発売元 1C
ロシア大手のゲームパブリッシャー1Cの新作リアルタイムストラテジー「Perimeter」のPlayable Demo。昨年のE3で初公開され、傍流となって久しいボクセルテクノロジーによる3Dグラフィックスで大いに話題を集めたタイトル。相変わらず切れの悪いパフォーマンスが難点だが、ボクセルテクノロジーならではの独創的なグラフィックスは一見の価値ありだ。
「Perimeter」は、地球滅亡後の遙かな未来世界をモチーフにしたSFリアルタイムストラテジー。SF世界において比較的ポピュラーなテラフォーミングをメインテーマにしており、プレーヤーは入植部隊の総指揮官として、異星生物たちの激しい抵抗を排除しつつ、ごつごつした星を美しい入植地へと変えていくことになる。
基本的な展開は、資源を集め、建物を建て、そして軍隊を整えていくという、オーソドックスなスタイルを採用している。が、そのプロセスが非常に斬新。まず、資源は、デコボコした地面にテラフォーミングを行ない平らにしていく過程で入手できるようになっている。
同作におけるテラフォーミングは、最初から生産できるユニットを使って、その地一帯をがりがり削っていくことを指しているが、この過程が凄い。ボクセルテクノロジーによって、フィールドマップには、通常の3Dゲームではありえない量の頂点を使った膨大な数のデコボコが施されている。まずこの3D表現をフル3Dフルインタラクティブで処理してしまおうという根性が凄い。
そしてテラフォーミングと資源採集の両方を目的とした掘削作業によって岩盤の側面が削られていくのだが、通常の3D表現だとリアルタイム処理によるパフォーマンスの低下を低減するために、削られてなくなった箇所の頂点を削っていきなり平らにしてしまう。豆腐を斜めにズパッと切ったときの切り口を想像すればいい。
ところが同作の場合、頂点数を維持したまま、少しずつ少しずつ削っていく。これが入植エリアの周囲で延々繰り返されるため、あまりのリアルさというか、前代未聞の光景の連続に気分が悪くなってしまうほどだ。なお、軍事ユニットは基本的に兵士の頭数で、ロケットやレーザー、航空機といったユニットに“トランスフォーム”する。とにかく新しいことだらけのRTSだ。
頂点数が膨大なのは事実なので、真俯瞰のビューだとかなりパフォーマンスは低下してしまう。視点を変える際も頂点の間引きは行なわないため、ちらつきが発生しないのは素晴らしいが、それにしても重すぎで、何とかならないのかという気がする。Ge Force 6の登場で変わるのかどうか。グラフィックスレベルでは間違いなく次世代のRTSといえそうだ。
ダウンロードはこちら(3D Gamers)