米英露という第二次世界大戦の連合三国の戦場を、ディティール豊かに描いた名作「Call of Duty(CoD)」。続編に当たる拡張パック「CALL OF DUTY: UNITED OFFENSIVE(CoD:UO)」がいよいよアメリカ時間で9月15日に発売される。 これに先だって日本ではメディアクエストが主催し、日本語版の発表会が実施されたのは既報の通りだ。今回は、その発表会後に行なわれた体験会の模様をお届けしよう。
■ 新しい武器や兵器が登場し、戦場には着弾の土煙が舞う!
日本には輸入版(英語版)と日本語版の双方のユーザーが混在するが、CoD:UOを購入する際はしっかりと自分の言語バージョンを確認してから購入したい。また言語と同じく気になる英語版と日本語版とのマルチプレイにおける互換性だが、これはCoDと同じく相互互換性を考えて最初から制作されているので、マルチプレイにおいて英語版と日本語版は問題なく混在できる。 では改めて拡張パックの内容を確認していこう。シングルミッションに関しては、前作と同じくプレーヤーは米英ソの連合軍いずれかに所属する兵士として、第二次世界大戦の激戦地を回ることになる。追加されたミッションは全部で13ミッションあり、バルジの戦いやドーバー海峡越えの空爆など、有名な激戦地に参加した兵士として戦場の雰囲気を余すところなく体感することができるだろう。 次にゲームシステム上の変更点だ。これはマルチプレイにも影響してくるが、ゲームプレイ面で最も影響が大きいのは手榴弾の「Cocking Off機能」が追加されたことだ。手榴弾は自分が投げた手榴弾でやられないように、安全ピンを抜いてフックをはずして点火してから爆発するまで約5秒必要となっている。 そのため抜いてすぐ投げてしまうと物陰に隠れられたりしてしまってせっかくの手榴弾が無駄になってしまうことが多い。これを防ぐのがCocking Offで、手榴弾に点火してから投げるまでの時間を任意で調節できる。これによって敵に隠れる時間のゆとりを与えず、手榴弾で確実に大ダメージを与えることができるようになるわけだ。 そして今回追加された武器の中で注目したいのは軽機関銃と火炎放射器だろう。軽機関銃はCal.30やM1911といったものが登場し、使用の際は地面や窓枠といった場所に設置する必要がある。持ったままの状態では移動しかできないので、いち早く敵が来そうな位置に置き路地などから飛び出してくる敵の頭を押さえるような形で使うようにしたい。一方の火炎放射器は、射程距離内の相手に対して連続ダメージを与えられるため、逃げ場のない狭い屋内などで相手に気づかれないように隠れている場合にはかなりの脅威となるだろう。 そしてマルチプレイ部分とも重なるが、CoD:UOでは戦車を初めとした乗り物が大量に登場するため、対戦車ライフルやバズーカ、パンツァーファウストといった前作に登場した対戦車武器のラインナップに加え、パンツァーシュレックや携行爆弾といった対戦車兵器も多く追加されている。 そしてグラフィックス面でも多少の変化がある。CoDは「Quake III」エンジンをベースに開発されているが、今回パーティクルによる煙や炎の表現が洗練されている。これにより、新しく追加された発煙筒から発生する煙や火炎放射器の炎、砲弾が着弾した際に発生する土煙などが自然に表現されている。特に発煙筒の煙は「姿を隠す」という発煙筒の役割をキッチリこなせるほどに濃いものだ。パーティクルの表現はここまでイイ感じに見えるのだなと感心させられてしまった。
■ 米、英、ソ、連合三国の新たな戦場が登場! 臨場感は前作以上! さて、今回はメディアクエストの担当に頼んで各国の第1ステージをプレイしてもらった。今回メディアは一切触れることができないと言うことで、見て気づいた範囲でわかった内容であることをお断りしておく。 まずはアメリカ。ゲーム全体としてみてもアメリカの第1ステージが一番最初に来るということで全体的にチュートリアル的な作りとなっている。1台に複数のプレーヤーが乗れるジープを使って敵の追っ手を振り切ったり、バルジの戦いさながらの林の中の塹壕で軽機関銃を使っての防衛戦、大攻勢を掛けてくるドイツ戦車部隊に対して追加された対戦車兵器を使って攻撃を仕掛けるといったミッションを楽しむことができる。全体的にはCoDで見られただだっ広い平面マップで敵を探すというノリを踏襲したステージだと言えるだろう。
