Xbox 360「モンスターハンター フロンティア オンライン」インタビュー

久々に登場したXbox 360用オンライン専用タイトルの裏側とは?


6月4日 収録



 株式会社カプコンは、Xbox 360用オンラインハンティングアクション「モンスターハンター フロンティア オンライン(MHF)」を6月24日に発売し、同日よりオープンβテスト(OBT)を開始した。

 「MHF」は2007年からWindows版のサービスが行なわれているオンライン専用のタイトル。プレイステーション 2用「モンスターハンター 2(dos)」をベースとしながら、年に数回の大型アップデートを経て、現在は多数のオリジナルモンスターや独自要素を持つ、オンラインタイトルならではのゲームに進化した。

 その「MHF」が、Xbox 360で初の「モンスターハンター」シリーズタイトルとして登場した。なぜ今、「MHF」がコンシューマーゲーム機に展開したのか、また今後どういったサービスを提供していくのか、カプコン開発統括本部オンライン開発部「MHF」運営プロデューサーの杉浦一徳氏に話を伺った。




■ CBTで「モンスターハンター」シリーズの初心者獲得に手ごたえ

開発統括本部オンライン開発部 運営プロデューサーの杉浦一徳氏。「MHF」の顔として、Windows版ではさまざまなイベントに登場している

――まずは5月に行なわれたクローズドβテスト(CBT)の手応えはいかがでしたか?

杉浦一徳氏: CBTはキャラクターデータが消えてしまうので、あまり遊んでもらえないのではと思っていたのですが、想像以上に多くの方に遊んでいただけました。今回は「スフィアシリーズ」という防具がハンターランク(HR)11になればもらえるというキャンペーンも展開していましたので、それだけを目当てに参加する方も結構多いだろうと思っていたのに、終わった後のデータを見てみたら、HR11よりもさらに上のHRまで上げている方が多数いらっしゃいました。

 また「モンスターハンター」シリーズの未経験者の方も本当に多いなと感じました。韓国や台湾でのOBTで見た光景にそっくりで、操作方法を調べているのか、最初は大勢の方が棒立ちだったんです(笑)。今まで「モンスターハンター」シリーズに興味はあったものの遊んだことがない、という方もかなり食いついてくれたなという感触がありました。それがCBTで手応えを感じた部分で、予想以上にたくさんの収穫がありましたね。

――参加者数はどのくらいでしたか?

杉浦氏: 最終的な数字は戦略上公表していませんが、初日の最大同時接続数は21,595名、累計参加者が51,455名です。かなり高い記録だと思っています。

――参加者からの反応はいかがですか?

杉浦氏: 色々なデータを取ってありまして、面白い結果が出ています。まず使われた武器種を見ると、1位が初期武器である片手剣というのはいつものことなのですが、2位が大剣というのはWindows版の「MHF」とは違います。大剣は初めての方が見た目の格好よさで選んでいるケースが多いと思われます。逆にヘビィボウガンはほとんど使われていません。剛種のヘビィボウガンを手に入るチャンスがあったので、「MHF」をよくご存知の方であれば、「排熱噴射機構」で熱線を飛ばして遊んでいると思うんです。

 CBTで1番楽しかったイベントについてのアンケートも行ないまして、1位が「MHFオリジナル武具を体験せよ」で約33%。残りは横並びに近い状態で、2位が「デュラガウア」の狩猟イベント、3位が「CBT参加者支援セット」をもらえるイベントと続きます。「剛種武器セットを入手せよ」は、たった1%しかいませんでした。Windows版で「MHF」をプレイされているお客様は、剛種武器が1番強い武器だとご存知ですから、まず剛種武器を手に入れているはずです。しかしアンケート結果はもっと最初の方のイベントに興味があると出ており、本当に新規の方々が多いのがわかりました。

