発売元 Eidos
北米を代表するゲームクリエイターのひとりウォーレン・スペクター率いるIon Stormの新作スニークアクション「Thief: Deadly Shadows」のPlayable Demo。「Thief」シリーズといえば同氏の出世作であると同時に、今や人気ゲームジャンルのひとつとなったスニークアクション界の草分け的存在でもある。ファイルサイズがやや大きめだが、文句なしに一押しのDemoだ。
「Thief: Deadly Shadows」は、中世ヨーロッパをモチーフとした仮想世界を舞台に、特権階級の屋敷などからデカイ盗みをやってのけるという悪党を地でいくシンプルなスニークアクション。同作はシリーズ第3弾に相当し、前作の発売から丸4年ぶりの新作ということで、ゲームエンジン部分から完全にフルモデルチェンジを果たしている。
「Thief: Deadly Shadows」でもっとも革新的な部分は、シリーズで初めて闇の世界によるゲームプレイを実現しているところだ。掲載画面はメリハリが出るようにわざと光のあるところで撮影しているが(それでもやはり暗いが)、ゲームプレイの大半は闇世界の中で展開される。この闇の中に身を沈める快感は既存のシリーズや他のゲームではまず味わえないものがある。
そのリアリティは、石造りの地べたのひんやりとした感覚すら伝わってくるし、主人公の心臓の鼓動さえ聞こえてくるようだ。彼が今作で表現したかったところはここだろう。世界観の描写に関してはケチの付けようが印象だ。次作では、ハイダイナミックレンジ(HDR)レンダリングを応用して、明るい場所から暗闇への移動、またはその逆のケースなどで目の慣れのシミュレーションなども行なってくれるとパーフェクトだろう。
むしろ、今作で批判対象になりそうなのは、ゲーム内容うんぬんの前に、最先端のビジュアルテクノロジーを惜しみなく投入した結果、マシン負荷の非常に高いゲームに仕上がっているところではないだろうか。中でも自分の影を体に投影させるセルフシャドウや、光源の動きに応じて光量やそれが作り出す影をリアルタイムで世界に反映させるリアルタイムシャドウ表現などが重くなっている原因だが、これらはゲームシステムと直結しているため、無効にしようがない。1,024×768ドット程度の解像度で快適にプレイするためには、Ge Force FXクラスのビデオカードが必要になりそうな印象だ。
さて、Demoではチュートリアルステージとステージ1の2ステージがプレイできる。同シリーズは高難易度で知られるが、今回はコンソール向けにも発売されており、EasyからExpertまで技量に応じた難易度でゲームが楽しめるようになっている。今回はEasyの次に易しいNormalでひととおりプレイしてみたが、見張り兵に見つかってもそれほど死にものぐるいに追いかけてこず、初心者でもプレイしやすいだろう。
Thief: Deadly Shadows(TM) Eidos Inc. 2004. Developed by Ion Storm LLP. Published by Eidos Inc. Thief: Deadly Shadows and the Thief: Deadly Shadows logo are trademarks of Eidos Inc. Ion Storm and the Ion Storm logo are trademarks of Ion Storm LLP
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