発売元 オーバーランド
先日、オーバーランドが国内取り扱いを正式発表した「Mercedes-Benz World Racing」のPlayable Demo。このところCodemastersのタイトルを中心に、バリバリのレースシムのDemoの公開が続いたが、今回はなんというかほっと安心できる落ち着いたドライビングゲームという印象。1位になれなくてもゆったり走れればいいという人にお勧めの作品だ。
「Mercedes-Benz World Racing」は、ベンツばかりを集めてチャンピオンシップをやってしまおうというメーカー公認のレースシミュレータ。コースには納車したてといった感じの色とりどりのぴかぴか仕様のベンツが並び、さながら大人の宝石箱といった風景にはなかなか圧倒されるものがある。
Demoのコースはホッケンハイムサーキットを収録。車種はSLK 230 Kompressorを手始めに、300 SL Gullwing、A 190 TWIN、CLK DTM 2000の計4車種が用意されている。選択可能な車種は4種類のみだが、カラーバリエーションは製品版同様の数を網羅しており、車種選択画面は必要以上に煌びやかな雰囲気だ。
レースの展開は、ハイパワーのベンツといえども市販車なので、通常のレースゲームと比べて緊迫感の薄い、ややゆったりした印象だ。挙動も全体的にゆったり気味で、早め早めのハンドルさばきが必要になる。なお、100km台のレース展開が中心になるためか、ブレーキの効きは抜群によく、非常に走りやすい。もっとも挙動まわりに関してはオプションで細かく設定できるので、テスト走行で不満が出ればいろいろいじってみるといいだろう。
グラフィックスに関しては、及第レベルといった感じで、特にこれといった特徴はない。車のモデリングこそ見事だが、環境マッピングはパターン処理だし、影の処理もアバウトだ。ただ、コース全体を3Dモデル化したメリットを活かし、奥行きの描画範囲をかなり奥まで設定できるため、遠景のリアリティは抜群。空に浮かぶアドバルーンやヘリなどオブジェクトの数も多めで、車よりむしろ景観に力を入れているといった印象だ。
最近のレースゲームの基本要素のひとつとなっている物理特性については、スポンサーへの配慮のためか、車の挙動以外の部分についてはかなりアバウトな仕様になっている。衝突によるボディへの影響はまったくないし、運動性能が落ちるということもない。派手にクラッシュしても激しく横転したり、窓ガラスが吹き飛ぶといった演出もないため、物理特性まわりのリアリティはゼロに近い。レースシミュレータというよりドライブゲームといった感じの作品だ。
(C) 2004 Overland Co.,Ltd. / TDK Mediactive, Inc.
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