発売元 ValuSoft
THQの低価格専門のゲームブランドValuSoftの新作RTS「Battle for Troy」のPlayable Demo。60分間限定で、製品版同等のゲームモードでプレイできるというもの。いかにもブラッド・ピット主演のハリウッド映画の公開に合わせて作りましたという感じの作品だが、ゲーム内容はそこそこしっかりしており、これで20ドルなら妥当というレベル。ただし、RTSで60分限定はいかにも短すぎる。もう少しプレイしてみたかったところである。
「Battle for Troy」は、ホメロスの叙事詩「イリアス」にその名を確認できるトロイ戦争をモチーフにしたリアルタイムストラテジー。RTSとしては珍しくシングルプレイ専用の作品になっており、トロイ軍、ギリシャ軍の2本のキャンペーンシナリオがゲームの中心となっている。
ゲーム内容は極めてオーソドックスで、マウス1本で簡単にプレイできる。基本的なゲームの流れは、マップ内に点在する都市を占領して定期収入を確保しながら軍備を整え、小マップに示される最終目的を目指して進軍を続けていくというもの。敵を倒すことで経験値を獲得し、一定まで経験値をためるとランクアップする。また、敵を倒すとお金をドロップするなど、RPG的要素も盛り込まれている。
敵をターゲットして攻撃を命令すると、ヒーローユニットがときの声を挙げて全軍を鼓舞したり、剣を天に突き上げて突撃したり、持っている盾で回避行動を取ったりなど、アニメーションは意外と細かい。槍で敵を転倒させて、大勢で突き殺すといったアニメーションはRTS史上初だろう。いかにも古代戦らしい荒々しさを良く再現している。
ただし、狭い場所ではユニット同士でスタックが頻発し、ヒーラーユニットを思うように逃すことができなかったり、勝手に大回りしようとして時間が掛かったりなど、細部の作り込みはまだまだ甘い。
このスタックの問題は、多くのユニットを一度に指揮するRTSでは、メーカーの力量がもっとも試される部分でもある。「Age of Empires II」や「Warcraft III」など、ロングセラーを記録したRTSは、スタックの問題を完全にクリアしている。ゲームデザインは「Warcraft III」ライクでそこそこ楽しめるが、目に見えない部分は今一歩といったところだ。
(C) 2004 ValuSoft a division of THQ Inc.
ダウンロードはこちら(3D Gamers)