インタビュー

「FFXIV: 新生エオルゼア」プロデューサー吉田直樹氏インタビュー(後編)

βテストで実装される新規コンテンツ その2「キャラクターデザイン」について

βテストで実装される新規コンテンツ その2「キャラクターデザイン」について

――今回全種族のスクリーンショットが公開されました。やっとこれで全種族の男女が揃いましたね。

吉田氏:はい、綺麗に揃いました。いよいよスタートという感じです。

【ヒューラン ミッドランダー/ハイランダー】

【ヒューラン ミッドランダー】

【ヒューラン ハイランダー】

【エレゼン フォレスター/シェーダー】

【エレゼン フォレスター】

【エレゼン フォレスター】

【ララフェル プレーンフォーク/デューンフォーク】

【ララフェル プレーンフォーク】

【ララフェル デューンフォーク】

【ミコッテ サンシーカー/ムーンキーパー】

【ミコッテ サンシーカー】

【ミコッテ ムーンキーパー】

【ルガディン ゼーヴォルフ/ローエンガルデ】

【ルガディン ゼーヴォルフ】

【ルガディン ローエンガルデ】

――各種族の各SSを見ながら、色々質問したいことがわき上がってきたのですが、まず、ビジュアルデザインがリアル系、綺麗系になりましたよね? 以前公開されたイメージイラストなどから想像してもっとアニメっぽさを残したファンタジーらしさが感じられるデザインになるのかと思っていたら、「EQ II」寄りの生々しいリアルさというか、現実世界にいるようなリアルさを備えていて、こうきたかと思ったのですが。

吉田氏:うーん、そうですかねえ(笑)

――女性は全体的にみんなほっそりめで、あまり種族色が強くないですよね。たとえば、ルガディンの男にそのまま胸がついたみたいな女性キャラがいませんね。

吉田氏:さすがに「FF」でそういうキャラは求められてないだろうって話で(笑)

――キャラデザに関して、吉田さんがかなりコミットしているというお話しだったので、この機会に、キャラクターのデザイン哲学のようなものを聞かせて頂きたいなと思っています。

吉田氏:まず、ルガディンの女性について、開発の中で「どこまでやるのか」という線引きがとても難しかった。実はもっとふっくらして、腰のくびれがもっとなくて、開発では“お母さん”って呼ばれていたんです。で、ララフェルを横に置くと「いいな、これ」って「これでいこうぜ」って言ってたんですが、アニメーションをリターゲットしてメモリ節約する関係上、スキンが極端にずれると辛いんですよ。なのでボディ調整しないとダメだと言うことで、ギリギリまで削っていって結局今のボディラインに落ち着いたんです。

 今回足した2つの女性って「力強い女性像」のキャラクターで、日本のゲーム開発ではどうしても優先順位が下になる傾向があります。ミコッテとルガディン女性、どちらかしか作る余裕がなければ、やはりまずはミコッテを作りますよね。今回それもちゃんと「FFらしく表現してみよう」ということで、強い女性を表現しながらも、上手くバランス取れたかなと思っています。

――なるほど、ヒューランの女性は、髪の毛とかも含めて、その辺にいそうな感じになってますよね。ファンタジーMMOでここまでチューニングしてくるかと思ったんです。

吉田氏:結構ヒューランに関してはパーツも表情も増やしましたし。もっと使ってもらえるんじゃないかな。ただミコッテの男は逆に、「まさにFF王道」って感じで作っています。でもきっと、「皆これ使うんだろうな」、「これ使ったら負けかな」みたいな感じがあるのも、確かじゃないかと(笑)。

――なるほど。

吉田氏:ただ、同じミコッテですけど、カスタマイズ次第では渋さをちゃんと出せるようにというのはこだわって指示しました。

――今回結構女性のスクリーンショットが少な目ですけど、出し惜しみしてるのですか?

吉田氏:そんなことないですよ(笑)。

――だいたいこれでモデリングは完成と言う風に考えてもいいですか?

吉田氏:そうですね。フェーズ3でまだ髪型なんかは増えます。あとフェーズ3で髪の色数が192色まで上がります。

――他の部分に関してはフェーズ1から全部使えるのですか?

吉田氏:ロングヘアで物理が対応できていないものに関してはフェーズ3からになります。

――ロングヘアの物理ってどういうことですか?

吉田氏:要は肩に刺さらないように。多少はやらないと全部刺さるので

――物理処理をしているということは、横に向くと少し遅れて髪が流れるような?

吉田氏:ええ、ちょっとゆれますね。物理をやらないとロングが作れないんです。ちょっとそれでまだ物理の効きが悪くて調整しているものについては、フェーズ1では出しません。ただ、3までには必ず間に合わせます。ロング欲しいロング欲しいと言われているんですが、MMOでロング作るの大変なんですよ(笑)。

――どのゲームでも刺さってるのが当たり前ですからね(笑)。

吉田氏:でも、刺さってもいいのかというとそうではなくて、「FF」の場合は刺さるとバグだと言われることもありますので……。

――えー、他のMMOだと結構そこは割り切って刺さりっぱなしですよね?

吉田氏:わざわざスクリーンショットを撮って「バグです」と送ってくれる人もいますしね。あとは、「しゃがんだ時に、ひざの裏のポリゴンがめり込んでいるのはいつ直りますか?」とか。「FF」に期待して頂いているゆえですね。とても大変ですが。

――念のために確認ですが、すでにキャラクターを持っている「FFXIV」ユーザーは、「新生FFXIV」では自由に作り直しができるのですか?

吉田氏:はい、「新生FFXIV」が始まったタイミングで行なえます

――それは性別とか関係なく自由に?

吉田氏:もう全部変えていただいてもいいです。パーツもかなり増やすことができたので、やっぱりここまで増えたら是が非でも一回変えたいだろうなと。ただ、僕はすごく迷うだろうなと思っていて、そこまで極端に性別変えたり、種族変えたりはしないんじゃないかなと思ってます。

 結局、最後2012年11月11日のグランドフィナーレまで付き合っていただいたお客様は、自分のキャラクターに思い入れが強くて、簡単には変えられないんじゃないかと。もちろん髪型を調整しようとか、色を調整しようというのはあるとしても、いきなりルガディンだった兄貴が、急にふさふさヘアのミコッテ男にはならないんじゃないかと(笑)。

――なるほど。そのままのキャラでも遊ぶことができるんですか? テクスチャとか見え方とかが多少違うにしても。

吉田氏:ああ、それはプレーヤーの方が納得するかどうかになります。やっぱり描画が全然変わっちゃっているので。デフォルトは、そのままのキャラクターデータを「新生FFXIV」にコンバートしたデータを表示させていただくので、これで納得となればOKと押してもらえればいいです。

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(中村聖司)