イベントレポート

ガンホー、過去最大規模となる「ラグナロクオンライン ファン感謝祭2013」開催

日本一ギルド戦「RJC 2013」では、「ステイシス」の新戦術が台風の目に!?

4月29日開催

会場:東京ドームシティホール

入場料:無料

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントは4月29日、東京ドームシティホールにて「ラグナロクオンライン ファン感謝祭2013」を開催した。今回は、「パズドラ ファン感謝祭2013」も同じ東京ドームのプリズムドームホールで行なわれており、ガンホーとしては過去最大規模のイベントとなった。

 「パズドラ」の大ヒットにより好調なガンホーだが、「ラグナロクオンライン ファン感謝祭2013」もその勢いに負けないように豪華な内容だった。「ラグナロクオンライン ファン感謝祭2013」では、「Ragnarok Online Japan Championship 2013(「RJC 2013」)」を始めとして、様々なイベントが行なわれた。東京ドームシティホールはホールが地下3階まであり、通路では様々なコーナーが設置されていた。また、コンサートやトークショウなどイベントも行なわれ、盛りだくさんの内容だった。

 「スペシャルコスプレステージ」参加者はこれまで以上に広い会場で自分の衣装を披露できた。特に「RJC 2013」はより駆け引きが奥深くなり、解説の“濃さ”も相まって、見応えのある試合になった。各要素を紹介していきたい。

【ファン感謝際2013】
ステージは地下3階にあり、そこまでの通路では様々なコーナーが設けられていた
ドラマCD第3弾「ラグナロクオンライン 10thアニバーサリードラマCD ~私が選ぶ、明日の私~」で、ヒロインの1人「ミエリ」役を演じた声優の小林ゆうさんのトークショー。「どんな魔法を使いたいか?」という質問に「私は炭酸飲料を飲むとおぼれてしまうんです。これを何とかする魔法が使いたいです。うがいでも私はおぼれて……」。といった感じの独特のトークを展開していった。ちなみに右は小林さんの描いたミノタウロス
今年もたくさんのコスプレーヤーが集まった「スペシャルコスプレステージ」
閉会式にはガンホー代表取締役社長の森下一喜氏が登壇し、「『ラグナロク』で皆さんからいただいた声が、今のゲーム開発に活きている。『ラグナロク』があってのガンホーだと思っています」と語った
ガンホー取締役オンライン本部上席本部長の越智政人。執行役員ゲーム事業部オンライン本部長の飯野平氏。飯野氏は「RWC 2013」で2チームの参加を目指して交渉していると語った

より各ギルドの個性、息詰まる駆け引きがはっきりと見えてきた「RJC 2013」

観戦システムも充実しており、オンラインゲームの対戦イベントとしては、最も高い水準にあるといえるだろう
決勝大会は8ギルドで争われた
解説を担当したガンホーゲーム事業部オンライン本部第一企画課の山本兼寛氏と、パブリッシング部第一企画課主任の中村聡伸氏
準決勝から解説に参加した昨年のRJC優勝ギルドであり、世界一にもなったGreensleevesのうにせんべい氏。今回Greensleevesは不参加だという

 「ラグナロクオンライン ファン感謝祭2013」の大きな目玉が、「RJC 2013」だ。「RO」ギルド最強を目指し、今年のキャラクターは3次職のみで、今まで同様同じ職業では参加できない。試合は7対7で行ない、控えで3人まで登録可能となっている。会場では予選を勝ち抜いた8ギルドによる決勝戦が行なわれた。

 今回の戦いは、さまざまな点でこれまでの「ラグナロクオンライン」の対戦と異なる印象を受けた。これまでは画面を真っ白にする「ストームガスト」を打ち合い、そこから隙を突いて「阿修羅覇凰拳」を繰り出すというのが定番となっていた。しかし、3次職になることで、全キャラクターのHPが上がり全体的に耐久力が上がった。また、各職業で特徴的な支援スキルや、属性を使い分けた攻撃スキル、ユニークな効果のあるスキルなどより多彩な戦い方が可能になった。

 パーティーの盾になるロイヤルガードの攻撃スキル「エクシードブレイク」や、回復役のアークビショップの指定した敵に対し、次に加える攻撃を2倍のダメージにする「レックスエーテルナ」、アタッカーである修羅の足止めスキル効果範囲内の全ての敵を一時的に移動・攻撃・スキル使用不可状態にする「呪縛陣」などキャラクターの幅を広げるスキルが多数登場した。

