【連載第2回】 進化し続けるヴァナ・ディールの魅力を徹底解剖


ファイナルファンタジー XI連載
~ヴァナ・ディール定点観測~

ミッションやレベル上げだけがFF XIじゃない!!
「指定生産品クエスト」指南

 北米版を含めた全世界の合計で50万人以上の有料会員数を誇る、純国産製MMORPG「ファイナルファンタジー XI」(以下、FF XI)。この日々進化し続ける世界でいったい何が起こっているのかを、いちプレーヤーの視点で追っていくのが本連載の主旨である。

 FF XIの経験者ならご存じのように、本作の基本ゲームシステムは戦闘を中心にデザインされている。多くのプレーヤーは、キャラクタを育ていつかは最高レベルの75に到達したいと思っているだろう。しかしFF XIは、数万人ものプレーヤーが同じサーバーに接続するMMORPGである。この広大な世界には、戦闘以外の様々なプレイスタイルを許容できるだけの奥深さがあるのだ。

 そこで連載第二回目となる本稿では、FF XIの醍醐味が戦闘だけではないことを証明するコンテンツの一つである、「合成」にスポットを当ててみよう。本連載は幅広い読者層を対象とするため、前回とは打って変わり今回はライト寄りの内容を心がけてみた。特に社会人や学生のプレーヤーで、忙しくてプレイ時間をなかなか思うように確保できない、そのような人に是非読んでもらいたい。

指定された合成品を収めることで特別なアイテムを得られるシステムが導入

合成はキャラクタのレベルに関係なく誰でも行なえる。冒険時の気分転換や、まったり派のプレーヤーにとても人気が高い
 FF XIの「合成」とは、素材をクリスタルで加工することにより、様々なアイテムを作り出すシステムである。合成には「木工、鍛冶、彫金、裁縫、革細工、骨細工、錬金術、調理」の8種類があり、それぞれ作れるジャンルが異なる。各合成にはスキル値が定められており、合成を繰り返し行なうことで少しづつ上昇してゆく。そしてスキルが上昇することで、より高度なアイテムを作り出せるようになるのだ。

 合成品の分野はとても幅広い。たとえば普段装備している武具の多くは、鍛冶や革細工、そして裁縫等の合成によるものである。またアタッカージョブ御用達の「ミスラ風山の串焼き」や、後衛ジョブがMPを急速回復させる各種ジュース類も調理の合成品である。その他にも、忍者が"空蝉の術"を行使するのに必要な触媒「紙兵」(木工)のような、一見わかりにくいが実は合成品、というのも数多い。総ての冒険者が、何らかの形で合成品を利用しているといってよいだろう。

 また、たとえ自分では合成を行なわないプレーヤーでも、冒険時に戦利品を獲得したらたいていは店売り価格より高値で取引される競売を利用するはずだ。そして別のプレーヤーがそれを購入して合成を行ない、さらに別のプレーヤーへと循環してゆく。冒険者が実際にお金を稼ぐ方法の大半は、合成に関する需要と供給に多少なりとも関わっている。つまりヴァナ・ディールの経済は、合成を中心に回ってるといっても過言ではない。

モンスターから素材品を得る
FF XIに登場するほぼ総てのモンスターが、何らかの合成用素材を持っている。一見する限りでは用途不明なアイテムも、合成と密接に絡んでいることが多い
レシピに注目
例えば「ブロンズサブリガ」は、「ブロンズ板、草布、大羊のなめし革」を、土クリスタルで結合した装備品である。聞いてみれば、なんとなくそんな気がするだろう
釣り
厳密には合成に含まれないものの、「釣り」にも同様にスキルがある。もちろん、釣り上げた魚は調理スキルで焼いたりすることで、誰でも食べられるようになる

合成ランクが下級職人に達していれば、誰でも指定納入品クエストの契約を行える。ただし、複数のギルドと同時には契約できないので注意
 以上の内容は合成の経験者であれば誰でも知っており、今更取り上げる程の情報ではないだろう。今回改めて紹介する理由は、合成にちなんだ新システムが好評を博しているからである。そのシステムとは、「指定生産品クエスト」という。概要を説明すると、合成ランクが下級職人以上のキャラクタがギルドと契約を行なうことによって、アイテム納入の依頼を受けられるようになる。そして、期限(現実時間の23:59)までにアイテムを納入することで特別なポイントが得られ、これを元に報償品と交換できるというクエストだ。