 ご意見も独特で、モンスターが強いとか、武器を強くしてくれといったゲームの中身に関してはほとんどなく、ご意見を多数いただいたのはキーコンフィグとチャットという2点でした。これも「モンスターハンター」シリーズが初めてという方が多い証拠で、面白いデータが取れています。

――チャットに関する要望では、「文字サイズを解像度依存ではなく選べるようにしてほしい」というのがありますね。

杉浦氏: テレビは同じ解像度でも、画面サイズがかなり違います。画面が大きくなった分だけ、チャットの文字も大きくなるので、チャット画面が邪魔に感じてしまうということです。画面サイズに比例して、という部分までは難しいのですが、チャット画面がゲーム画面内で邪魔にならないよう配慮し、6月24日のOBTには修正された形でお客様に提供できると思います。

――キーコンフィグは2通りの切り替えのみでしたね。「ABボタンの配置が既存のシリーズタイトルと逆で操作しづらい」というのは、Xbox 360に慣れたユーザーだと気にならないのですが、確かにボタン配置の個別設定はあってもいいと思います。

杉浦氏: キーコンフィグに関してはまだ検討中で、現時点では確実に変更しますとは言えません。申し訳ございません。

――あとCBTでは初日に不具合があって、開始が1日遅れました。どういった経緯で遅れが発生したのでしょうか?

杉浦氏: CBT開始の前々日に、ネットワークの大きな不具合が見つかったのです。CBT開始の3~4時間前、ギリギリまで直していたのですが、それでもダメだとなって、延期を決めました。これは本当に申し訳ございませんと謝るしかないです。ただその問題は1日延期することでクリアできましたので、現在は問題ありません。




■ Windows版と同じ内容を提供。不整合部分もカバーする

――では、Xbox 360版の開発当初のお話から伺っていきたいと思います。まず、Xbox 360版に展開することになった理由を教えてください。

杉浦氏: 以前、弊社の稲船(カプコン常務執行役員 開発統括本部長兼オンライン事業統括の稲船敬二氏)や小野(オンライン開発部部長の小野義徳氏)のコメントでもあったように、他のコンシューマーゲーム機では「モンスターハンター」シリーズを出していることと、マイクロソフトさんからXbox 360用のタイトルを出して欲しいと要請があったというのが大きなポイントです。またカプコンという会社は、コンシューマーのタイトルを次々に出していますので、オンラインだからといってPCにこだわる必要はなく、この展開は必然だったという気はしますね。

――Xbox 360版のプロジェクトはいつ頃から動き始めたのですか?

杉浦氏: 2007年にWindows版が始まった頃には、「そういう可能性は考えておけ」と言われていました。カプコンはコンシューマーゲームの下地を持っていますから、あり得ることだと思っていました。

――Xbox 360版のゲーム内容は、最初からWindows版と全く同じ物にするという前提で進めていたのですか?

杉浦氏: そうですね。例えばWindows版でも、「ダレット」と「ハンゲーム」のお客様で差異があると、不公平感が出ると思うのです。ですからXbox 360版も、よほどの事情がない限り一緒にしようというのが基本です。

――Xbox 360版になるなら、グラフィックスがさらに綺麗になってもいいのではないかとも思うのですが、そういうクオリティアップの話はなかったのですか?

杉浦氏: アップグレードしようという気持ちは当然ありますが、今後のアップデートを考えなければいけないのが問題になります。PCは年が経つにつれて、お客様が使われている環境もどんどんスペックアップしていきますが、Xbox 360は1つのハードとして完結しているので、どこまでのリソースを現段階で使って、どこからは将来のために残しておくかということを考えなければなりません。加えてPCはお客様によって使用されるPCの性能に幅があるので、最低限の動作環境の方でもお楽しみいただけるようにクオリティを合わせたいと考えています。ですから今の段階でクオリティアップを図るのは、長期的に必ずしもいいことではないと判断しました。

――なるほど。ではゲーム内容はグラフィックスも含めて、Windows版と同じ物になるわけですね。

杉浦氏: なるべく同じになるように心がけています。サービス面でも、ネットカフェをどうするかという話があります。ネットカフェにXbox 360はありませんが、Windows版「MHF」ではネットカフェ限定のアイテムも出しています。そこを同じにはできないので、折衷案は出していきます。

――折衷案というと、ネットカフェでXbox 360はできないので、違う入手手段を何かしら考えるということですか?

