ウェブマネー/NHN Japan、「FPS甲子園2010冬」を開催
6タイトル代表チームの頂点は「ペーパーマン」の「チーム紙技」!


12月30日開催

会場:ベルサール秋葉原

入場料:無料


 株式会社 ウェブマネーとNHN Japan 株式会社は12月30日、株式会社サードウェーブが主催するPCゲームイベント「第2回 秋葉原PCゲームフェスタ」において「FPS甲子園2010冬」を開催した。

 「FPS甲子園2010冬」は、各運営会社の選抜チームと特別招待チームの「iZoNe」を加えた6チームが、トーナメント方式で最強チーム決定するFPSの大会。抽選により対戦タイトルを決定、タイトル毎のレギュレーションで戦っていく。

 タイトルは、WeMade Onlineの「QuakeWarsOnline」、アラリオの「クロスファイア」、NHN Japanの「スペシャルフォース」と「戦場のカルマ」、ゲームポットの「ペーパーマン」の5タイトル。「代表として出場するタイトル以外のタイトルで戦う」というルールの下、ぶつかりあった。




■ 各タイトル代表選手が、自分のタイトル以外の競技で対戦

各タイトルの代表者がぶつかり合う。強いFPSプレーヤーは他のタイトルでも強いのか?
大モニター以外にも選手の前にもモニターがあり、状況がわかる

 「第2回 秋葉原PCゲームフェスタ」の最終日のイベントとなった「FPS甲子園2010冬」は240人以上の来場者が訪れた。出場選手のファンや知り合いも多いようで、選手に声をかける人も多かった。各選手のゲームプレイは熱く、選手達の戦いに会場も盛り上がり、楽しいイベントとなった。

 「FPS甲子園2010冬」は、各タイトル代表選手が、全く違うルールのゲームでトーナメントを競い優勝チームを決める、というユニークな大会だ。「FPS甲子園」は今回が2回目で、前回は今年の東京ゲームショウで行なわれた。今回とは顔ぶれの異なる7タイトルのチームがぶつかり、「Another Day」チームが優勝している。ルール、マップ、武器の使用感が全く違うゲームで、どう戦い、勝ち抜けるか、興味の惹かれるところだ。

 このイベントの実況を行なったのはHAC(ハック)氏。HAC氏は「各タイトルの選手達が、いつもとは違うタイトルでぶつかるのは、会場のファンに、『こんなゲームもあるのか』と知ってもらう機会になる。また、選手達にとっては『俺はタイトルが違っても強いんだぜ』というところをアピールしてもらいたいですね」と語った。

 今回の5タイトルの内、「クロスファイア」、「スペシャルフォース」は比較的オーソドックスな現代戦をモチーフとした対戦型FPSといえるが、「戦場のカルマ」は第2次大戦が舞台。「ペーパーマン」はプレーヤーキャラクターが“薄い紙”でできているため、横を向くと姿がほとんど見えなくなるという面白いルールがある。

 「QuakeWarsOnline」はPC向けFPS「Enemy Territory: Quake Wars」のオンライン版で、広大な戦場を舞台に徒歩だけでなく、ビーグルやロボットなどにも乗り込み戦うゲームで、他タイトルとはひと味違うゲーム性となっている。このタイトルは日本では12月17日~20日まで1,000名のαテストを実施したというスケジュールのため、日本ではプレイしている人は少ない状況だ。

 各タイトルはそれぞれの大会で優秀なメンバーを募ったチームとなっている。12月30日という年末にクラン全員が集まる、という状況は難しかったと言うことで、各チームは強いプレーヤーが中心となり、仲間を募ってこの大会に挑む、というチームが多かったという。「QuakeWarsOnline」はまだ運営していないタイトルなため、テスト中公式ページで出場選手を募ったという。このため、「QuakeWarsOnline」の「安部屋」チームは試合前は連携に不安があったとのことだ。また、特別招待チームの「iZoNe」はネクソンに運営が移管した「サドンアタック」の強豪クランだ。

 試合は「スペシャルフォース」の「laugh out loudly」と招待チームの「iZoNe」がシードとなり、第1試合は、「クロスファイア」の「Vault」と「ペーパーマン」の「チーム紙技(かみわざ)」、「戦場のカルマ」の「Grenze」とがぶつかり合った。イベントではマシントラブルがあり、1時間試合も進行しなくなこともあったが、強いプレーヤー達のスキル、連携は見応えがあり、画面に強く引き込まれた。イベントだった。


実況のHAC氏、司会の荻原秀樹さんと正田美里さん
NHN JapanのFPSコミュニティー「FPS Field」プロデューサーの鹿野智子氏。会場には、リアルガチャや、タイトルの試遊台もあった
左から、「ペーパーマン」の「チーム紙技」、「スペシャルフォース」の「laugh out loudly」、「戦場のカルマ」の「Grenze」
「QuakeWarsOnline」の「安部屋」、「クロスファイア」の「Vault」、特別招待チームの「iZoNe」



■ 各タイトル代表選手が、自分のタイトル以外の競技で対戦

 最初の対戦は第1試合は、「クロスファイア」の「Vault」と、「ペーパーマン」の「チーム紙技」の対決となった。ゲームは「戦場のカルマ」、中央の広場と、両側の建物での攻防が中心となるマップでの対戦だ。建物は入り口の通路から坂を上り、真ん中に部屋があるという構造だ。制限時間内でのキル数を競うルールだ。

