発売元 Namco
北米に本拠を構えるナムコの開発子会社Namco Hometekが開発したアクションシューティング「kill.switch」のPlayable Demo。北米公開日は11日だったが、その時点ではどうやってもゲームが起動せず紹介を見送ったのだが、アップデート版でようやく動いたので改めて取り上げておきたい。が、まだまだ不安定で、本当に3月に北米で発売されるのかという印象だ。
「kill.switch」は、コンソール向けに開発された3人称視点のアクションシューティング。Eidosの「Hitman」、Ubi Softの「Splinter Cell」あたりがライバルタイトルという印象だ。ちなみに両作はコンソールではもちろん、後発のPC版でも高い評価を受けたタイトルとして知られているが、それは移植に当たってPC向けのチューニングを施したからに他ならない。
この点「kill.switch」は、ガッチガチのベタ移植で、ゲーム開始直後に無数の違和感にとまどいを覚える。まず、インターフェイスはマウスとキーボードにきっちり割り当てられているのだが、キャラクタの移動とターゲットカーソルの動きが、アナログスティックで動かしたかのようにカクカクしており、慣れるのにずいぶん時間がかかる。
ゲーム解像度はVGAからXGAまで3段階用意しているが、テクスチャの解像度およびモデリングの精度は変わらないため、解像度を上げてもシステムメッセージ以外は綺麗にならないばかりか、むしろ粗くなるという矛盾を抱えている。爆発時やガラス破壊時のパーティクルエフェクトも処理がおざなりで、PC向けの3Dゲームのビジュアルとしてはぎりぎり及第のクオリティといっていい。
インターフェイスとビジュアルに関しては、正直に言って「おやおや」という印象だったが、ゲーム内容自体は光るものを持っている。「Hitman」や「Splinter Cell」のクリエイターが脅威を覚えるような、ナムコらしい要素というか、日本のメーカーのDNAを感じさせる部分を盛り込んでいる。キャラクタたちの豊かなアニメーション、とっさの危機をしのぐための飛び込みタイプの前ジャンプなどはその一端である。
中でも見事なのが、敵から身を隠す、銃弾から身を守る、姿を隠しつつリロードを行なう、姿を隠しつつ射撃するといった、「現実では当たり前だが、ゲームではこれまでできなかった要素」をワンキーでいとも簡単に実現してしまっているところだ。しゃがみアクションとして登録されているCキーを駆使することで、いとも簡単にハリウッド映画風の格好いいアクションが可能になる。
システム的には、周囲のオブジェクトに対応して最適なアクションを採る、というそれだけのものだが、体は敵の射線の外に隠して、手だけを出して射撃するといったアクションは、窓からのぞき見つつ射撃するといった現実世界ではあり得ない旧来のアクションに比べものにならないぐらいのリアリティを感じさせる。
Cキーを使ったアクションは、モーションが緩やかで踏み込まれたらピンチになるという大きなリスクを抱えており、有効活用できるケースは限られている。が、アニメーションが格好いいためついつい多用してしまう。インターフェイスやビジュアルは今ひとつだが、このCキーを駆使したアクションは非常に良くできている。ぜひ一度試してみていただきたい。
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