杉浦氏: そういうことです。しかしその入手方法がWindows版よりすごく簡単だと、Windows版のお客様からの不満がでますので、うまい落としどころを考えていきます。そういった特殊な部分以外は、Windows版とXbox 360版でなるべく一緒にしていきます。

――アップデートのタイミングもWindows版と同じになるのですか?

杉浦氏: はい。Xbox 360版が発売された後の最初のアップデートは「シーズン9.0」になると思いますが、Windows版と同日に行ないます。

――サーバーをWindows版とXbox 360版を分けたのはなぜですか?

杉浦氏: まず1つは、今ある3つのサーバーではXbox 360版のお客様が入りきらないだろうという判断です。もう1つは、お客様のスタートラインを統一したかったということです。他のオンラインゲームでもそうですが、最初にみんな同時にスタートし、ハードルを一緒にクリアしていくという楽しみがあるので、今回はそこを大事にしたかったのです。

 ちなみにXbox 360版では、Windows版とほぼ同数のお客様に遊んでいただけると思っています。ですからサーバーは本来4、5、6となるはずなのですが、今は4、5に集約しようと思っています。それが可能になったのは、先日アイテムボックスのページを追加できたように、サーバーのスペックが上がって、1つのサーバーに入れるお客様の数を昔より大きくできたからです。可能な限り少ないサーバーに収めたほうがたくさんの人と遊べるので、2つのサーバーに抑えるつもりです。もちろん、予想以上に多くのお客様がいらした場合は、サーバー6を入れる可能性はありますが。

――スタートラインを統一するという理由はわかりました。では、1年、2年と経った後に両方とも入れるようになる可能性はあるのでしょうか?

杉浦氏: 不可能ではないですが、それにどこまで意味があるかによると思います。Xbox 360のお客様が一律のスタートラインで始めて、その後成長された後で、Windows版のお客様と一緒じゃないと嫌だという不満が出るとは、現在は想定していません。絶対やりませんとも言えませんが、現在は未定です。




■ Xbox LIVE ゴールドメンバーシップ12カ月分は「マイクロソフトの本気の宣言」

6月24日に発売された「モンスターハンター フロンティア オンライン ビギナーズパッケージ」

――次はパッケージ販売についてです。Windows版はクライアントは無料ダウンロードできますし、Xbox 360版のCBTもダウンロードでしたが、製品版がパッケージ購入必須になっているのはなぜでしょうか?

杉浦氏: 今のXbox 360のお客様に最もわかりやすいビジネスモデルを提示したかったからです。遊び方をお客様にご説明するのに、「パッケージ買ったらできます」と一言で済みます。そのわかりやすさを優先しました。

――今後はダウンロードで遊べるようになる可能性もあるのでしょうか?

杉浦氏: 確約はできませんが、検討はしています。時代の流れで、そういうやり方がXbox 360のお客様にも浸透してきたり、これからXbox 360を買う新規のお客様でもダウンロードに抵抗感がなくなる時期は来ると思いますので、その時には移行できるように考えたいですね。

――パッケージといえば、Xbox LIVE ゴールドメンバーシップが12カ月分付くことになりました。こうなった経緯を教えていただけますか。

杉浦氏: Xbox 360でオンラインプレイをする場合、現在はXbox LIVE ゴールドメンバーシップが必須というポリシーになっています。その状態だと、「MHF」のハンターライフコースで1,400円頂戴して、さらにXbox LIVE ゴールドメンバーシップが必要になるので月額819円。トータルで約2,200円かかるわけです。これはお客様に納得していただけませんし、カプコンとしても1,400円以上は取りたくないので、マイクロソフトさんと協議した結果、1,400円のハンターライフコースを購入していただくと、Xbox LIVE ゴールドメンバーシップが1カ月分自動チャージされるという仕組みが導入されることになりました。これが1月に発表した内容です。