 序盤の戦いは建物での攻防が中心となった。常に走り回り、出会った瞬間お互いが猛烈な射撃を加え、ほぼ同時に倒れる、という感じで、スピード感のある戦いが進行した。キル数はほぼ変わらず、熱い攻防が続いた。

 実力がほぼ拮抗しながら、わずかに上回っていたのは「チーム紙技(かみわざ)」。時に「Vault」に追いつかれることもあったが、ほんの少しのリードを保った。最後の15秒必死に追い上げ、再び同スコアまで迫待ったが及ばず、「チーム紙技」の勝利になった。

 2試合目は「戦場のカルマ」の「Grenze」と、「QuakeWarsOnline」の「安部屋」の戦いだ。対戦するゲームは「クロスファイア」。対戦モードは「脱出」で、攻撃側は防御陣地にある脱出口を目指す。中央は壁でふさがれているが、この壁は破壊可能だ。6人脱出したところで勝利となるのだが、面白いのは攻撃側が6人脱出したときの時間が、そのまま、攻守交代した時点で攻撃側チームの「制限時間」になるということだ。

 最初に攻撃側だったのは「安部屋」チーム。連携という視点では、「Grenze」の方が一枚上という印象で、「安部屋」側の防御の隙間をついて、1人、また1人と脱出していく。途中「」も連携が良くなってきて、防御を固めていくが、3分52秒で6人の脱出を完了した。

 「安部屋」はこの3分52秒以内で6人の脱出を完了させなくてはならない。「Grenze」チームは防御側でも連携が上手く、死角の少ない防御態勢で、「安部屋」を防ぐ。しかし、「安部屋」はスモークグレネードで防御側の視界を奪い。その中から突入する、という形で突破を狙う。「Grenze」は最後の30秒での逆転がものすごかった。実況や解説は少しあきらめムードが漂っていたのだが、選手は全くあきらめず、見事勝利をもぎ取った。


「クロスファイア」の「Vault」と「ペーパーマン」の「チーム紙技」の対決
「戦場のカルマ」の「Grenze」と、「QuakeWarsOnline」の「安部屋」の戦い


■ 強豪を倒し続けた「チーム紙技」と特別招待の「iZoNe」が決勝戦で激突

並み居る強豪を倒し、優勝した「チーム紙技」

 この後、シード選手との準決勝では、「スペシャルフォース」の「laugh out loudly」対「ペーパーマン」の「チーム紙技」、「QuakeWarsOnline」の「安部屋」対「iZoNe」が行なわれた。特に「安部屋」は「iZoNe」が設立を企画して作られたチームで、企画したリーダーと、チームが対決するという面白い組み合わせになった。勝ったのはそれぞれ、「チーム紙技」と「iZoNe」。この2つのチームによって決勝戦が行なわれた。

 「チーム紙技」と「iZoNe」が戦うゲームは「スペシャルフォース」となった。対戦ルールはマップは「ミサイル」。このマップはサービス初期からのマップで、本作をプレイしてた人なら、だれでも体験しているような基本マップの1つだ。対戦は攻撃側と防御側でわかれて戦う。攻撃側は爆弾を仕掛け、防御側はそれを防ぐ。リスポーンがないため、できるだけ長く生き残ることが求められる。

 「ペーパーマン」はそのカジュアルな外見から、FPSファンからは軽く見られがちだ。しかし「チーム紙技」は強豪チームを次々と破ってここに立っている。「サドンアタック」の有名クラン「iZoNe」とどちらが強いか、会場中が注目していた。試合は5ラウンド先取したチームの勝ちとなる。試合開始後、あっという間に「チーム紙技」が2ラウンド先取し、その強さを見せつけた。

 ここから「iZoNe」が反撃する。この対戦ルールでは「相手を減らす」事が求められる。連携するプレーヤー達はまず1人が先行し、相打ち覚悟で敵と対峙し、後ろがフォローし確実にしとめる。できるだけ敵の弾を受けないように物陰を移動するし、エアダクトなどマップの隅々まで利用する。「iZoNe」と「チーム紙技」は1人、また1人とメンバーを減らしながらも驚異的な粘りをみせ逆転を繰り返していく。「iZoNe」もラウンドを取り追いすがる。

 しかし、ここから「チーム紙技」がその力で「iZoNe」を引き離す。攻守切り換えながらも「チーム紙技」がラウンドをとり続ける。会場からも熱い声援を受けながら、5ラウンド目ももぎ取り、見事優勝を果たした。勝利が決まった瞬間メンバーは声を上げながら立ち上がり、メンバー達出羽になって勝利の喜びを表現した。チームリーダーは優勝のコメントとして、「自分のキル数は少なくて、正直穴だったんですけど、僕の隣のメンバーがキル数を稼いでくれて勝てました」とコメントした。


「チーム紙技」に「iZoNe」は追いすがるが、ねじ伏せる形で優勝を決めた
エキシビジョンマッチとして「カウンターストライク」のクラン「Speeder」と「サドンアタック」のクラン「かみなげーみんぐ」が対決、「Speeder」が勝利した
Razerのマウスパッド、ROCCATのマウスやキーボード、マスターシードはZOWIE GEARといったゲームデバイスをアピールしていた

(2010年 12月 30日)

[Reported by 勝田哲也]