発売元 Sierra Entertainment
スウェーデンのゲームデベロッパーMassive Entertainmentが2000年にリリースし、欧米で高い評価を受けた3Dリアルタイムストラテジー「Ground Control」。今年、4年ぶりの新作「Ground Control II」のリリースを受け、前作がプロモーション目的で無償公開されることになった。ダウンロードにはFileplanetのユーザー登録が必要だが、RTSファンはぜひこの機会にプレイしてみてはいかがだろうか。
「Ground Control」は、未来戦を壮大なスケールで描いたリアルタイムストラテジー。日本でもカプコンが日本語マニュアル付き英語版を発売したため、ご存じの方も多いだろう。今回の無償公開は、すでに北米では6月に「Ground Control II」がリリースされ、もう一押しと判断した結果だろうか。「Tribes」の無償公開といい、今回の件といい、今後、新作のプロモーション目的での旧タイトルの無償公開は増えていきそうだ。
クライアントは、「Ground Control」のダウンロード版に加えて、「Ground Control II」のMultiplayer Demoも同梱されており、同時に2つのプログラムをインストールする必要がある。「Ground Control」はCDキー不要でセットアップ後すぐにプレイできるが、マルチプレイは別途Sierraへのユーザー登録が必要になる。もっとも、製品版同等の内容なので、シングルプレイだけでも十分なボリュームがある。
今回前作をプレイしてみて改めて感じたのは、「Ground Control」の完成度の高さ。FPSクオリティのグラフィックスエンジンによるスケールの大きな戦場、派手なパーティクルエフェクトによる未来戦、生産要素を排除した戦闘重視のゲームデザインといった要素は、実は前作ですでに確立されていたことがわかる。
4年前の作品なので、さすがにグラフィックスの衰えは隠せない印象だが、フル3Dということもあってまだまだ現役レベル。中でも戦闘機のアニメーションなど一部の表現は、「Ground Control II」を上回るものを感じさせるほどだ。ただ、ドロップシップの降下地点をミニマップ上でしか指定できなかったり、プロローグシーンが地味だったり、いくつか設計の古さを感じさせる要素も散見されたことは指摘しておきたい。
2000年というと、日本では「Age of Empires II」がRTS界を席巻していた時期だが、同じタイミングで日本語化されていたら、さらに市場が盛り上がったのではないかという気がする。もっとも、これは「Ground Control II」でも同様に指摘されていることだが、戦闘のバランスそのものがアバウトな設計になっており、RTS界を席巻する存在になりうるかというとI、IIともに微妙だろう。スカッとするようなRTSを求めている向きにおすすめのタイトルといえるだろう。
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