開発元 Team6 game studio
2003年夏に設立されたというオランダのデベロッパーTeam6 game studioの新作レースアクション「Shanghai Street Racer」のPlayable Demo。Demoというより、かろうじて1ステージが走れるプロトタイプレベルの内容で、同社のラインナップはすべてカーレースアクションとなっているだけに、少々先行きに不安が残るところだ。
「Shanghai Street Racer」は、EAの人気シリーズ「Need for Speed」を彷彿とさせる、改造車で公道を暴走するタイプのカーアクションゲーム。といっても両作の間にはゲームデザイン、ビジュアル、コースのディテールなどあらゆる点で格段の差がある。
自社開発の3Dエンジンによって描かれた世界は、ぺったり平坦なフィールドになっていて、上海の摩天楼を思わす高層ビルを壁に、これでもかとばかりに直角だらけのコースが設定されている。Demoステージでは時間設定は夕方のようだが、太陽光によるライトマップ、ボディに対する環境マッピングはあるにも関わらず、肝心の影が無視されており、総じてリアリティに乏しいビジュアルとなっている。
物理エンジンもいい加減で、走行中、電灯や街路樹、フェンスといったオブジェクトはがんがん跳ね飛ばせるが、それに対する反動がまったく設定されておらず、すべてが発泡スチロール製のような、そんな錯覚に陥る。このコリジョン(衝突)エンジンのいい加減さは、ライバルカーや対向車との衝突でもいかんなく作用し、反動をほとんど気にすることなく最適なラインを維持しつつ走行を続けることが可能だ。
当然ダメージマッピングというような概念もないため、時速200kmで派手に事故ってもボディにはかすり傷ひとつ負わない。といった具合にシミュレーション性は皆無のゲームといっていいが、よくこのレベルで世に出す気になったなというのが正直なところだ。
このゲームを仮に習作と見た場合、ひとつ見込みがあるように思えたのは、レースゲームとしては最高レベルのスピード感。車の挙動もかなり怪しいので、トータルでの評価は難しいが、少なくとも直線コースでの加速感は良かった。今後に期待したいところだ。
(C) 2003 Team6 game studios. All rights reserved.
ダウンロードはこちら(3D Gamers)