 納入に指定される合成品は、現在のスキルランク以下のレシピの範囲内で毎日変わるようになっている。また、同じジャンルの合成でも、自分のスキルランクに応じて指定されるアイテムは異なる。少々わかりづらいかもしれないが、要するに、納入対象が特定の合成品に集中せず分散される仕組みだ。

 ポイントを貯めることによって得られる報酬品は、大別すると2種類。ひとつは、合成スキルを恒久的に上昇させるアイテム。それと、合成時に自分の名前をステータス欄に「銘」として刻める、特殊なクリスタルだ。スキルを上昇させるアイテムは、眼鏡やエプロンに代表されるキャラクタが着用可能な装備品、それとモグハウスに設置できる調度品といったものがある。

 装備品タイプのアイテムは、その外見から合成のエキスパートであることが一目でわかるため、他プレーヤーから合成の依頼を受ける際等に役立つ。また、性能とは関係なしに見た目がユニークであるため、おしゃれ用装備としての人気が極めて高い。調度品の具体的な効果は現時点では不明だが、これは交換時に最も多くのポイントを必要とするため、合成時に何らかのメリットがあるものと見て間違いないだろう。

 その他の注目点としては、1人が1日に納入できる合成品の数、言い換えると得られるポイント数には限りがあることが挙げられる。そして更に重要なのは、キャラクタのスキルランクの高低によって、1日あたりに得られるポイント数は極端に変わらないということ。つまり、合成のスキル値が高いからといって、一概に有利とは限らないのだ。

 ジュノを拠点にするレベル上げに熱心なプレーヤーは気付かないかもしれないが、各合成ギルドには納入を目的としたキャラクタが頻繁に訪れるようになっている。合成に興味を持たないプレーヤーは、騙されたと思って、納入指定品が切り替わる0:00(現実時間)前後にギルドを訪れてみてほしい。恐らく、指定納入品を目当てにしたプレーヤーで賑わっている光景を見られるだろう。

ギルドに納入中
納入時に得られるポイント数は、合成品をNPC店舗に売った値段にある程度比例する。最大まで納入した場合、1日あたりの平均は約2,000~5,000ポイントといったところ
指定品が切り替わるのを待つ人達
毎日0:00(現実時間)に納入指定品が切り替わる。他プレーヤーに先駆けて材料品を確保するため、ギルドには多くの人達が集まる
銘入れ用クリスタルで合成
このように、アイテムのステータス欄右下に自分の名前が銘として記入される。性能的には変わらないが、友達へのプレゼント用などといった使い道があるだろう

人気報償品「眼鏡」は全3種類
同じフェイスタイプのキャラクタでも、眼鏡をつけただけで雰囲気はがらりと変わる。これが欲しいというだけの理由で、新たに合成を始めたプレーヤーは結構多いようだ

指定納入品クエストによってもたらされた様々なメリット

ギルドの店舗では通常よりも安値で素材品を購入できるが、在庫数に限りがある。どうすれば多くの利益を出せるか? という点を考えつつ合成を行なうのがアツい
自分が所属する国と、各リージョンのアウトポスト間を転送してくれる「テレポサービス」を活用しよう。飛空艇を用いることなく、3国からジュノまで10分足らずで移動できるようになる
テレポサービスを利用するには、自分の所属国が目的地のリージョンを支配している間に、「補給クエスト」を行なうことが条件となる。合成を行なわないプレーヤーも覚えておいて損はないだろう
 概要を説明したところで、続いて指定生産品クエストの導入によってヴァナ・ディールの世界、特に経済面にどのような影響を与えたのかを見ていこう。もっとも大きいのは、合成を行なうプレーヤー数が大幅に増えたため、クリスタルを初めとする素材品の流通が活発になったことである。素材品の販売は、レベル帯に関係なく大半のプレーヤーにとって最大の収入源といってよい。冒険者が素材品を競売に出品しやすくなったことで、合成を行なわない人を含む全プレーヤーに恩恵が与えられたのだ。

