発売元 Eidos
英Eidosの人気シリーズ最新作「Hitman: Contract」のPlayable Demo。英国はシリーズのナンバリングに対してかなりいい加減な国だが、「Hitman: Contract」は初代のリメイクではもちろんないし、「Hitman 3」というわけでもない。言うなれば、「Hitman 2.5」といった位置づけの新作で、「Hitman 2」のエンジンを使った新エピソードだ。エンジン使い回しといえども、ゲーム性、ビジュアルには確かな進化が感じられるスニークアクションファンには待望の新作といえそうだ。
「Hitman」は、今やEidosで確実にミリオンを飛ばせる人気シリーズのひとつで、孤高の暗殺者コードネーム47の活躍を描いたスニークアクション。47に対してステージ開始時に大まかな任務が示されるが、そこに行き着くまでの過程はプレーヤーの判断に任されている。
通常のFPSなら、銃を乱射して敵をなぎ倒していくことが基本となるが、同作の場合はそれは減点対象となる。一応、クリアとはなるが暗殺者として美しくない、というわけだ。究極の目標は誰にも見つからず、誰も殺さずに任務を遂行すること。プレイしてみればわかるが、これは相当に難しい。一度や二度のプレイでは到底たどり着けない領域だ。繰り返しプレイし、最高の称号“サイレントアサシン”を獲得する。ある意味、非常にコンソール向きの作品だ。
「Hitman: Contract」は、ずいぶんマップも広くなってさらに大きな自由度が与えられ、そしてビジュアル面でも進化が見られる。これはエンジンは同じでも「お、かなり変わったな」と実感できるレベルで、このあたりはスニークアクション分野でぶっちぎりの人気を獲得しているUbi Softの「Splinter Cell」やEidosグループ内最大のライバルといえるIon Stormの「Deus Ex 2」や「Thief 3」の影響もあるのだろう。
ビジュアルについては、複数の光源から影を生成したり、ライトに対してグレア処理を施していたり、タイルに環境マッピングを施していたりなど、ディテールの底上げに注力している。また、ライトはすべて破壊できるようになっており、闇によってAIが視界を失ったりなど、ゲーム性とのコラボレーションも不完全ながら行なわれている。
さて、Demoでは大雪が降り積もる極寒のロシアを舞台にしたミッションをまるまる1ステージプレイできる。ステージの構造は、複数のエリアと、それらエリアに点在する建造物の屋内とにわかれており、解法がわかれば5分でクリアといった従来のスタイルは通用しない。ひとつひとつ手順を踏んで任務を遂行していかなければならない。
相変わらずヒントは少なめだが、47の現在位置を問わず常に全エリアの情報が確認できるレーダーマップを丁寧に確認しながらゲームを進めていくと比較的すんなりクリアできる。節目節目にはリアルタイムムービーも挿入されるようになっていて、前作よりずいぶん映画寄りの演出になっているようだ。
難易度に関してはまずまずといったところで、ノーマルであれば全員を倒しながら進めることも可能。一度クリアしてサイレントアサシンを狙ってみたのだが、とてもとても難しい。特にステージ中盤以降の艦船と潜水艦への侵入に関しては、果たして見つからずに入ることが可能なのかと思うほどだ。たぶん、見過ごしがあるのだろうが、繰り返し遊ばせる余地たっぷりの懐の深いゲームデザインはこれまでのシリーズにも増して好印象だ。アクション好きはぜひとも一度プレイしてみよう。
(c) IO Interactive A/S 2004. Hitman: Contracts is a trademark of Eidos. All rights reserved.
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