■ ユーザー間の戦いが繰り広げられた「フロントミッション オンライン」ブース、PC版の試遊台も設置

 「フロントミッション オンライン」ブースでは20台のPS2版の試遊台を設置、試遊台はボイスチャットやキーボード、マウスも完備され、どんなプレイスタイルのユーザーにも対応できるように周辺機器が充実していたのが印象的だった。ブースの人気は高く、常にプレイ待ちの列ができていた。ガラスケースに収められたジオラマの前でカメラを構えている人もいた。

2軍にわかれての戦いが体験できた「フロントミッション オンライン」ブース。自分のアカウントを持ち込むことも可能
多くのギャラリーも集まった「バトルコロシアム」。隣の席に声をかけ、共同作戦を展開したり、アドバイスをしたりという光景も見られた
 ブースの半分は対戦イベント「バトルコロシアム」コーナーとなっている。ここでは5分間のセッティングと、10分間の戦いという厳密なルールのもと、5vs5の戦いが繰り広げられた。この対戦イベントは特別ルールが採用されており、通常のゲームと違い、両軍の機体が自由に使え、資金も無制限。ゲームで使っている愛機を再現するもよし、夢のセッティングに挑戦することも可能なのだ。

 「バトルコロシアム」では、5人のチームを組んで役割もすべて事前に決めてこの戦いに挑む、といった気合いの入った参加者も。初心者はスタッフの助言の元にプレイをするのだが、特にセッティングに関しては5分という時間は少し短かったようだ。経験者の活躍が目立った戦いになったが、初心者チームが経験者チームに勝ってしまうということもおきた。リーダーが積極的に周りに声をかけたり、回復役が有能だったりすると、戦況は劇的に変化する。連係プレイの重要さを感じさせられた。

   試遊コーナーの中央には2台のPC版「フロントミッション オンライン」の試遊台が設置されていた。PC版は28日よりクローズドβテストの募集が開始されている。 試遊台ではパッドキーボードでの操作が可能で、もうほとんど完成しているかのように見えた。

 印象に残ったはグラフィックスの美しさだ。現在のバージョンでは1280×1024までの解像度をサポートしており、試遊台では最高解像度で展示が行なわれていた。プレイヤーキャラクタの表情や基地の計器板などのテクスチャは非常に細かく、かつシャープである。戦場に出てヴァンツァーが表示されるとその印象は一層強まる。機体の細かいディテール、腰や足などの関節部分の構造、PS2版とはまったく違う機体である印象すら受ける。

 一番の違いは、背景の描画だ。PS2版より遙かに遠くまで見渡せる印象を受けた。情報を表示も小さく、画面全体がすっきりしている。敵を発見するのにかなり有利では、と思った。要求スペックに関しては「FF XI」より少し高めになるが、「EQII」ほどではない、とのこと。

 クローズドβテストの募集人数は数千人規模を予定しているが、PS2版の時よりは規模が少し小さくなるという。クローズドなため、別サーバーを使って行なわれるが、正式サービス時にはPS2版ユーザーと同じ戦場でプレイできるようになる。

 「フロントミッション オンライン」の今後の予定としては、8月に大きなバージョンアップを予定している。新しいマップや機体アクセサリーの他、戦うシステムにも提案を行なっていきたいとのこと。これらの情報の詳細は、来週以降正式に発表されるという。

両軍の旗を前にし、周辺機器の充実した20台の試遊台、ヴァンツアーのジオラマと、ファンにはたまらないブース構成だった。来場者は全体的に年齢層が高かったが、小学生パイロットの姿も
熱戦が繰り広げられた「バトルコロシアム」。プレーヤースキルも大事だが、リーダーの指示に従って各個撃破を試みるチームが強かった。うまいプレーヤーは地形による遮蔽効果を積極的に利用していた。レーダーをかくらんするジャマーが活躍する場面も見られた

【PC版「フロントミッション オンライン」】
1280×1024の解像度で出展をしていたPC版「フロントミッション オンライン」。熱心なユーザーが食い入るように画面を見つめていた。ゲームの感触が変わってくるのか、敵を発見しやすくなることで有利になるのかなど、気になる要素は多い


■ アクションによる戦争をテーマに生まれ変わる「ファンタジー アース」今回は映像出展のみ

 PvPを主題にしたMMORPGとして、ユーザーからも期待が寄せられている「ファンタジー アース」。今回はミュージックライブなどのイベントが催されたシアターエリアで、イベント開始前に上映された「最新作スペシャル映像」の中で紹介された。映像の内容としては、キャラクタ達が激しく戦いを繰り広げるというムービーと、争う5つの国の支配者のイラスト、スキルを使って攻撃を行なうほんの少しのゲーム映像といったところで、ちょっと物足りない内容だった。最後にテロップで、「2005年発売予定、クローズドβテスト近日開始」という情報が開示された。

 「ファンタジー アース」に関しては、公式ページの更新も止まっていて、今月いきなりジョブシステムの見直しが発表されるなど、制作スケジュールが見えてこない部分がある。新情報に関しては8月下旬に新しい要素などが発表される予定だ。また、今回放映されたムービーもユーザーに見せたいという意向もあるとのこと。

 現在本作は「よりアクションによる戦いを楽しむために」というテーマにそって各要素の調整をしているという。アクション要素を持つ戦争ゲームとして作り込んでおり、プレーヤーの操作によっては敵からの魔法攻撃すら回避可能となる。パッドなどの周辺機器の対応も検討されている。

 本作では50vs50という数のプレーヤーがぶつかり合う、大規模な戦いが体験できる。それでいながら各プレーヤーはアクションの腕も存分に発揮できるようにしていきたいという。戦争は2国間だけではなく、複数の国がぶつかり合うことも、プレーヤー単位で「第3勢力」としてどちらかの陣営に介入するようにもしていきたいとのこと。戦争は開始や終了が決まっているわけではなく、常に戦っている。プレーヤーはそのフィールドに行くだけでいつでも戦いに参加できるのだ。「個々の力が大きな勢力になり、さらにその勢力図がリアルタイムに書き換えられていく」そのダイナミズムを表現したいとのこと。

 レベル制を採用しているゲームだが、コンセプトとしてはキャラクタのレベルが大きく違っても、アクションの腕によってレベル差をひっくり返すようなものにしていくようだ。レベルが高いからといって多くの敵キャラクタを簡単に倒せるわけではなく、低レベルのキャラクタでも戦略を持って連携をしていけば、高レベルのキャラクタでも倒されてしまうようなバランスにしていきたいという。

 現在まだ検討中であるが、PvPをメインにした作品だけに、モンスターを倒したりするだけではなく、プレーヤー達と戦っても成長する要素を持たせたいというアイデアがあるとのことだ。

 バランス調整部分など、本作に関してはプレーヤーが実際に参加しないと見えない部分が多くある。運営側はβテスト時に寄せられるユーザーの意見を参考にして調整や、本作ならではのシステムを提案していくつもりとのこと。ユニークなゲームになりそうなだけに、テスト開始が楽しみな作品である。