発売元 Cenega
チェコのゲームデベロッパーCentauri Productionの新作アクションRPG「Gooka: the Mystery of Janatris」のPlayable Demo。アドベンチャーとターンベースRPGのハイブリッド仕様で、ところどころ光る部分はあるが、肝心要のテクノロジーが追いついていないという印象。「ゼルダの伝説」を筆頭に無数のアクションRPGを擁する日本で受けいられるのは難しいだろう。
「Gooka: the Mystery of Janatris」は、チェコの作家Richard D. Evans原作の冒険小説をモチーフにしたアクションRPG。Gookaとは、原作およびゲームの主人公の名前で、彼を通じてさまざまな不思議な冒険を体験していくことになる。
ゲームデザインは非常に独創的で、アドベンチャーパートとターンベースRPGパートの2つから成り立っている。アドベンチャーパートでは、フィールドを動き回り、キャラクタから話を聞いたり、怪しい箇所をチェックしてアイテムを集めたり、謎を解いたりといったアクションを行なっていく。
この部分はなかなか良くできていて、Gookaが興味をひくポイント、すなわち調べられるポイントは、彼が近づくと自動的にその方向に顔を向けるようになっている。3人称視点のゲームながら、普通にプレイしていれば、謎を見落とすことはないという密着性の高いゲームプレイを可能にしている点は最大限に評価できる。
このシステムは、よく知られているようにすでに「ゼルダの伝説」シリーズが随分前から実装している要素だが、海外ゲームではピュアアドベンチャーでありながらこのシステムを採用したゲームは皆無といっていい。アドベンチャー要素を非常に重視している証拠だろう。
Demoでは、椰子の実から採れるココナッツを入手するために、四方を探索することになる。四方といっても10m四方ほどの狭い海岸で、謎らしい謎もなく、チュートリアル的な内容と言っていい。
海岸で目的を達成すると、石でできたゲートをくぐり抜け、戦闘シーンに移行する。この戦闘シーンがまさに謎仕様で、普通にやっていると雑魚モンスターにすら完敗してしまう。そこでよくよく仕様を読んでみると、敵に応じて、自分の能力を変換し、その上で戦う必要があることがわかる。
というわけで勝ち方はわかるのだが、なぜそうしなければならないのか、あるいはなぜ主人公はそういう超人的な能力変換技が可能なのかといった理由付けが不明確なため、まるでD&Dをサイオニシスト限定でプレイさせられるような感覚で、ぜんぜんおもしろくない。おそらく小説を読むことでこれらの謎は氷解するのだろうが、それにしてもゲームとして不親切だろう。アドベンチャーパートは良くできていただけにちょっと残念だ。
CENEGA PUBLISHING 2003-2004 ・ ALL RIGHTS RESERVED.
ダウンロードはこちら(CENEGA)