 そして、流通が活発になった対象が極一部の合成品とそれに関する素材品ではない、というのも特筆すべきポイントである。先に説明したように、納入を指定される合成品はスキルランク単位で毎日変わるようになっている。具体例を挙げると、指定生産品クエストを受けられる合成スキルには、全部で7つのランクがある。しかし7つのランク間で指定品が重複することは少なく、大体3~5種類程度に分散されている。しかも、その翌日には指定品はがらりと変わってしまうのだ。

 これが仮に、数日以上にわたって特定の合成品に集中した場合は、インフレが発生して納入を行ないづらくなるどころか、純粋にそのアイテムを使用したいプレーヤーにとっても妨げにしかならなかっただろう。様々な種類の合成品がまんべんなく対象となることで、市場は混乱せず、しかも相場が一時的に変化する新鮮さをも提供している。

 また、指定品が分散されることは、合成品を売る側にとっての販売チャンスが増大することも意味する。もしスキルを集中的に上げようと思ったら、それに伴って出来上がった大量の合成品の処分方法が問題になってくる。キャラクタが持てる数には限りがあるため、早く処分したいが為に相場よりも大幅な安値で叩き売りといった、不本意なことも行なわなければならないかもしれない。だが、納入目的で合成品を買ってくれるプレーヤーが結構いるのだ。

 これを逆手に取り、0:00に新たなアイテムが指定されるやいなや、素早く確保して高値でバザー(しかもNPCの隣で)を行なう人も稀にいる(笑)。もちろん、値段設定を高くしすぎても、他にもアイテムを入手する方法は何通りかあるため、一歩間違うとデッドストックを抱える危険性もあるだろう。この辺りの売り手と買い手の微妙な心理戦は、指定納入品クエストならではの醍醐味で実に面白い。経済の基盤がしっかりと固められたMMORPGでしか成し得ない、とても贅沢な遊び方だと筆者は思う。

 指定生産品クエストが影響を及ぼした点はまだまだ他にもある。各合成ギルドの所在地は「バストゥーク、サンドリア、ウィンダス」の3国に分散している点を思い出してほしい。合成を行なうプレーヤーが増えたことで、ジュノにプレーヤーが集中してしまう問題が緩和されているのだ。指定生産品クエストでポイントを貯めるには、毎日毎日ギルドへ通い、こつこつと納入し続けなければならない。このクエストのためにホームポイントの設定をジュノから変更したプレーヤーは、かなり多いのではないだろうか。またテレポ・サービスを活用することで、実はホームポイントがジュノでなくとも極端には不自由はしないことに、皆が少しづつ気づき始めているのだ。

 そして筆者が個人的にもっとも評価しているのが、合成ランクが下級職人(合成スキルでは30相当)にさえ達していれば、総てのプレーヤーに平等に指定生産品クエストのチャンスが与えられている点である。これまでの合成関連コンテンツにおいては、仮に新たなレシピが追加されたとしても、すべからく先行してスキルを上げたプレーヤーが大きく有利になる仕組みであった(ハイクォリティ品の合成及びその利益等)。しかし、たとえ今から合成を始めようというようなプレーヤーでも、地道に努力を積み重ねれば、着実にポイントを貯めることができるのだ。

 むしろ、スキルランクが高いと逆に困る場合すらある。納入に指定される合成品は、"現在のスキルランク以下"のレシピ、である。つまり、合成スキルが最高ランクのキャラクタは、それに応じた難易度、つまり高額レシピが指定される可能性があるのだ。極端な例では、競売相場で30万ギルを超えるような合成品も実際に指定されたこともある。この日ばかりは、ほとんどの対象プレーヤーが納入を見送らざるを得なかっただろう。

 30万というのはいささか極端な例だが、もしかすると単価が数万程度であれば、資金力にものをいわせて強引に納入する人はいるかもしれない。こうしたパワープレイを行なうかどうかは個人の自由だが、このような場合、資金力をじわじわと低下させる効果もある。もし指定納入クエストの開発担当者がそこまで考えていたとしたら、まったくもって脱帽せざるを得ない。

分解
FF XIには、戦闘を行わずに素材品を得る手段が数多く用意されている。写真は、合成完成品をクリスタルで「分解」することによって、素材品を引き出しているところ
採掘・伐採・採集・発掘
フィールドやダンジョンの中に埋もれている素材品を、専用のアイテムを使って採取することもできる。特に人気のあるスポットは、これらを目当てとした冒険者が常に巡回している
栽培
モグハウスに植木鉢を置き、種を植えて栽培を行っている。数十日間の管理を要するが、成功すると見事な花を咲かせ、様々なアイテムを生み出してくれる