 ところがその後、マイクロソフトさんから自動チャージの実装が遅れそうだと伝えられました。これは大変困ったのですが、首の皮1枚繋がったのが、パッケージ購入を必須としていたことでした。実装が延期されるなら、実装時期までのXbox LIVE ゴールドメンバーシップをパッケージに入れてしまえば、その間はハンターライフコースだけ買えば済みます。その形で対応が決まり、実装までの期間は最長で1年と保険込みで想定し、12カ月分のXbox LIVE ゴールドメンバーシップを付けることになりました。12カ月分のXbox LIVE ゴールドメンバーシップは安いものではないので、マイクロソフトさんもすごい結論を出したなと思いますが、発表に対する有言実行ということで、お客様にご迷惑をかけませんと宣言した形ですね。

――料金周りでは、Windows版ではエクストラコースなどのオプションサービスがありますが、Xbox 360版ではどうなりますか?

杉浦氏: エクストラコースは8月5日まで無料でご提供します。その後はご購入いただくことになります。料金面では、ハンターライフコースとエクストラコース、プレミアムコースについては、都度課金の30日、60日、90日を7月28日に実装します。その翌週の8月4日に、ハンターライフコースとエクストラコースの継続コースをご用意します。アイテム販売はWindows版と同じく実装しますが、恐らく9月上旬くらいになると思います。順々に展開していくことになります。

――決済はどこで行なうのですか?

杉浦氏: Xbox LIVE マーケットプレースです。都度課金はマイクロソフトポイント、継続コースは日本円での決済となります。




■ ボイスチャットは検討中。「位置ゲー」などのキャンペーンも実施

――では今後のお話を伺っていきます。まずパッケージ展開について、Windows版ではこれまでにも色々なパッケージを出されています。こちらはXbox 360版ではどのようになる予定でしょうか?

杉浦氏: 「シーズン9.0」以降は、同タイミングにほぼ同じ内容のパッケージを出します。Windows版とXbox 360版の2つが出るという形です。違いは、Windows版は60日分のハンターライフコースが入っていますが、Xbox 360版はハンターライフコースだけでなくXbox LIVE ゴールドメンバーシップも付いてきますので、期間が短くなって各30日分が入っています。ここは悩んだのですが、マイクロソフトさんと協議して、Xbox LIVE ゴールドメンバーシップを考えるといいバランスだと判断しました。

――それ以外は同じということは、フィギュア入りの「コレクターズエディション」のようなものも出されるのですか?

杉浦氏: はい、出します。ちなみに先日発売したWindows版の「コレクターズエディション」は、発表してすぐ予約で完売の状態でしたので、次はもっと多めに数量をご用意します。

――次にXbox 360版の仕様について伺います。Windows版と基本的に同じ内容にするということですが、ハードウェア的に違うところもあります。例えばボイスチャット機能が最初から付いています。そういった部分に対するXbox 360版の独自アップデートは予定されていますか?

杉浦氏: 色々と考えてはいます。ボイスチャットについてはご要望もいただいているのですが、運営側としては運用管理が大変なのです。暴言を吐かれても、チャットのようにログが残らないので、証拠がないのです。Xbox 360版のCBTでも、暴言のチャットログをチェックしてBAN(アカウント剥奪)していますが、ボイスチャットではそれができません。利便性だけの話なら理解できるのですが、運営責任を取れない、管理できないものは簡単にできません。毎回のことなのですが、1%の懸念と99%の利便性の葛藤です。今は始めてから様子を見てからというところです。


