンルを決める時にこれは一般に言う音ゲーではないなと。それで最終的にジャンルを「音のゲーム」にしました。

石川氏:今はコンペ準備中なので、いい企画があれば、それを作ります。

――ゲーム作りでこれだけは守りたいといったこだわりはありますか?

中川氏:ポイソフトらしいゲームを作ることは外したくないなと。

――らしさとは?

石川氏:真面目にふざける。ギリギリのラインを目指そうと。でも、真面目にふざけている人が、真面目にふざけているんです! って言うのはかっこ悪いですよね(笑)。

――最後に一言お願いします。

石川氏:来週もまた見てくださいね!(笑)

――連載していただけると(笑)。

石川氏:いやいや(笑)。こんな僕達のゲームが気になったら手に取ってみていただければ。

中川氏:真面目にふざけている連中が作っているということが伝わればと思います。

――ありがとうございました。

 インタビューお楽しみいただけただろうか。2時間近くに及ぶ長丁場ながら終始笑顔でどんな質問にも答えてくれる気さくなお2人であった。写真からもその雰囲気は伝わるのではないだろうか。

 実は掲載しているインタビューは全体の半分程度で、残りは誌面には載せることのできない話。面白い話ばかりだったので残念な所だが、致し方あるまい。

 3月6日には「マンションパーカッション」が発売されるが、今後どのような同社らしい個性的なタイトルがリリースされていくのか楽しみだ。

(木原卓)