これから新たに合成を始める人へのワンポイントアドバイス

 指定生産品クエストは合成スキルの先行者のみならず、中級者以上であれば誰でも楽しめるシステムである。本稿を読んでこれまで合成にはあまり関心のなかった読者の中にも、興味をそそられた人はいるだろう。また、もっと素朴に、性能はよくわからないけどとりあえず眼鏡やエプロンを着用したい! と思った人もいるかもしれない。

 しかし、ギルドと契約を結ぶために必要な条件である合成ランクの壁は、特に未経験者にとって高く感じるのではないだろうか。仮にスキルが0の状態から始めたら、いったいどれくらいの時間とギルを要するのか想像がつかないため、生半可な気持ちでは始められないという不安もきっとあるだろう。そこで、これから新たに合成を始めようというプレーヤーに向けて、いくつかのアドバイスを伝えておきたい。

 まず、指定生産品クエストを目標に合成を始める場合は、何はともあれ各合成ジャンルにどのような報酬があるのかを、前もって確認しておこう。例えば眼鏡タイプの装備品は「裁縫、骨細工、彫金」の3種類のみで、しかもそれぞれが銀縁眼鏡やサングラス風といったように色が異なっている。各ギルドへ行けばNPCがこれらを実際に着用しているので、一通り見ておくとイメージを掴みやすいだろう。

 報酬品を確認したら、どのジャンルの合成を選ぶがが最大の悩みどころである。スキルを30に早く到達させるには、ひとつの合成に専念した方が良いのは言うまでもない。だが合成品の需要/供給バランスは、各サーバーによって大きく異なるので、利益面を元に合成ジャンルを薦めるのは意味を成さないだろう。個人的には、あまり深くは考えずに、自分が純粋に興味を持った分野を選んで構わないと思っている。

 それでもジャンルの選択時に考慮する点を敢えて言うならば、出来上がった合成品を自分で直接利用するか否か、それと拠点となるギルドの所在地が挙げられる。たとえば調理スキルで作れる食事や、錬金スキルのプリズムパウダーといった消耗品の類は、商売目的でなくとも自分自身が使うため、需要は無くならない。特にアイテムを12個や99個単位で重ねられないジュース系は、冒険時に現地で合成できると後衛ジョブは助かるだろう。また、自分が所属する国においてはテレポ・サービスを利用できるため、ギルドの所在地との兼ね合いも念頭に置きたい。

合成スキルアップ中
合成のスキルアップは根気を要する。材料の確保や合成品の処分を焦ってしまうと、収支がマイナスになることも多い。決して焦らずに、長期的に取り組むのがよいだろう
クリスタルを自分で確保する
合成時はクリスタルが必ず必要となる。自分が合成を行なう場合は、各クリスタルを自分で確保する手段を押さえておくと、出費を抑えられるだろう
合成仲間がいれば心強い
合成を行なう知人がいると何かと心強い。お互いにノウハウを教え合うだけでなく、素材を確保するため一緒に冒険に出かけたりすることもあるだろう

 さて、合成ジャンルを決めたらいよいよスキルを上げていこう。初心者が特に気を付けてほしいのは、合成レシピを見誤らないことである。これに関しては、必要な材料の合計と合成品の価格差を調べることで、およその利益を算出できる。ただし、合成時に失敗した場合はその限りではないので、現在のスキル値における難易度も考慮しよう。

 材料品の入手手段としては大きく分けると、「モンスターを倒した際の戦利品」、「収穫・採掘・伐採」、「競売で入札」、「ギルドの店舗で購入」、「友達と融通し合う」等々、様々な種類がある。例えば必要な素材を総てモンスターからの戦利品で入手する場合は、コストはゼロとなるが、ある程度の労力を必要とする。また、総てを競売で入札した場合はその逆だ。合成に必要な材料を、いったいどの方法でそれぞれ確保すれば多くの利益を生み出せるのか? この課程に楽しさを見いだせる人は、きっと合成に向いている。なにせ指定生産品クエストを開始すると、この出題内容が毎日変わっていくのだ。