「MHF Hunting in Japan」で入手できる「ポルタランスI【黒】」
Xbox 360版のOBTだけで入手できる「ベータナイフ【紫】」
「Xbox 360 Controller for Windows MHFスペシャル エディション」

――わかりました。ではXbox 360版の発売に向けたキャンペーンなどがあれば教えてください。

杉浦氏: まずはmixiの「まいにちプーギー」ですね。こちらは非常に好評で、始めて今日で4日ですが、既に5万人の方に登録していただきました。このデータを見ていると、「MHF」の既存のお客様だけでなく、新規の方も結構いらっしゃいます。特に女性に人気ですね。女性の獲得はオンラインゲームでは至難の業なので、非常にいいプロモーションツールになっています。

 次は「MHF Hunting in Japan(ハンティング イン ジャパン)」という企画です。携帯電話のGPSと連動するアプリで、日本のあちこちに出現するモンスターをコレクションするというものです。例えば新宿に「ヒプノック」が出ました、渋谷に「ヴォルガノス」が出ましたといった情報を頼りに、そこまで行くとそのモンスターをゲットできます。これを17体コレクションすると、「ポルタランスI【黒】」というランスが手に入ります。ただ、北海道に「デュラガウア」が出ましたと言われても簡単には足を運べませんので、行かなくて済むように、その地域の方々がゲットして、他の地域の方とモンスターをトレードできるようにしたいと思っています。お客様同士で協力して進める、リアル連動型のイベントになります。NTTドコモさん、KDDIさん、ソフトバンクさんの3キャリアに対応しています。

――これは長い期間行なわれるのですか?

杉浦氏: 7月13日からスタートで、3~4カ月くらい続く予定です。これ以外にもコラボレーション企画やキャンペーンも考えていて、近いうちに発表できると思います。あとはキャンペーンではなくイベントとして、OBT限定の「ベータナイフ」を作りました。Windows版のβテストで、青、赤、黒があって、今回は紫です。

――これはXbox 360版だけで入手できるのですか?

杉浦氏: Xbox 360版のOBTだけで入手可能です。Windows版の「ベータナイフ」もWindows版だけ入手できたので、そこは割り切っています。6月24日から7月7日までの間でしか手に入らないので、それまでにログインしてゲットしてくださると嬉しいです。

 ゲーム内イベントでは、配信クエストがどうなるのかという質問をいただいています。結論から言うと、期間限定クエストやイベントは、Windows版と同じ内容を配信します。狩人祭と公式狩猟大会は、おそらく8月くらいからXbox 360版も参加という感じになると思います。

 あともう1つ、Windows版向けのコラボレーションとしまして、Windows版で使えるXbox 360用コントローラー「Xbox 360 Controller for Windows」が「MHF」の動作に準拠することになりました。これを記念して、「Xbox 360 Controller for Windows MHFスペシャルエディション」を販売します。化粧箱に「MHF」のビジュアルが施されたコントローラーで、ゲーム内アイテムのイベントコードが1個入っています。

――今は有志のドライバーを入れないと正常動作しませんよね。

杉浦氏: そこを「MHF」のクライアントで、コントローラーを認識して対応させます。Xbox 360とWindowsの両方で同じコントローラーの操作性でやりたいという人は、これでできるようになります。




■ 3年間のサービス経験をXbox 360版で活かす

Windows版とXbox 360版で同時進行となる、今後の展開についても聞いた

――「シーズン8.5」以降の「MHF」の展開についても教えてください。

杉浦氏: 「シーズン8.5」については既に発表したとおり、「ベルキュロス」の亜種「ドラギュロス」や、開拓クエストのフィールド追加などを行ないます。それから、今回はアニバーサリーイベントを夏に手厚く展開し、そのイベントも約10本用意しています。

 さらに秋には、Xbox 360版では初の大型アップデートとなる「シーズン9.0」を用意しています。いつもは冬のアップデートで新フィールドを入れているのですが、1つ前倒しで「シーズン9.0」に新フィールドを入れます。また「シーズン8.0」で実装した秘伝書システムもアップデートをかけますし、専用防具も追加する予定です。