 また、ギロチンクロスの「クロスインパクト」や「ベナムプレッシャー」は強力な攻撃スキルとしてプレッシャーを与える。そしてメカニックの自爆スキル「セルフディストラクション」はうまく当たれば複数のキャラクターを倒せる強力なスキルだ。

 これまでの「ラグナロクオンライン」のギルド戦は、有効なスキルと戦い方が固定された感があった。「RJC」では3次職での戦いを昨年から行なっている。今年は参加ギルドの“研究”が進み、より幅のある戦略と自由度のある戦いを展開していると感じた。誰がどう動くか、強力な技を使おうと接近してくる敵をどう防ぐかといったところに奥深い駆け引きを感じた。また、1人が倒されても、戦い方を変え立て直しを図るという場面も見られた。より戦いが面白くなったと感じた。

 一方、中継側もクライアントの録画機能を使って、試合の再生速度を落として流し、解説を行なうなど観戦者にとってもより楽しみやすいものになっていた。誰が倒れたかの表示も見やすく、メインのモニターは試合全体を、左右のモニターで各ギルドの様子を映し出している。これまでの経験が活かされていると感じた。準決勝では解説にGreensleevesのメカニックで活躍したうにせんべい選手が加わった。ちなみに昨年のRJC優勝ギルドであり、世界一にもなったGreensleevesは今回不参加だった。

 「RJC 2013」の準決勝第1試合は「うさぎとかめ」と、「Northern_Code」の戦いとなった。Northern_Codeは昨年の準優勝ギルドで、今回の優勝候補だ。うさぎとかめは「運の強さに自信がある」といっていたギルドだったが、1回戦は速攻で勝ち、強さを見せつけたギルドである。

 最初は突出していたうさぎとかめのメカニックが倒されてしまったが、その後うさぎとかめの修羅が「呪縛陣」でNorthern_Codeの複数のメンバーを拘束、ロイヤルガードを倒す事に成功する。しかし、ここから戦いは硬直し、うさぎとかめが引いたところでNorthern_Codeのメカニックが「セルフディストラクション」を発動、うさぎとかめのアークビショップが倒され、そのまま押し切られる形になった。

 2ラウンド目は、あっという間に戦いが終わった。お互いのメカニックが敵に突っ込んで「セルフディストラクション」を発動した。うさぎとかめはステージ上にかたまっていたため、この攻撃で全滅してしまったのだ。驚きの結末で、Northern_Codeが決勝進出を決めた。

 準決勝2戦目は、「CounterLogicGaming」は過去の強豪チームのメンバーが集まる“ドリームチーム”だという。今回のRJCはサーバーに縛られない形で参加者を募り、チームを作成した。CounterLogicGamingはサーバー間を超えたチームだ。「10second」は対人を中心に戦うギルドで結成されており、6人という1人少ないチームで勝ってきている。

 1戦目は10secondの“速攻”で決まった。10secondのウォーロックが一気に敵に肉迫し、「ステイシス」を使った。ステイシスは周囲のキャラクターに多くのスキルを数十秒間使えなくさせるかなり強力なスキルだ。しかしステイシスは自分を含む味方にもきくため、リスクも高い。ハイリスクハイリターンなスキルだ。これが見事に決まり、10secondの勝利となった。うにせんべい選手は6人だからこそできる作戦ではないかと解説した。

 2ラウンドは、CounterLogicGamingがステイシス対策を考えて動いた。ステイシスの影響を最小に抑えたことで、正面からのぶつかり合いとなり、お互いを削り合う戦いとなった。ここでCounterLogicGamingのギロチンクロスが効果的に10secondを倒していき勝利した。3ラウンドでも10secondのステイシスが威力を発揮した。3人のスキルが封じられる状況で、CounterLogicGamingは粘るも不利な状況でのぶつかり合いにメンバーは倒れていき、10secondが勝利した。

 10secondは6人のメンバーながら、決勝進出をはたした。CounterLogicGamingはうさぎとかめの3位決定戦で勝利し、3位となった。この時苦しめられたステイシスも戦いに組み込んで使っていた。

【「うさぎとかめ」対「Northern_Code」】

【「CounterLogicGaming」対「10second」】

「うさぎとかめ」と、「Northern_Code」。Northern_Codeのメカニックのスキルで、一気に勝利に
優勝候補と言われた「CounterLogicGaming」を6人の「10second」が破る
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(勝田哲也)