発売元 Strategy First
スペインの新しいゲームデベロッパーLegend Studiosのリアルタイムストラテジー「War Time」のPlayable Demo。フル3Dフルインタラクティブのゲームデザインを採用したオーソドックスな内容で、陸海空3軍を交えた大規模戦闘がウリ。RTSファンとミリタリーファンにお勧めできる内容だ。
「War Time」は、第2次世界大戦におけるヨーロッパ戦線をモチーフにしたリアルタイムストラテジー。ミリタリーモノのRTSというと、既存の戦力で敵勢力を撃破するというスタイルが大勢を占めるなか、同作は戦場で資源を採集し、司令部を手始めに、戦車工場から飛行場、兵舎など、さまざまな建物を建設して、前線に一大基地を構築していくという珍しいゲームデザインを採用している。
資源には鉱物と石油の2種類があり、司令部で非戦闘員をスタッフを雇って採集させる。採集した資源で、歩兵や戦車、戦闘機、艦船などを調えていくことになる。見た目はごく普通の第2次大戦RTSなのだが、守りを油断していると敵戦闘機の機銃掃射で非戦闘員がバタバタやられて資源調達が滞ったり、大量の戦車部隊が現われて、一瞬で司令部を壊滅させられたりなど、非常にきわどいバランスの上に成り立っているRTSという印象がある。
生産要素があるRTSなので、結局はスピード&効率勝負になっていて、高台に戦車軍団を集めて、じっくり戦術を練るというような、戦場の匂いを感じるゆとりはまったくないいっていい。つまり、最効率で資源を集めて、最効率の軍団を編成して、最効率の経路で侵攻すれば100%勝てるというタイプのRTSだ。「Age of Empires」や「Warcraft」シリーズなど、スポーツタイプのRTSが得意なユーザー向けのタイトルといえる。
さて、Demoでは、Demo専用のキャンペーンシナリオがドイツ軍、連合軍ともに1本ずつ用意されている。ドイツ軍キャンペーンでは、輸送機による空挺部隊降下シーンからスタートする。降下地点からすぐ近くにある資源拠点を素早く武力で奪取し、司令部を構築していく。歩兵や軽戦車を使って少しずつ前線を押し広げつつ、司令部では飛行場を整備したり、兵器やテクノロジーのアップグレードを行なって、準備を調えていく。
メッサーシュミットやシュトゥーカ、ティーガーといった強力なユニットを複数揃えられれば、滅多なことでは負けなくなるが、そこまで持っていくのが難しい。適当なところでアップグレードを切り上げ、大量生産体制に移行しないと、敵の威力偵察をしのぎきれなくなる。アメリカ軍キャンペーンも同様で、とにかく敵の先手先手を打つことが重要だ。
同作の最大の弱点は、難易度調整機能がないところで、負けたからといって難易度を調整できない。幸い、マルチプレイ用のマップも2枚収録されている。マルチプレイはLAN対戦限定だが、コンピュータAIとの対戦は可能になっているので、AIを相手に感覚を掴んでいくといいだろう。
(C) 2004 Strategy First Inc. All Rights Reserved.
ダウンロードはこちら(WORTHPLAYING)