 それから、ハードコアクエストの特異個体には、今後も力を入れたいと思っています。お客様からすると、これまでのモンスターは見慣れたモーションだったと思うのですが、特異個体はモーションを変更したことで変化に富んでいて面白いという意見が多いので、今後も増やしていきます。昨年は「パローネ=キャラバン」や「ラヴィエンテ」のようなコンテンツで脇を手厚く固めるという感じだったのですが、現在はメインとなる狩りの部分をかなり手厚くやっています。

 あとは、HR600や700といったHR帯のモチベーションを上げなければいけないと思っています。HR500になれば秘伝書システムに入れるので、HR600や700になっても意味がないと言われないよう、イベントなどでインセンティブを用意していきたいと思っています。

――あと「MHF アニバーサリー2010 プレミアムパッケージ」も7月28日発売と発表されています。こちらについてはどういったものになりますか?

杉浦氏: これは3周年を記念して、Windows版だけで出させていただくものになります。「エスピナス」の完成品フィギュアが付きます。一切組み立てがないので、かなり大きなパッケージになっています。

――相当大きいですね。まるでフィギュア商品のパッケージみたいです(笑)。

杉浦氏: 組み立てるタイプだとオモチャっぽさが出るので、今回はリアリティを重視して完成品にしました。色もちゃんと塗ってありますし、かなり力を入れました。社内でもそうなのですが、「ヴォルガノス」と人気を二分しています。ただいきなり愛嬌で人気が高い「ヴォルガノス」はちょっとな、と思って(笑)。Xbox 360版も最初は「エスピナス」をメインで押しているので、今回は王道の「エスピナス」で行くことになりました。これ以外に、3年間で貯まりに貯まった設定を集めた資料集と、「エスピナス」の原種、亜種、希少種の色に合わせた防具を剣士とガンナーで6種類。武器も大剣など3種類で、それの色違いという形です。加えて頭防具も3種付きます。

――フィギュアなしの通常版パッケージはないのですか?

杉浦氏: はい、通常版は出しません。これは記念企画ということで、限定版だけの販売になります。モンスターフィギュア付きのパッケージは、ご好評をいただければ今後も1年に1個くらいは出していきたいと思っています。

――わかりました。では最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

杉浦氏: Xbox 360というハードでオンラインゲーム専用のタイトルは、本当に久しぶりに出ました。Xbox LIVEと、既にサービスを行なっている「MHF」をどう矛盾なく同等のサービスとして連動させるかという部分で、我々もマイクロソフトさんと色々と悩みながら今回のサービスを作り上げました。コンシューマーゲーム機でのオンラインゲームが少ない中で、我々は3年間、PCで先行してサービスした分、ノウハウを持つことができました。その濃縮されたコンテンツと、3年間で培ったサービスをXbox 360のお客様にご提供して、色々なご感想を聞いてみたいところです。

 Windows版は、PCの価格や知識の部分で色々とハードルもあるのですが、コンシューマーゲーム機はそのハードルが低くなっています。「MHF」が気にはなっていたけれど、PCでゲームをやるのはちょっと……という抵抗感があった方々も、ぜひXbox 360で遊んでもらえたらと思います。また、Xbox 360版「MHF」と同日に、新型Xbox 360が発売されます。これも1つのいい機会だと思います。今まで迷っていた方も、Xbox LIVE ゴールドメンバーシップ12カ月分が同梱されるXbox 360版「MHF」をご購入いただくことで、本格的なオンライン専用ゲームとXbox LIVEの面白さを体験していただきたいです。よろしくお願いいたします。

――ありがとうございました。


インタビュー時に見せていただいた「ほぼ完成品」という「エスピナス」のフィギュア。近くで見るとかなり丁寧に作りこまれており、迫力がある

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(2010年 6月 25日)

[Reported by 石田 賀津男 ]