次にイギリス、第1ステージはCoD初めての空中戦となる。とはいっても戦闘機同士のドッグファイトではない。B17を使ってイギリスからドーバー海峡を越えてシチリア島への爆撃を敢行中、オランダにさしかかった時点でメッサーシュミットの大群に襲われ、プレーヤーは迫り来るメッサーシュミットをたたき落とすために、B17の各部銃座に座って機関銃を撃ちまくるという展開になる。 今までCoDではなかなかなかったマウスの上下の動きがあってかなり新鮮な印象を受けた。また、対空機関銃の射撃と言うことで、飛行機の機動を見切って弾丸をその進路に置くように撃つ必要があるのだが、これが意外に難しそうだった。思った以上に先に照準を置いて撃たないと当たらないのだ。
そして最後はソ連ウクライナ方面のミッション。クルスク周辺での塹壕戦が中心のミッションだ。開けた野原の所々に点在する塹壕を渡り、野原をわたって襲ってくる敵を倒すのだ。しかしこれだけではなく、逃亡する敵を追いかけて待ち伏せしている敵と戦うシーンがあったり、街の各家を回り潜んでいる敵をあぶり出すというミッションもあった。メディアクエストの担当者に寄れば壮大な戦車戦もあると言うことなので、CoDからのノリを十二分に体現した大規模なミッションになることが予想される。 以上、各国の第1ステージ目の概要を紹介してきたが、ただの拡張、ただの追加ミッションというわけではなく、新しく追加された要素をキッチリ搭載した上で戦場の雰囲気を追求したゲーム内容になっているのが嬉しいところ。
味方や敵の動きの大部分は相変わらずスクリプトによって決まった動きをするようだが、演出や見せ方のうまさがそれを感じさせない。「バンドオブブラザーズ」や「プライベートライアン」のような第二次世界大戦モノの映画をよく見ているようであれば、どこかで見たようなシーンを追体験できることだろう。 ■ 敵の陣地を戦車でぶっこわせ! 3つの新モードが追加されたマルチプレイ CoD:UOでは「DeathMatch」や「Search & Destroy」といった従来のマルチプレイモードに加えて「Base Assault」、「Domination」、「Capture The Flag」の3モードが追加されている。また、5段階の階級制が採用されたのも今回のマルチプレイモードの大きな特徴のひとつだろう。この階級は敵を倒したり陣地を占領したりといった行動によって次第にポイントがたまっていき、一定量たまった時点で階級が上がるという仕組み。階級が上がることで持てる弾薬や手榴弾の数が増えると言ったメリットがあるが、もっとも大きなメリットは「砲撃要請」ができるという点だ。 階級が上がると双眼鏡が入手でき、最高階級まで到達すると「砲撃準備完了」といった趣旨の表示がでる。そのときに双眼鏡を覗き、砲撃を仕掛けたい地点を捕らえて砲撃要請を行なうと一定時間経過後、ものすごい勢いで砲弾が撃ち込まれるのだ。その効果範囲は広く、かなりの範囲が一気にがれきの山になる。ぜひ使ってみたい攻撃方法である。 今回マルチプレイにおいて乗り物が使えるようになったのも大きな変更だ。そして戦車やジープ、輸送トラックなど攻撃力や移動速度を大幅に増強してくれる乗り物が増えた事にあわせ、マップもこれまでの4~5倍は確実にある広大な物になっている。端から端まで人間の足で走っても4~5分は確実にかかるようなこの広さには正直度肝を抜かれた。 また、こういった乗り物に対抗するべく歩兵側にも携行爆弾やバズーカなどの対戦車兵器が多数用意されている。これらはマップ内に点在しておかれていることが多いようなので、位置を事前に把握しておくことで戦車を路地へおびき寄せ、横の家から飛び出していきなり携行爆弾を投げつけて逃走→戦車爆破という戦法も可能そうだ。
