発売元 Electronic Arts
今年のE3で発表されたEAの3Dリアルタイムストラテジー「Armies of Exigo」のPlayable Demo。EAのRTSというとなんと言ってもSF世界をモチーフにした「Command & Conquer」シリーズが有名だが、「Armies of Exigo」はファンタジーが舞台。個性には欠けるがそつのない作りで、RTS界の新しいメインストリームを狙うという新鮮な意気込みが感じられる。
「Armies of Exigo」は、人間と獣人が共存するファンタジー世界を描いたリアルタイムストラテジー。プレイしてみれば一発でわかるが、「Starcraft」や「Warcraft」シリーズを良く研究した形跡が随所に伺える。基本的なゲームデザインは「Warcraft III」にもっとも近い。
ヒーローを軸としたストーリー展開をはじめ、質感の高いグラフィックス、そして派手な3Dエフェクト、レベルシステムなどなど、「Warcraft III」を体験したことのある人ならまったく迷わずプレイできるだろうと言うほどに似通った部分が多い。グラフィックスに関しては、2004年度のタイトルだけあって「Warcraft III」を上回っている。逆に言うと、表面上の強みはグラフィックスだけだと言っていい。
それでは「Armies of Exigo」のオリジナリティはどのあたりにあるかというと、マップ上にダンジョンや塔などが存在し、複数のフィールドで構成されているところだ。ダンジョンの奥にはボスクラスのモンスターや、クエスト達成に必要なキーアイテム、そして資源などが手に入る。
マップの複数階層化は「Heroes: Might & Magic」シリーズが古くから実現していた要素だし、マップの奥にボスクラスモンスターがいるというのは、それこそRPG色の強い「Warcraft III」にとって欠かせない要素のひとつだ。しかし、「Heroes: Might & Magic」は2Dかつターンベースだったし、「Warcraft III」のそれにしても1階層上の各所に配置したため、マップの構造が蜂の巣の断面図のようになってしまった。
とどのつまり、「Armies of Exigo」のウリは、最後発の強みを活かした新世代のグラフィックスエンジンによるリアリティと臨場感たっぷりの冒険体験にあるといえそう。グラフィックスはフル3Dながら細部まで良く描き込まれており、ダンジョン初探索時は、思わずBioWareの「Baldur's Gate」シリーズを頭に思い描いてしまった。
Demoはシングルプレイ1ステージ限定になっているので、マルチプレイがどうなるのかは未知数だが、ダンジョンは2カ所に入り口があったりするなど、戦術的要素も高く、ひょっとすると大化けする可能性もある。少なくとも現時点で「Armies of Exigo」は、RTSでありながら確かなアドベンチャーが楽しめる質感の高いRTSといえそうだ。
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