 自分のスキルに見合った適正レシピの内容は、ギルドにいるNPCから直接聞き出すことも可能である。だが、もしWebsiteを閲覧できる環境があるのならば、合成に特化したFF XIのコミュニティサイトを参考にすることを強くお薦めする。これらを活用することで、効率良くスキルを上げる方法や、ちょっとしたテクニックも習得できるからだ。それが無理なら、せめてFF XI関連の書籍を手元に用意しておきたい。よほど腕に自信があるプレーヤーでなければ、ゲーム内で得られる情報のみを頼りに初心者が合成を行なうのは、控えた方がよいだろう。

 今回、筆者は記事を執筆するにあたり、実際に裁縫用の眼鏡(7万ポイント)を取るまでがんばってみた。スキルランクが下級職人に到達した時から計算して、最終的に掛かった日数はおよそ20日前後。ただし、高額レシピが指定された日はスルーしていたので、突き詰めれば2週間程度で取ることも不可能ではないと思われる。どちらにしても、かなりの日数が掛かることは間違いない。決して焦らずに、合成スキルのスキルアップを楽しみながらじっくりと取り組むのが、うまくいくための秘訣だと思った。

NPCも合成レシピを教えてくれる
実は安値の材料でスキルアップできる隠しレシピも存在する。これはギルドのNPCが教えてくれないため、やはり合成関連のコミュニティサイトを利用しない手はない
合成スキル上げの最中
素材の入手方法とレシピさえ誤らなければ、収支が大幅に赤字になることは少ないだろう。合成スキルが0.1アップするだけで思わずガッツポーズだ
ようやく眼鏡ゲットです
筆者はクエストの最中、目標とする眼鏡にスキルアップ効果があることを完全に忘れていたが、苦にはならなかった。外見に反映されるちょっとしたアクセサリーがもっと増えてくれると嬉しい

中級者以上を対象としたコンテンツだが、総てのプレーヤーに挑戦してもらいたい

 指定生産品クエストが導入されたのは、4月22日のアップデート時である。それから現在までの3カ月間に加えられた変更点はほとんど無く、システム的には熟成しきっていると言ってよい。恐らく本稿の内容は、既に指定生産品クエストを行なっているプレーヤーにとっては、あまり価値のない情報だろう。

 しかし、それでも敢えて今回取り上げた理由は、指定生産品クエストの完成度の高さに他ならない。一歩間違えれば単調作業の繰り返しになりかねなかった合成コンテンツに、別の側面から目標を与え、新規参入者にも平等にチャンスがあり、しかもヴァナ経済の活性化まで行なっている。これはもうはっきり言って、あらゆる面から見て隙の無い完成度に達している。

 通常の1パーティによる冒険は、準備段階も含めると意外と時間が掛かるものだ。そのため社会人や学生のプレーヤーは、平日は冒険に出かけたいと思っても現実的には難しいこともある。なんとなくジュノの競売を眺め、リンクシェルで雑談を交わしたら今日はおしまい、という人はきっと多いだろう。正にそのような人にこそ、自分の好きなペースで確かな手応えを感じられる指定生産品クエストに挑戦してもらいたい。

 指定生産品クエストには、合成のスキルアップだけでなく報酬品を貰える楽しさがある。現在の合成コンテンツを総合的に見ると、未経験者がこれから始めるにあたって万全の体制にあるといえよう。今後も引き続き、おしゃれ装備のような、ゲームバランスに直結しない報酬品の更なる充実に期待したいところだ。

2~3時間はすぐに過ぎる
指定されたレシピの材料をモンスターから得ようとすると、1~2時間は優に過ぎてしまう。これは1人でできる場合も多いため、時間がない人でもマイペースで遊べるのだ
素材集めの旅
モンスターからの戦利品が、どのようなレシピで用いられているかに注目すると、FF XIをより深く楽しめるようになるだろう
合成で一攫千金
ノートリアスモンスターから得られる素材を用いた合成品は、時には販売価格が数十万に達するものも。これらを自分自身で合成できれば、一攫千金も夢ではない

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□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.co.jp/
□「ファイナルファンタジー XI」のホームページ
http://www.playonline.com/ff11/

(2004年7月28日)

[Reported by 川崎政一郎]


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