さて、今回追加された中ではBase AssaultがもっともCoDらしいゲームモードだ。マップ内に点在する敵陣地の地下に爆弾を仕掛け、破壊するのが最終的な目標なのだが、その最終目標にたどり着くまでたが大変なのだ。陣地周辺には88のような固定砲台が設置され、多くの戦車も用意されている。さらに地下に進入するためには地上の施設を破壊する必要があるのだが、これがメチャクチャ堅い。 というわけで戦車をはじめとした火力重視の編成で施設を攻めるのだが、ちょっとやそっと撃ったぐらいではほとんどダメージを受けた様子がない。思いっきり撃ち込んでやっと建物の外壁にヒビが入るぐらいなのだ。これを攻略するには、チーム全体の力を1つの敵陣地に集中させる一方、陣地周辺に展開する敵を先ほど紹介した砲撃によって排除し、一気呵成に敵陣地を破壊して爆弾を仕掛けるといった戦略が考えられそうだ。 また、Dominationは「Unreal Tournament」シリーズで見られたようなマップ上に点在する特定地点を占領することが目的となる。CoD:UOでは5~7カ所のゾーンをすべて占領した時点で勝利となるのだが、取ったり取られたりが常のDominationではこの数は少々多すぎる気がした。ゾーンが多すぎるため戦場がかなり分散してしまうことが懸念されるからだ。おまけにすべてのゾーンを占領した時点で勝利というシステムなので、複数のゾーンを電撃的に占領するようなやり方を考えないと一気に勝つのはなかなか難しそうだ。
そして最後はFPSでおなじみのCapture The Flag(CTF)だ。敵陣地にある旗をかっさらい、自陣の旗まで持ち帰ればその時点でポイントとなる。ただ、CoD:UOでは一般的なFPSと違い「旗を確保したプレーヤーも攻撃が可能」というシステムになっているので、射撃能力が秀でた人物に旗を持って行かれるとなすすべが無くなりそうで怖い。また、自分チームの陣地に旗がないと敵の旗を取ることができないので、旗を持ったプレーヤーが隠れることに徹した場合ゲームが進まなくなってしまうこともありそうだ。実際に遊んでみないことにはわからない部分もあるが、見ることができた部分から判断するにそういった予想をすることができる。
■ 今回は字幕に全力投入! 戦場映画さながらの雰囲気を維持した邦訳の出来は上々 最後に気になるのが邦訳の出来映えだろう。前作CoDでも評価が高かったメディアクエストスタッフによる邦訳だが、今回もその輝きは失われていない。戦争映画や漫画を常にチェックしているような、こだわりのあるユーザーが満足できるような言い回しを随所に見ることができる。 また、CoD:UDではユーザーからの希望にあわせて音声は英語そのまま、字幕形式で日本語を入れるという形での日本語化を行なっている。邦訳の出来の良さと字幕形式の表示というだけでも戦争物好きのユーザーはやる価値があるタイトルだ。 現在、日本語化に関してはすべての作業が終了しており、現在米Activisionによるチェックが行なわれているとのこと。このチェックが素早く行なわれてくれれば英語版とほとんどタイムラグが無く日本語版が発売されることになる。前作CoDもチェックが早めに終了して販売開始日が数日繰り上がった事だし、Activisionの日本チームにはぜひ本国をせっついて日本語版の発売日を早めて頂きたいものだ。 (C)2003 Activision,Inc.and its affiliates.Published and distributed by Activision Publishing,Inc.Activision is a registered trademark and Call of Duty is a trademark of Activision,Inc.and its affiliates.All rights reserved.Developed by Infinity Ward,Inc.This product contains software technology licensed from Id Software,Inc.("Id Technology").Id Technology (C)1999- 2000 Id Software,Inc.Distributed in Japan by Kids Station,Inc. under agreement with Activision.All other trademarks and trade names are the property of their respective owners.
□メディアクエストの公式ページ (2004年9月9日)
[Reported by Tyokuta@ukeru.net]
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